
6月15日(日)、第6Rでマナマハロに騎乗した高松亮騎手が1着。この勝利で地方競馬通算2000勝を達成した。岩手競馬所属騎手で2000勝達成は史上8人目、今シーズンでは山本政聡騎手に続く記録達成となった。
高松亮騎手「今日、無事2000勝という大きな区切りを達成することができました。ちょっとつれない答えになるのかもしれないですけど、次の1勝、2001勝を目指してコツコツとやって、これからも結果を求められるジョッキーでいたいですし、その期待に応え続けれるようなジョッキーでいたいと思ってます」
6月17日終了時点で58勝をマークし、リーディングジョッキー首位を堅持する高松亮騎手。次週にはヒロシクンとのコンビで一條記念みちのく大賞典2連覇の偉業達成も待っている。
23日メインはB1級特別「朝顔賞」(水沢1600m)。1頭だけ抜けた成績を残しているが、今回は負担重量が58キロ。この酷量を克服できるか否かが最大焦点となった。
ダブルラッキーは今季初戦4着にとどまったが、実戦を使われながら着順もアップ。2戦目3着から2戦連続2着後、目下3連勝中。いずれも完勝の内容で勝負づけが済んだメンバー構成。ただ、先にも記したように今回は58キロを背負うのが最大ネック。過去最高は56キロまでだが、プラス2キロがどう影響するか―。結論は若干割り引きながらも地力の違いで克服できると見た。
レールガンは昨年1勝のみだったが、ファン投票・桐花賞で0秒5差6着。今季はB級へ降格してあっさり2連勝をマーク。健在を誇示したが、以降は4戦連続で3着。年齢的な衰えが見え隠れするが、前走は2着キタノコンドルとは0秒2差。多少でもペースが流れるようなら自慢のまくりを披露する。
キタノコンドルは前々走7着に沈んだが、1400mの忙しい競馬が合わなかった。マイルに戻った前走でレールガンに先着2着。軌道修正に成功した。元々が相手なりに駆ける堅実さが身上。特に水沢マイル戦は8戦2勝2着2回と最も相性がいい条件。
サンエントジアスタは前走、スタート直後につまづいて落馬のアクシデント。幸い人馬とも無事だったことが何より。レース後もダメージはほとんどなく、順調そのもの。ベストの水沢1600mを舞台に仕切り直しの一戦を迎えた。
ウインダークローズは今季2戦目12着に大敗したが、前後して1勝2着2回3着2回と抜群の安定感。B1級2戦3着と頭打ちの印象もあるが、ペース落ち着けば今回も好勝負に持ち込める。
マルケイアローは今季3戦目を快勝後、3戦連続で着外に終わったが、前走2着に反撃。外枠が微妙だが、自分の競馬ができれば粘り再現。
◎⑩ダブルラッキー
〇④レールガン
▲⑥キタノコンドル
△⑪サンエントジアスタ
△⑤ウインダークローズ
△⑨マルケイアロー
<お奨めの1頭>
5R ルレット
目下2連勝中と好調サイクルをキープ。前走も余裕の逃げ切りを決め、外枠でももう一丁いける
22日メインは3歳馬による水沢1400m重賞「第49回ウイナーカップ」。1着馬から3着馬には7月8日に行われる地方競馬全国交流「第13回ハヤテスプリント」(盛岡ダート1200m)への優先出走権が与えられる。
ポマイカイは昨年、早池峰スーパースプリントを優勝したダイセンメイトの弟。姉譲りのスピードを前面に6戦2勝2着3回の成績でネクストスター盛岡を優勝。2歳最優秀馬に選出された。同レース後、テンコートレセン(福島)へ移動して坂路で乗り込まれて帰厩。復帰戦のスプリングカップを逃げ切り、重賞2連勝を飾った。
続く門別交流・ネクストスター北日本は相手が強く8着、前走は盛岡マイルが合わず3着に終わったが、今回はベストの水沢1400m戦。折り合いに課題を抱えるため、1コーナー入りが早い小回り水沢は大歓迎。首位を奪回し、交流・ハヤテスプリントへ弾みをつける。
