8月28日に行われたGRANDAME-JAPAN2022・古馬牝馬の地方競馬全国交流重賞『ビューチフルドリーマーカップ』は1番人気サルサディオーネが逃げ切って優勝。グレードタイトル5つを持つ地方最強牝馬の貫禄を見せつけました。
単勝複勝ともに1.0倍。圧倒的な1番人気に推されたサルサディオーネ。今回もゲートが開いてポンとハナに立つとあとは淡々と一人旅。終盤も懸命に食い下がろうとする後続を全く寄せ付けず、5馬身差をつけてゴールを駆け抜けました。
8歳となった今季もグレードレースで、それも牡馬を相手に勝つほどの力を保つ同馬だけに地方の牝馬同士では力が違いました。次走は日本テレビ盃を挟むかJBC直行か馬の状態次第でと堀調教師。JBCに向けての試走的意味もあったここでコースを問題なくこなした事で本番への展望も大きく拡がったのは間違いないでしょう。
8月も30日になって今日の開催が8月最終日。岩手もすっかり秋の空気が強まりました。18時台のメインレースの頃もちょっと前までは照明なしでレースができたのが、今はすっかり暗くなった中での照明レースになりました。気がつけば南部杯・ダービーグランプリまであと1ヶ月、JBCまで2ヶ月。あっという間ですね。
さて8月30日のメインレースは12Rのオープン級ダート1200m『スプリント特別』。本命は(2)エイシンハルニレを採りました。
この春岩手に再転入(正確には再々転入)してここまで9戦5勝。7月に一度上がったA級では4着に終わったもののその後B1級で連勝して再度オープン級に挑みます。
その近走は1200・1400mで勝っているように、また以前の在籍時には1200mの3歳重賞を勝っているように適性はやはり短距離。A級馬相手のオープン特別とあって相手関係は強化されましたが、前走の走破タイムがあれば上位争いできるでしょう。
しかし(6)カミノコの短距離適性も侮れません。転入初戦ではマイルで2着の結果を残しましたが過去実績は1400mまで、その1400mの少し長いのかもと感じる戦績でした。前走はクラスターカップで掲示板も確保しておりこの距離での力量を軽く見るわけにはいきません。一方で二走前は今回とほぼ同メンバー・同条件のレースで6着に終わっており展開に注文がつく面は残っている印象。9頭立ての少頭数で気持ちよく流れに乗れれば。
三番手には(8)セイペイシェンスを。二走前には芝1000m戦を勝ちました。過去実績をざっと眺めた感じは短距離であれば芝ダを問わないタイプ・・・では。マイルからの短縮が良い方に作用すると見ます。
(7)アマルインジャズも近走はマイルで苦戦していますが本来はもっと距離が短い所がストライクゾーンでしょう。1200mなら盛岡でも,の警戒は必要。(9)タイセイビルダーも短距離の方が強気で立ち回れる印象名前のイメージとは逆に夏場の方が走るのかなという印象。二走前の内容ならここで差は無いと見るべきです。
●12Rの買い目
馬単(2)=(6)、(2)=(8)、(6)=(8)、(2)→(7)、(2)→(9)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
先週21日、盛岡ダート1800mを舞台に、不来方賞トライアル「第35回やまびこ賞」が行われた。優勝はエスポワールシチー産駒の牝3歳馬・アップテンペスト。名古屋から帰郷2戦目、岩手では初重賞、通算では重賞3勝目を飾った。
高松亮騎手「2番手キープは指示どおり。前走(ひまわり賞)よりペースが落ち着いたので自分の競馬ができたと思う。逃げているカクテルライトの反応を見ながらレースを進め、勝負どころから動いたらいい感じで伸びてくれた。アップテンペストに騎乗するのはデビュー2戦以来。当時は敏感すぎて大変でしたが、久々にレースで乗ったら大人になって、メンタル面で成長したのを実感した。僕自身、久々の重賞制覇ですし、自きゅう舎で勝てたのも嬉しい。今回の勝利を励みに、今後も勝ち星を積み重ねていきたいと思います」
佐藤雅彦調教師「体重は減っていたが、しっかり乗り込んで送り出しましたから気にならなかった。折り合ってレースができたので1800mも合ったと思う。今回、負けたとしてもOROオータムティアラを目指していた。今日のレース内容なら2000mも問題ないと思います」
