岩手古馬戦線の注目馬の1頭、コミュニティが得意の距離に戻ってスピードの違いを見せてくれそうだ。今シーズン、重賞では青藍賞から絆カップを連勝。南部杯JpnIでは4コーナーで先頭に並びかけようかという勢いで進出し、結果7着だったが、中央の一線級を相手に見せ場をつくった。北上川大賞典はさすがに距離が長かったが、それでもレコード決着から2馬身+半馬身差の3着。ナムラタイタン不在となったここは負けられないところ。
JBCスプリントJpnIに出走(11着)してそのまま岩手に移籍したキモンレッドにも期待。昨年のJBC後に移籍した南関東では残念ながら勝ち星を挙げられなかったが、岩手移籍初戦となった前走師走特別は、すんなりハナに立つと直線突き放して6馬身差の圧勝。今後の活躍が期待されるレースぶりだった。
ランドオウジは、青藍賞ではコミュニティの3着だったものの、JBCスプリントチャレンジの栗駒賞を快勝し、さすがに南部杯JpnI、JBCスプリントJpnIは苦戦したが、水沢に開催が替わって1400メートルのスプリント特別を圧勝。8月のすずらん賞ではコミュニティを負かしたこともあり、ここでもチャンスはある。
コスモセンサーは、転入初戦の水沢で、さすが中央オープンという強さを見せた。しかしその後の3戦はいまひとつ。転入初戦の強さをもう一度見せられれば。
中央から転入して芝の重賞を連勝しているシルクアーネスト、中央から転入初戦のA級二組戦を勝ったカリスマアキラ、南関東から転入後A級で4戦3勝のブラゾーハリーらも上位に食い込む可能性は十分にある。
◎12コミュニティ
◯7キモンレッド
▲11ランドオウジ
△6コスモセンサー
△5シルクアーネスト
△8カリスマアキラ
△9ブラゾーハリー
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佐賀のB級馬によるS2重賞。この開催では、1400メートルの師走賞と、翌21日に行われる1800メートルのつばき特別と、B級馬が分かれて出走になるようだ。
ドントタッチミーが、このクラス、この距離での成績が安定している。転入初戦に勝利を挙げて以来2着3着続き。転入初戦の馬との比較は難しいが、過去5走、佐賀で勝ち星を挙げている馬がほかにいないというメンバーならチャンスが巡ってきたといってよさそうだ。
一発ありそうなのが、兵庫から移籍初戦のバカニシナイデヨ。兵庫のA2特別で入着していたという実力なら、このメンバーでは能力上位。
南関東から戻っての初戦となるのがデビルマンゼウス。昨年1年間、佐賀のC級では3着を外したことがなく、移籍した南関東では3勝を挙げたものの、近走はいまひとつという成績。とはいえ南関東の厳しいペースに揉まれてということであれば、このクラスでいきなり通用という可能性はある。鞍上は移籍前と同様山口勲騎手だ。
中央から転入のトーホウジュリアは芝を中心に使われており、前走も芝1200メートルで1分8秒台をマークしていたというスピードがあることは間違いないが、地方のダートがどうか。
エイシンガリレイは兵庫から転入3戦目。園田ではC級ではあるものの、1400メートル戦で5連勝があった。この距離でというところはあるかもしれない。
◎9ドントタッチミー
◯7バカニシナイデヨ
▲3デビルマンゼウス
△10トーホウジュリア
△11エイシンガリレイ
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いよいよ古馬によるシーズン最後の大一番、中日杯。心配なのは天気だ。開催延期が2週続き、そして中日杯当日も今のところ雪予報。なんとか無事にと願いたいところ。
北國王冠に続いて、今回も勝負はケージーキンカメか、ジャングルスマイルか、ということになりそう。斤量もそのときと同じ54キロと56キロ。ケージーキンカメは、ダービーグランプリ遠征で差をつけられての4着敗戦の影響が少なからずあると見て、今回はジャングルスマイルに期待する。これまで中日杯は、2010、2011、2013年と3回出走して、異なる相手に先着を許していずれも2着。百万石賞と北國王冠はすでに勝っているだけに、地元同士の伝統の古馬長距離重賞で獲っていないのはこのタイトルだけとなっている。
3番手は、北國王冠で上記2頭からはやや離されての3着だったマイネルリボーン。今シーズン、交流の白山大賞典を別とすれば、地元の古馬重賞は2、3、3、3着。強い相手とは差があるが、確実に上位には顔を出している。
中央未勝利で転入し、下級条件から連戦連勝でクラスを上げてきたナンディン、A-1特別で常に善戦しているケージーアメリカンらが馬券圏内に食い込めるかどうか。
