31日メインは牝馬・地方競馬全国交流ビューチフルドリーマーCトライアル準重賞「第24回フェアリーカップ」(盛岡ダート1800m)。マルケイマーヴェルは目下2連覇中。3連覇を目指して調整を進めてきたが、強力牝馬がエントリーしてきた。
ゴールデンヒーラーは2歳時からトップグループを走り続けて重賞7勝。2歳時に最優秀短距離馬に選ばれ、3歳時、昨年も2年連続で最優秀牝馬に選出された。昨年も青藍賞を完勝し、JpnI・マイルチャンピオンシップ南部杯へ挑戦。メンバー最速タイの上がりを披露し、5着に健闘。続いて地元の期待を集めてJBCレディスクラシックに駒を進めたが、脚部不安が発生したため出走取り消し。その後は北海道で放牧された。
水沢帰郷は今年2月。一回り大きくなって戻ってきて、満を持して栗駒賞から戦列復帰。好位キープから4角先頭の横綱相撲で完勝し、今年は天下取り濃厚と誰もが思った。しかしシアンモア記念は逃げ一杯6着に沈み、一條記念みちのく大賞典も8着凡走。案外の結果に周囲の落胆も大きかった。
そこで陣営が下した決断は牝馬限定戦フェアリーカップ。別定戦で56キロで走れるのも選択した理由の一つ。賞金はともかく、まずは勝ち癖をつけたい―が本音。きっちり勝利をモノにして秋のビッグレースに備えたいところだろう。
グルアーブはデビュー4戦は中山ダート1200mを使って2着2回3着2回。その後は芝へ路線変更して芝1400m~1600mで3勝をマークした。3走前の3勝クラス・中山ダート1200m戦5着。走破タイム1分11秒4は現在の短距離オープンでも十分通用する。
最大ネックは距離対応。メインがマイル以下で1800m延長がどう出るかだが、盛岡1800m戦は1コーナーの入りが早くペース落ち着くのは確実。それならば十分克服できる。
マルケイマーヴェルは岩手版オークス・ひまわり賞を優勝。OROオータムティアラ2着。以降、一貫してA級で走り続けてフェアリーカップ2連覇中。それを含めて盛岡1800m4戦3勝と絶対の自信を持っている。前走4着後はここに照準をピタリと合わせたが、まさかのゴールデンヒーラーの出走。それでも相性抜群のフェアリーCで3連覇を狙う。
マルルットゥは3歳時に牝馬重賞・あやめ賞を快勝。ひまわり賞でもトーセンキャロルの2着を確保した。昨年10月から南関東へ移籍して今年春に里帰り。未勝利ながら2着3回と好走。堅実な差し脚健在をアピールしている。
ホワイトブライドは今季5着最高と精彩を欠いているが、盛岡5勝2着5回。得意コースで巻き返しを狙う。
ブリリアントウェイは中央未勝利から金沢3勝後、南関東へ移籍。川崎2000m戦で3勝マークとステイヤーぶりを発揮。転入戦はマイルが舞台だったが、1800m延長は大歓迎。
◎④ゴールデンヒーラー
〇⑤グルアーブ
▲⑦マルケイマーヴェル
△③マルルットゥ
△⑥ホワイトブライド
△⑨ブリリアントウェイ
<お奨めの1頭>
2R デルマスーリア
デビュー戦は伸びを欠いて3着だったが、初輸送、初コースも影響したか。盛岡2度目で巻き返しに転じる
30日メインは地方競馬全国交流「第45回せきれい賞」(盛岡芝2400m)。今年は遠征馬6頭、地元8頭の計14頭で覇を競う。2020年アップクォーク(園田)、2021年ロードクエスト(大井)、2022年アトミックフォース(船橋)と3年連続で遠征馬に凱歌が上がっているが、今年は4年ぶりに地元優勝の可能性が高くなった。
ゴールドギアは中央芝5勝・オープンから転入。初戦に重賞・あすなろ賞を選んで2着。生涯初めてのダートだったが、難なくこなして好発進。その一戦を叩いて当初の予定どおり、せきれい賞トライアル・かきつばた賞へ出走。リンシャンカイホウが逃げてスローに落とした。前日までの盛岡芝は前が止まらず、ハイタイムの逃げ切りが続出したが、ゴールドギアは8番手待機策から3コーナースパート。豪快に抜け出した。最後で脚いろが鈍った感じもあったが、先頭に立ってトボけたから。馬群を割ってコスモカルナックが接近するともうひと伸び。着差以上に強い内容で完勝した。
