今年もまたフェブラリーS覇者対前年の覇者の構図になった南部杯。本命は(1)レモンポップを採る。
昨年の逃げ切り勝ち、それも後続に大差を付ける圧倒的な勝利の印象は1年経った今でも強烈。それはファンのみならず関係者にとっても同様で、他馬の陣営からも「あの馬が今年も強いだろう」という声が必ず聞こえてくるほど。これがさきたま杯のような小回りコースなら、あるいはもっと長い距離なら、紛れが生じる余地もあるだろうが、ワンターン・マイルという力を出しやすいコース形態、特にレモンポップのような快速先行馬にとってはベストとも言える舞台でとなると、いきおいレモンポップの出方にどう対応するか?が話の前提になるのは仕方がないとも言えるだろう。
さて、レモンポップの前走・さきたま杯は終始行き脚を促す厳しい形にはなったが、それは小回り・1400mの条件で勝つために採った策であって、それで勝ち切ったことを高く評価していいもの。直前の追い切りでの併走遅れも実質的な本追い切りは事前に済ませており大きな影響は無いと見ていいもの。
カギは馬場状態で、今年は好天が続いた状態で本番を迎えることになりそうなだけに昨年のような超高速馬場ではない公算が高く、昨年のような大差勝ちまでは無いと考えるのが妥当なのだろうが、それでもこの馬の先行力は計算できるはず。
対抗は(4)タガノビューティー。追い込んで届かずが多いのは陣営も認めるところ。しかし末脚は常に強烈でG1級でも勝利目前まできているのも確かだ。昨年のこのレースや今年のかしわ記念、さきたま杯は前が止まらない状況に追い上げきれなかったが存在感はしっかり見せている。昨年のかしわ記念のように競り合う形に持ち込めたなら惜敗続きにピリオドも。
(14)ペプチドナイルが三番手。フェブラリーSは11番人気からの勝利だったが、本格化してきた今、その人気が彼の実力を反映したものとするわけにはいかない。この馬にとってのカギであり懸念は大本命の影響を受けやすい脚質になるという点。フェブラリーSのように勝負所までスムーズに、脚を使わずに流れに乗っていけるかが焦点で、それには◎の出方が大きく影響する。うまく流れを掴めたなら・・・だが果たして。
△筆頭は大井(7)サヨノネイチヤを。いろいろ初物尽くしなだけに過大な期待は禁物だろうが、帝王賞でもJRA勢の間に割って入っているように今の勢いは魅力十分。先行勢の動き次第では一角崩すシーンも想像してみたい。
そして(2)ミックファイア。マイルに矛先を変えてここ参戦も早い時期から決めていた。間隔は開いたが仕上がりは順調、あとは長距離輸送の影響がどうか?だけ。
(10)ダイシンピスケスは中距離で伸びてきた近走だが左回り・マイルを苦手にはしていない。間隔短めとは言えひと叩きされて挑んでくる点も有利と考えたい。
★印
◎1
○4
▲14
△7
△2
△10
★買い目
3連単フォーメーション
1,4→1,4,14→2,4,7,10,14
(横川典視)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
阿部英俊騎手が地方競馬通算2000勝へ王手をかけている。先週終了時点で1999勝。菅原勲元騎手、小林俊彦元騎手、村上忍騎手、山本聡哉騎手に続いて岩手競馬史上5人目の偉業達成に挑む。
阿部英俊騎手は1992年10月24日デビュー。翌年4月12日、ダートボーイで初勝利を飾り、1999年にはGII(当時)、東京盃をサカモトデュラブで優勝。岩手競馬でG(Jpn)IIを勝っているのは阿部英俊騎手のみ。みなさんも大記録達成の瞬間を見てほしい。
10月13日(日)、阿部英俊騎手の騎乗予定馬
1R ロデオスターメイト
4R リリーピンシャー
5R クリノサンレオ
6R ショコラショー
7R マイネルヒッツェ
8R メイショウソウゴン
9R サーフライド
11R コスモピエドラ
12R リュッカクローナ
