8月4日に行われる予定だった重賞『岩手県知事杯OROカップ』そして同じ日に予定されていた九州騎手交流戦『M&Kジョッキーズカップ』はいずれも直前の豪雨によるコース状態悪化のために取り止めとなりました。
10R・12Rが『M&Kジョッキーズカップ』、11Rが『岩手県知事杯OROカップ』の予定だったのですが、8R後から降り始めたいわゆる"ゲリラ豪雨"のために9R以降がすべて取り止めに。あとになってみれば1年の間でもめったに遭わないような豪雨だったわけですが、いずれにせよ非常に残念な結果でした。
『M&Kジョッキーズカップ』も九州の騎手を招いて行うのは16年ぶりだったのでファンの皆さんも楽しみにしていましたよね。今期中の再戦は難しいとの事で、次回、来年度以降の改めての機会を待つ事にしましょう。
8月6日のメインレースは11Rです。OP牝馬による準重賞『フェアリーカップ』。1着馬から3着馬までに『ビューチフルドリーマーカップ』の出走権が与えられるトライアル競走には10頭が出走します。
本命は(9)ミニアチュールです。
今季当初はマイル路線でスタートしたミニアチュール。赤松杯までの敗戦を見て短距離に進んだところが1000mのスプリント特別快勝、850mの重賞でも4着と高いスピード能力を発揮して見せました。マイルに戻っての前走がそして8馬身差の圧勝。これが勝つ味を思い出した勢いなのか、あるいは3歳"変則四冠馬"の地力なのか、昨年の強さを取り戻したと感じさせています。
もう少し振り返ってみれば同馬は実は盛岡では5戦5勝と負けていません。3歳時だけならともかく、古馬になってもマイルと1000mという別々の距離で勝っているのですからコース適性の高さは相当なものと考えるべきでしょう。そして距離に関しても昨年のひまわり賞で1800mを、OROオータムティアラで2000mをいずれも圧勝。この実績であればここでも中心の期待をかけるのにふさわしいと言えるでしょう。
対抗には(6)ユウユウレラシオンを。◎と同世代の牝馬で対◎ではひまわり賞4着・OROオータムティアラ2着の結果があります。どちらも勝った◎との差は大きく着順の数字だけで過信はできませんが、近走の気配も悪くないようですし、A級通用の力量を見せている点も魅力に。
三番手は(5)バードハズフロウン。連続好走とはいえB級でのもの、ここでどうか?はまだ未知数ですが、実質B1レベルのメンバーが多いのなら大きな差はないでしょう。忙しい流れになると動けませんがじっくり・ゆったり動ける形なら別にハナにこだわるわけでもない。ここはその希望が叶う展開になるとみての▲評価。
以下、まず(8)オンザブロッサム。前走時は逃げ馬がかなり優勢だった日という点は考慮が必要ですが、好走続く近走の勢いならダート1800mの条件でも力を出せるはず。(1)アドマイヤハイジは実績通りに芝がベストなのは確かでしょうが、転入初戦・二戦目はB1ダートで健闘しています。距離が大きな問題になるとは思えない、むしろ長めの距離の方が動きやすそうな印象もありますし、芝専用と決めつけずに押さえておきたいですね。(横川典視)
●11Rの買い目
馬単(9)=(6)、(9)→(5)、(9)→(8)、(9)→(1)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
5日メインは「スプリント特別」(オープン 盛岡ダート1200m)。次開催にJpnIII・クラスターカップが控えており、スプリント戦線の上位組はスキップ。それでも距離に自信ありのスペシャリストがそろった。
本命はスターオブケリー。門別2勝から南関東へトレードされ、2着4回から3歳交流・ハヤテスプリント(盛岡ダート1200m)に参戦。5番人気ながら鮮やかな逃げ切りを決めた。また芝1000m交流重賞・OROターフスプリントにも参戦して4着。
その後、金沢、南関東などを転籍して今年6月に転入。初戦は11着に大敗したが、2戦目の岩鷲賞(盛岡ダート1200m)で3着に逃げ粘った。前走・いしがきマイラーズは芝にとまどったというより、1600mが長かった印象。逃げ失速7着だったが、仕方なしの結果。今度はベストの1200m戦に替わって岩手初勝利のチャンスを迎えた。
