30日メイン12RはC1級馬による特別「焼石岳賞」(水沢1400m)。同日9RにA級二組「秋分特別」、10RにA級一組「長月特別」が組まれ、昨年の年度代表馬ノーブルサターンが4ヵ月半ぶりに復帰。秋に向けてどのようなレースができるか興味深い。元々が叩き良化型で久々が割り引きだが、それでも◎。地力に期待する。
メイン焼石岳賞◎はトキノワンカラット。今季未勝利だが、ここ2戦連続で2着にまとめて2着3回3着2回。一連の安定度でリードしている。しかも前走はB2条件、前々走はB1・B1混合戦での結果。今回はC1級へ降格して相手有利は明白。昨年8月のB2戦以降、勝ち星から遠ざかっているのが気になるが、絶好の勝機。勝ち切れなかったうっ憤を一気に晴らす。
アザルは中央未勝利、名古屋2勝、中央1勝クラスから昨年転入。4勝をあげてオープン入りを果たしたが、頭打ちのレースが続いたため名古屋へトレード。2着2回から今年4月に再転入。ひと頃、精彩を欠いた時期もあったが、徐々に状態アップして近走安定。B1からC1降格の前走2着にまとめた。特に水沢1400mは2勝2着1回と自信の条件。
レーヌデゼトワールは中央未勝利、岩手4勝、中央1勝クラスから今年4月に再転入。初戦のB2戦で12着に大敗して4ヵ月休養に入り、馬体回復に専念した。それが吉と出て徐々に馬体回復。一戦ごとに内容も良化して前回、待望の勝利を飾った。これで弾みついたのが心強い。
ドゥーベは中央芝1600m1勝、ダート1400mで1勝。その後、南関東B2級を経て転入。A級へ格付けされて2戦4着でメドが立ったかと思ったが、脚部不安が発生。3ヵ月の休養を余儀なくされて復帰。仕上がりがカギを握るが、C1降格でメンバーが甘くなった。
ヤマジュンサルサは相手なりに駆ける堅実さが身上。前走は過去4勝2着3回と得意の水沢1400m戦。1番人気に支持されたが、案外の6着に終わった。しかし見限るのは早計。コース適性を前面に反撃に転じる。
オスマンはシーズン当初は本調子を欠いたが、ここにきて2勝2着1回。自慢の末脚が冴え渡っている。小回り水沢だと割り引きが必要だが、先行タイプがそろってハイペース模様。一気台頭のシーンまで。
◎④トキノワンカラット
〇⑧アザル
▲⑦レーヌデゼトワール
△⑪ドゥーベ
△①ヤマジュンサルサ
△⑩オスマン
<お奨めの1頭>
2R ミルキー
850m戦に替わって2戦2勝。いずれも逃げ切りを決めた。今度は絶好の1番枠を引き当て、もう一丁いける
今開催で水沢競馬が終了。次週から舞台が盛岡競馬場へ移り、岩手の看板JpnI・マイルチャンピオンシップ南部杯でクライマックスを迎える。その前に水沢巧者は白星を上げたいところ。調子もさることながらコース実績にも注意を払ってほしい。
29日メインは牝馬重賞「第11回ヴィーナススプリント」(水沢1400m)。重賞へ再格上げされて4年目。水沢を舞台に行われるのは2017年(第5回)以来、また1400mの距離で実施するのは初めてのケース。
中心はミニアチュールで不動。昨年、3歳路線を圧倒。ダイヤモンドカップ、東北優駿、ひまわり賞(オークス)、OROオータムティアラと牡牝馬四冠を制し、最優秀3歳馬に選出された。しかし川崎・ロジータ記念10着から低迷。古馬オープンの壁に突き当たっていたが、今シーズン3戦目の盛岡ダート1000m完勝をきっかけに壁を突破。
現在、3連勝を飾り、牝馬準重賞・フェアリーカップ優勝からグランダムジャパン・ビューチフルドリーマーカップも快勝。強豪がそろった遠征馬を迎撃し、2010年マイネベリンダ以来、久々に地元優勝を果たした。4歳馬が成長一途をたどり、今度は地元牝馬が相手。水沢1400mは3歳春・あやめ賞以来だが、能力上位は明らか。順当に4連勝へまい進する。
グットフォーチュンは東京ダート1400m1勝、札幌ダート1000m1勝から転入。転入3戦目・早池峰スーパースプリントは9着に終わったが、盛岡に替わって2連勝。前々走・盛岡1000m戦でコースレコードに0秒1差まで肉薄して好調をアピールした。
前走・OROターフスプリントはマッドシェリーの強じんな粘りに屈して2着。惜しいところでタイトルを逃がした。最大ネックは水沢コース克服だが、札幌1000m1勝クラス快勝なら右回りも苦にしないはず。次位筆頭と見る。
ルチルクォーツは今季3勝。水沢1300mコースレコードを塗り替え、クラスターカップ9着から前回・盛岡マイル戦を快勝し、好調をアピールした。水沢1400m3着2回が最高だが、単なる巡り会わせ。マイルより距離が短い方が合うのは間違いなし。持ち味のロングスパートを決める。
