
12月31日メインは2024年度・岩手競馬レギュラーシーズンを締め括る「第48回桐花賞」(水沢2000m)。今年のテーマはずばり世代交代。5年間にわたってトップを張り続けてきたゴールデンヒーラーは12月23日、スプリント特別5着がラストラン。29日(日)、引退セレモニーが行われ、今後は生まれ故郷の下河辺牧場で繁殖生活に入る。また一昨年の年度代表馬ヴァケーションは金沢へ移籍し、2年(以上も含む)連続で桐花賞出走はノーブルサターン、フレイムウィングス、レールガンの3頭のみ。1年で勢力図が一気に変わった。
中心はもちろんヒロシクン。中央1勝クラスから転入後、B1級あっさり3連勝を飾り、一條記念みちのく大賞典へ強気の挑戦。いきなり一線級相手でどうかと思ったが、鮮やかな逃げ切りを決めて快勝。秘めた素質がついに開花した。
その後も順当に白星を積み重ね、敗戦を喫したのはJpnIII・マーキュリーカップ、JpnI・マイルチャンピオンシップ南部杯のみ。夏休み明けの青藍賞、前走・トウケイニセイ記念ではグランコージーの執拗なマークに遭ったが、後続を振り切って快勝。地元同士の戦いでは負けなしを続けている。
あえて不安点を捜せば主戦の高松亮騎手が落馬負傷中のため、塚本涼人騎手がピンチヒッターで騎乗すること。しかし先行馬に乗るとうまさを発揮する特長を見込んで佐藤雅彦調教師が指名したに違いない。過去に塚本涼人騎手は準重賞・桂樹杯を制しているが、仮に今回優勝すれば重賞初制覇。これもフレッシュな話題となる。
ミニアチュールは昨年、牡牝馬クラシック四冠を獲得して最優秀3歳馬に選ばれた強豪牝馬。川崎遠征・ロジータ記念10着後、スランプに陥り、今シーズンも当初2戦凡走したが、3戦目の盛岡1000m戦を完勝。この一戦をきっかけに7月から圧巻の5連勝。牝馬交流・ビューチフルドリーマーカップも制した。
気がかりは前走・トウケイニセイ記念6着。好位をキープしたが、直線一杯になって失速。敗因は何だったか今回で答えが出ると思うが、現時点で考え得ることは久々の実戦が影響したかもしれない。ひと叩きして桐花賞へ臨み、巻き返しなるか注目が集まる。
サクラトップキッドは典型的なステイヤー。春は追走に手こずっていたが、東北優駿でフジユージーンの2着から覚醒。3歳重賞・やまびこ賞で初重賞を手にし、JpnII・不来方賞6着。フジユージーンとの差を0秒3差まで詰め、以降は古馬へ果敢に挑戦。青藍賞3着、前走は岩手競馬最長距離戦・北上川大賞典を完勝。成長一途をたどっている。
ペースがゆったりすると追走も楽になったのが最大勝因。その意味で今回の2000mは望むところ。まだ成長途上だが、ハイレベル世代ナンバー2の底力に期待したい。
ノーブルサターンは昨年、春はシアンモア記念を制し、秋以降は北上川大賞典、トウケイニセイ記念、桐花賞と重賞3連勝。文句なしで年度代表馬に選ばれた。今季も赤松杯から始動して4着からシアンモア記念3着。連覇を果たせず4ヵ月半休養。リフレッシュに専念して満を持して復帰。しかし本来の豪快さが影を潜めて北上川大賞典2着が最高。
今回は桐花賞3連覇の偉業がかかっている一戦。得意の水沢2000m、寒い季節を味方に復活の雄たけびをあげるか。このまま引き下がってしまうのか。年度代表馬の意地を見たい。
ゴールドギアは中央芝5勝。昨年、転入後も芝交流などで好走し、最優秀ターフホースの座を獲得。今年は芝の主要重賞が取りやめとなったのは不運だったが、ダートもこなせるのが強味。あすなろ賞2着、一條記念みちのく大賞典3着、北上川大賞典3着、すずらん賞3着。共通するのは距離が1800m以上。2000mは望むところ。
フレイムウィングスは昨年ほどの安定感がないのが気がかりだが、すずらん賞2着、あすなろ賞3着。昨年の桐花賞で2着を確保し、こちらも2000mがベストの舞台。
<お奨めの1頭>
3R ラヴリーディスク
中央未勝利、門別から転入後1勝2着2回。今回はメンバーが甘くなり、首位を奪回するチャンス
2024年のレギュラーシーズンもいよいよあと僅か。この稿の時点では30日・31日の2日を残すのみとなりました。
