シーズン最初の古馬重賞で、当初はハクサンアマゾネスやショウガタップリなど有力馬の登録もあったが、5頭立てとちょっと寂しい頭数。重賞実績でもグランデラムジーが一昨年高知の珊瑚冠賞を勝っているだけで、金沢の重賞勝ち馬が1頭もいないというメンバーとなった。
現時点での能力ではエイシンアンヴァルが最上位と見た。昨年兵庫の重賞では3戦いずれも着外だったが、A1特別ならたびたび勝ち負けという成績。転入初戦だった前走スプリング特別を3番手から直線抜け出して快勝。タイム的には平凡だが、2戦目の上積みに期待する。
相手にはソーラーフレア。昨春、中央3勝クラスから転入して、昨年のみ行われた重賞・金沢競馬移転50周年記念でハクサンアマゾネスの3着。その後、A1特別でほとんど3着以内を外さないという成績。冬季は笠松で3戦し、金沢に戻った前走は3着だったが、先着されたのがオヌシナニモノ、ショウガタップリという重賞勝ちの常連だけに、このメンバーならむしろ評価できる内容。
昨春、中央2勝クラスから転入したフェイマスダンディは、A1特別でたびたび好走し、昨年秋にはソーラーフレアに先着したこともある。今回重賞初挑戦でも、冒頭のとおり実績馬がほとんどいないというメンバーなら勝負になる。
タイサイは、大井所属時代は長距離重賞を求めて全国を転戦し、一昨年の北國王冠で4着があった。ただ昨年金沢転入後の成績がいまひとつで、岩手から戻った前走で金沢初勝利を挙げたが、タイム的には平凡。今回、吉原騎手で人気になるならむしろ軽視したい。
◎5エイシンアンヴァル
◯1ソーラーフレア
▲3フェイマスダンディ
△2タイサイ
金沢スプリングカップの出走表はこちら
このレース、地元馬の勝利は2017年のダンストンレガーメが最後で、その後の6年間は南関東4勝に北海道が2勝。その南関東4勝も、4場の所属馬がそれぞれ1勝ずつ。今年は北海道からの遠征がなく、やはり南関東からの遠征馬が強そうだ。
川崎のエレノーラは3歳3月のデビューから2連勝。それが2着に9馬身、6馬身差という圧勝で、ともに直線はほとんど追われずの楽勝だった。前走川崎1400メートルの勝ちタイム1分32秒0は、今年第1回が行われたネクストスター東日本を勝ったギガースの1分30秒6には及ばないが、古馬C1戦でも勝ち負けになるタイム。しかもそれがほとんど追われずにマークしたタイムだけに時計短縮は可能。まだキャリア2戦ゆえ、初遠征に初めての右回りなど初物づくしの課題はあるが、能力は高そう。
対するは、昨年12月に佐賀に遠征してフォーマルハウト賞を勝ったファーマティアーズ。3歳になって、ユングフラウ賞7着、桜花賞6着はさすがに相手が強かったが、能力未知数のエレノーラは別として、このメンバーなら能力上位。
地元岩手勢は、あやめ賞1〜3着馬と金杯を制したリトルカリッジの4頭が甲乙つけがたい。
レッドオパールは門別から転入後、寒菊賞を含め3連勝。続く前走あやめ賞は3着だったが、中団から前をとらえきれずという展開的なところがあっただけに見直したい。
年末の金杯を制したリトルカリッジは、年明け初戦となった前走スプリングカップは4着だったが、勝ったフジユージーンは次元の違う強さで、2着馬とは0秒6差。牝馬では最先着だった。
あやめ賞で逃げて接戦の2着だったカリフィア、直線盛り返してあやめ賞を制したミヤギシリウスらは、展開ひとつで順序は変わりそう。また、エレノーラに真っ向勝負を挑むかどうかでも結果は変わってきそう。
◎10エレノーラ
◯7ファーマティアーズ
▲4レッドオパール
△8リトルカリッジ
△9カリフィア
△5ミヤギシリウス
留守杯日高賞の出走表はこちら
門別1勝から転入したハリウッドスマイルは、転入初戦の金沢シンデレラカップこそ大敗したが、その後3勝を挙げた。負けたレースでも、笠松に遠征したライデンリーダー記念は、この世代名古屋の大将格といえるミトノユニヴァースの3着。笠松所属として出走した梅桜賞は着順こそ8着だが勝ち馬とは1秒0差。3月10日の3歳A1特別3着は、勝ったのが2歳時に圧倒的に強かったダヴァンティ。そのダヴァンティが抜けた牝馬同士なら能力最上位といえそう。金沢1500メートルの持ちタイムも、重馬場ではあったが金のなる木賞の1分36秒3は今回のメンバー最速。