◎10ジャングルスマイル
◯4ケージーキンカメ
▲5マイネルリボーン
△11ナンディン
△8ケージーアメリカン
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なぜか半分から外の枠に有力馬が固まった。3〜4コーナーのポケットからスタートする水沢1600メートルの外のほうの枠で不安はあるものの、実力を評価した。
今回1頭だけ他の牡馬より2キロ重い57キロを背負うスペクトルだが、それ以上に力が抜けていると見る。これまでに地元馬で先着されたのは、フロムミートゥユー、トーホクフェアリー、そしてロールボヌールの3頭だけ。そのうちロールボヌールは別格だが今回は不在、あとの2頭はその後の直接対決で負かしている。しかも前走フューチャーステップは、今回と同じ水沢1600メートルで2着に10馬身差をつけての圧勝だから、力をつけてきてもいる。ここは鬼(ロールボヌール)のいぬ間にタイトルを獲っておきたいところ。
レジェンドロックは4戦目の前走が初勝利だが、その前の芝1600メートル戦ではスペクトルに半馬身差まで迫っての2着があった。今回は相手が2キロ増となるところで、再び迫れるかどうか。落馬負傷で療養中の山本聡哉騎手に替るのは、今年のリーディングトップが確定したといっていい村上忍騎手だ。
やはり怖いのはシーズンが終了して移籍してきた北海道デビュー馬。グッドギアーは北海道では未勝利戦を勝ったのみだが、1200メートル以下しか使われず、岩手に移籍して門別にはない1400メートル戦で2連勝。2歳のB級とはいえ、ともに完勝だった。岩手で素質開花となるかどうか。
マックスキュアは、北海道では秋に未勝利から2歳5組を連勝。転入初戦の前走ではグッドギアーの3着だったが、門別での初勝利が1700メートル戦だっただけに、この距離で逆転という可能性はある。
クインオブザナイトは初勝利が12戦目だが、掲示板を外したのが2回だけと、相手なりに走るタイプ。前走ではグッドギアーに1馬身半差の2着で、マックスキュアには先着している。
トーホクフェアリーは、南部駒賞5着、プリンセスカップ6着で、ともに差をつけられての敗戦だった。とはいえ今回、ロールボヌール不在の地元同士なら上位争いに食い込んでくる可能性はありそう。
◎8スペクトル
◯12レジェンドロック
▲9グッドギアー
△10マックスキュア
△11クインオブザナイト
△7トーホクフェアリー
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ナムラタイタンとコミュニティは、この秋のJpnI、マイルチャンピオンシップ南部杯、JBCクラシックで地元の期待を背負って走り、両レースとも地方馬だけで見ればナムラタイタンが最先着で、その次の着順がコミュニティ。さすがに中央の一線級には刃が立たなかったが、地元の意地は示した。
岩手移籍後にはまだ一度も地方馬には先着されていないというナムラタイタンだが、今回はコミュニティのほうを軸にした。理由としては、まず2500メートルという距離。たしかにナムラタイタンは2000メートルのみちのく大賞典を楽勝しているが、果たしてさらなる距離延長となると血統的なところが心配になってくる。もうひとつの理由は、コミュニティはここまでかなり厳しいレースを経験しているということ。たとえばマーキュリーカップJpnIIIでは果敢に向正面まで逃げ、着順こそブービー12着だったが、レコード(当時)決着を演出した。JBCクラシックでも1~2コーナーあたりまで中央の有力馬の直後を追走するという積極的なレースを見せた。今回は逆転できるチャンスと見る。
このレース連覇がかかるのがモズ。昨年は見事な逃げ切りだったが、ナムラタイタンやコミュニティ級の馬がいなかったこともたしか。今回が北海道から再転入して2戦目となるが、門別では重賞の2戦ともに勝ち馬からは大差をつけられてという成績だったのが気になるところ。
コパノツイテルは、中央から再転入して4戦目。重賞初挑戦だが、岩手ではまだ底を見せていない。上位争いに食い込んでくる可能性はある。
イケドラゴンは中央から転入してC級からの再スタートだが、10月までは中央のオープンで走っていた。ダートの長距離でどんな走りを見せるか。
◎2コミュニティ
◯6ナムラタイタン
▲11モズ
△5コパノツイテル
△8イケドラゴン
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