「2024年度」としては来年3月の特別開催も入るのですが、シーズンとしての実質的な区切り、騎手・調教師リーディングなどの記録類の区切りは「今年の3月から始まって12月いっぱいまで」でカウントされます。ここを終えると冬休みに入る事もあり、以前よりも"区切り感"がはっきりもしていますね。
そんな年末の4日間、騎手リーディング首位の山本聡哉騎手が騎乗停止、同3位の高松亮騎手が負傷など多数の騎手が不在になっているという一抹の寂しさがある一方、その窮地を救うべく門別・佐賀から応援騎乗に来てくれた騎手たちが良いレースをたくさん見せてくれて盛り上がりも見せてくれています。残る日程が無事終えられるよう、あとは祈るばかり。
12月30日のメインレースは12Rに行われる2歳重賞『金杯』、ダート1600mの12頭立て。前哨戦になるはずだった寒菊賞が、当日が降雪のため開催取り止めになっていて一ヶ月以上レース間隔が開いている馬も多数なのですが、その後の力関係の変化は大きなものではなさそうで、結局は寒菊賞の頃の力関係・相手関係がここにも通じるのかなと感じる顔ぶれになりました。
金杯の本命は(7)マツリダマスラオを採りました。
夏頃まではマイルではちょっと長いのかな、1400mでもちょっと展開に注文が付くのかな・・・と思いながらこの馬の事を見ていたのですが、秋頃から1400mはおろかマイルでも好レースを見せるようになり、それが重賞・若駒賞制覇、南部駒賞での地元最先着にもつながって来たのかと感じます。
距離にはまだちょっと懸念を感じたりもしてしまうのですがそれは自分の先入観というか固定観念なのかもしれません。調教でもしっかり動くようになった今はマイルでも中心の期待をかけていいでしょう。
対抗は(8)キングオブワールド。旧地では中距離路線で戦い、徐々に時計を詰めつつ、徐々に安定感も増して・・・というところでの転入。レースぶりを見る限り、門別のマイルでも早めに押し上げていける機動力がある一方で末脚はちょっとジリジリした感じ。それが水沢でどう出るか?また、南部駒賞を制したバリウィールとの比較では、夏頃の1700mの時計は同馬から1.5秒ほど差があるような感じなのですが、南部駒賞でのバリウィールとマツリダマスラオとの差が2.1秒あった事を思えば計算上は足りていいもの。ここはやはり水沢でどれだけ動けるかが焦点になりそう。
三番手は(4)ラヴェイを。一進一退しながらもここのところは走る度に良化感。距離にはまだ課題が残るかもですが、若駒賞の頃から良化分のプラスアルファがあるならば差が縮まって良いはず。
(12)コニパも地力的にはここでも足りると期待しつつ△。(6)マルケイロジャーも一連の戦績を見る限りここで力の差は無く、盲点になるようならむしろ狙い目。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(7)=(8)、(7)=(4)、(7)=(12)、(7)=(6)
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29日メインはB1級一組「クレマチス賞」(水沢1600m)。人気上位はある程度、絞ることができるが、ヒモ候補が散在。簡単にノーマークできる馬は少なく、手広く押さえたいメンバー構成となった。
本命はサンエイブレーヴ。気性難を抱えて好走が続かないタイプだが、今季5勝はすべて水沢1600m戦。盛岡もこなすが、安定した成績を残すことができなった。しかし盛岡最終戦2着から水沢コースに替わって目下2連勝中。いずれも僅差だったが、水沢1600m戦は過去8勝2着2回。2連勝も納得の結果と言っていい。
一つ気になるのは内3番枠を引き当てたこと。包まれて自分の競馬ができないと凡走のケースがあるが、幸いなことに逃げの手を打てる可能性大。それならばマイペースに持ち込んで3連勝へまい進できる。ただ、繰り返すが揉まれると失速もあることを頭の片隅に置いて欲しい。
