今週から舞台は盛岡競馬場へ替わり、10月14日(月)、「第37回マイルチャンピオンシップ南部杯」(JpnI 盛岡ダート1600m)で最大イベントを迎える。開催替わり初日6日メインは2歳重賞「第2回ネクストスター盛岡」(盛岡ダート1400m)。昨年はフジユージーンが圧勝し、以降の活躍も周知のとおり。今年は絶対的王者は不在だが、フジユージーンに続く大物誕生を期待したい。
サウザンドマイルはデビュー戦、850mが短すぎた上、距離不足と砂を被る競馬にもとまどって2着に終わったが、ひと叩きされて反応が一変。2戦目は好位からあっさり抜け出して快勝。芝からダート変更された重賞・若鮎賞を6馬身差で圧勝した。前走、地方競馬全国交流・ジュニアグランプリは3着に敗れ、北海道勢が1、2着を独占。サウザンドマイルは若鮎賞のタイムを2秒詰めたが、地区レベル差は如何ともしがたかった。その後はネクストスター盛岡に合わせて調整を進めて態勢万全。地元同士なら主役は譲れないだろう。
ラポジートはデビュー戦から非凡なスピードを披露。サウザンドマイル相手に1秒3差をつけて逃げ切り圧勝。2戦目も1秒2差で逃げ切ったが、3戦目は7着に大敗。気難しい面をのぞかせ、今後に課題を残す一戦だったが、ビギナーズカップを完勝。前半は2番手に控えて3コーナー手前で先頭に立ち、そのまま押し切って完勝。軌道修正に成功した。最内1番枠が微妙だが、勢いに乗った今なら重賞2連勝まで十分。
ポマイカイは重賞・早池峰スーパースプリント(水沢850m)を優勝したダイセンメイトの弟らしく、デビュー戦の盛岡ダート1000mを1秒8差で圧勝。血の優秀さをアピールしたが、2戦目は道中で掛かりっ放しで2着。3戦目は1600m延長もこたえて6着。前途に暗雲が立ち込めたが、1400mへ短縮されて反撃。2戦連続で2着を確保し、ビギナーズCでは折り合いついたのが最大収穫だった。
ラヴェイは門別1000mの2歳・新馬戦を完勝。4戦目にはJRA札幌・クローバー賞(芝1500m)へ挑戦後に岩手入り。初戦はサンカリプソに敗れたが、2着を確保。この一戦と叩いてネクストスター盛岡は当初の予定どおり。左回りは未経験だが、盛岡は地元コースなら問題ない。
マツリダマスラオはデビュー戦2着から2戦目を快勝。以降も2着1回3着2回にまとめ、若鮎賞2着にまとめたが、前走・ビギナーズCで7着。出遅れを喫した上、見せ場すらも作れなかった。敗因はレースに集中できなかったこと今回が真価を問われる戦いとなる。
ピカンチフラワーは今シーズン第一弾の2歳新馬戦を4馬身差で圧勝。幸先のいいスタートを切ったが、2戦目は2着に敗れて戦列離脱。ビギナーズCは3ヵ月ぶりの実戦ながら3着確保。ひと叩きされてさらに良化確実。
◎⑫サウザンドマイル
〇①ラポジート
▲⑩ポマイカイ
△⑪ラヴェイ
△③マツリダマスラオ
△⑦ピカンチフラワー
<お奨めの1頭>
2R メイショウハコブネ
デビュー2戦で芝を使って前走ダート1700m6着から転入。先行力もあり、初戦からいける
9月29日(日) 「第11回ヴィーナススプリント」(牝馬オープン 水沢1400m)
単勝130円の圧倒的1番人気に支持されたミニアチュールがよもやの出遅れ。まったく予期しなかった後方2番手からの競馬となった。逃げたのはトーセンキャロル。これも意表を突かれたが、盛岡3勝2着2回に対し、水沢は3着すらなし。本質的には切れ勝負型だが、山本聡哉騎手はコース特性を考えて思い切った戦法に出た。
2番手には前走OROターフスプリント5着からそのまま岩手入りしたジュランビル、3番手にグットフォーチュン、4番手インにケープライト。続いてラッピングカラーズ、ルチルクォーツの隊列。ミニアチュールは腹をくくり、後方待機先を取り、コースロスなくレースを進めた。
向こう正面でミニアチュールが満を持して前へ進出。先行グループも隊列は変わらず、逃げトーセンキャロルの外でジュランビルが馬体を併せにかかる。一方、2番人気グットフォーチュンは手応えが怪しくなって徐々に離されていき、その外からミニアチュールが外を回って進出する。直線はトーセンキャロル、ジュランビルの戦いに持ち込まれたが、直線半ばからミニアチュールが猛追。外から一気に伸びて2頭をまとめて差し切った。
1着・ミニアチュール=佐々木志音騎手
「レース前は外グットフォーチュンの動きを見ながら進めようと思っていたが、ゲートの中で態勢が悪くて出遅れてしまった。でも以前に盛岡1000mで砂を被っても怯まなかったので、慌てることはない。コーナーをロスなく回った方がいいと頭を切り替え、後方に待機して3コーナーからスパートをかけた。直線を向いても前の2頭とは離れていたので途中まで怪しいかなと心配したが、最後伸びてくれたので届いてくれると思いました。春先とは状態が全然違いますし、勝つたびに良くなっている感じがします」
佐藤祐司調教師