かきつばた賞=芝1700mから今度は芝2400mが舞台になるが、中央時代に芝2400m3戦2勝。伊藤和忍調教師「当初からせきれい賞が今年前半の目標ですからね。久しく紫(重賞)の胸かけを取っていませんからね。ぜひ、手にしたいと思っています」
アルサトワは芝2000m4勝、芝1800m、芝1600mでそれぞれ1勝をマークして通算6勝。今年3月にはJpnIII・名古屋大賞典へ挑戦。未経験のダート戦だったが、逃げて4着に粘った。最大の武器は先行力と強じんな粘り。
盛岡芝2400mは1周1400mの小回りコースを1周半。ほぼ例外なくスローペースとなるため、決め手勝負型には厳しいコース。マイペースに持ち込んで3コーナーからスパート。これがはまればアッサリまで十分。鞍上は先週のハヤテスプリントをスタードラマーで快勝した優勝請負人・吉原寛人騎手。
ヴィゴーレは中央芝1800m2勝、ダート1800m1勝。今年1月に南関東へ転籍し、2戦目の浦和2000mを圧勝。2ヵ月の休養明けの前走も3着にまとめ、状態の良さをアピール。大井所属馬4頭目のせきれい賞制覇の期待がかかる。
ノーチカルチャートは昨年、中央3勝クラスから転入。せきれい賞2着、桂樹杯2着と盛岡芝が合うことを証明済み。冬場は名古屋へ転籍してGII・阪神大賞典を使って再転入。桂樹杯へ臨んだが、後方のまま9着。4ヵ月ぶりの実戦もこたえたが、それ以上に重馬場に泣いた印象。良馬場なら巻き返しに転じて不思議はない。
スーパーフェザーは芝1800m2勝、芝2000m1勝、芝2400m1勝。3歳時にGII・青葉賞で1番人気3着の実績がある。5ヵ月ぶりの実戦が若干気になるが、能力検査を叩いて変わり身が見込める。
ソロフレーズは昨年、重賞・いしがきマイラーズ、準重賞・桂樹杯、かきつばた賞を制して最優秀ターフホースの座を獲得。今年中央3戦を使って再転入したが、かきつばた賞5着、桂樹杯4着と伸びを欠いているが、ズブい面が出た感じ。それならば2400mが合うはず。
◎③ゴールドギア
〇⑤アルサトワ
▲⑩ヴィゴーレ
△⑫ノーチカルチャート
△⑧スーパーフェザー
△⑪ソロフレーズ
<お奨めの1頭>
5R デイタム
中央デビュー5戦とも一けた着順にまとめて5着1回。3歳C2編入は明らかに恵まれた
7月24日(月)、第10R・B2二組(盛岡ダート1600m)で1番人気に支持されたエスペルトが7馬身差で圧勝。この勝利で管理する板垣吉則調教師は通算1000勝を達成した。
板垣吉則調教師は1996年、上山競馬でデビュー。與那覇アナウンサーいわく"柿ピー"の愛称で2000年、2001年と2年連続でリーディングジョッキーに輝いた。その後、上山競馬の廃止に伴い、2004年から岩手競馬へ移籍。2005年6月、通算1000勝をマークした。しかし体調不良のために2010年、調教師免許取得とともに騎手免許を返上。
調教師開業とともに白星を次々と積み重ね、2015年には127勝。岩手競馬の調教師最多勝利の記録を大幅に更新した。今回の調教師1000勝も史上最速での記録達成となった。
板垣吉則調教師「ここまでリーディング7回ですか。やはり勝負の世界、結果を出してナンボの世界ですからね。開業当時から勝ちにこだわることを考えてやっています。そう、数字と言うよりは結果にこだわっていきたいと思っているので、その結果が数字につながって1500勝、2000勝となっていってくれるなら嬉しいですね」
今年も7月25日時点でリーディングトレーナー首位に立っている板垣吉則調教師は岩手県競馬調騎会会長の重責も務め、多忙を極めている。