ライルアケカイは中央5戦0勝から門別へトレード。4勝2着4回3着2回の成績から転入。直前の門別1800mで行われたB4以下のレースを勝った実績はダテではなく、初戦の水沢1600m戦で出遅れながらも2着に惜敗。道中はインに入れ、直線でも迷わず内に進路を取って猛追。サンエイブレーヴにクビ差まで肉薄した。今度は水沢1600m2度目で逆転首位まで十分。
ジャッジは昨年4月、中央ダート2勝から転入。A級で2戦連続2着を確保した。その後は順調さを欠いて休養にも入ったが、復帰後は降格にも恵まれて9戦連続で連対を継続した。A級復帰後は3着1回が最高だったが、前走はB1へ降格して2着。格上ぶりを垣間見せた。前走タイム比較では若干見劣るが、B1級なら今回も勝ち負けに持ち込める。
シゲルヒカルダイヤは3走前9着、前走8着に終わったが、前後して1着3回。気分良くレースができないと凡走するが、うまく流れに乗れれば強さ一目。その意味で揉まれない外10番枠は好材料。首位を奪回するシーンも十分。
タイセイマイウェイは盛岡<0・1・0・4>に対して水沢<2・1・1・0>と明らかに右回り巧者。前回快勝で改めて証明した。メンバーは骨っぽくなったが、コース適性を前面に上位争い必至。
タイセイメガロスは笠松から7ヵ月半の休養を経て転入初戦9着、重賞・あすなろ賞7着以外はすべて入着を確保。大崩れない差し脚を身上とする。岩手1勝のみが気になるが、ここでもマークが欠かせない。
◎③サンエイブレーヴ
〇②ライルアケカイ
▲⑧ジャッジ
△⑩シゲルヒカルダイヤ
△⑤タイセイマイウェイ
△⑥タイセイメガロス
<お奨めの1頭>
6R カルーナブルガリス
水沢850mに替わって目下2連勝中。前走は逃げ切りだったが、控える競馬も問題なく追いかける手
今週は28日(土)~31日(火)の4日間開催。今開催で岩手競馬はレギュラーシーズンのフィナーレを迎える。30日は2歳重賞「第49回金杯」、31日は大みそか恒例の岩手競馬グランプリ「第48回桐花賞」。いずれの重賞も乗り替わり予定が多数ありますので、レース確定後にご確認ください。
28日メインは岩手県調騎会騎手部会協賛「夢・希望 未来へ前進」。今回はB1級・水沢1400mが舞台。最終開催らしくフルゲート12頭で行われ、3歳から11歳馬が出走。さらに好調馬がずらり。どの馬にもチャンスありの一戦となった。
主軸にゴットゴーゴーを指名する。中央芝1200m1勝3着2回後、ダート路線へシフトしてダート1400m戦で3着3回。今年9月に転入して1勝2着2回3着1回。ほかに4着2回とすべて入着を果たしている堅実さが身上。前々走は後方待機策から直線一気を決めて快勝。待望の岩手初勝利を飾った。
前走は一転して2番手からの競馬。エスクマが逃げ切りを決められたが、ゴットゴーゴーは後続の追撃を封じて2着を死守した。今回は12頭中9頭が元A級馬。格上がそろったが、安定度を重視。単候補というより、3連複、馬連の中心としてお奨めしたい。
サンエイコンドルは昨年、南関東C1級から岩手入りして5勝マーク。今季はA級へ昇格したが、1勝2着2回。そのままオープンに定着するかに見えたが、以降は凡走の連続。4着が最高だったが、B1級降格2戦目2着。その後は好、凡走の落差が激しかったが、前走は4番手インに控えて直線抜け出しを決めて快勝した。今回も人気を集めそうなムードだが、不安は好走が続かないこと。取りこぼしが少なくない点で対抗評価としたが、勢いを重視するなら逆転2連勝まで十分。
アーバンキッドは中央芝3勝オープン、障害を経て転入。初戦場は盛岡芝だったが、ダートもこなせるのが強み。特に近2走1、2着。融雪剤を含んだ馬場を味方に好走を続けている。前走も2着ながら直線で猛追して1着マルーントリックにアタマ差まで肉薄。古豪健在を誇示し、首位を奪回する。
マルーントリックはエンパイアペガサスの妹だが、ムラなタイプで今季は3歳準重賞・はまなす賞(ダート変更)1勝のみ。以降は5着が最高だったが、前走快勝。久々の美酒を味わった。好走要因は揉まれない外枠から2番手をキープできたから。今回も12頭立て10番枠を引き当て、連勝態勢に入ったか。