トルピードは、ハリウッドスマイルの4勝に次ぐ通算3勝。デビューから3連勝後、1番人気で臨んだ金沢ヤングチャンピオンは4着だったが、牝馬では最先着。3月の特別開催では出走予定だった初戦が取止めとなって、あらためて休み明け初戦となった若駒賞は上位3頭差のない決着の3着だった。ひと叩きしての上昇に期待する。
その若駒賞でトルピードに先着しての2着だったのがエムティトップ。門別未勝利から転入後1勝のみだが、前残りの展開をダブルアタックに半馬身差で食い下がり、トルピードを1馬身差で振り切った。
中央未勝利から転入初戦でエムティトップ(2着)に半馬身差で3着だったラシェンテは転入3戦目での上積みがあれば上位食い込みも。
酒井法子さんが名付けたというスターマンモスは昨年7月のデビュー戦3着の後、兵庫、笠松所属として走り、藤田弘治厩舎の所属となって今回が3戦目。牝馬同士なら見せ場を期待したいところ。
◎2ハリウッドスマイル
○8トルピード
▲7エムティトップ
△1ラシェンテ
△5スターマンモス
ノトキリシマ賞の出走表はこちら
昨年末の高知県知事賞は、ともに長距離適性のあるユメノホノオ、ガルボマンボが、まさに火の出るような一騎打ちとなって、ユメノホノオが半馬身差でねじ伏せた。ガルボマンボは年明け3戦、結果が出ていないが、1900メートルが舞台となれば、この2頭の能力が抜けている。高知県知事賞では3歳のユメノホノオが1kg軽かったが、今回は同斤量。しかしながらユメノホノオには4歳になっての成長分がありそうで本命としたが、ガルボマンボにも逆転の可能性はある。いずれにしてもこの2頭が中心となると、馬券をどう絞るかが難しい。
3番手はモダスオペランディ。昨年のこのレースはガルボマンボの3着。マイル以下が舞台なら◎◯相手にもチャンスはあるが、高知での実績は1400メートル。ただ中央時代は1800メートルを中心に使われていただけに、あらためてこの距離に対応してくれば侮れない存在だ。
だるま夕日賞3着だったデシジョン、黒潮マイルチャンピオンシップ3着のダノンロイヤルらもやはり高知での実績はマイル以下で、食い込む余地があるかどうか。
◎2ユメノホノオ
◯1ガルボマンボ
▲6モダスオペランディ
△10デシジョン
△3ダノンロイヤル
二十四万石賞の出走表はこちら
昨年末、北上川大賞典、トウケイニセイ記念、桐花賞と重賞3連勝の快進撃を見せたのがノーブルサターン。春にはシアンモア記念も制しており、2023岩手競馬アワードでは、年度代表および4歳以上最優秀馬に選出された。明けて10歳になったが、その実績からは負けられない一戦だ。ただ昨年は、桐花賞を制して以来3カ月ぶりの実戦となったこのレースで4着に敗れていただけに、今回も休み明けの状態が気になるところ。
トウケイニセイ記念、桐花賞でそれぞれノーブルサターンの2着、3着だったのがヴァケーション。ダートグレードや南関東遠征では苦戦しているが、一昨年春の転入以降、岩手の地元同士の対戦で3着以内を外したのは昨年のシアンモア記念(7着)だけ。まだ7歳でもあり、ベストのマイル戦ならノーブルサターンに迫る見せ場もありそうだ。
フレイムウィングスは、北上川大賞典、桐花賞で、ともにノーブルサターンの2着で、桐花賞ではヴァケーションに先着した。昨年春の転入後、勝ち星こそないものの、6月のみちのく大賞典以降はマーキュリーカップJpnIII(6着)を度外視すれば3着以内を外していない。昨年秋以降の4戦はいずれも勝ち馬と1秒未満の差だけに、ここであっと言わせる場面もあるかもしれない。
グランコージーは古馬になってから重賞タイトルこそないが、それでもたびたび善戦はしており、前走冬休み明け初戦となった1600メートルの弥生特別では格下相手ながら5馬身差の圧勝。上記3頭がいずれも桐花賞以来の実戦となるところ、ひと叩きしての上昇度で食い込む余地はありそう。
浦和から中央障害戦を経験して転入初戦となるライアン、川崎で2戦して再転入初戦となるスズカゴウケツらも能力的にはそれほど見劣らない。
◎5ノーブルサターン
◯7ヴァケーション
▲3フレイムウィングス
△6グランコージー
△12ライアン
△1スズカゴウケツ
赤松杯の出走表はこちら