22日メインは"第50回一條記念みちのく大賞典"トライアル「第23回あすなろ賞」(水沢1900m)。今年、みちのく大賞典は区切りの50回目を迎えるが、このあすなろ賞、みちのく大賞典を連勝したのは第1回メイセイオペラを皮切りに計4頭。まさにトライアルにふさわしい一戦といえるだろう。
本命はマイネルアストリア。デビュー3戦目の新潟ダート1800mで初勝利をあげ、船橋1800m条件交流で2勝目をマーク。3勝目は昨年、盛岡ダート1800mで行われたJRA2勝クラス、岩手A級との交流戦を6馬身差で逃げ切りを決めた。
以降は3勝クラスで苦戦を強いられ、3連続二けた着順に終わり、岩手へ新天地を求めてきた。初戦に選んだのはシアンモア記念トライアル・赤松杯。終始3番手外をキープし、直線でヴァケーションが猛追したが、0秒1差で押し切った。この結果からシアンモア記念で3番人気に支持されて2番手を追走。道中、いい感じでレースを進めたが、1番人気ゴールデンヒーラーが3コーナーでスパート。外から被せられたのが致命傷となり、直線一杯5着に敗れた。
今回、主軸に採ったのは距離が延長されたから。過去3勝すべてダート1800m戦でゆったりと流れる中距離向きは明らか。外から馬が来るとひるむところがあり、3番枠は決して好材料ではないが、1900mなら自己ポジションを取るのに苦労しないはず。メンバーも楽になり、首位を奪回するチャンス。
リリーモントルーは中央ダート1勝、芝1勝から転入。いきなり3連勝を飾った。岩手では芝交流・OROカップ7着、JpnI・マイルチャンピオンシップ南部杯8着以外、すべて3着以上。今季も2勝2着1回と抜群の安定度を誇っている。コンスタントに上がり37秒~38秒台の脚を使える差し脚が最大の武器。すでに水沢1900m戦を完勝しているのも強みとなり、待望の重賞制覇のシーンまで。
モレッキは新潟芝1600mの2歳新馬戦を快勝。続いて東京ダート1600mで2勝目をあげ、ほかに2着4回3着2回。昨年10月、東京ダート1600m戦13着から半年休養して岩手転入。初戦3着、2戦目4着だったが、馬体減も影響したか。今回は1開催スキップし、ここに照準ピタリ。走り頃を迎えた。
マコトガラハッドは中央1戦0勝から名古屋へ移籍。2勝をマークして再び中央入り。芝長距離で3勝をあげ、2019年のGII・アルゼンチン共和国杯で3着に健闘した。直後の1年休養が痛かったが、その後は障害、金沢3戦2勝2着1回から南関東を経て転入。いきなり重賞挑戦となったが、南関東A2級で3着2回の実績があれば当然通用。いきなり勝ち負けまで十分。
レールガンは昨年5月、南関東4戦を使って里帰り。元々は勝ち味に遅いタイプだったが、激戦区で揉まれた効果がはっきり。2勝をあげ、重賞・北上川大賞典でもエンパイアペガサスの2着を確保した。主戦場は盛岡だが、前走3着で水沢対応にもメド。状態も着実にアップしている。
ソロフレーズは芝4勝オープンから1年休養をはさんで転入。復帰2戦は着外だったが、前走は逃げ粘って2着。復調の兆しがうかがえた。
◎③マイネルアストリア
〇④リリーモントルー
▲①モレッキ
△⑪マコトガラハッド
△⑤レールガン
△⑩ソロフレーズ
<お奨めの1頭>
2R ビーバリスタ
好メンバーがそろった前走で逃げ切りを決めて快勝。転入戦のハイタイムがダテではなかったことを証明した。もう一丁いける
5月15日に行われた3歳牝馬の地方競馬全国交流重賞『留守杯日高賞』は1番人気に推された船橋・グラーツィアが優勝。前走に続いて重賞連勝を達成しました。
2番人気の地元岩手・ボサノヴァが逃げ2番手も地元のカクテルライト。グラーツィアはその3番手を追走していく序盤の展開。ペースはスローでしたが鞍上・笹川翼騎手から見れば「スローの3番手は絶好のポジション」。3コーナー手前で前に並びかけていったグラーツィアはあっさり捲りきった後は差を広げる一方、最後は2着争いの集団に10馬身もの差をつける圧勝の形でゴール。初コースもものともしない強さを見せつけました。
2着にはビッグタマテルーフが食い込み3着は逃げ粘ったボサノヴァ。以下マルルットゥ、アテナと地元勢が掲示板を確保しています。
