9月1日メインは"GRANDAME-JAPAN2024"古馬シーズン「第50回ビューチフルドリーマーカップ」(盛岡ダート2000m)。明治40年、小岩井農場がイギリスから輸入した偉大なる基礎牝馬ビューチフルドリーマーに敬意を表し、昭和50年に創設。今年は区切りの50回目を迎えた。
ビューチフルドリーマーカップは"GRANDAME-JAPAN2024"古馬シーズンに昇格したのが2010年。過去、北海道7勝と優位に立っていたが、近5年は南関東所属馬が5連覇中で6勝。その足跡どおり、今年も南関東優勢は変わらない。
ラブラブパイロは2歳時1勝、3歳時は1勝にとどまったが、昨年4勝マーク。12月末、東京シンデレラカップでスピーディキックにハナ差2着。メンバー最速の上がりを駆使した上、ラスト200mで約5馬身ほどの差を一気に詰めた。その後は休養に入り、4月中旬に復帰。4戦目に門別・ノースクイーンカップへ遠征し、後方待機策から早めにスパート。3コーナーで先頭に立ち、そのまま押し切って0秒4差で完勝。待望の初重賞を獲得した。ノースクイーンCとビューチフルドリーマーカップとの連動性が高く、牝馬重賞2連勝に王手をかけた。
マテリアルガールは中央5戦0勝から浦和へ移籍。3戦目の浦和1500mを快勝し、一戦置いて浦和1400m戦で2勝目をマークしたが、続いて2000mへ矛先を変えると6戦5勝。隠れた才能が引き出された。ここ2戦は4、8着に終わったが、自分の競馬ができなかったのが敗因。逃げの手を打つことができればアッサリの可能性も十分ある。
サルサレイアは3年連続でNAR最優秀牝馬に選ばれたサルサディオーネの妹。姉とは正反対に追い込みに近い差し馬。脚質的な不利があり、3勝のみだが、ダートグレードへ挑戦すること16回。一昨年のJBCレディスクラシックでは姉妹の出走でも話題を集め、昨BドリーマーCでティーズハクアに先着2着。8歳馬だが、衰えなくコース広い盛岡で反撃。
ミニアチュールは昨年、牡牝馬クラシック四冠を制し、最優秀3歳馬に選出された。ロジータ記念10着後は壁に突き当たったが、今季3戦目の盛岡1000m完勝をきっかけに目下2連勝中。トライアル準重賞・フェアリーカップも余裕の逃げ切りを決め、再び全国区へ挑戦する。
ティーズハクアは門別1勝から船橋へトレード。浦和・桜花賞2着、ロジータ記念でも2着を確保した実力牝馬。通算4勝ながら2着10回3着4回。勝ち味の遅さはあるが、メンバー関係なく堅実さを発揮している。
サブルドールは門別1勝から南関東へ移籍して苦戦の連続だったが、昨年2月の船橋B3戦を快勝。3年ぶりの勝利を飾り、秋に2連勝。JpnIII・クイーン賞で5着に健闘した。東京シンデレラマイル4着後、半年の休養を経て門別へ帰郷。初戦9着に終わったが、2ヵ月半の休養で回復どこまで。
◎⑥ラブラブパイロ
〇⑨マテリアルガール
▲②サルサレイア
△⑪ミニアチュール
△⑫ティーズハクア
△⑧サブルドール
<お奨めの1頭>
1R ハコダテメモリー
今年7月に復帰2戦は2着止まりだったが、前回0秒7差で圧勝。これで完全復調をとげ、もう一丁いける
8月25日(日) 「第26回ジュニアグランプリ」(2歳・地方競馬全国交流 盛岡ダート1600m)
戦前の予想どおり外枠からクリムゾンジュエルが先手を主張。2番手にキングリーエアー、3番手外にサウザンドマイル、内にキングミニスター。ミヤギヴォイジャーはスタートで出遅れたが、5番手まで押し上げる。
4コーナーまで隊列は変わらなかったが、直線入り口でキングリーエアーが先頭。遅れずキングミニスターが接近を図ったが、残り200mでは2馬身ほどの差。キングリーエアーがそのまま押し切るかと思ったが、一完歩ずつ差を詰めてゴール前できっちり捕らえた。
1着・キングミニスター=山本聡哉騎手
「人気にしていたので勝ててホッとした。調教師からは細かい指示はなかったので位置取りは出たなり。馬群の動きを見ながらレースを進めた。前に行かせなかったのは返し馬で掛かりそうな気配だったから。4コーナーではいいところまで取り次いだが、なかなか差が詰まらず逃げ切られるかと思った。キングリーエアーが渋太く粘っていたが、自分の馬も弾けなかったものの何とか捕らえることができました」
田中淳司調教師
「長めの距離中心で使っていきたい馬だが、地元のレースに適距離が少なく、ジュニアグランプリを選んだ。レースは遠征先で見たが(※田中調教師はイヌワシ賞のため金沢遠征中)、競り合いをしぶとく制してくれた。鞍上も上手く乗ってくれた。次戦についてまだ決めていないが、長めの距離を選んでいきたいので南部駒賞とか、遠征のレースも選択肢に入れながら考えることになると思う。これが芝のレースだったらまた別の選択肢・別の顔ぶれだったでしょうし、ひとつの巡り合わせなのでしょうが、そういう良い結果を残すことができたのは誇らしく感じます」
