22日メインは岩手牝馬クラシック三冠目「第5回オータムティアラ」(水沢1900m)。過去4回は盛岡競馬場で行われ、OROオータムティアラの名称で実施されたが、今年は水沢へ移行。それに伴って名称も変更となった。
コモリリーガルは門別デビュー戦3着、2戦2着から4戦目に初勝利を飾り、4連勝をマーク。園田・プリンセスカップ、プリンセスカップ(盛岡)と牝馬交流2連勝を飾り、"GRANDAME-JAPAN2023"2歳シーズンで総合2位。東京2歳優駿牝馬15着後、姫路一戦8着から門別へ帰郷。初戦を快勝し、3歳牝馬重賞2戦3着後に岩手入り。やまびこ賞は逃げ一杯5着に終わったが、ひと叩きされて動きが一変。ひまわり賞を0秒8差で逃げ切りを決めた。逃げにこだわるタイプではなく、1900mも守備範囲。岩手牝馬二冠に王手をかけた。
リケアマロンは中央ダート4着1回5着2回から金沢交流2着後、金沢へトレード。あっさり2連勝を飾り、重賞・北日本新聞杯を5馬身差で圧勝。石川優駿は2着に敗れたが、牝馬重賞・加賀友禅賞を逃げ切って完勝。重賞2勝目を上げた直後に転入。ひまわり賞で1番人気に支持されたが、伸びひと息で3着。輸送競馬、初の盛岡にもとまどったか。右回り・水沢に替わって反撃必至。
メイザーキックは中央芝1200m~1400mで2着3回、ダート1400m2着1回。転入戦は3着に終わったが、ペースも速かったか。1900mは未経験だが、祖母ラピッドオレンジは中央4勝、JpnIII・TCK女王盃優勝、マリーンカップ2着。母シトロプシスはダート1700m1勝、ダート1800m1勝とこなせる素地は十分。
ジェイエルジェティは中央ダート1400m~1600mで2着2回3着1回。今回が岩手初戦だが、転入前の新潟ダート1800mで2番手をキープして0秒7差6着。いきなり勝ち負けに持ち込める。
コンバットスプーンは2歳時に2勝、重賞・ネクストスター盛岡で2着、ビギナーズカップで3着。冬場は南関東へ移籍して4戦着外に終わって帰郷。ひまわり賞、イーハトーブマイル、ウイナーカップで2着確保。メンバーが甘くなった前走はアッサリ逃げ切りを決めた。最大ネックは距離対応だが、すんなりなら持ち味の粘りを発揮する。
セイバイラックは盛岡ダート1600m1勝のみだが、寒菊賞、金杯で2着。今季も東北優駿、やまびこ賞で3着を確保した。詰めが課題でムラな面もあるが、長丁場が活躍の舞台。
◎(11)コモリリーガル
〇(2)リケアマロン
▲(4)メイザーキック
△(5)ジェイエルジェティ
△(8)コンバットスプーン
△(3)セイバイラック
<お奨めの1頭>
3R ビービーアクティブ
B2からC2降格戦は3着だったが、1着馬とは0秒2差。メンバーが手ごろになって今度こそ首位を奪取する
9月16日(月) 「第32回青藍賞」(オープン 水沢1600m)
好スタートを切ったヒロシクンがハナを取りに行くシーンもあったが、1番枠を引き当てたグランコージーが逃げ、ヒロシクンは2番手に控え、後続を5馬身ほどリードした。離れた3番手にゲンパチプライド、マイネルアストリア。1番人気に支持されたウラヤは出遅れを喫したが、5番手まで押し上げる。以下トーセンマッシモ、ゼットセントラル、最後方に3歳馬サクラトップキッド。
残り600m手前でヒロシクンがグランコージーを馬なりで交わして先頭。それを見てウラヤもスパートをかけ、2番手まで進出。連れてゼットセントラル、勝負どころで置かれながらサクラトップキッドも伸びてくる。直線を向いてもヒロシクンのスピードは衰えず、2着に5馬身差をつけて余裕のゴール。一條記念みちのく大賞典に続いて2度目の重賞タイトルを獲得した。2着はウラヤが一杯となったところゼットセントラルが台頭して確保した。
1着・ヒロシクン=高松亮騎手