ジュランビルは中央4勝後、南関東へトレード。佐賀・ヴィーナスカップを完勝した。その1勝のみにとどまり、OROターフスプリント5着からそのまま岩手入り。5ヵ月ぶりの実戦を叩かれて上昇確実。
トーセンキャロルは一昨年、ひまわり賞、OROオータムティアラの牝馬二冠を獲得。昨年は重賞・岩鷲賞も制し、南関東へ移籍。4戦5着1回から再転入した。実績は申し分ないが、好走が盛岡に集中。右回りを克服できるかがカギを握る。
アサンテギアは今季4勝。ツボにはまれば直線一気を決める。前崩れの流れになれば台頭のシーンまで。
◎(5)ミニアチュール
〇(9)グットフォーチュン
▲(10)ルチルクォーツ
△(8)ジュランビル
△(7)トーセンキャロル
△(4)アサンテギア
<お奨めの1頭>
2R マグナムハート
前走2着は初の850mにもとまどったか。実力は転入戦を完勝で証明済み。条件2度目で首位を奪回する。
9月22日(日) 「第5回オータムティアラ」(3歳牝馬 水沢1900m)
第1回から第4回まで盛岡ダート2000mを舞台に「OROオータムティアラ」の名称で行われていたが、今年は水沢1900mへ変更。それに伴い、第5回は「オータムティアラ」の名称で実施された。
メイザーキックが先手を主張してスローペースに落とす。2番手コンバットスプーンは掛かり気味に追走し、3番手外に2番人気コモリリーガル。4番手にマルーントリック、1番人気リケアマロンは無理をせず5番手インを追走した。
勝負どころの3コーナーでメイザーキックが一杯となり、替わってコンバットスプーンが馬なりで先頭。連れてコモリリーガルもスパートをかけ、リケアマロンも3番手まで進出し、前2頭の反応を見ながら追走。4コーナーで満を持して外に出すと一気に抜け出して5馬身差で圧勝。金沢重賞2勝の地力を見せつけ、転入初戦・ひまわり賞3着の雪辱を果たした。2着はコンバットスプーン。ひまわり賞と同じく渋太く粘った。
1着・リケアマロン=吉原寛人騎手
「序盤は(村上)忍さんの馬の出方を見れる位置を取りたかったので、理想的な位置取りができたと思う。ちょっと窮屈なところがあって、あの馬には少し走りづらいのかなとも思ったが、器用に立ち回ってくれた。勝負どころからは、やはり忍さんの馬がどういう手応えで4コーナーを回るか?。そして僕の馬もあまり早く抜け出すと遊んでしまうから、そこだけは慎重に。4コーナーからは、最後の2ハロンだったんで、もう思い切って行った。前走は転入初戦とか左回りとか不慣れな部分に馬が戸惑ったでしょうし、厳しい日程できていて馬の疲れも出る時期だったのかと思う。今回はプラス体重で馬の実も入っている感じ。本来のリケアマロンらしい、力のあるレースができたのでホッとしました」
菅原勲調教師
「前走は思っていたより走ってくれなくて、輸送とか左回りとかが影響したのかと考えていた。馬体重も減っていましたしね。今回は馬体重が戻ってくれたし、走り慣れた右回りの小回りコースで力を出してくれた。これが本来の力でしょう。次走に関しては、岩手ではこの馬に良い条件のレースがないのでね。これからいろいろ考えていくことになると思う」
2着・コンバットスプーン
2歳時に2勝をあげ、ネクストスター盛岡2着、ビギナーズカップ3着。冬場は南関東へ移籍して4戦着外から里帰り。軽快な先行力と強じんな粘りを武器に重賞で2着5回。岩手版オークス・ひまわり賞、そして今回、オータムティアラと牝馬二冠でも2着を確保した。小柄な牝馬だが、気のいいタイプで勝負根性も抜群。まさに馬主孝行の典型例と言っていいだろう。
9月22日に行われた3歳牝馬の重賞・オータムティアラ。ひまわり賞の再戦ムードでもあったこのレースは1番人気に推されたリケアマロンが優勝。前走の雪辱を果たすとともに自身3つめの重賞タイトルを獲得しました。
ひまわり賞を制したコモリリーガル、同2着のコンバットスプーン、そして転入2戦目・4番人気のメイザーキック、さらにははまなす賞を勝ったマルーントリックが先行争いに飛び出していった中、リケアマロンはそれらの馬の壁の後ろに控える形の序盤。「他の馬の出方を見ながら進む位置を獲りたかった(吉原騎手)」という同馬は先行勢の隊列が徐々に崩れ始めた向こう正面に入っても同じ位置で様子をうかがいます。
リケアマロンが仕掛けたのは4角手前。粘るコンバットスプーン、追い上げるコモリリーガルに絞られたところを外から一気にまくって交わしたリケアマロンはその勢いのまま差を拡げ、最後は5馬身まで着差を拡げる完勝のゴールへ。3着に敗れた前走の雪辱を、その時の上位馬相手にきっちりと果たす勝利となりました。
9月24日のメインレースは12Rです。B1級二組・B2級一組混合、ダート1600mの『夢・希望 未来へ前進』11頭立て。本命は(5)ハローキャンディを改めて狙います。
