天山賞は、笠松から戻っての初戦、7番人気のステイシーファレルにしてやられたという感じのレースだった。とはいえ勝ちタイム的には、同じ良馬場の九州ジュニアチャンピオンよりも2秒以上遅いもの。この時期の佐賀はどうしても転入馬のほうが優勢で、ここは北海道から転入初戦のハイネを中心に取る。JRA認定競走はとうとう勝つことができなかったものの、アタックチャレンジでは2着が4度もあり、そのとおり実力的には認定競走勝ち馬にもヒケをとらない。門別の2歳重賞でも毎年レベルの高い馬が集まるサンライズカップでは6着だったが、勝ったタケルオウジから0秒9差はむしろ評価できる。さらに門別での最終出走となった前走ウィナーズチャレンジでは3/4馬身及ばず、またも惜しい2着だった。実力は一枚抜けているように思う。
九州ジュニアチャンピオンでは1番人気に支持されながら3着だったダイリンザンは、前にいたイッセイイチダイ、キングオブザメインに先に仕掛けられて届かずという競馬。実力的には差はない。転入初戦の上記ハイネをはじめとする転入初戦の馬との力関係は未知数だが、佐賀の既出走馬との比較なら能力上位は間違いない。真島騎手への乗替りでも期待。
ゴルデンドラマは天山賞で3着。勝ったステイシーファレルとは、同じように後方から向正面で仕掛けていったが、ステイシーファレルが内々の経済コースから位置取りを上げたのに対し、ゴルデンドラマは外々を回って3/4馬身+アタマの差。展開ひとつで巻き返しは可能だ。
天山賞を制したステイシーファレル、天山賞では結果を残せなかったもののその前に2歳1組戦で1、2着のワットプラケオ、ウールーズらが上位に食い込めるかどうか。
◎3ハイネ
◯11ダイリンザン
▲8ゴルデンドラマ
△5ステイシーファレル
△4ワットプラケオ
△6ウールーズ
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エスワンプリンスがこのレース連覇を狙って、満を持しての遠征だ。前走JBCスプリントは9着。着順はともかく、かなり時計の出やすい馬場だったとはいえ、1200メートルを1分10秒8というタイムで走った経験は生きるはず。地元にはなかなか都合よく使える1400メートル戦が少なく、それゆえのJBCスプリント遠征だった。輸送や激戦の反動が心配といえば心配だが、現状では年間の目標としてきたのがこのレース。大外枠に入ってしまったが、必ずしも逃げなくても競馬はできる。今年も南関東から実績馬が遠征してきたが、去年もナターレを負かしている実力だ。
6歳になったゴーディーが好調だ。6月の武蔵のオープンを圧勝して以降、重賞では勝ち切れないとはいえ、常に惜しいレース。前走マイルグランプリでは、セイントメモリー、グランディオーソというダートグレードでも好勝負という2頭に続いての3着。課題は初の遠征と笠松の小回りコースか。母はアラブのイケノエメラルド。デビューは名古屋で、笠松コースでもアラブダービー、アラブギフ大賞典という重賞を制した。母仔による笠松での重賞制覇の期待がかかる。
ジョーメテオは、前々走のマイルグランプリは7着だったが、続く前走、韓国と交流のインタラクションカップで2着と好走。この馬も南関東の重賞でたびたび上位争いをしているだけに、ゴーディーとも実力差はない。
クリスタルボーイは、今年2月のオッズパークグランプリでレコード決着の3着。そのときの走破タイムが重馬場で1分25秒0。対してエスワンプリンスの昨年の勝ちタイムが良馬場で1分24秒5。その差を詰められるかどうか。
地元笠松勢では、夏のくろゆり賞を制しているタッチデュールが上位争いに加われるかどうか。
◎10エスワンプリンス
◯3ゴーディー
▲5ジョーメテオ
△6クリスタルボーイ
△4タッチデュール
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トーコーヴィーナスが、いよいよ中央との対戦。もちろん応援したい、勝ってほしい、という思いはあるが、これまで強い相手に揉まれた経験がなく、それを考えると、ダートで芝で4頭中3頭が2勝というメンバーに入って、絶対の本命というところまでは推しにくいというのが正直なところ。
キャプテンシップは、デビュー戦は逃げ切りだったものの、2戦目のヤマボウシ賞では集団のうしろ7番手あたりに控える競馬で、ゴール前差し切り勝ち。最後の一瞬の脚が際立っていた。デビューから手綱をとっているのが岩田康誠騎手で、園田コースということであれば頼もしい。
トーコーヴィーナスは、兵庫では力が抜けていることは間違いないが、速いペースを経験している中央馬が相手で、持てる力を発揮できるかどうか。今回初めて調教で強めに追い切られたようで、初めての強敵相手にどんな競馬を見せるか。
トーセンラークは、前走アルテミスSは3カ月ぶりということもあったのだろう、11番人気でしかなかったが、直線見せ場があっての惜しい3着だった。初めてのダートと小回りコースをこなせるかどうかがカギとなる。