「先生(佐藤雅彦調教師)と相談して行けるなら行くし、内(グランコージー)が行けば2番手でもいい。馬のリズムを大事にしようとレースに臨んだ。2コーナー過ぎで先頭は早いと思ったが、これも馬の気持ちを優先させた結果。ハミを取って行きたい気持ちでしたからね。すごく強い内容で勝ってくれた。今日はオーナー家族も応援に駆けつけてくれて、恩返しをしたいと思っていたが、最高の結果を出せてとてもうれしい。2000mでみちのく大賞典を勝って、今回は1600mでも強いレースで勝ってくれたし、短距離もこなせそうな感じ。今後、幅広い距離で走れる可能性があると思います」
佐藤雅彦調教師
「今日のレースは強かったと思う。いつもはダラーッと勝つ感じだったが、今回はしっかりと伸びてくれた。マーキュリーカップ後は福島の牧場に移動して夏休みを取ったが、これで完全リフレッシュできたと思う。休養中もしっかりやってくれて、いい仕上がりで臨めた。次走は南部杯に挑戦します。オーナーがお祭り好きですからね(笑)」
ヒロシクンの祖母ファビラスラフインは第1回秋華賞を制し、続くジャパンカップでシングスピールにハナ差2着に惜敗した強豪牝馬。父にドレフォンを持ち、セレクトセールで落札されたが、入れ込みが激しかったためデビュー戦後に去勢手術。8戦目に初勝利を飾り、今年5月に中央1勝クラスから転入。B1級で3連勝を飾り、格下から一條記念みちのく大賞典へ挑戦。鮮やかな逃げ切りを決めた。
続くマーキュリーカップでも果敢に逃げたが、クラウンプライドらが相手。3コーナーで失速13着に終わり、直後に福島県の桑折牧場へ移動。英気を養って帰郷し、秋競馬に向けて好発進を決めた。南部杯での健闘を期待したい。
2着・ゼットセントラル
JRA2勝クラスとの交流・東京カップけやき賞を快勝したが、続く桂樹杯は9着に凡走。今回は6番人気に甘んじたが、2着に反撃。陶文峰との相性が抜群。
3着・サクラトップキッド
前々走・やまびこ賞で初重賞を手にし、不来方賞6着から青藍賞へ挑戦。古馬とは初対戦に加え、忙しいマイル戦も不安だったが、メンバー最速の上がりで3着入線。成長ぶりが目覚ましい。
今週の岩手競馬
9月22日(日)メイン12R「第5回オータムティアラ」(3歳牝馬 水沢1900m)
9月23日(月)メイン12R「セプテンバーカップ」(B2級 水沢1600m)
9月24日(火)メイン12R「夢・希望・未来へ前進」(B1・B2級 水沢1600m)
9月16日に行われた古馬マイルの重賞・マイルチャンピオンシップ南部杯トライアルの『青藍賞』はヒロシクンが優勝。みちのく大賞典に続いて2つめの重賞タイトルを手にしました。
1枠のグランコージー・5枠のヒロシクン。この2頭の先行争いになるとみられていたレースはやはりその通りの形で開幕。序盤はグランコージーが前に出て一周目のスタンド前を通過します。
レースが動いたのは向こう正面後半。グランコージーに迫っていったヒロシクンが交わして先頭、そこからリードを拡げていきます。それを見て一斉に動き始める後続。しかし差は縮まらないどころか4角をまわってさらに拡大。最後はヒロシクンが5馬身にまでリードを拡げてゴール、鞍上・高松亮騎手の大きなガッツポーズのおまけ付きの勝利となりました。
2着はゼットセントラル、3着はサクラトップキッドの後方待機組が直線で進出。ハナを奪ったグランコージーが4着に粘った一方、好位から追った1番人気ウラヤは最後失速し6着に終わっています。
9月17日のメインレースは12RのA級一組ダート1600m『白露特別』。本命は(2)マツリダワールドです。
ここ二走は6着・5着と連対圏から遠ざかっている同馬ですが二走前はかきつばた賞、前走は桂樹杯と準重賞での結果。いやそれ以上に差し・マクリ優勢で逃げ・先行馬に厳しかった馬場傾向の影響も受けた結果という印象がありました。逃げに持ち込めればしぶといことはそれまでの、5戦連続での3勝2着3回の結果が証明済み。加えて今週の水沢はタフな馬場ではありますが先行馬に有利な傾向にもなっています。同型がいないわけでは無いですが少々競り合う形になっても耐えることができるタイプですし、今の水沢は行ききってしまえるならその方が有利にもなる傾向。ここで巻き返しを期待しての本命視。