前走は4着に終わった同馬でしたが、5頭立ての少頭数、スローの団子になる展開で本来の決め手を活かせなかったのが敗因と見ていいはず。実際、二走前に盛岡で勝った時、あるいは南関時代の大井での走りでも、流れのいい展開で決め手を活かす形で好走しています。前走が合わない展開だったことは間違いないでしょう。
その意味でベストはもしかするともっと短い距離、いっそ1200mとかの方が良いのかもしれませんが、マイルでも二走前の盛岡の勝ち時計は優秀なものでした。ここは前走の雪辱を期待したい一戦。
(3)ウイニングライブが対抗。こちらの前走も◎と同じレース、◎と同じように展開に泣いた印象もありました。何よりこの馬は前走が転入初戦、JRAでは芝の中距離を主戦場にしてきてダートだけでなくマイルも前走が初めて。それを思えば前走でいろいろとメドが立ったと考えていいでしょう。馬場状態も、回復が進むでしょうが前走時ほど乾いたタフな馬場ではないでしょうし、そこはこの馬の味方になってくれそう。
三番手は(6)アンジェリカルを。C1からB2に昇級してさらにここはB1の馬もいる相手強化ですが盛岡での時計で大きなひけは取っていません。ある程度先行有利の傾向が続いていそうな点に活路あり。
以下、(7)ソロムコはどちらかといえば盛岡の方が好相性、差し馬有利の傾向も欲しいタイプで条件はあまり味方では無いかもですが、長くB1上位で堅実に戦ってきた地力はここでも上位。そして(1)ミツカネムーン。芝短距離路線からの転入でいろいろ初物尽くしですが、JRA時代の走りの印象だと決め手勝負にならない方が有利に感じます。1枠からうまく流れに乗れれば上位に食い込めていいのでは。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(5)=(3)、(5)→(6)、(5)→(7)、(3)→(6)、(5)→(1)
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23日メインはB2級馬による特別「セプテンバーカップ」(水沢1600m)。前開催は格付け再編成により、格上馬と格下馬が入り交じっていたが、格上馬に軍配が上がったかというと決してそうではなかった。もちろん格上馬が優位の傾向だったが、今回のメンバーも案外のケースもあった。
サンエイブレーヴは岩手生え抜きで2歳、3歳時は重賞の常連。重賞タイトルには縁がなかったが、A級まで上り詰めて通算9勝2着6回3着7回。今季はB1に格付けされて4戦目を快勝。新人・坂井瑛音騎手に白星をプレゼントした。しかし、その後は凡走を繰り返して5戦着外。気難しい面をのぞかせたが、4走前2着で再び上昇ムード。前々回8着だったが、前回は鮮やかな逃げ切りを決めた。
最大勝因は村上忍騎手が強気に攻めたから。前々走はコスモモカに出鼻を叩かれて戦意喪失したが、前走は7番枠から強引にハナを主張。あとは気合いをつけながらレースを進め、0秒7差で逃げ切った。もちろんB2へクラスが下がったことも大きかったが、やはり展開次第。今度は1番枠を引き当て、逃げの手に出るのは確実。包まれなければ2連勝の可能性が高い。
メイショウメイスイは今季1勝2着3回3着2回。3走前・オーガストカップ8着に終わったが、以降は2、3着に巻き返した。また盛岡1勝に対して水沢7勝に加え、水沢1600m5勝と最も得意とする条件。サンエイブレーヴが凡走するケースも考えられ、逆転の目は十分ある。
エイシンガネーシャは京都ダート1800m1勝、園田5勝、南関東A2、金沢、笠松と転籍して転入。A級で3着4回を確保して前走はB2へ降格。1番人気に支持されたが、強気の連闘策が裏目に出て8着。今回は中1週のローテーションに戻って反撃に転じる。
コリコはシーズン途中まで苦戦の連続だったが、4走前の牝馬準重賞・フェアリーカップ3着をきっかけに復調。目下2戦連続で2着と安定した取り口を見せている。時計では見劣るが、相手なりに駆ける堅実派。ここでも上位扱いが必要。
ストロングフーヴスは2ヵ月半の休養から復帰後、4着最高だったが、成績どおり水沢が主戦場。有力馬がもたつけば勝ち負けに持ち込める。
パーペチュイティは気分屋の面があり、好走が続かないタイプだが、3走前の盛岡1600m戦を完勝。一発を警戒したい。
◎①サンエイブレーヴ
〇⑤メイショウメイスイ
▲⑧エイシンガネーシャ
△⑩コリコ
△④ストロングフーヴス
△⑪パーペチュイティ
<お奨めの1頭>
2R ミルキー
前走、大外から積極的に逃げてハイタイムで完勝。今回も同じ850mの外枠を引き当て、もう一丁いける