12日(月)に予定されていた盛岡競馬は台風上陸の影響で取りやめ。14日(水)に代替開催され、全レースもそのままスライド。メイン12RのJpnIII「第29回クラスターカップ」(盛岡ダート1200m)も同メンバー、同枠順で行われる。
ドンフランキーはデビュー2戦で芝を使って2、5着。3戦目の阪神ダート1400mを逃げ切って初勝利。以降はアーリントンカップを除き、すべてダート戦のみを使われてきた。重賞初制覇は4歳7月、プロキオンステークス。1番人気はリメイクに譲ったが、鮮やかな逃げ切りを決めた。
続くクラスターカップでは逆にリメイクの末脚に屈したが、東京盃をコースレコードで逃げ切り。2011年、スーニが保持していた大井1200mレコードを0秒1を更新した。重賞2勝目を手にした。
年が明けてフェブラリーステークスは距離が長かった上、前が総崩れの展開にも苦しみ9着に沈んだが、ドバイ・ゴールデンシャヒーンでは逃げ粘って2着。リメイク(4着)に先着を果たした。今回は帰国初戦で4ヵ月半ぶりの実戦。仕上がりがカギだが、大型馬でもテッポーが利くタイプ。秋のビッグレースへ向けて弾みをつける。
クロジシジョーはデビュー戦の芝1200m8着後、ダート短距離にシフト。4戦目の阪神ダート1400mで未勝利を脱出し、以降も安定。昨年、芝1200mを2度使って8、14着に終わり、再びダート短距離路線へ戻って2勝マーク。前走・東京スプリントが初の地方ダート戦だったが、出遅れを喫しながらもメンバー最速の上がりを披露してジャスティンの2着に突っ込んだ。1200mのスペシャリストぶりを存分に発揮する。
コスタノヴァはビュー戦の芝1600mは11着に大敗を喫し、2戦目からダート路線へ変更。5勝2着1回と連対パーフェクトを続け、目下3連勝中。出遅れながらもすぐに回復して余裕でゴール。スケールの違いを見せつけている。距離最短は前走の欅ステークスだが、タレースレコードタイの1分21秒9をマーク。今回のクラスターカップの結果次第ではダート短距離界に新風を吹き込める。
ジレトールはデビュー戦の新潟芝1400m5着から2戦目、中京ダート1400mを完勝。以降もダート1400mで3勝をマークしてオープン入りを果たした。今年2月、小倉芝1200m8着後、ダート1200m戦へシフト。3、1、1着と再度上昇ムード。母サンビスタはGI・チャンピオンズカップ、JpnI・JBCレディスクラシックを含めて重賞6勝をマークした強豪牝馬。素質開花の期待がかかる。
ケイアイドリーはデビュー当初はダート中距離を使われていたが、4歳4月から短距離メインにシフト。昨年6月、JpnIII・北海道スプリントカップを快勝した。続く東京盃9着、JBCスプリントは9着に終わったが、兵庫ゴールドトロフィーで2着に反撃。59・5キロの酷量を克服した。今回は中東遠征帰りで4ヵ月半ぶりの実戦。仕上がりがカギを握る。
◎(7)ドンフランキー
〇(11)クロジシジョー
▲(12)コスタノヴァ
△(2)ジレトール
△(9)ケイアイドリー
<お奨めの1頭>
1R リッチアロマ
名古屋、南関東900m以下で4勝マーク。最高格付けが南関東B3なら格付け有利は明らか
海外経験もある実績馬から重賞初挑戦の新鋭まで多彩な顔ぶれとなった今年のクラスターカップ。本命は(2)ジレトールを狙う。
以前は1400mを主戦場とし脚質も逃げ先行で戦っていた同馬は2月の芝戦で末脚を活かす競馬を演じてみてから脚質変更、そして距離も1200mへと転じてきたのだが、これが見事にハマって1200mのOP特別を連勝してきた。以前の行きたがるところが徐々に解消されタメが効くようになったというのがこの変化につながっており、いわばここに来て本格化してきたと見る事もできるだろう。前走は出遅れて最後方近くからの追い込みになったがベストなのは二走前の中団から差す形。その時と同じ鞍上、同じ内枠から戦えるのは幸運だし、少々の前残り傾向になっても元々の先行力でカバーできると見た。
(7)ドンフランキーが対抗。昨年のこのレースで、あるいはドバイで見せたような快速性能は当然脅威。昨年の2着にしてもあくまで展開のアヤといえるし、スピード完全発揮ならあっさり逃げ切るシーンまであっていい。懸念は臨戦過程でドバイからの直行パターンは勝ちまでは届いていない。その点で対抗の印までとした。
三番手は(12)コスタノヴァ。ダートに転じてからは6戦5勝2着1回と勢いはここでも最右翼と言っていい。時計も非常に優秀だ。こちらの懸念は距離。ここまでの走りの質はどうもマイル~中距離のそれに思える。初の1200mでどう戦えるか?は未知の部分だ。