13日メインはC1級一組「ポルックス賞」(盛岡ダート1600m)。出走全馬が前走・水沢戦を使った馬ばかり。さらに昇級馬、降格馬、3歳から古馬編入馬が入り混じり、波乱の要素をたっぷり含んだ一戦となった。
主軸にマルケイアローを指名する。岩手デビューで昨年はA級まで出世。今シーズンはB1級でスタートして3着2回。6月2日、B1戦3着後、2ヵ月半の休養から復帰。クラスがC1へ下がり、2戦目の前走2着にまとめた。これで今後のメドが十分に立ち、今回から得意の盛岡戦。特に盛岡ダート1600mは4勝2着1回3着1回とベスト条件。待望の今季初勝利を飾る。
パールホワイトイブは近親が有馬記念馬ブラストワンピースの良血馬。東京ダート1300mで2着2回から転入し、初戦2着。ブライティアブエナが逃げ切ったが、クビ差2着に惜敗した。小回りに加えて初の地方ダートにもとまどったか。今度は東京コースと同じ盛岡が舞台。古馬編入戦だが、むしろメンバーは楽。コース広い盛岡で首位を奪取する。
デルマアシュラは今季B2からスタートして1勝マーク。2走前からC1へ降格して2着、4着。前走は元A級ファイナルマズルが相手では4着も仕方なし。差しがきく盛岡で反撃に転じる。
ゴールドクレストは気分屋のためにアテにできないが、3走前のB1・盛岡1600m戦で35秒6の驚異的な上がりを披露して完勝。周囲を驚かせた。以降は5、4着に終わったが、ツボにはまれば一気突き抜ける。
クイーンカードは今年4月に待望の初勝利を飾った。以降は伸びを欠いた時期もあったが、近走2着2回3着1回と成長期に入った印象。上昇力なら引けを取らない。
マイネルシュラークは大井C2から転入初戦のC1・盛岡1400mを強いレースで完勝。以降は6、3着だったが、コース替わり歓迎。
◎⑫マルケイアロー
〇⑥パールホワイトイブ
▲⑤デルマアシュラ
△③ゴールドクレスト
△⑧クイーンカード
△②マイネルシュラーク
<お奨めの1頭>
2R ロワアブソリュー
前走は2ヵ月近くの休養から復帰戦だったが、C2では能力が違うとばかり快勝。走破タイムも文句なく、2連勝にまい進する
10月6日(日) 「第2回ネクストスター盛岡」(2歳 盛岡ダート1400m)
最内1番枠に入ったラポジートが逃げ、2番手にポマイカイ、3番手にピカンチフラワー、4番手にマツリダマスラオ、1番人気サウザンドマイルはその後ろを追走した。ラポジート、ポマイカイは快速で知られた2歳馬。前半35秒9は2歳馬としてはハイペースだった。
4コーナー手前まで隊列はほぼ変わらなかったが、ポマイカイが徐々にラポジートに接近。直線入り口で先頭に立ち、後続も一気に進出してきたが、前半のリードした分も味方に、2着サウザンドマイルに1馬身半差をつけて押し切った。
1着・ポマイカイ=高松亮騎手
「菅原勲きゅう舎の馬に乗るのは久々でしたから、騎乗依頼を受けて以降、レース前までは少し緊張した。ですが最高の形で勝つことができてホッとした。前半は行く馬がいたので出しすぎず置かれすぎず。ペースは速かったと思うが、2頭とも行く馬なのでリズムを大事にした。勝負どころから動こうと思っていたら、馬も反応してくれた。さすがに最後は脚が上がり気味になったが、頑張ってくれました。前走(ビギナーズカップ2着)から折り合いがつくようになったので、自信を持って臨んだ。騎乗チャンスをいただき、恩返しができました」
菅原勲調教師
「今回の追い切りも最高に良かった。課題だった折り合いも問題がなかったし、前半の貯金も大きかった。初騎乗だったが、鞍上もうまく乗ってくれた。おそらく1400mはぎりぎりの距離。1200mがベストだと思う。そうなると今後の重賞は距離が合わない。それにようやく状態が良くなってきたので無理はさせたくない。もしかすると来春に向けて休養に入るかもしれない」