29日メインは青藍賞トライアル「第45回すずらん賞」(盛岡ダート1600m)。1着馬から3着馬まで優先出走権が与えられるが、青藍賞は2週間後、9月11日(日)。レース間隔を考えて回避馬が続出。またヴァケーションは川崎遠征したため自重し、6頭立ての少頭数で行われる。
セイヴァリアントは中央ダート2勝2着6回3着6回から南関東へ移籍。2戦目の大井2000mを快勝した。今年7月に岩手入りし、スタートで出遅れながらも豪快なまくりを決めて完勝。新たな刺客誕生を予感させた。
前走は2着だったが、勝ったのは一條記念みちのく大賞典馬ステイオンザトップ。しかもステイオンザトップは直線でインを突いたのに対し、セイヴァリアントは外に進路を選択。当日は特殊な馬場状態でイン有利。進路差も出たことを考えれば0秒1差なら負けて強し。次走・青藍賞へ向けても今回は首位を譲れない一戦となった。
バスカヴィルは中央ダート4勝、オープンに在籍。昨年8月、南関東へトレードされ、2戦目OROカップへ参戦。ロードクエストの3着を確保した。その後は順調さを欠いて1月2日、大師オープン9着後に戦列離脱。今回は7ヵ月ぶりの実戦で仕上がり状態がカギだが、能力検査を使って態勢整ったと解釈。馬体重的にも太目感はなく、いきなり好勝負に持ち込める。
ホワイトブライドは2歳時1勝のみだったが、3歳6月から快進撃。岩手版オークス・ひまわり賞、イーハトーブマイル2着。OROオータムティアラでも3着確保した。今季もシーズン当初は精彩を欠いていたが、元々が叩き良化型。5戦目から2連勝を飾り、フェアリーカップ5着。距離も長かったか。今回は得意のマイル戦に加え、マイペースの逃げが打てるのは確実。持ち味の粘りを発揮する。
ツクバクロオーは中央3勝、高知6勝・A級から転入。初戦・トウケイニセイ記念で3着に好走した。今季2戦目・赤松杯9着後、4ヵ月半休養。久々はハンデだが、テッポーは苦にしない。
ファイントリックは昨年、OROオータムティアラを圧勝。エンパイアペガサスの妹が初タイトルを手にした。今季は精彩を欠いているが、徐々に復調ムードを漂わせている。
◎②セイヴァリアント
〇⑤バスカヴィル
▲①ホワイトブライド
△⑥ツクバクロオー
△④ファイントリック
<お奨めの1頭>
1R コスモロングソード
1年2ヵ月の長期休養をはねのけて前走2着。芝からダート変更も問題にしなかった。ひと叩きされて首位を奪取する
28日メインは"GRANDAME-JAPAN2022"古馬シーズン第7弾「第48回ビューチフルドリーマーカップ」(盛岡ダート2000m)。1着馬にダーレージャパン協賛で種牡馬フリオーソの種付け権利が与えられる。
同レースが"GRANDAME-JAPAN"に導入されたのが2010年。初年度はマイネベリンダが逃げ切り、地元優勝を果たしたが、以降は11年連続で遠征馬に凱歌。昨年も浦和代表・ラインカリーナが逃げ切り、上位4着馬まで遠征馬が独占。岩手勢ではユノートルベルの5着が最高だった。
しかし、今年はさらに強烈。過去最強牝馬サルサディオーネが参戦する。中央ダート4勝オープンから南関東へ移籍後、ダートグレード5勝。ほかに重賞2勝。今年もJpnII・さきたま杯で執拗なマークに遭いながらアタマ、アタマ差の僅差で逃げ切り勝ち。強じんな粘りを披露した。
前走・スパーキングレディーカップ(JpnIII)は3着だったが、ショウナンナデシコが相手では仕方なし。今回は地方同士の戦いに加え、55キロの負担重量。さらには過去12勝すべて左回りでマークし、盛岡ダートは望むところ。ほぼ、いや死角なしの大本命といっていいだろう。
もちろんサルサディオーネ陣営にとってBドリーマーカップは単なる通過点。11月3日に行われるJBCレディスクラシック(盛岡ダート1800m)をにらんでの参戦は、誰の目にも明らか。
サルサディオーネは2018年、JBC京都、2020年、JBC大井、2021年、JBC金沢と3戦JBCレディスクラシックに挑戦したが、いずれも着外。巡り合わせもあったが、すべて右回り。年齢を考えるとJBC盛岡がラストチャンスとなった。そのためにも万全を期して、今回Bドリーマーカップへ臨む。
今回は勝つのは当然として、どんなラップで逃げて、どんなタイムでフィニッシュを決めるのか。興味はその一点に尽きる。
そうなると2着争いが焦点となる。サルサディオーネが一人旅を決めるとして、相手は誰か。過去実績からコーラルツッキーが筆頭だろう。門別で7戦4勝。JpnIII・エーデルワイス賞、重賞・フルールカップを快勝し、東京2歳優駿牝馬7着後、南関東へトレード。