対抗は(1)ドルズプライスレス。6月の水沢以来の休み明けになりますが、この馬は使い込まれてからよりは休み明けでフレッシュな方が良いというタイプです。休み明け初戦が不利になるとは思わなくていいでしょう。
懸念とすれば距離。ここまでの戦績通りベストは1400m。昨年には今回と同様のメンバーを相手にマイルで勝っているとはいえ少し長い印象あり。フレッシュさを武器に食い下がるとみての対抗視。
三番手は(7)グレートキャンベラでどうでしょうか。前回のA級戦では完敗を喫しており、青藍賞があって一線級が不在の一組戦とはいえ相手強化感は確かにあります。ただ、今季はここまで4戦、昨年ほどの連勝ではないですがレースぶりは安定感が増している印象。勝ち負けとまでは言えませんが上位争いできる力は備えてきていると判断。
(5)ルチルクォーツもどちらかといえば短距離での活躍が目につきますが、6月にマイルで勝っているように折り合い面は苦にしません。(3)オンザブロッサムのここ二戦は相手関係だけでなく距離も影響したでしょう。ここに入るとまだ時計がちょっと足りないと感じますが成長度、勢いを侮らないスタンスで。この2頭が押さえ。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(2)=(1)、(1)=(7)、(2)→(7)、(2)=(5)、(2)→(3)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
16日メインはJpnI・マイルチャンピオンシップ南部杯トライアル「第32回青藍賞」(水沢1600m)。1着馬に優先出走権が与えられる。現在、2連覇中のゴールデンヒーラーは北海道で休養中。現時点での目標は絆カップ―と佐藤祐司調教師。今年のラインナップは総入れ替え。岩手古馬の勢力図は大きく変わった。
主軸にヒロシクンを指名する。今年5月、中央1勝クラスから転入。B1級であっさり3連勝を飾り、岩手古馬の最高峰・一條記念みちのく大賞典へ挑戦。1番人気グランコージーの出鼻を叩いて先手を主張し、そのまま押し切って快勝。重賞初挑戦でいきなりタイトルを獲得した。
続いてJpnIII・マーキュリーカップへ駒を進め、今度はメイショウフンジンの逃げを阻止。周囲を驚かせたが、さすがに相手が強く3コーナーでクラウンプライドに交わされて失速。13着に沈んだ。その後は休養に入り、放牧先でも乗り込んで帰厩。青藍賞から始動する。最大ネックは大型馬で仕上がり度合い。ひと叩きした方がいいかも知れないが、2ヵ月ぶりなら臨戦態勢は整ったと見ていい。
グランコージーは今年、水沢・千葉幸喜きゅう舎へ転厩。いきなり3連勝を飾り、赤松杯、シアンモア記念と重賞2連勝。3歳時、ダイヤモンドカップ以来の重賞制覇を果たし、春の主役を演じた。
一條記念みちのく大賞典で1番人気に支持されたが、ヒロシクンが激しくハナを主張。加えて2000mの距離も長く4着。マーキュリーカップ14着に敗れた。評価に迷うのは前走・かきつばた賞5着。マツリダワールドが内枠から先手を奪って2番手を追走。自分の競馬ができなかったのが痛かった。しかし今回は絶好の1番枠。今回は主導権を握る可能性が高く、ベストの水沢1600m戦。近走のうっ憤を一気に晴らす。
ウラヤはガリレオの直系でイギリスダービー馬ニューアプローチ産駒。デビュー3戦目からダート路線へ変更し、1400m戦で3勝。中央3勝クラスで頭打ちだったため、岩手へ新天地を求めてあっさり2連勝。メンバーが甘かったとはいえ、実力の違いをまざまざと見せつけた。今度は一線級が相手だが、岩手2戦のパフォーマンスから十分通用する。