話は前後するが、23日(日)、3歳・地方競馬全国交流「第11回ハヤテスプリント」(盛岡ダート1200m)が行われ、大井代表・スタードラマーが早め先頭に立ったクラティアラをきっちり差し切り、初重賞を手にした。
吉原寛人騎手「スタートで置かれないよう気をつけたが、互角で出ることができたので、いい位置を取れた。勝負どころで離され気味になったので届かないかと思ったが、直線の坂あたりの速力がすごかった。中間、暑かったので体調管理が大変だったと思うが、とてもいい状態に仕上げてくれたのも勝因です」
須田和伸調教師「この前(優駿スプリント)で一杯に仕上げたから、今回はその体調を維持できるかが課題だった。でも盛岡は涼しくて気候が良かったので、いい感じで臨むことができた。優駿スプリントの時はパサパサの砂でキックバックを嫌がっていたが、今日は良馬場でも水気が残っていたのが良かったと思う。この後は休養に入る。秋以降は古馬との戦いになるから、それに向けて準備をしたいと考えています」
須田和伸調教師は旧知の間柄だった。1990年代、JBC創設の話を聞き、毎年アメリカのブリーダーズカップを取材したが、須田和伸さん(当時は厩務員)も研修でブリーダーズカップにきて知り合った。今回は優勝インタビューでの再会だったが、自分のことのようにうれしかった。
今週の岩手競馬
7月30日(日)「第45回せきれい賞」(地方競馬全国交流 盛岡芝2400m)
7月31日(月)「第24回フェアリーカップ」(牝馬準重賞 盛岡ダート1800m)
8月1日(火)「第24回若鮎賞」(2歳 芝1600m)
7月23日に行われた3歳馬による地方競馬全国交流重賞『ハヤテスプリント』は1番人気に推された大井からの遠征馬スタードラマーが優勝。同馬は自身初の重賞タイトルを獲得しました。
果敢に飛ばした地元エイシンゲッコウを浦和クラティアラが追い、それを他の馬たちが一団で追うという序盤の展開のなかでスタードラマーはその馬群の中という位置。3コーナー過ぎから仕掛けていった同馬でしたが直線に向いたところでは前との差はまだ5馬身ほど。鞍上・吉原騎手も「間に合わないかと思った」と振り返ったほどの差でしたが、いよいよエンジンがかかったスタードラマーは猛烈な伸び。坂を越えて一気に伸びると、粘り込みを図るクラティアラをクビ差捉えたところがゴール。強烈な末脚を繰り出しての差し切りで自身の重賞初制覇を飾りました。
7月25日のメインレースは12Rです。B1級ダート1600mの『夢・希望 未来へ前進』。本命は(5)ストロングフォースを採りました。
昨秋の転入直後、昨シーズンは4連勝、6連続連対と大活躍を見せた同馬。B1級スタートの今季は昨季ほどの連勝こそないものの、途中A級に上がっても健闘するくらいに力を付けている戦績です。
前走にしても2着に退けたセイシーキング、3着に退けたヴォウジラールはいずれもA級で勝ち負けを争っていた馬。今回もA級から降級してきた馬が少なくない顔ぶれですが、そんな前走を思えば相手強化感は無い、むしろ強気にもなれる・・・というのがこの馬の近走の勢いでしょう。同様に、盛岡のマイルも前走で完全克服と見るならば、ここでの本命視も自然というもの。
対抗は(4)ヴォウジラールでどうでしょうか。前走では◎の3着でしたが脚質的にどうしても展開や馬場傾向の影響を受けやすいタイプ。昨年はA級一組や重賞でも連対、今季も、春先のあまり調子が上がってない時期でもA級上位で掲示板争いをしていました。徐々に調子が上がりつつある今ならもう一段上に食い込んできても良いはず。
3番手は(3)ツーエムプライドを狙ってみます。つい最近までは短距離主体で戦っていましたが二走前のマイル戦で流れが変わりました。短距離で押していくとかかってしまって最後まで持たない。ある程度じっくりいけるマイルの方が粘りを発揮できる・・・というのが変身の理由。同型もいてそんな二走前ほど楽には戦えないでしょうが、今の馬場なら前残りになってしまう可能性も十分にあるでしょう。