ポマイカイは今年春、早池峰スーパースプリント(水沢850m)を優勝したダイセンメイトの弟。父がコパノリチャードからベストウォーリアに変わったが、2戦目から行きたがって折り合いに苦労するレースの連続。しかしビギナーズカップから精神面の進境度がうかがえ、今度は完勝。収穫の多い一戦となった。レース後の雑談で菅原勲調教師が語った。「このまま成長してくれたらいっしょに遠征してみたい。ラブバレットのように」
2着・サウザンドマイル
デビュー2戦目から2連勝を飾り、芝からダート変更の若鮎賞を6馬身差で圧勝。続くジュニアグランプリは北海道勢の壁が厚く3着だったが、自身の盛岡1600m持ちタイムを2秒更新。今回は地元同士の戦いで1番人気に支持されたが、1400mでは距離不足だったか。直線猛追したが、2着にとどまった。なおレース後、軽い剥離骨折が判明。復帰は来春になる可能性が高い。
今週の岩手競馬
10月13日(日) 「ポルックス賞」(C1級一組 盛岡ダート1600m)
10月14日(月) 「第37回マイルチャンピオンシップ南部杯」(JpnI 盛岡ダート1600m)
10月15日(火) 「スプリント特別」(オープン 盛岡ダート1000m)
10月6日に行われた2歳馬の重賞級認定競走『ネクストスター盛岡』は3番人気のポマイカイが優勝。5月に新馬戦を制してからの約5ヶ月ぶりの勝利を重賞タイトルで飾りました。
レースは戦前の予想通り2番人気ラポジートがハナに立って開幕。ポマイカイは外枠から好スタートを決めて2番手を確保します。それなりによどみのない流れ、後続は、結果的にはこの前の2頭を見ながら進む形。いわば目標になる形になった同馬でしたが鞍上・高松亮騎手は「自分の馬のリズムを大事にしていました」とあくまでも折り合い重視のスタンス。
後続が徐々に迫ってきた3~4コーナー、ここで勝負をかけて先頭を奪うポマイカイ。ロングスパートをかけた形になった同馬の脚色はさすがに徐々に衰え、一団となった後続が急激に詰め寄ってきますが、ゴールでは1馬身半、まだまだ縮まらない差がそこにはありました。
ポマイカイはこれで7戦2勝、重賞は3度目の挑戦で初勝利。次戦は「適距離が地元にないので早めの休養入りも含めて検討中」と管理する菅原勲調教師でした。
1番人気サウザンドマイルは最後追い詰めてきましたが及ばずの2着。3着は一団の中から10番人気ユウユウコラソンが食い込んできて馬番3連単は19万3240円の波乱の結末となりました。
10月8日のメインレースは12Rです。B1級ダート1600mの『ハダル賞』、12頭立てです。
"10月8日"というとカレンダーの位置的には例年南部杯が行われている頃。大体概ね8日~10日頃に行われますからね。しかし今年はカレンダーの配列上一週間ずれた形になって南部杯は来週14日の開催。先週あたりまではまだ残暑残暑と愚痴をこぼしていましたが、10月も中旬が見えてくるとさすがに寒さも感じるようになってきました。来週も朝晩の冷え込みがはっきりしてくる模様。秋を飛び越えて冬が来るのではないかと戦々恐々です・・・。
さて予想に行きましょう。ハダル賞の本命は(11)トーセンカタリーナを採りました。
3歳の昨年は芝の方が良いのかという印象もあった同馬ですがマイルくらいの距離ならダートでも問題なく、直近では4戦して2勝3着1回の安定した成績を挙げてもいます。前半戦は勝ち星がなかったのですが、それにしてもB1級の上位組で、ほとんどが勝ち馬から1秒圏内だったのですから、やはり地力はあるという評価だ妥当でしょう。
他の馬が作った展開に左右されがちなタイプゆえに人気を背負う方になると不発にもなりやすい。地力接近で人気も割れるここくらいの方がむしろ戦いやすいし、力量を発揮できると見ました。
対抗は(7)カミノカガヤキ。転入後4連勝、非常に安定した戦いぶり・安定して強さを発揮する走りは古馬編入のここであっても魅力的なもの。戦績から距離にまだ課題があると考えて対抗に留めましたが勢いは軽視できないものです。