5月17日のメインレースは11レースになります。B1級一組ダート1600mの『プルメリア賞』。本命は(6)フェアリーモナックを採りました。
昨冬に転入してきた時の同馬はC2級の中位あたりの格付け。そこから3着以下のない戦いを続けて今季はC1級スタートからのB1級まで進出してきました。今回はB1級の一組、A級から降級してきた馬もいて周りの歯ごたえは増していますが、自身としても二走前、B1以上の実力を持つとみられているメイショウメイスイと真っ向勝負をして最後まで食い下がっていたレースを見れば、元A級といえど三組四組の顔ぶれが相手なら力不足ということはないはず。今季好調な鞍上の勢いも含めての本命視。
相手は(8)エルプシャフト。JRA時代は芝での戦いが多かった馬だけに前走などは時計の出る軽い馬場に助けられた面があったでしょうが、そのJRA時代には芝のマイル~1800を主戦場としていたように距離伸びての良さもあったと考えていいでしょう。末脚は確かなものがありますし大外枠といっても8頭立てなら問題なし。あとは展開ひとつ。
三番手は(3)ツルマルオーソを。勝ち馬にわずかに伸び負けた形の惜しい2着だった前走は勝ちに等しい内容だったと言っていいでしょう。この馬も末脚は確か、勢いもある。少し心配があるとすれば連闘になる臨戦過程か。
ヒモはまず(7)ファルキート。ここまで走る毎に機動力を増しているだけでなく前走などは末脚を活かす形での1着同着。自在に動けている調子の良さは侮れないもの。(2)ケルヴィンサイドも決して調子は悪くない・・・という評価はこれまでと変わらず。今季ここまでで一番少ない頭数での戦いになる点もこの馬にとっては捌きやすくなる好材料でしょう。
●11Rの買い目
馬単(6)=(8)、(6)=(3)、(6)=(7)、(8)=(3)、(6)→(2)
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先週8日、水沢1600mを舞台に行われた春のマイル王決定戦「第47回シアンモア記念」はヴァケーションが快勝。鞍上・木村暁騎手に初重賞をプレゼントした。
レースはグランコージーが逃げ、2番手をマイネルアストリアが追走。ヴァケーションは3番手、その後ろにゴールデンヒーラーがつけた。勝負どころの3コーナーでゴールデンヒーラーが前2頭を捕えにかかり、ペースもアップ。ヴァケーションは若干置かれ加減だったが、それは折り込み済み。
木村騎手は手をしごきながら徐々に先行3頭に接近し、ゴール前できっちり差し切って2着グランコージーに0秒1差。JpnIホースがついに復活の雄たけびを上げた。
木村騎手「行きたい馬が何頭かいたので、その後ろにつけようと思っていましたから予定どおりの位置を取ることができました。赤松杯もそうでしたが3、4コーナーでもたつくところがある。追い切りではそれを意識して乗りましたが、本番で思っていたとおりのレースをしてくれました。これが自分の初重賞制覇。長かったけど、重賞を取れてうれしいです」
畠山信一調教師「前回(赤松杯)、勝負どころで外からまくられて一旦下がりましたが、ジョッキーが3、4コーナーをうまくしのいでくれました。太目だった前回に比べてマイナス1キロ減だけでしたが、体のラインはしっかりできましたから、そのあたりは気にしていなかった。いい状態で送り出すことができました」
気になる次走だが、あくまでもオーナーと相談した上で決定するが、水沢2000mならこなせると思うので、みちのく大賞典を使ってみたい気持ちがあるとのこと。ヴァケーションの今後に注目してほしい。
16日メインは岩手県調騎会騎手部会協賛「夢・希望 未来へ前進」(B2級一組 水沢1800m)。ポイントは距離対応。1800mへ活路を求めてきたメンバーが多くそろった。
マイネルズイーガーは中央芝1800mで4勝マーク。3勝クラスに在籍し、南関東、笠松を経て昨年12月に転入。オープン格付けだったが、一戦のみでシーズンを終了。今季はC1へ降格して2連勝を飾った。