ウィッシュハピネスはエーデルワイス賞JpnIIIでは1頭だけ次元の違うスピードを見せた。今回4番枠に入って、おそらく逃げることになるのだろう。ダートでは2戦2勝と底を見せていないが、中央のメンバーのレベルが上がって、牡馬相手で、エーデルワイス賞のように楽な競馬にはならないであろうことから△まで。
初ダートのもう1頭はタケデンタイガー。中央馬では唯一の1勝馬だが、函館2歳ステークスが2着で、このときはトーセンラーク(4着)に先着した。この馬も初ダートをこなせるかどうか。
北海道から遠征のオヤコダカは、4走前のブリーダーズゴールドジュニアカップ、2走前のウィナーズチャレンジでは強い勝ち方を見せたが、反面、サンライズでは見せ場がなく、前走北海道2歳優駿JpnIIIでは直線で失速。強い時のレースができれば十分勝負になると思うのだが、長距離遠征と初めての小回りコースでどうか。
◎2キャプテンシップ
◯10トーコーヴィーナス
▲3トーセンラーク
△4ウィッシュハピネス
△7タケデンタイガー
△9オヤコダカ
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高知では、佐賀で重賞3勝というクロスオーバーが4月の土佐春花賞以来地元では走っておらず、今回もダービーグランプリ遠征で不在となった。
ニシノマリーナとニシケンメイピンは、直接対決では勝ったり負けたりで、しかしここ2戦はニシノマリーナが先着。黒潮菊花賞では、逃げたニシノマリーナに対してニシケンメイピンがぴたりと追走してきたが、ニシノマリーナが突き放して完勝。そして前走ミラク特別では、枠順の関係でニシケンメイピンが前に行くことになったが、直線で一杯。ニシノマリーナはなんとか食い下がって4着に入り、ニシケンメイピンは6着という結果。この秋の充実度から、ここでもニシノマリーナに分がありそうだ。
怖いのはモントランブラン。中央未勝利から転入しての3連勝は、いずれも一方的なレースぶり。ただそれは最下級条件のC3クラスのものであり、たとえばニシノマリーナは3走前にA-2クラスでコンマ3秒差の3着という実力。一気にそのクラスの差を埋められるかどうか。もうひとつ、モントランブランは中央でのデビュー2戦目、1700メートル戦で大敗しているように、距離に壁があるかもしれない。
マルチヴィグラスは、一冠目の黒潮皐月賞ではニシケンメイピンにクビ差2着という成績があったが、あとの二冠では6、7着と惨敗。ただ前走古馬B-1特別で勝ち馬からコンマ4秒差の3着なら調子を上げてきていると見てよさそう。
中央未勝利からの転入初戦を逃げ切ったリゼコーフィーだが、タイム的なところでも実力はまだ未知数。このメンバーに入ってどこまで。
◎3ニシノマリーナ
○4ニシケンメイピン
▲8モントランブラン
△9マルチヴィグラス
△5リゼコーフィー
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南関東のクラシックで上位を争ってきたメンバーが強そう。10月21日のスターバーストカップでは、ダンスパフォーマー2着、ドラゴンエアル3着。好位から直線で早めに先頭に立ったダンスパフォーマーに対して、ドラゴンエアルはいつもどおり後方からで、4コーナー手前からムチを入れて追ったが、伸びてはいるものの反応イマイチで届かずという競馬だった。とはいえドラゴンエアルは、京浜盃では直線抜群の切れを見せてハッピースプリントに1馬身3/4差まで迫っており、羽田盃3着、東京ダービー4着と能力上位であることは間違いない。休養明け2戦目での上積みにも期待。これまで重賞2着2回、3着2回、4着1回と、もう少しのところで手が届いていないが、ここでタイトル奪取を狙う。
相手はやはりダンスパフォーマー。小回りの水沢コースだけに、好位追走から早めに抜け出して押し切るという場面も十分考えられる。
ケージーキンカメは、北國王冠で秋になっての充実ぶりを見せた。2周目向正面からジャングルスマイルと一騎打ちとなり、ゴール前でじわじわと前に出て1馬身先着。ジャングルスマイルといえば、今年正月の川崎・報知オールスターカップでは3コーナー過ぎで見せ場をつくっての6着と南関東の重賞でも互角に戦える実力を見せた。ケージーキンカメはそれを真っ向勝負で負かしたとあれば、上記2頭をまとめて負かす場面も考えられる。
ファイヤープリンスは押し出されてという感じでの△までだが、古馬A2クラスで揉まれている実力を考えればそれほど差はない。ただ東京ダービーで除外となり、2000メートルは今回が初距離となるのがどうか。
岩手三冠を狙うライズラインが地元勢では断然だが、さすがにこのメンバーに入ると善戦までだろう。
◎10ドラゴンエアル
○9ダンスパフォーマー
▲8ケージーキンカメ
△6ファイヤープリンス
△12ライズライン
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