三番手は(2)エラボレート。近年は長めの距離に特化したような戦績ですが少し前はマイルが主戦場。軽い馬場ですんなり前に行ければ・・・の怖さは今でもあるはず。
ヒモはまず(8)ツルマルベル。先の盛岡開催時は外捲りがハマるコース傾向を味方に連続好走していました。今開催はそこまで極端な傾向ではないのですがワンターンのコースが戦いやすいタイプなのは確か。もう一頭は(3)モールを。A級やB1で戦っていた馬の中では頭打ち感を感じさせる近走ですが、夏頃は古馬の今回位のメンバー相手に勝ち負けしていましたし実際時計も互角。人気の盲点、穴狙いならこの馬。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(11)=(7)、(11)=(2)、(7)=(2)、(11)→(8)、(11)→(3)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
前日6日から舞台は盛岡競馬場へ替わったが、もう一つ大きな変更がある。今開催から3歳馬がすべて古馬へ編入。未対決のケースが一気に増え、馬券検討に新たなファクターが加わった。
過去のセオリーは古馬B2クラスまでなら3歳馬が優位。もちろん例外は多くあるが、一つの基準として頭に入れてほしい。ただ、今シーズンの3歳戦線は総じてタイムが速い傾向にある。また中央からの転入馬が例年以上に能力の高さが目につく。これから修正をかけながら予想を組み立てていくが、以上のことを参考にしてほしい。
余談だが、8日メインの「ハダル賞」(B1級一組 盛岡ダート1600m)の本命は3歳馬カミノカガヤキとした。上記セオリーから外れるが、中央未勝利から転入後、ハイタイム連発で4連勝中。レースパフォーマンスも文句なしだった。果たして古馬B1級も突破できるか、興味深い。
7日メインは岩手県調騎会騎手部会協賛「夢・希望 未来へ前進」(B1級三組 盛岡ダート1600m)。各馬が一長一短のメンバー構成で、どの馬にもチャンス十分の一戦となった。
主軸にソロムコを指名する。今シーズンはエンジンのかかりが遅く、最高3着までが続いていたが、前々走のB1・B2級(盛岡ダート1600m)を快勝。待望の勝利を手にした。前走は3着に終わったが、スローに落とされたのが致命傷。自身はいい脚で伸びてきたが、流れに泣いた一戦だった。今度は3勝2着2回3着5回と盛岡で馬券対象をすべて果たしてきた盛岡マイル戦。前走のうっ憤を晴らす。
ウイニングライブは新潟芝2000m1勝から転入。ダート未経験が不安だったが、水沢2戦3、2着で問題ないことを証明した。前走ではソロムコに先着2着も評価材料。懸念は当日輸送による競馬でテンションが上がらないかだが、克服ならあっさり首位まで十分。
メイザーキックは中央芝2着3回、東京ダート1400m2着1回から岩手入り。初戦3着から3歳牝馬重賞・オータムティアラに挑戦したが、1900mが長く早々と失速。11着に終わった。今度は1600mへ短縮されて本領発揮。東京1400mで2着なら左回り=盛岡は望むところ。
バードハズフロウンは南関東C1から転入3戦は苦戦したが、4戦目のB2特別・ジューンカップを完勝。距離延長を味方にした。以降は本来の動きを取り戻して2戦連続2着。前走は9着だったが、レース間隔が開いたことも影響。ひと叩きされて反撃に転じる。
アーバンキッドは今季未勝利ながら2着1回3着3回で健在を誇示。近走は入着一杯だが、メンバーが甘くなった。
ロッキータイタンはB1昇級戦で3着を確保して通用のメドが十分立った。
◎(7)ソロムコ
〇(8)ウイニングライブ
▲(6)メイザーキック
△(5)バードハズフロウン
△(2)アーバンキッド
△(10)ロッキータイタン
<お奨めの1頭>
4R マウリノ
転入戦2着は3ヵ月ぶりの実戦も影響した。ひと叩きされて上昇確実。今度は首位奪取のシーン濃厚。