レディブラウンは門別1勝後、南関東へ移籍。浦和・桜花賞で3着の実績があり、B2へ在籍。一度、門別に戻り、昨年12月に岩手入り。これまで6勝2着2回3着1回。馬券対象から外れたのは4走前6着一度のみ。抜群の安定感を誇り、A級入り後も2戦連続2着にまとめている。
脚質は自在だが、基本は差しタイプ。いい脚を長く使えるのが持ち味で今回の大外11番枠は問題なし。盛岡1200mも2戦1勝2着1回と連対パーフェクト。今回もしっかりと馬券対象を果たす。
アブシンスは今年8歳の牝馬だが、1勝2着2回3着1回と健在を誇示している。マイルまでならどんな距離もこなすが、今季は徹底して1200m以下を使われて、特に盛岡戦は通算11勝。盛岡1200mでも2勝2着2回の好成績を収め、絶好の1番枠を引き当てたのも強調材料となる。
ユニコーンはドゥラメンテ産駒。デビューは3歳6月まで遅れたが、門別1勝から高知へ移籍。5勝をマークした。続いて佐賀へ転籍して2勝マーク。B級から岩手入りし、いきなり重賞・岩鷲賞へ挑戦。出遅れながらも6着。スタートに課題を抱えているが、前走1000mより1200m向きは明らか。
セイシークエンスは今シーズン3着2回が最高だが、いずれも盛岡戦でマーク。その2戦を含めて盛岡5勝2着7回3着3回。対して水沢は2着1回にとどまり、典型的なサウスポーと見ていい。前走3着に巻き返して上昇ムードも心強い。
トキノパイレーツは主戦場が1600mだが、3走前の盛岡1200m6着ながら好タイムをマーク。条件2度目で上位進出。
◎(2)スターオブケリー
〇(11)レディブラウン
▲(1)アブシンス
△(7)ユニコーン
△(6)セイシークエンス
△(4)トキノパイレーツ
<お奨めの1頭>
3R ガイストフォル
出走取り消し後の前走2着だったが、タイム差は0秒1。今度はメンバーが大幅に緩和され、順当に首位を奪取する
4日メインは地方競馬全国交流「第26回OROカップ」。今年は芝1700mからダート1600mへ変更して行われる。OROカップがダートで実施されるのは第4回(2002年 優勝はトーヨーデヘア)以来、22年ぶりとなった。
マンダリンヒーローは昨年、アメリカへ遠征。GI・サンタアニタダービーでハナ差2着に惜敗し、ケンタッキーダービーにも挑戦(12着)して春の話題をさらった。帰国後は黒潮盃から始動して2着。以降も戸塚記念2着、ダービーグランプリ2着。続いて佐賀記念10着に沈み、オープン2着、ブリリアント4着からせきれい賞に参戦。芝に活路を求めてきたが、芝からダート変更。それでもメンバーが甘くなって1番人気に支持されたが、勝負どころでもたついてライアンの2着に終わった。
今度はダート1600mが舞台に替わるが、距離よりも自身のメンタルが問題。解決策として今回はブリンカーを着用予定だという。レースに集中さえできれば地力の違いは明白。2歳以来の勝利を飾り、復活の舞台としたいに違いない。
アトミックフォース中央芝2000m4勝。その後、南関東へ移籍して2戦目から2連勝をマークして盛岡芝2400m交流・せきれい賞へ参戦。適性の違いを見せつけて完勝し、続いてOROカップも優勝。盛岡芝で持てる能力をフルに発揮した。昨年は東京大賞典から休養に入り、ひと叩きされてOROカップへ参戦。2連覇を果たした。
今年はせきれい賞2度目の制覇を狙ったが、ダート変更。逃げの手に出たが、直線一杯5着に終わった。今度もダートが舞台だが、走り頃の休み明け3戦目。ロゾヴァドリナ以来、史上2頭目のOROカップ3連覇を目指す。
ヴィゴーレは中央芝3勝から南関東へ移籍。昨年、5戦1勝からせきれい賞へ参戦。メンバー最速の上がりで快勝した。その後も1勝をマークして、ほかでも安定した取り口を披露。連覇を狙った前走・せきれい賞はダート変更でも3着確保。いい脚を長く使えるのが武器。盛岡ダート2戦目で首位を奪取する。
グランコージーは転厩で心機一転。自慢のスピードが冴え渡り、開幕から3連勝。赤松杯では3歳・ダイヤモンドカップ以来の重賞制覇を果たし、シアンモア記念も優勝。春の主役を演じた。一條記念みちのく大賞典はヒロシクンに出鼻を叩かれて自分の競馬に持ち込めず、2000mも長く4着。今回はダート1600mへ変更されて急きょエントリー。過去1600mは通算10勝とベストの条件。