ピカンチフラワーは昨年、いの一番に行われた2歳新馬戦を快勝し、2戦目2着、ビギナーズカップ3着。ネクストスター盛岡は7着に終わったが、牝馬交流・プリンセスカップで北海道勢を相手に4着に善戦して南関東へ移籍。大井2戦7、4着から再転入。初戦のあやめ賞を快勝した。その後は放牧に出て復帰戦のイーハトーブマイル2着。ポマイカイ58キロの負担重量に対し、54キロは魅力。逆転首位まで十分。
ステイクラッシーはデビュー戦を快勝し、2戦目・若鮎賞3着から3戦目を快勝したが、以降は単調な脚質が災いして凡走の連続。南関東移籍後も2戦着外に終わったが、再転入後は2着3回3着1回。控える競馬もこなせるようになって安定感を増した。勝ち切れないのがネックだが、流れ次第で待望の重賞制覇のシーンも考えられる。
キングミニスターは門別3戦1勝からジュニアグランプリへ参戦。芝からダート変更され、実力を誇示して快勝。門別に戻って3着から平和賞(船橋)6着、JpnI・全日本2歳優駿8着。直後に南関東へ移籍したが、2戦着外に終わって岩手入り。2戦3着止まりだが、徐々に復調ムードを漂わせている。
サンカリプソは門別3戦1勝から転入。2戦目を快勝した。以降は苦戦だったが、昨終盤戦を快勝。今季も2戦目から3戦連続で2着。持ち味の先行力と粘りを披露している。
リュウノナポレオンは南関東2着2回3着3回から転入。5戦2勝2着2回と好走を続けている。重賞初挑戦だが、奥手で知られるレイデオロ産駒。成長力を前面に突破できるか興味深い。
◎⑥ポマイカイ
〇③ピカンチフラワー
▲⑩ステイクラッシー
△①キングミニスター
△④サンカリプソ
△②リュウノナポレオン
<お奨めの1頭>
1R ティファニーアイス
転入後は先行力と粘りを武器に2着1回3着2回。今回は絶好枠、少頭数、相手有利と好走条件がすべてそろった
6月15日(日) 「第10回早池峰スーパースプリント」(オープン 水沢850m)
大外10番枠からラストバリオンが好スタートを決め、先手を奪う。ロードオブザチェコが2番手につけたが、3番手を追走エイシントルペードが徐々にスピードアップ。3コーナー過ぎにロードオブザチェコを交わして2番手。4コーナーではラストバリオンを捕らえて直線入り口で先頭。ラスト200mからもしっかり伸び切り0秒2差で完勝。転入初戦を重賞制覇で飾った。2着には一旦3番手に下げたロードオブザチェコがラストバリオンを交わして確保した。
1着・エイシントルペード=山本聡紀騎手
「レースイメージはできていたが、転入初戦なので分からないところだらけ。ただ気性的に難しいところがあるのは頭に入れていました。今回は枠順も良かったと思います。3コーナーで逃げたラストバリオンより自分の方が手応えが良かったので、あとはリズムを大事にした。気性的に油断はできないが、自分の競馬ができれば1200mも問題ないと思います。短期騎乗ですが、最初から勝ち負けできる馬に乗せてもらえただけではなく、重賞まで勝たせてもらい、とても感謝しています」
板垣吉則調教師
「姫路で800mを勝っているので適性はあるだろうなと思っていたが、気性的に紙一重。園田時代は自分の競馬ができないとモロさを出していたそうですから、今回のトレードも良かったと思う。今日みたいな揉まれない競馬ができれば強さを発揮しますからね。能力は高いと思っています。次走は岩鷲賞へ向かう予定だが、自分の競馬ができるかどうかに尽きると思います」