以降は8、2、6着とムラな結果になっているが、前走は1300mの忙しい競馬で追走に手こずったのも敗因。ダートでも1800mならと陣営は踏んだ。差し競馬もできるが、理想は先行グループから抜け出し。この相手なら自己ポジションを取れる。
ウインエルカミーノは中央未勝利、北海道3勝2着5回3着7回。岩手入り後も今季初戦で見事な直線一気を決めたが、以降は4、3、3着。展開に泣いている感じが強く、ゆったり流れる1800mなら前目につけることができるはず。首位奪回するシーンまで。
ミオリパヤヤームは今季2勝3着2回。前走は1600m戦で2番手キープから早めに先頭に立って快勝した。1800mは未経験だが、絶好の1番枠を引き当て逃げ必至。スローに落として押し切る。
センティメントは今季2戦目を勝利したが、以降3戦とも着外。揉まれるとモロさを出す傾向がある。今回は7頭立ての少頭数も味方。外から被せられなければあっさりまでの可能性がある。
マクローは2戦着外と波に乗れないが、今回はB1からB2へ降格。ロングスパートを持ち味とし、1800mは望むところ。
◎⑦マイネルズイーガー
〇②ウインエルカミーノ
▲①ミオリパヤヤーム
△⑤センティメント
△④マクロー
<お奨めの1頭>
7R レディジャン
年をまたいで目下3連勝中。強さが際立っている。仮に留守杯日高賞へ出走しても勝ち負けの実力牝馬。追いかける一手だ
15日メインは"GRANDAME-JAPAN2022"3歳シーズン・セミファイナル「第22回留守杯日高賞」(水沢1600m)。過去6戦のポイントはスピーディキック17ポイント(P)、ケウ16P、そしてアンティキティラ、グラーツィア、ニフティスマイルが15Pで暫定3位に並んでいる。
冒頭にポイントを紹介した理由がお分かりになったと思う。今回、グラーツィアが優勝すれば15ポイントを獲得。暫定首位に立つ。しかも前走・東海クイーンカップが4月21日。ローテーション的にもベスト。陣営はここに照準をピタリと合わせたに違いない。
2歳時は北海道2勝から園田プリンセスカップへ遠征。重賞初制覇を飾り、続くラブミーチャン記念2着から船橋へ移籍。東京2歳優駿牝馬6着、ユングフラウ賞9着に終わったが、自己条件に戻って3着。前走は名古屋へ遠征し、キッチリ勝利をモノにした。以上の成績は群を抜いており、将来はともかく現時点ではほぼ死角なし。順当に制し、3歳シーズン総合優勝を目指す。
ササノハクズはデビュー戦で1番人気に支持され、5馬身差で圧勝。以降は勝ち星こそないが、1番人気は6戦して3回。2番人気も2回、3番人気1回と常に上位評価を得てきた。
ここ3戦はJRA条件交流へ駒を進め4、3、4着。あとひと伸びが足りないが、前走は内枠を得て逃げの手に出たが、後続が猛チェック。先手を奪うため、手をしごかなければならなかった。さらに4コーナーではJRAムーランアルザンに一度交わされたが、再び盛り返して先頭。最後は力尽きたが、内容は上々だった。最内枠ボサノヴァの出方次第だが、4番枠なら逃げも十分可能。気分良く逃げれば逆転のシーンまで。
キックフリップは新馬戦を快勝し、一戦置いてJRA条件交流1着。直線で3頭が横並びのままゴールに入ったが、最後でもう一伸び。勝負強さも見せてくれた。続く浦和1500m戦は3着だったが、勝ったレディオスターは先日の東京プリンセス賞で見せ場を作って3着。レースレベルが高かった。
気なるのはじり脚タイプの印象。瞬発力勝負、前残りの競馬になると苦しそうだが、堅実な差し脚で上位へ進出する。
ボサノヴァは北海道1勝、金沢2勝2着3回、笠松ライデンリーダー記念3着。地元同士で行われた金沢シンデレラカップを優勝し、今年3月に岩手入り。転入戦の3歳A級戦を4馬身差で圧勝。トライアル・あやめ賞で断然の1番人気に支持されたが、0秒1差2着。最後伸び切れなかった。これで評価が微妙になったが、大崩れしないのは事実。地の利と距離経験を生かし、反撃に転じる。
マルルットゥはデビュー4戦目で初勝利をあげ、以降は芝ダートを問わず積極的に重賞へ挑戦。今シーズンも牡馬相手の重賞・スプリングカップへ挑戦して5着。この経験を生かして初重賞・あやめ賞を優勝した。終いの脚堅実。先行激化の流れになれば台頭可能だろう。