3着・サウザンドマイル
前哨戦・若鮎賞を6馬身差で圧勝し、地元岩手の期待を一身に集めた。レースも砂を被らない3番手外を追走したが、2着キングリーエアーとの差は0秒8。若鮎賞の走破タイムを2秒も短縮したものの5馬身差3着。地区レベル差が浮き彫りになった格好だが、貴重な経験になったはず。この敗戦を糧に成長を続けてほしい。
今週の岩手競馬
9月1日(日) メイン11R 「第50回ビューチフルドリーマーカップ」(牝馬・地方競馬全国交流 盛岡ダート2000m)
9月2日(月) メイン12R 「スプリント特別」(オープン 盛岡ダート1000m)
9月3日(火) メイン10R 「第56回不来方賞」(3歳・JpnII 盛岡ダート2000m)
8月25日に行われた2歳馬の地方競馬全国交流重賞『ジュニアグランプリ』は門別のキングミニスターが優勝。このレース4年連続の北海道勢の制覇となりました。
同じ北海道の遠征馬クリムゾンジュエルが逃げ、それをやはり遠征馬キングリーエアーがや地元岩手のサウザンドマイルが追う形の先行争いを序盤は少し離れた位置から見ていたキングミニスター。向こう正面半ばでペースが緩んだところで前との差をグッと縮めると3~4コーナーではするすると3番手まで接近。ですが、ひと足先に抜け出したキングリーエアーの脚色もなかなか鈍らず、そのままの形で流れ込むかと思われました。
しかしじりじりと差を詰めていったキングミニスターはゴール寸前で並びかけ、そしてわずかに抜け出したところがゴール。結果的には競り合いを力強く制した形で自身初の重賞タイトルを獲得しました。
同馬はデビュー戦以来の白星が重賞制覇に、山本聡哉騎手は意外にもこれが初のジュニアグランプリ制覇。そしてキングミニスターを管理する田中淳司調教師は調教師としてこのレース3連覇・5勝目を達成です。
8月27日のメインレースは9Rに組まれている岩手B1・JRA1勝クラスの条件交流戦『フレンドリーカップアンタレス賞』です。発走時刻は16時30分ですのでお間違えなく。また台風10号の影響で徐々に雨にもなる予報。天候の変化、馬場状態の変化にもお気を付けください。
このレースの本命は(5)ラジエーションとしました。
自身はこれが5戦目、勝ち星を挙げたのはやはり名古屋での条件交流戦でした。1勝クラスでの前走は11着に終わっていますが東京のダート1600mで直線坂下まで先頭を争うくらいの先行力を見せていた点には注目したいところ。名古屋で大差を付けて破った相手も現地で6勝を挙げていた実力馬でした。それを思えば、そして先行力を計算できるという事なら、ここでもっとやれていい・・・という評価になるでしょう。
対抗は(3)ゴールドクレストでどうでしょうか。前走は終いの切れ味を発揮しての直線差し切り勝ち。馬場傾向や展開が向いた分があったとしても、それだけとも思えない強さだった印象です。元々はJRA未勝利から地方に転出した馬ですがその後は南関B級、岩手でもA級である程度戦える位の経験を積んできています。ここでも互角と言いたい存在。
三番手は(11)オランジー。昨年7月に3歳未勝利の条件交流戦で盛岡マイルを戦っておりその時は3着でした。その後はいったん笠松に移籍、2勝を挙げてJRAに復帰して、1勝クラスでは勝ち星が無いものの大きな差もないと言える戦績。ここではコースに好走経験ありという事がアドバンテージになっていいはず。
以下はちょっと穴目を選んで(9)ホワイトパス、(10)アーバンキッドを。いずれも近走のデキは安定していますし、必ずしも過信はできないとしても意外性もある馬。雨馬場になって展開もつれれば出番あり・・・とみます。(横川典視)
●9Rの買い目
馬単(5)=(3)、(5)=(11)、(3)=(11)、(5)→(9)、(5)→(10)
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約2ヵ月半にわたって行われた盛岡開催も次週9月3日(火)でひとまず終了。9月8日(日)から1ヵ月の水沢開催へ移る。そうなると盛岡で積み重ねたデータはいったんクリアー。頭を水沢競馬に切り替えなければならない。その意味で今週、来週で勝負をかけたいところ。どうやら今週は良馬場の可能性が高く、時計はかかると見ていいだろう。
26日メインは岩手県調騎会騎手部会協賛「夢・希望 未来へ前進」(B2級二組 盛岡ダート1600m)。時計比較でも分かるが、実力伯仲のメンバー構成。有力各馬にチャンスありの一戦となった。