ライアンは2歳時、平和賞優勝を含めて4勝3着1回。3歳時には羽田盃で2着を確保したが、以降は鳴かず飛ばず。今年春、岩手へ新天地を求め、初戦の赤松杯で2着。続くシアンモア記念は4着に終わり、芝を使いたいとの意向から芝・せきれい賞へエントリー。ダート変更は予定外だったが、直線抜け出しを決めて快勝。2歳以来の勝利を飾った。1600m対応がネックだが、これで弾みがついた。
ビジンは中央ダート1700m2勝、芝2500m1勝から南関東へ移籍。初戦は6着に終わったが、重めも敗因。ひと叩きされて体が絞れてくれば軽視できない。
◎⑥マンダリンヒーロー
〇⑧アトミックフォース
▲⑫ヴィゴーレ
△①グランコージー
△③ライアン
△⑪ビジン
<お奨めの1頭>
4R イントゥフリー
一戦ごとに岩手の水に慣れてきて2戦連続2着。前走タイムも抜けており、今度は首位を奪取する
7月30日(日) 「第25回オパールカップ」(3歳・地方競馬全国交流 盛岡ダート1600m)
当初予定は芝1700mだったが、芝走路悪化のためダート1600mへ変更して実施された。スタートから各馬がけん制し合いながらレースを進め、枠差でルーラーオブダートが先手を取り、2番手ティーエスフェアリ、3番手外にコンバットスプーン、その後ろ4番手をマイベネラブルが追走。最後方にラブショック、ベルベストランナー。
砂の深い外を避けて3~4コーナーを通過してティーエスフェアリが半馬身ほどリードしたが、内ルーラーオブダートも遅れず追走。一方、最後方にいたベルベストランナーが一気に先団につける。直線を向いてルーラーオブダートが先頭に立ち、その外にコンバットスプーン、さらに外からベルベストランナーが強襲。内をついてマイベネラブルも伸びてきたが、ベルベストランナーがマイベネラブルにクビ差で先着。転入初戦で初勝利を飾り、いきなり重賞タイトルも獲得した。
1着・ベルベストランナー=高橋悠里騎手
「思った以上に加速がつかなかったので最後方からの競馬になったが、反応が良かったし、砂をかぶっても問題なかったので、どっしり構えてレースを進めた。JRA時代に長い距離をメインに使われてロングスパートがきくタイプ。3コーナーからしっかり伸びてくれた。さすがに長く脚を使ったので最後は一杯になったが、我慢してくれた。まじめな子ですから距離が延びても問題ないと思う」
千葉幸喜調教師
「転入後、熱発などがあって順調さを欠いたが、オパールカップが芝からダート変更になったので急きょ、申し込みした。攻め馬であまり気を出さなかったので、剛腕タイプが合うと思って高橋悠里騎手に騎乗依頼をしたが、それも勝因だったと思う。まだ本調子ではないので、これからさらに良くなっていくはず。今回、勝ちましたからね。不来方賞へ挑戦するかもしれません」
7月31日(水) 「第25回若鮎賞」(2歳 盛岡ダート1600m)
今シーズン第一弾の2歳重賞。当初予定は芝1600mだったが、こちらもダート1600mへ変更して行われた。スタート直後にミヤギプリンセスが躓いて落馬のアクシデントが発生し、逃げたのはステイクラッシー。2番手外にポマイカイ、3番手インにマツリダマスラオ。2番枠に入ったサウザンドマイルは馬群がばらけた瞬間、うまく外に出して4番手外につけた。
全馬が初の1600mだったが、思った以上に速いペース。2番手につけたポマイカイは4コーナーで一杯となって失速。替わってサウザンドマイルが逃げたステイクラッシーを残り200mで捕らえて先頭。あとは後続を突き放し6馬身差で圧勝。2着にはゴール前でマツリダマスラオがステイクラッシーを交わして確保した。
1着・サウザンドマイル=山本政聡騎手
「中間に砂を被る練習をしたそうですが、キャリアが少ない2歳馬。内枠に入っても、できれば揉まれたくなかった。今回は戦ったことがないメンバーが多かったのでポジションが読めなかったが、うまく外に出せてベストの展開に持ち込めた。これで気分良く行けると思った。2歳戦に盛岡マイルはタフな条件。今日の馬場もタフさを要求されますから、あまり行き過ぎないように、逆に置かれすぎないようにレースを進めた。まだ体がしっかりしていなくて幼い面があるが、レースセンスが良くて反応もいい。馬格もあるので、今後も期待できると思います」
齋藤雄一調教師
「万全を期し、調教で2日間続けて砂をかける練習をして臨んだ。ペースが速くなってレースも流れたのも良かったと思うが、(もう一つ上の)ギアを持っているのがこの馬の良さ。今日の内容ならもっと距離が延びても問題ないと思う。次走については白紙。これからオーナーと相談して決めます」