アテナは北海道1勝、川崎1勝から転入。初戦を快勝し、あやめ賞へ挑戦。ハイペースに巻き込まれながらも4角で一旦先頭。結果3着だったが、見せ場をたっぷり作った。
◎⑫グラーツィア
〇④ササノハクズ
▲⑨キックフリップ
△①ボサノヴァ
△⑤マルルットゥ
△③アテナ
<お奨めの1頭>
1R サクラブチャン
通算9勝をマークして南関東C2から転入。岩手C2最下級は明らかに恵まれた格付け。転入戦を白星発進で決める
5月8日に行われた古馬ダートマイルのM1重賞『シアンモア記念』。当初登録のあったヒガシウィルウィンが自重したことで昨年のこのレースの上位5着までの馬が一頭もいないという新たな顔ぶれの、そして混戦ムードで迎えたこのレースは4番人気ヴァケーションが優勝。2019年の全日本2歳優駿を制した馬が岩手転入2戦目で復活Vを果たしました。
逃げるグランコージー、それを追ったマイネルアストリアやゴールデンヒーラーに続く4番手でレースを進めたヴァケーション。向こう正面で一瞬置かれそうになる反応の悪さを見せてヒヤッとさせたものの勝負所からは行き脚を取り戻し、最後も逃げ込みを図るグランコージーをきっちり捉えてゴール。自身は1年7ヶ月ぶりの白星を、そして手綱を取った木村暁騎手はこれが嬉しい重賞初制覇となりました。
2着はグランコージーが粘り、1番人気ゴールデンヒーラーは3着。以下ヤマショウブラック、マイネルアストリアが上位5着までとなっています。
5月10日のメインレースは12レースのA級三組ダート1600mの『晩春特別』。水沢競馬場の桜並木もすっかり新緑の装いとなり、その瑞々しく鮮やかな色合いは晩春というよりは初夏。
ただ、日中の気温は高めでも朝晩は寒くてストーブを入れてしまうほどなのが今の時期の岩手県でもあります。まだまだ春のうち・・・なのかもしれませんね。
晩春特別の本命は(11)ツルマルオーソとしました。
一昨年は岩手のC2級上位で走っていた同馬でしたが、昨年、東海地区で戦い抜いて成長したのか、この春の再転入時にはA級四組戦で好走するまでになりました。
A級四組とはいえ今季はA級のレース設定が多めなので、四組だと昨年までのB1級上位くらいの力関係になるとは思いますが、それでも1年間で力を付けてきたと思える内容なのは確かでしょう。
そしてこの二戦は勝ち切れないまでも上位争いに顔を出す末脚を発揮。馬場傾向的には信頼度がどうしても下がる差しタイプですが、それでこれだけやれるのなら末脚を計算に入れて良いでしょうし、なにより今回はA級三組、前走までの四組よりひとつ組が上がった事になりますが実質的な相手関係は前走時とほとんど変わりなし。ならば・・・の期待をかけてみましょう。
相手は(1)ウインアライバル。こちらは一昨年の秋にA級で常に掲示板を確保する活躍を見せていました。昨季はB1に降級して徐々に堅実さを取り戻してきており、それがこの春のA級での健闘に繋がっていると感じます。
一昨年がそうだったようにどちらかといえば軽い馬場の方が良いタイプにも感じます。今の深い馬場への対応がカギになりますが、格上の地力発揮に期待しつつ注目するのが当然であり妥当でしょう。
三番手は(8)ヤマニンティエルナでどうでしょうか。昨年春にはC2級の下のクラスからスタートしてダートでは崩れない走りを続けての今季A級入り。今季ここまでは4着が最高も、例えば二走前の3月28日の1400m戦、のちに栗駒賞を勝ったロックスピリットとクビ差の4着なら着順の数字以上の評価を与えて良いはずです。懸念があるとすればこの馬も軽い馬場の方がより良さそうに見える戦績という点。
以下、外枠がカギになりますが先行手堅い競馬ができそうな(10)エイシンホクサイ、ここまでの着順の数字は大きめですが内容的・時計的に差は無く調子も決して悪くなさそうな(4)ケルヴィンサイドまでを押さえに。
●12Rの買い目
馬単(11)=(1)、(11)=(8)、(11)=(10)、(1)=(8)、(11)→(4)
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