ゼットセントラルは今季未勝利だったが、前々走・東京カップけやき賞(中央2勝クラス)を快勝。鮮やかな直線一気を決め、2004年ゴールドレッグ以来の岩手優勝を果たした。前走・桂樹杯は9着だったが、スローに落とされたのが致命傷。ペースが速くなれば巻き返し必至。
ゲンパチプライドは中央2勝クラスから転入。1勝2着2回3着1回。JpnIII・クラスターカップで地元最先着を果たした。ベストは1400m戦だが、マイルもひとまず守備範囲。有力馬がもたつけば馬券対象となる。
◎(5)ヒロシクン
〇(1)グランコージー
▲(4)ウラヤ
△(6)ゼットセントラル
△(8)ゲンパチプライド
<お奨めの1頭>
3R マイジュネス
A級でも勝利実績があり、今回から最下級C2へ降格。メンバーが大幅に緩和され、久々の勝機を迎えた。
先週7日から舞台は水沢競馬場に替わったが、同時に格付けも再編成。大幅なクラス変動があった。岩手在籍馬は前12走、転入馬は全20勝の獲得賞金によって格付けが決まる。
一つの例でいえば15日(日)、第1Rに出走するクリノケンリュウ。中央ダート4勝、高知7勝、園田C1級、笠松A級、門別A1級から転入。獲得総賞金は6千900万円余りだが、岩手で一度A級で走って、今回から最下級C2へ大降格。過去12走で稼いだのは笠松時代のA3級5着時の4万円。これが格付け賞金となってクラスが一気に下がった。
以上は岩手競馬の格付けルールの基本。クリノケンリュウが本命視されるのも理解いただけると思う。パドック解説でも意識的に伝えているのは格付け方式を分かって欲しいから。クラスが下がったからといって必ずしも全馬が勝つわけではないが、メンバー有利は明らか。今週も格重視で印をつけた。
15日メインはA級二組「爽秋特別」(水沢1600m)。各馬が一長一短のメンバー構成で波乱の可能性が高く、悩み多い一戦となった。
主軸にハクシンパーソナルを推す。追い込み脚質のため後方のままに終わるケースも多いが、5走前の水沢1600m戦を快勝。また前走は準重賞・桂樹杯で2着に突っ込み高配当を演出した。成績が安定しないのが気がかりだが、相手が大幅に緩和。勝機をがっちりとつかむ。
セイキングダムはシーズン当初は仕上がり途上のため精彩を欠いていたが、徐々に良化を示して3走前2着から目下2連勝中。好タイムを連発した。今度はB1級からA級へ復帰。勝ち星のない水沢へコースが替わるなど不安要素はあるが、勢い重視。好枠から主導権を握り、3連勝に王手をかけた。
ロワマージュは中央ダート3勝、南関東B1級から昨年7月に転入。当初2戦はA級で走ったが、冒頭に記した格付け再編成によってC2へ降格。今年2勝2着1回も含めて10戦連続で連対を果たして、A級へ復帰。初戦は3着にまとめたが、以降は苦戦の連続。夏負けも影響したが、ここにきて復調ムード。
ダブルラッキーは実戦を使われながら調子を上げて前々走3着から前回快勝。待望のシーズン初勝利を飾り、その後は北海道で放牧。今回は2ヵ月半ぶりの実戦で仕上がりがカギだが、気分リフレッシュできたのは確か。
アサンテギアは決め手が冴え渡り、盛岡短距離戦で3連勝をマーク。充実ぶりが目覚ましい。1600m戦は4戦ぶりだが、過去実績から守備範囲。スローに落とされると不発も考えられるが、流れ次第で一気突き抜ける。
ビッグタマテルーフは牝馬準重賞・フェアリーカップでミニアチュールの2着。コンスタントに結果を出せるタイプではないが、流れが合えば反撃必至。
◎⑪ハクシンパーソナル
〇④セイキングダム
▲⑩ロワマージュ
△②ダブルラッキー
△⑦アサンテギア
△⑤ビッグタマテルーフ
<お奨めの1頭>
9R トキノパイレーツ
今シーズンは3着1回が最高だが、オープンからC1へ降格。相手が大幅に甘くなり、絶好の勝機を迎えた