エイシントルペードの父エイシンヒカリは香港カップ、イスパーン賞(フランス)と海外GI2連勝し種牡馬入り。同馬は産駒3世代目にあたり、門別2勝から園田へトレード。園田820m1勝、姫路800m1勝、園田1230m1勝と計3勝をマークしたが、コメントにもあるとおり気性難を抱えて好、凡走の落差が激しかった。今回は揉まれることが少ない8番枠を引き当てたのも強運。自分の競馬ができたのが最大勝因だった。岩鷲賞でも同じことが言え、内枠に入った際には割り引きが必要かもしれない。
2着・ロードオブザチェコは南関東2勝から中央入り。中山ダート1200m・2勝クラスを完勝し、3勝クラスから転入。初戦の水沢1400m戦を1秒3差で圧勝した。2戦目はレース間隔が開き、太め残りだったため4着に終わったが、ひと叩きされて2着に巻き返した。岩鷲賞でも目が離せない存在になる。
3着・ラストバリオンは中京ダート1200m1勝から南関東へ移籍。大井1000m5勝、川崎900m2勝から岩手入り。白嶺賞は1400mが長く8着に終わったが、続く850m戦を快勝。以降は4、5着に終わり、850m戦で巻き返しを期待されたが、3着止まり。1200mで行われる岩鷲賞は距離が課題だろう。
今週の岩手競馬
6月22日(日) 「第49回ウイナーカップ」(3歳 水沢1400m)
6月23日(月) 「朝顔賞」(B1級 水沢1600m)
6月24日(火) 「夢・希望 未来へ前進」(B2一組 水沢1600m)
6月15日に行われた古馬ダート850mのスプリント重賞『早池峰スーパースプリント』。今年はこれが転入初戦だったエイシントルペードがV。鞍上は山本聡紀騎手、この名称になって10回目にして初めて期間限定騎乗の騎手が優勝して歴史に名を刻みました。
10頭立てフルゲートの大外枠から果敢に飛び出したのは2番人気ラストバリオン。エイシントルペードはゲートを出てからの加速が少し鈍く、直後の一瞬は最後方近くにその姿が見えたほど。しかし「それも想定していた」という山本聡紀騎手、そこから加速していくと今度は3コーナーあたりでもうラストバリオンの外に並ぶ位置にまで巻き返しました。
そして手応えは外エイシントルペードの方が上。ラストバリオンを競り落とし、そんな先行争いを見ながらチャンスをうかがっていたロードオブザチェコの追い上げも寄せ付けず、1馬身と1/4差を付けてエイシントルペードがゴール。鞍上・山本聡紀騎手はこの勝利が嬉しい重賞初制覇となりました。
6月17日のメインレースは12Rです。A級三組・ダート1600mの『撫子特別』12頭立て。このレースの本命は(3)ライトフィールダーです。
6着に敗れた前走でしたが、当日は前残り傾向が強い日で、出遅れをいったん巻き返しはしたものの脚を使った分最後失速・・・という形の敗戦。確かにスタートがすごく速い馬ではないのでそういうリスクがある馬、ではありますが、前走時は馬場傾向の影響もあってそれがいつも以上に結果に反映されてしまったという印象でした。力量自体は昨年の3歳世代の中でも上位のものを持っている馬ですし、実際開幕直後の3月にはA級三組戦で4着、月曜のA級二組戦で上位に入っている馬たちと互角に戦えていました。すんなり力を出し切れれば前走の雪辱可能と見ます。
対抗には(1)メイショウメイスイを。白星先行ではないものの上位堅実なのは7歳になった今季も変わらず。ベストは雨馬場なのでしょうが良馬場であっても力は出せる馬です。本馬の半弟メイショウタバルが宝塚記念を制したのが日曜日。その余勢がこちらにも・・・もちょっと期待してみたい所。
三番手は(12)コンバットスプーンでどうでしょうか。着順の数字は後退している近況ですがレースでの立ち回り、存在感はむしろ徐々に増してきている印象があります。昨秋にはA級上位でも健闘していた馬。そろそろ馬券圏内に食い込んできても良い頃合い。