ヒモは先行タイプから(2)マルケイアロー、好位差しタイプから(6)ヤマニンスプレモを。前者はここだと相手が若干キツい印象があるものの、それでも相手なりに手堅い面を評価して、後者は勝ち負けまではまだ少し差がありそうですが2番手3番手争いなら差はないと感じる近走からピックアップ。
●12Rの買い目
馬単(5)=(4)、(5)=(3)、(5)→(2)、(5)→(6)
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24日メインはB1級特別「浜木綿賞」(盛岡芝1600m)。今シーズンの芝は当初、前が止まらないレースが続いたが、徐々に差しも届くようになってきた。脚質の有利不利はあまりないと判断していいが、中間の雨がどう影響するか。芝の状態をしっかりチェックしてほしい。
ギャレットは2歳時に活躍。重賞・若鮎賞を完勝し、芝全国交流・ジュニアグランプリでモリデンブラックの0秒2差2着。続いて芝1600m・JRA認定競走で2勝目をマーク。2歳芝路線をリードしたが、笠松へ移籍。3戦を使って里帰りして3歳芝準重賞・はまなす賞で1番人気に支持されたが、伸びを欠いて3着。以降はスランプに陥り、体のラインも崩れた。
今季は始動を5月まで遅らせたのは回復を優先したため。復帰戦は8着だったが、2戦目5着。復調の兆しをうかがわせ、オープン芝重賞・かきつばた賞へエントリー。8番人気の低評価に甘んじたが、メンバー最速タイの上がりを使って0秒4差4着。これでメドが十分に立った。
当初は桂樹杯の登録があったが、残念ながら抽選モレ。今回は自己条件のB1級に戻って大幅にメンバーが緩和。復活の雄たけびを上げる絶好機を迎えた。元々、芝ならオープン重賞でも勝ち負けできる能力の持ち主。首位をがっちりキープし、再び重賞へ殴り込みをかけたい。
キタノポケットは中央芝2着2回から転入初戦、B2・芝1600mを快勝。その後はダートで2勝をあげて再度、中央入りしたが、今年4月に再転入。2戦目の水沢1600mを快勝した。その後は低迷を続けたが、前々走のB1芝1700m・朝顔賞3着。改めて芝が合うことを証明した。前走は直線で不利もあって9着だったが、今回がエンジン全開の舞台。
ボーンブレジーヌは大井2勝から転入。6勝2着1回3着1回の好成績を収めて芝1000m戦にエントリー。2番手をキープしたが、直線失速7着。初の芝と1000mの忙しい競馬にとまどったが、今度は2度目の芝。距離も1600mへ延長されれば自分の競馬ができるのは確実。父ダイワメジャー、母父サドラーズウェルズなら陣営が芝にこだわるのも納得がいく。
ベアーザベルは昨年、中央芝2着2回から岩手入り。3歳芝1700m準重賞・はまぎく賞タイム差なし2着、続く芝2400m重賞・サファイア賞でも2着確保した。以降は4着最高だったが、ダートが合わなかったのがすべて。前走は久々の芝だったが、1000m向きではなく11着に終わった。その意味で今回が正念場を迎えた。
ラングロワは中央芝2勝、笠松1勝を経て転入。2戦目から芝へ連続出走したが5、4着。正直物足りなかったが、今度が真価を問われる一戦となった。
エムワンハルコは盛岡芝4勝2着4回とメンバー中一番の適性を誇る。気になるのは近2走の芝で連続6着と精彩を欠いていることだが、見限れない。
◎②ギャレット
〇⑥キタノポケット
▲⑤ボーンブレジーヌ
△⑦ベアーザベル
△⑧ラングロワ
△④エムワンハルコ
<お奨めの1頭>
9R キモンリッキー
転入2戦目から短距離にシフトして2連勝中。前走1200m戦では2着に1秒2差をつけて圧勝した。もう一丁いける。