であれば(11)クロジシジョーにもチャンスはあっていい。昨年もこのレースに登録していたが補欠から繰り上がる事ができなかった。それが今年はすんなり出走枠に入ったのだからこの1年でそれだけ力を付けたという事だ。出遅れが少し気になるが極端な不利さえなければ。(5)スペシャルエックスも54kgは戦いやすい材料。昨年も4角までドンフランキーに食らいついていた事を思い出したい。そしてもう一頭に(6)ゲンパチプライド。1200mは忙しいが現状のデキは悪くないだけに、馬券圏内の期待をかけてみたい。
★印
◎2
○7
▲12
△11
△5
△6
★買い目
3連単フォーメーション
2,7→2,7,11,12→2,5,6,7,11,12
馬単
2=7
(横川典視)
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8月11日に行われた3歳牝馬の二冠目、重賞『ひまわり賞(オークス)』は2番人気のコモリリーガルが優勝。岩手転入2戦目、2歳時のプリンセスカップ以来の重賞制覇を果たしました。
1800mという距離での戦いは未経験という馬も少なくない中、前走も同じ盛岡1800mで戦っていたコモリリーガルは果敢に先行、自ら主導権を握る形でレースを進めます。「折り合いを欠くタイプでは無いけれど行き過ぎず・押さえすぎずを心がけた道中。最後まで手応え良く走りきってくれた(村上忍騎手)」。勝負所では後続が追い上げてきましたが逸れも難なく振り切って5馬身差快勝。村上忍騎手も思い通りに戦えたと納得のいく表情で振り返っていました。
8月13日のメインレースは12Rで行われる『はまなす賞』。このレースも本来は3歳芝の準重賞だったのですが今年はダート1600mで実施されます。
はまなす賞の本命は(6)ラブショックを採りました。
この春に岩手に転入してここまで掲示板圏内を確保、重賞で5着だった前走のその前までは3着以内を確保していたラブショック。前走は最内枠で出遅れてしまい5着に終わったものの、それでも最後は優勝争いをしている集団の直後まで取り付いてきてのこの結果だった事を思えば力量は証明できたと考えていいでしょう。
その前走でひとつ前の4着だったのがひまわり賞2着のコンバットスプーン。3馬身の差があったとはいえそれもここでは胸を張れる戦績に。少頭数の外枠で真価を発揮。
(7)サトノファントムを対抗に。サトノダイヤモンド産駒らしく腰高・胴長でゆったりとした身のこなし。実績もいかにも芝馬と感じるものだけにダートがカギなのは確かでしょうが、例えばオパールカップを勝ったベルベストランナー、こちらもJRA時代には芝の中長距離を使っていて、芝2400mの時計ではこちらが上回っていた・・・というのは手がかりのひとつになるのでは。台風の影響で軽いダートになったのも味方につければ初物尽くしでも。
三番手は(3)ゴーゴーダンサー。重賞級の面々に対してはあと一歩という印象ですが、それでも勢いに乗ってきていると感じる近走です。加えてこのメンバーならマイルでしっかり戦えているという点だけでも武器になるはず。
以下は残り少ない中でも絞り込みづらいですが、(1)マルーントリック、(2)カレンアイバーソンの二頭を。どちらもパワー型というよりは軽めの馬場の方が良さそうなタイプ。揉まれずに気持ちよく流れに乗れれば上位にも・・・の狙いで。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(6)=(7)、(6)→(3)、(6)→(1)、(6)→(2)
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11日メインは岩手牝馬クラシック二冠目「第38回ひまわり賞」(盛岡ダート1800m)。岩手生え抜きはセイバイラック、ティーエスフェアリ、プリズムスペクトルの3頭のみ。
また13日にある3歳準重賞・はまなす賞は芝1600mからダート1600mへ変更。春の牝馬路線の主役を演じたレッドオパールが距離適性を考えて、はまなす賞へエントリー。さらにオパールカップ5着ラブショックも同レースに出るため、結果的に出走メンバーが分散化された。
本命は金沢から転入初戦リケアマロン。中央ダート1400m以下で入着3回の実績から金沢・条件交流2着から金沢入り。初戦を0秒5差で完勝し、北日本新聞杯を圧勝。1番人気リメンバーアポロが向こう正面で競走中止のアクシデントがあったにせよ、2着に1秒1差をつけて重賞を手にした。
石川優駿はトライアル・北日本新聞杯の内容から1番人気に支持されたが、ナミダノキスに完敗2着。距離2000mが長かった感じだった。そのうっ憤を晴らすかのように牝馬重賞・加賀友禅賞を逃げ切り勝ち。今回のトレードはひまわり賞狙いは明らか。鞍上に手慣れた吉原寛人騎手を指名し、万全の態勢で臨む。