なかなか勝ち星をあげることができず2着2回3着1回。一昨年は未勝利に終わったが、故郷の北海道・ノースクイーンカップを優勝。久々の美酒を味わった。以降は相手が強化され、連覇を狙った前走ノースクイーンCも5着止まり。気難しい面をのぞかせているが、今回はサルサディオーネを除くとメンバーが楽。次位は譲れない。
ロカマドールは東京芝1400m・2歳新馬を快勝したが、1勝クラスにとどまり一昨年6月に南関東へ移籍。2戦目から4連勝を飾り、一戦置いてB2戦を快勝。昨年は積極的に遠征。佐賀ヴィーナスカップ優勝、兵庫サマークイーン賞4着、秋桜賞2着。"GRANDAME-JAPAN2022"古馬シーズン総合2位を確保した。
今シーズンもほぼ同様のローテーションで佐賀ヴィーナスC5着、兵庫サマークイーン賞9着、そして前走・読売レディス杯4着。やや精彩を欠いているが、前走3着馬は岩手牝馬No.1ゴールデンヒーラー。同馬に0秒1差なら十分勝ち負け。あとは2000mにどう対応できるかがカギを握る。
フワトロは中央未勝利から園田で2連勝して再度中央入り。初戦を快勝し、2勝クラスに上がったが、頭打ちを繰り返して南関東へ新天地を求めてきた。注目してほしいのは5勝すべて川崎2000m。長丁場で最大能力を発揮し、単騎逃げの形になれば持ち前の粘りを発揮できる。
マルケイマーヴェルは2歳時未勝利だったが、3歳に本格化。岩手版オークス・ひまわり賞を含めて4勝をマークした。昨年は2勝をあげ、牝馬準重賞・フェアリーカップを圧勝。今年は休み明け2戦目から2戦連続2着から2連勝。フェアリーC2連覇を果たした。以上の足跡どおり遅咲き。昨年は7着だったが、さらに上を目指す。
カイカセンゲンは大井デビュー2連勝。以降は伸びを欠いたが、昨年11月、ロジータ記念でロングスパートを決めて快勝。初重賞を手にした。今回は4月、落馬後以来の実戦だが、十分乗り込まれて参戦する。
◎①サルサディオーネ
〇⑪コーラルツッキー
▲②ロカマドール
△③フワトロ
△⑧マルケイマーヴェル
△④カイカセンゲン
<お奨めの1頭>
7R ボーヴィヴィエンヌ
前走は3ヵ月ぶりの実戦を問題にせず完勝。地力の違いを見せつけた。今回も同じ1200m戦なら連勝濃厚
8月21日に行われた不来方賞トライアルの3歳重賞『やまびこ賞』は8頭立て6番人気のアップテンペストが1番人気カクテルライトとの先行争いを制して優勝。岩手では初の重賞タイトルを手にしました。
1番人気カクテルライトが逃げるところをアップテンペストが追う形はひまわり賞と同じ形。ややスローの流れから二頭並んだまま直線に向いた時には優勝はこの二頭の争いかと思われました。
しかし手が動き始めていたカクテルライトに対しアップテンペストはまだ余裕を感じる手応え。坂にかかって脚が止まったカクテルライトを置き去りにし、追い込んできたコイビトサンタらの追撃も振り切ってゴールに飛び込んだアップテンペストのリードは2馬身半。東海地区で付けてきた力を発揮した勝利でした。
2着はコイビトサンタ、3着にはネイチャーミヤビと差し馬勢が飛び込みカクテルライトは4着。結果、不来方賞の出走権のうち二つを牝馬が獲得しています。
8月23日のメインレースは12Rです。B1級ダート1600mの『夢・希望 未来へ前進』。本命は(7)エイシンボールディを採ります。
前走が転入初戦だった同馬は3番手追走から直線で前をきっちり捉える形での勝利。必ずしも戦いやすい条件・展開でない中で勝ちきったのはそれだけ高い地力を持っていると見ていいでしょう。
そしてここはその前走で破った相手がほとんど。今週は前走時よりも流れが落ち着きやすく前残りになりやすいコース傾向が目につくのがやや懸念される材料ですが、自身もコース二度目・この相手関係二度目になる分、立ち回りも計算しやすくなっているでしょう。であれば地力信頼で。
対抗は(2)ファルキートとしました。春からずっとB1級上位組ということは上が詰まっているだけでなく勝ち切れなさもある・・・と見るべきでしょうが、しかしここまでの堅実な戦いぶりは評価できますし経験少ない左回りの盛岡ももはや問題なし。あとは◎を含めて同タイプが多い点をどう捌いていくか。
(4)クレイジーエックスが三番手。ちょっと振れ幅が大きい馬で大敗もありますが、好走した時の走りを見て分かるとおり力を出し切ればしぶとい。前走との◎との差は2馬身と1/4。馬場傾向の違いを考慮すれば巻き返せる位置でしょう。