カミノコは今シーズン順調さを欠いて8月のB1戦を快勝後リタイア。11月に復帰して2戦目に再びB1級へ降格したが、最内1番枠に泣いて6着。着順からは狙いづらいが、今度は手ごろな7番枠。巻き返しに転じて不思議はない。
エイシンガネーシャは中央1勝、園田5勝、笠松1勝・A級から転入。勝てないレースが続いたが、4走前快勝。そして前回は0秒4差で完勝し、弾みがついた。
◎⑨ゴットゴーゴー
〇②サンエイコンドル
▲⑧アーバンキッド
△⑩マルーントリック
△⑦カミノコ
△⑥エイシンガネーシャ
<お奨めの1頭>
7R ランドフリード
前走1番人気2着だったが、勝ったリックフオとは0秒1差。強豪抜けた今回は首位を譲れない
いよいよ今開催の通常開催は12月28日(土)~12月31日(火)の4日間で終了。2ヵ月余りの冬休みに入るが、先週は落馬中止が相次いだため高松亮騎手、南郷家全騎手、佐々木志音騎手が負傷。また山本聡哉騎手、坂口裕一騎手は4日間の騎乗停止。よって現在、騎乗可能な地元ジョッキーが13名となったため、急きょ4名の他地区ジョッキーが水沢で騎乗する。
桑村真明騎手(門別)12月28日~12月31日。青海大樹騎手(佐賀)12月28日~12月30日。金山昇馬騎手(佐賀)12月28日~12月30日。小松丈二騎手(佐賀)12月28日~12月31日。出水拓人騎手(佐賀)12月28日~12月29日。
この非常事態に助っ人で騎乗してくれるのはありがたい限り。4名の善意と協力により、ラスト4日間も水沢競馬が開催できる運びとなった。厳寒期の中ですが、好プレイを期待しております。
続いて遠征情報。12月31日終了後、短期免許による冬期間の他地区遠征騎手の情報が発表された。
・山本聡哉騎手=南関東、船橋・山下貴之きゅう舎。1月20日(月)~3月21日(金)。
・岩本怜騎手=高知、宮川浩一きゅう舎。1月3日(金)~2月19日(水)。
・小林凌騎手=佐賀・手島勝利きゅう舎。1月4日(土)~3月2日(日)。
・塚本涼人騎手=笠松、後藤正義きゅう舎。1月4日(土)~1月31日(金)。
12月22日(日)、最終12R終了後、陶文峰元騎手の引退セレモニーが行われた。セレモニーには陶元騎手のご家族、中学校の同級生、水沢農業乗馬部の仲間なども列席し、花束を贈った。
引退セレモニーはインタビュー形式で行われた。陶文峰元騎手「最後の重賞騎乗となった北上川大賞典でサクラトップキッドで優勝できましたし、ラスト騎乗のゼットセントラルでは騎手生活を噛み締めながら騎乗しましたが、勝ったのはできすぎ、自分でもビックリ。無事にレースを乗り終えて(騎手を)やり切ったと思います。レース後、初めてウイニングランをしてゴール前でステッキをスタンドのファンに投げましたが、届かなかった。ですから戻って改めてファンへ渡しました。一番の思い出はデビュー戦です。アブミが外れて焦りましたが、何とかゴールできたことです。本日は寒い中、最後まで待ってもらえてすいません。これからは調教師として頑張りますので、陶きゅう舎の応援をよろしくお願いします」
同じく引退情報。ゴールデンヒーラー(牝6歳 父タートルボウル・佐藤祐司きゅう舎・水沢)が12月23日(月)、スプリント特別5着で現役にピリオド。生まれ故郷の下河辺牧場で繁殖生活に入る。
2020年6月にデビューして35戦16勝2着6回、重賞11勝。2020年に最優秀短距離馬、2021年、2022年と2年連続で最優秀牝馬に選ばれ、2022年のマイルチャンピオンシップ南部杯(JpnI)で5着に善戦した。引退式は12月29日(日)、最終12R終了後に行われる。
今週の岩手競馬
12月28日(土)メイン12R「夢・希望 未来へ前進」(B1級 水沢1400m)
12月29日(日)メイン12R「クレマチス賞」(B1級一組 水沢1600m)
12月30日(月)メイン12R「第49回金杯」(2歳 水沢1600m)
12月31日(火)メイン12R「第48回桐花賞」(ファン投票 水沢2000m)