逆転筆頭はコモリリーガル。2歳時に園田・プリンセスカップ、プリンセスカップ(盛岡)と牝馬交流プリンセスカップを連勝。"GRANDAME-JAPAN2023"2歳シーズン第2位に入った(優勝はシトラルテミニ)。東京優駿牝馬15着後、園田へ移籍。姫路を一度使って門別へ帰郷。1勝3着2回の成績から今度は水沢へ移籍。初戦のやまびこ賞は逃げ一杯5着に終わった。しかし評価ダウンは禁物。やまびこ賞を叩いて動きが一変。陣営も変わった手応えを十分感じ、前走より強気の発言も心強い。
セイバイラックはデビュー4戦まで芝を使われて2着2回。5戦目は当初予定が芝1600mだったが、ダート変更。これが功を奏して初勝利を飾り、重賞の常連。寒菊賞2着、金杯2着など上位を確保し、着外は4走前・イーハトーブマイル8着のみと抜群の安定感を誇っている。やまびこ賞でもコモリリーガルに先着3着を確保した。最大ネックは勝ち味に遅いことだが、ここでも上位扱いが当然。
コンバットスプーンはネクストスター盛岡2着、ビギナーズカップ3着(1着はいずれもフジユージーン)。南関東から再転入後もイーハトーブマイル2着、ウイナーカップ2着と粘りを発揮した。気になるのは1800m対応だが、牝馬同士なら克服十分。
ノースビクトリーは南関東2勝2着1回3着3回から転入。転入戦の3歳B1戦4着だったが、3ヵ月半ぶりの実戦がこたえたか。変わり身を見せれば実績からアッサリまで。
ルボートンは京都芝1600m・2歳新馬戦3着。転入初戦は出遅れたが、字堯なまくりを決めて快勝した。その後もJRA条件交流(芝)2着など実力一目。一発の可能性を秘めている。
◎⑩リケアマロン
〇⑤コモリリーガル
▲⑨セイバイラック
△⑥コンバットスプーン
△④ノースビクトリー
△⑦ルボートン
<お奨めの1頭>
1R エルビエントソプラ
能力検査で盛岡1000m・1分1秒6の破格時計をマーク。満を持して出走し、好発進を決める
8月4日(日) 「第26回岩手県知事杯OROカップ」(地方競馬全国交流 盛岡ダート1600m)。
当初予定は芝1700mだったが、芝走路の悪化によりダート変更は決定済み。他地区から5頭が参戦し、迎え撃つ岩手7頭の計12頭で実施する予定だったが、第8R終了あたりから盛岡周辺はゲリラ豪雨と激しい風が吹き荒れ、第9、第10Rは天候不良による視界不良及び馬場状況悪化のため取り止め。メイン11R、第12Rは天候不良による馬場状況悪化のため取り止めの措置が取られた。
8月6日(火) 「第25回フェアリーカップ」(牝馬オープン準重賞 盛岡ダート1800m)
逃げたのは単勝1番人気に支持されたミニアチュール。外枠に入ったが、後述するとおり予定どおりの戦法だった。2番手にオンザブロッサム、3番手インにエルフィンドール、その外にビッグタマテルーフの隊列。
ミニアチュールは後続を3馬身ほどリードし、マイペースに持ち込む。道中は余裕たっぷり。直線を向いても鞍上・佐々木志音騎手の手は動かず持ったまま。残り200m手前でゴーサインを出すと鋭く反応。あと余力を残して7馬身差でゴール。佐々木志音騎手は準重賞だったが、初のタイトルを獲得した。
2着争いは2番手追走オンザブロッサムの外で終始プレッシャーをかけたビッグタマテルーフが積極策から2着を確保。3着は後方3番手を追走したコリコはバードハズフロウンを交わして先着。単勝1・4倍の圧倒的1番人気に応えてミニアチュールが優勝したが、2着に9番人気、3着に8番人気が入り、馬単4120円、3連単55420円の好配当となった。
1着・ミニアチュール=佐々木志音騎手
「競馬の前はいろいろな作戦を考えて悩んだが、ゲートを出たときは思い切っていこうと決めた。自分の競馬ができて負けたら仕方がないと思った。道中は折り合い重視。今回は1800m戦なので馬の行く気を優先させてレースを進めたが、距離が少し長いかなと思っていたので強さにびっくりした。ミニアチュールは実習の時から乗っていたし、普段も調教をつけていますから、準重賞ですけどタイトルを取ることができてすごくうれしいです」
佐藤祐司調教師
「昨年、牡馬二冠、牝馬二冠を取ったあと、ロジータ記念に挑戦したが、背伸びしすぎたかもしれない。いま振り返ると、もう少し段階を踏んでからの方が良かったかなと思う。今年春も苦戦の連続だったので、試しに1000mを使ったら強い競馬をしてくれた。これできっかけをつかんだと思う。次の目標はビューチフルドリーマーカップ。相手は強いが、岩手代表として挑戦しようと思っています」
今週の岩手競馬
8月11日(日) 「第38回ひまわり賞(オークス)」(3歳牝馬 盛岡1800m)
8月12日(月) 「第29回クラスターカップ」(JpnⅢ 盛岡1200m)
8月13日(火) 「「第28回はまなす賞」(3歳 盛岡1600m)