スペースクラフトは中央ダート3勝、高知B級を経て昨年6月に岩手入り。A級では荷が重かったが、C1~B1で2勝2着3回3着3回。8戦連続で馬券対象を果たした。今季はクラスもきつかった上、水沢が合わず凡走の連続だったが、3走前にB1からB2へ降格。2戦2着から前回快勝。待望のシーズン初勝利を飾った。時計比較では若干劣るが、復調度合いを重視。冒頭にも記したように盛岡とはしばらくお別れ。コース替わる前にもう1勝を稼ぎたい。
モールは今季2戦目を快勝したが、これが転入後の初勝利。以降も勝ち星を重ねて4勝2着1回3着1回。C1級特別を勝ってB2昇級戦は5着だったが、前々走3着から前回完勝。好タイムもマークした。再び上昇カーブを描き、あっさり2連勝まで十分。
ミユキザストロングは中央未勝利、笠松2戦2勝から再度、中央入り。1勝クラス・ダート1700mで2着3回を確保した。その後、南関東へ移籍して2着1回から転入。岩手B2編入は恵まれた格付け。先行力あるのも魅力で初戦から狙いが立つ。
メイショウメイスイは一昨年、南関東C1から転入。6勝をあげ、オープンでも3勝をマークした。昨年は1勝のみにとどまったが、今季初戦を快勝。幸先のいいスタートを切ったが、以降は2着2回が最高。好、凡走の落差が激しいが、前々走2着。前走も8着ながら1着馬とは0秒8差なら見限るのは早計。
サムズアップは大井2勝、門別2勝から昨年6月、園田B1から転入。長らく苦戦が続いたが、3走前4着から徐々に体調アップ。前々走2着、前走・オーガストカップ3着に健闘した。展開はまれば待望の岩手初勝利まで。
ピースワンパルフェは先行粘りが身上。好調馬がそろったが、好枠からマイペースに持ち込めば残り目一考。
◎(6)スペースクラフト
〇(7)モール
▲(5)ミユキザストロング
△(3)メイショウメイスイ
△(1)サムズアップ
△(2)ピースワンパルフェ
<お奨めの1頭>
1R リッチアロマ
南関東C1から転入初戦を1秒1差で圧勝。岩手C2では地力の違いを見せつけた。同じ1000mが舞台なら2連勝もらった。
25日メインは2歳・地方競馬全国交流「第26回ジュニアグランプリ」。過去25回はすべて芝1600mで行われたが、既報のとおり今年はダート変更。ジュニアグランプリでは初めて盛岡ダート1600mで実施する。
キングミニスターはデビュー戦の門別1700mを快勝。以降2戦も1700mを使って4着、2着。前々走は後に重賞・ブリーダーズゴールドジュニアカップを制したリコースパロー、前走は同レース2着ソルジャーフィルドが相手だった。
1700m戦を専門に使われているのは、おそらく血統背景による。父はシニスターミニスター、母父はキングカメハメハ、三代母の父がサドラーズウェルズ、四代母の父シャーリーハイツ(英ダービー馬)と現代では珍しくステイヤーの血が脈々と流れている。キャリア3戦で初輸送、初の左回りなど不安要素は少なくないが、激戦区・門別2歳戦線で鍛えられてきた。田中淳司きゅう舎3連覇に王手をかけた。
サウザンドマイルは2歳新馬・水沢850mは距離が短すぎた上、砂を被ったのもこたえて2着だったが、2戦目から余裕の2連勝。ダート1600m重賞へ変更した若鮎賞を1秒差で圧勝した。実戦を使われながら成長一途。地の利も生かせれば、北海道勢を相手にも好勝負を演じれる。
キングリーエアーは門別1100m・2歳新馬戦を快勝。2戦目は1700m延長にもとまどって7着に終わったが、3戦目は4着に反撃。ジュゲムーンが3馬身差で圧勝したが、2着とはハナ、クビ差と僅差だった。母はゴールドアリュール産駒で大井4勝ゴールドハーモニー。500キロを超す馬格を前面に上位争い必至。
キエティスムは門別1000mの新馬戦を2番手キープから抜け出しを決めて快勝。続く重賞・栄冠賞は後方のまま10着。前々走も最後方からの競馬からメンバー最速の上がりを使ったが、0秒9差4着。前走は後方2番手から7着と1000mの忙しい競馬が合わなかった印象。常識的には1000mのみから、いきなり1600m延長はマイナス材料だが、この馬の場合は例外。うまく流れに乗れれば侮れない。
ミヤギヴォイジャーはデビュー戦の850mは逃げたステイクラッシーを捕らえ切れず2着だったが、2戦目を0秒9差で圧勝。3戦目は初の盛岡にもとまどって6着だったが、コース2度目で2着確保。盛岡左回りにも慣れた。
クリムゾンジュエルはデビュー戦の門別1000mを逃げ切ったが、以降は5頭立て5着、6頭立て6着。ハナを楽に奪えた際に残り目があるかも。
◎(6)キングミニスター
〇(2)サウザンドマイル
▲(3)キングリーエアー
△(1)キエティスム
△(5)ミヤギヴォイジャー
△(8)クリムゾンジュエル
<お奨めの1頭>
6R エムティリラ
転入戦は2着に敗れたが、以降はハイタイムで逃げ切り2連勝。前走と同じ1400mが舞台なら、もう一丁いける