以下はまず(5)カツゲキダイオウ。この春の転入直後は苦戦しましたが直近4連続馬券圏内と勢いを取り戻してきています。マイルは長いかとは思いますがこの勢いに注目して。もう一頭は(11)ケープライトを。ベストは短距離という印象が強くなってきましたがマイルが苦手という事はありません。地力の高さを軽視は禁物。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(3)=(1)、(3)=(12)、(1)=(12)、(3)→(5)、(3)→(11)、
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14日(土)、岩手県の初夏の風物詩「チャグチャグ馬コ」の行進行事が行われた。今年は昨年より4頭多い64頭がきらびやかな装束をまとい、滝沢市の鬼越(おにこし)蒼前(そうぜん)神社から盛岡市の盛岡八幡宮までの約14キロを練り歩いた。
チャグチャグ馬コはかつて馬産地で名を馳せた岩手ならではの伝統行事。田植えが終わった時期に、農作業を手伝った馬に感謝し、無病息災を祈願したことが始まりとされる。年々、参加頭数の減少が深刻さを増していたが、今年は4頭増。関係者が伝統行事を守り、また繁栄させるための努力が一部実った。
チャグチャグとは装束に多くつけられた鈴の音から。みなさんもチャンスがあったら参加してほしい。滝沢市から盛岡八幡宮までをゆっくり行進するだけの祭りだが、間違いなく感動すると思います。
16日メインはC1級特別「種山高原賞」(水沢1400m)。フルゲート12頭で争われ、前走1着馬が5頭、2着馬が4頭。C1級に在籍する好調メンバーが顔をそろえた。
中心はロードディフィート。中央芝2勝から南関東へ移籍。6戦して6着2回が最高に終わり、岩手へ転入。最下級へ格付けされてあっさり4連勝をマークした。盛岡に替わって2戦連続2着に終わったが、今度は4戦4勝の水沢が舞台。2戦2着に敗れたうっ憤を晴らし、首位を奪回するチャンス。
ピヤージュは2歳時に門別から転入。初戦2着から2連勝をマークし、南関東へトレードされたが、2戦10、4着から再転入。スランプ時期が長かったが、昨年11月、B2戦を快勝。以降はコンスタントに上位を確保し、前回完勝。これで上昇ムードに乗った。
グッバイアイザックは中央4戦0勝、園田を経て転入。いきなり3連勝を飾った。B2昇級後は3着が最高だったが、前回快勝。本調子を取り戻した上、今回はC1へ降格。これまで水沢戦は3着1回が最高だが、メンバー緩和。逆転2連勝まで十分。
ヤマニンビローは昨年12月30日のC1戦を快勝。今季初戦はB2級に格付けされて6着に終わったが、以降はC1へ降格。持ち味の決め手を発揮して前々走・新緑賞7着をはさんで2着2回3着3回。勝ち星4勝はすべて水沢戦。コース替わりも味方にする。
サムズアップは大井2勝、門別2勝・A1、園田B1から一昨年転入。格付けがきつく久しく鳴りを潜めていたが、今季は2勝2着3回。前走も0秒1差1着だった。引き続きマーク欠かせない。
ファームフレッシュは前走B2戦でグッバイアイザックの0秒2差2着。相手なりに駆ける堅実さを身上とする。
◎⑪ロードディフィート
〇①ピヤージュ
▲③グッバイアイザック
△⑫ヤマニンビロー
△⑧サムズアップ
△②ファームフレッシュ
<お奨めの1頭>
2R トラネスハープ
B1からC2降格後もなかなか勝てなかったが、前回快勝。待望の岩手初勝利を飾った。同じ850m戦ならもう一丁いける