「ビューチフルドリーマーカップで力の差は分かっていたから、指示は出していない。勝ち負けする位置につけると思っていたが、まさかの出遅れ。ゲートを出た瞬間は(きゅう舎へ)帰ろうかなと思いました(笑)。あのポジションは想定外だったが、今回のような競馬もできて改めてビックリしている。鞍上が慌てず乗ったことも勝因だったと思う。次走については悩んでいるところ。南部杯の可能性もない訳ではありませんが、ローテーション的にきびしいので、次走はすずらん賞になるかもしれません」
ミニアチュールは昨年度の最優秀3歳馬だが、ロジータ記念以降はスランプが続き、古馬オープンの壁にも突き当たっていたが、今シーズン3戦目の盛岡1000m戦を完勝して壁を突破。これで4連勝をマークした。鞍上はずっと佐々木志音騎手。前走・ビューチフルドリーマーカップで初重賞を手にし、今回は痛恨の出遅れを喫しながらも快勝。佐藤祐司調教師のコメントにもあるとおり、慌てず馬の能力を信じてじっくり構えたのが最大の勝因。同騎手はミニアチュールとともに成長の階段を上っている。
今週の岩手競馬
10月6日(日) メイン11R「第2回ネクストスター盛岡」(2歳 盛岡ダート1400m)
10月7日(月) メイン12R「夢・希望・未来へ前進」(B1級三組 盛岡ダート1600m)
10月8日(火) メイン12R「ハダル賞」(B1級一組 盛岡ダート1600m)
9月29日に行われた牝馬の短距離重賞『ヴィーナススプリント』は1番人気ミニアチュールが優勝。人気に応えて4連勝、重賞・準重賞3連勝を果たしました。
ただし、"人気に応えて見せた"のは確かですが、ミニアチュールの走りは必ずしも安心して見ていられた・・・でもなかったようです。スタートで出遅れて一周目のスタンド前直線は最後方、観客のどよめく声と共に通過していきます。向こう正面に入ってもまだ最後方近くにいたミニアチュールでしたが「焦って動いてはいけないと腹をくくりました」と佐々木志音騎手、向こう正半ばで外に出し、3コーナーを前にしてマクリながら上昇していきます。
4コーナーでは7番手くらい、一番前にいる2頭、トーセンキャロルとジュランビルとの差もまだ5馬身ほどあるか。さすがに間に合わないかと感じた残り100mほど、ここから急激に伸び始めたミニアチュールは前との差を一気に詰めて、そして捉えて交わしてゴールイン。ゴールの瞬間は余裕すら感じるほどの差し切り勝ちとなりました。
同馬はこれで4連勝、同厩の女王ゴールデンヒーラーが戦列を離れている間に新たな女王候補が生まれつつあります。
暦は10月に入って秋の水沢競馬は今日10月1日で終了。次週からは盛岡競馬場に舞台を移します。今季の岩手競馬も終盤戦に入りましたが14日にはマイルチャンピオンシップ南部杯が行われますし、6日のネクストスター盛岡、20日の若駒賞、11月3日のプリンセスカップと2歳重賞も続きます。晩秋の盛岡競馬もお楽しみに。
10月1日のメインレースは12Rの『スプリント特別』ダート1400mの10頭立て。本命は(7)ドルズプライスレスを採りました。
9月以来の休み明けだった前走は4着でしたが、上位馬からは大きく離された位置であまり高く評価できるものではなかった・・・というのが正直なところ。休み明けの方が良いタイプではありますが、本来少し長いマイルできっちりマークされてはさすがに厳しかったということも言えるでしょう。
今回もまだ良化途上ではあるようですが、距離は手頃な1400mになります。春先は同じ距離の重賞で、ゴールデンヒーラーには敵わなかったものの今回とほぼ同じ面々には先着していました。距離が変われば結果も変わってくると見てもう一度本命視。
対抗は(10)キモンリッキー。自身のキャリアの中では1000mから1700mまで勝ち星を挙げていますが、オープン級で戦う今は1000mはちょっと忙しくマイルはメンバー次第、1200~1400mのあたりが戦いやすい印象。前に行く馬、この馬から見ればマークできる馬もいますし、近走の借りをまとめて返すにはちょうど良い舞台設定。
(2)サンエイウイングが三番手。先行タイプですがハナにこだわる事は無いですし、今回くらいのメンバーともやり合える力もある。日曜あたりと違って先行馬有利な馬場傾向に変わってきている点も味方に。
ヒモは少しひねったところを狙っていって(4)テングクラブ、(6)ローグネイションを。現状ではB1くらいの実績ですが、印上位の数頭の他は同じような戦績。ならば良馬場の1400mで悪くない時計を持っている馬を敢えてピックアップ。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(7)=(10)、(7)=(2)、(10)=(2)、(7)→(4)、(7)→(6)
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