以下はまず(5)フェアリーモナック。ここのところ一進一退の着順になっているのは力量というよりは展開や馬場傾向の影響でしょう。盛岡ももう一つなのかも。とはいえ力で見劣りしないのは確かなだけに軽視は禁物。(8)ユキノマツシマも名前のイメージとは逆に夏場の方が走るのかなという印象。マイルも問題ない近走の内容ならここでも上位争いに加わってくるでしょう。
●12Rの買い目
馬単(7)=(2)、(7)=(4)、(2)=(4)、(7)→(5)、(7)→(8)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
前日に続いて「第27回クラスターカップ」のレース報告。ダンシングプリンスが脚を滑らせて後手を踏んだのを見てジャスティンがハナを主張。2番手外にオーロラテソーロがつけ、3番手インにダンシングプリンス、4番手外にリュウノユキナ。ダンシングプリンスの逃げ想定は崩れたが、JRA勢4頭が先団を形成した。
残り400mで鮫島克駿騎手=オーロラテソーロがジャスティンを早々ととらえにかかって先頭。直線を向いて内で粘るジャスティンを振り切り、外から一完歩ずつ差を詰めてきたリュウノユキナを1馬身差をつけて完封。鮫島克駿騎手はガッツポーズでゴールした。
鮫島克駿騎手「揉まれないポジションを確保したかったので、理想的な展開。ダンシングプリンスが出遅れたのを見て、2番手は取れるなと思った。ジャスティンも渋太い馬ですし、後ろにいるリュウノユキナ、ダンシングプリンスも強豪。両方を意識しながらレースを進めた。今のオーロラテソーロは状態がすごくいい。直線を向いても脚いろが衰えず、最後までしっかり伸びてくれました」
畠山吉宏調教師「ジョッキーが何度も騎乗しているので理想の形を知っている。外枠もこの馬に良かったと思う。前走、勝った後は放牧でリフレッシュさせました。今回は賞金的に微妙だったが、出られる前提でレースから逆算してきゅう舎へ戻ってきた。この路線にずっと申し込んでいたが、出場チャンスがなかったので最高の形で賞金加算ができた。今後も交流短距離を使って、後々にはGIへ進めれればと思っています。是非、盛岡へ戻ってきたいですね」
もちろんGI、盛岡に戻ってきたい―の意味は11月3日、JBCスプリント。オーロラテソーロ御一行様、ぜひ、盛岡へ!!
22日メインはB1「秋桜賞」(盛岡ダート1200m)。実力伯仲に加え、各馬が一長一短。さらに転入2頭もレースのカギを握り、見た目以上に難解な一戦となった。
ブルーモンターニュは中央、門別、高知、門別と渡り歩いて転入。持ち前のスピードを駆使して5勝2着9回。まだ成長を続けているのが最大の武器となる。最終格付けは北海道C1級。岩手B1編入はきつい印象もあるが、逃げたい馬が願ってもない1番枠。この強運を生かして好発進を決める。
アークオブメジャーは思い切って狙ってみたい。今季初戦の水沢850mを快勝し、その後も3着3回。重賞・早池峰スーパースプリントでも3着に大善戦した。ここ2戦の着外をどう判断するかだが、岩鷲賞12着は驚異的ペースにとまどい、前走7着は盛岡芝が合わなかったと解釈。自己条件の盛岡1200mなら巻き返しに転じる。
カガジャドールはB1級の安定勢力。前走は先行グループを見ながらインで脚を貯め、直線ではじけた。今回も内枠を引き当て、好調サイクルをキープ。同じ1200m戦で再現をもくろむ。
アオイスイセイは昨年、岩手で8勝マーク。最下級C2からオープンまで出世した。その後、南関東へ移籍したが、4着2回が最高に終わって再転入。B1編入が微妙だが、激戦区で揉まれてきたことは間違いなくプラス材料。
シングンポラリスは結果的に△になってしまった。当初は▲以上を考えていたが、前走5着、3走前5着が不満。奇しくも1200m戦での敗戦で、もしかすると距離が合わないかもしれない。強さは十二分に認めているが、連下止まりに落ち着く。
カッチャオは早池峰SS6着、ターフ特別10着をはさんで毎回好走。近走は詰めが課題だが、マークを欠かせない。
◎①ブルーモンターニュ
〇⑤アークオブメジャー
▲②カガジャドール
△⑧アオイスイセイ
△⑨シングンポラリス
△⑪カッチャオ
<お奨めの1頭>
5R ナンデフェスティヴ
転入2戦目を破格タイムで完勝。これで弾みついたのは間違いなく、連勝態勢に入った。