11月28日、約5ヶ月ぶりの水沢開催がスタート。今開催よりパドックの新装、正門付近の入場門の改装が行われてこれまでとはイメージがかなり違う水沢競馬となりました。
2021年シーズンの岩手競馬も終盤戦に入り、開催を残すは年明け1月3日まで、あと1ヶ月ほどになりました。ここに来て急に冷え込みが厳しくなって来ましたが、昨年のような"取り止めラッシュ"が無いよう、残る期間が無事に過ぎてほしいものです。
今週末からは桐花賞の出走馬ファン投票も始まります。ファンの皆様には、残る期間の岩手競馬を最後までお楽しみいただければと思います。
11月30日のメインレースは第11Rです。B1級一組・ダート1600mの『夢・希望 未来へ前進』。
例年の冬の水沢競馬は、水が浮くドロドロの不良馬場と、不良馬場なのに時計が遅くなる冬場独特のコース状態が特徴なのですが、今週はまだそこまで"冬本番"ではないのか、むしろ時計が非常に速い決着が目立っています。火曜日もこの時期にしては好天、気温も高めになりそうですが、馬場状態の急激な変化は無いと見ておきたいですね。
さてこのレースの本命は(1)アナトです。
今季の4月から岩手で走っている同馬はB1級で3勝を上げてA級入り。そのA級では最高が2着で今回B1級に戻ってきましたが、しかしA級でも決して勝ち負けに遠くはない走りを見せており、一連の走りからすればB1級降級は好材料になると考えて良さそう。
加えて、盛岡で2勝を挙げていますが右回りの水沢にも苦手感はないですし、水沢で初勝利を挙げた際、2勝目の盛岡、いずれも水が浮く不良馬場でのレースで、今週の軽いダートとの相性も良さそうに見えます。
カギは最内枠かもしれません。通常なら"好枠"ですが今の馬場傾向ではどうか?上手く流れに乗れるかどうか?なのですが、B1級なら近走よりも楽に流れを掴めるでしょう。
対抗は(10)ナムラバンザイ。この馬もB1からA級に上がって以降苦戦していましたが、◎より一足早くB1級に戻って、ここでは3着・2着と上位争いにも戻ってきています。昨年の成績からも深いダートよりは時計が出る軽いダートが得意なはず。夏以来の勝利への材料は揃ってきているのでは。
三番手には(3)ハナレイを。1年以上勝ち星から遠ざかってはいますが、昨年の今頃は大井のB1級で逃げる事もできていました。前走に選んだ1200m戦が復活のきっかけになったとしたら、そろそろ面白い走りを見せてくれそう。
以下は敢えて穴目で(7)アップバング、(5)ブラックハーデス。前者はマイルは少し長いのかもしれませんが水沢の重・不良馬場での好走例が多い馬。後者は、この馬もA級→B1級に降級して変化の兆しを見せています。現在の馬場傾向・馬場状態が合えばこれまでとは違う走りも。
●11Rの買い目
馬単(1)=(10)、(1)=(3)、(1)=(7)、(1)→(5)、(10)=(3)
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21日、今シーズンの盛岡競馬フィナーレ重賞「第43回北上川大賞典」が盛岡ダート2500mを舞台に行われた。優勝はエンパイアペガサス。1番人気は3歳馬マツリダスティールに譲ったが、貫禄の違いを見せつけて2着レールガンに1秒9の大差をつけて圧勝。ボールドマックス、グレートホープに続いて史上3頭目の北上川大賞典3連覇の偉業を達成した。
山本政聡騎手「改めて強いと思いました。今回は後ろから行く馬が多かったので自分で動いていくしかないと臨みましたから、いつもより前目のポジションで楽して逃げられないよう、(マツリダスティールに)プレッシャーをかけながらレースを進めました。長距離戦は難しい。どこからペースが上がるかわからないし、早めに動けば自分の馬が止まるケースもある。エンパイアペガサスは呼吸の使い方が長距離向き。あとは右回りだと抜け出してからの反応がひと息でしたが、今回は最後までいい感じで伸びてくれた。3度目の騎乗でしたが、今日が一番いいレース。スタートで仕掛けて1周目スタンド前まで掛かってしまいましたが、終いもキリッと伸びてくれた。桐花賞でも結果を出したいと思います」
エンパイアペガサスは今回の勝利で重賞19勝目。仮に桐花賞も制すれば史上4頭目の3度目制覇、さらに重賞タイトルを20勝の大台も達成。12月31日、大みそか恒例の桐花賞に注目してほしい。
29日メインは岩手デビュー2歳馬限定「太夫黒特別」(水沢ダート1600m)。次開催に予定している寒菊賞、さらに年明け1月3日、金杯を占う意味でも重要な一戦となった。
リュウノガルシアの父はアメリカで大成功を収めているウォーフロント産駒アメリカンペイトリオット。リュウノガルシアは初年度産駒でデビュー2戦目の盛岡1200m戦を圧勝。その後はビギナーズカップ3着、若駒賞2着、知床賞2着と重賞でも勝ち負けを演じている。
特に北海道との交流・知床賞では1番人気に支持されたマックスレジェンドのハナ差で惜敗。実戦を使われながら頭角を現し、地元同士の戦いに戻った前走、0秒8差で完勝。両目を開け、上昇ムードに乗った。今年の岩手2歳は混戦模様。金杯までもつれ込みそうだが、リュウノガルシアが一気に主役に浮上する可能性は十分ある。
ギャレットはデビュー戦の水沢850mは0秒1差2着。以降は芝路線を歩み、重賞・若鮎賞を優勝。ジュニアグランプリは北海道モリデンブラックの2着に敗れたが、前回1着。地元同士なら実力上位を証明した。ダートはデビュー戦以来だが、2着は明らかに距離不足。1600mが舞台なら自慢のまくりをさく裂させる。
サンエイブレーヴは相手なりに駆ける堅実さを身上として7戦すべて入着。重賞・若駒賞、知床賞でも3着を確保した。課題は最後の爆発力。じり脚からの脱却がテーマだが、現状でも上位の一角を形成する。
フタイテンロックはキャリア5戦。1勝2着2回と安定した取り口を披露し、重賞初挑戦の知床賞でも5着に入った。今回は初の輸送競馬だが、気性的には問題なさそう。普段どおりの競馬ができれば好勝負に持ち込める。
コイビトサンタはデビュー戦で気の悪さを見せて競走中止。結果、せん馬になったが、その効果が大きく2勝3着2回。前走は8着だったが、舞台は違ってもマイルを経験したのは貴重。ノーマークにはできない。
セイシーキングは前回、逃げ切り勝ち。12頭立て10番枠は痛かったが、それでも先手を取れれば自慢の粘りを発揮。
◎⑫リュウノガルシア
〇⑥ギャレット
▲⑧サンエイブレーヴ
△⑤フタイテンロック
△④コイビトサンタ
△⑩セイシーキング
<お奨めの1頭>
1R アースミステリー
好メンバーがそろった前走・盛岡1000m戦を快勝。南関東B3級の底力を見せつけた。弾みついてもう一丁いける
6月27日から始まった盛岡競馬が11月23日で終了。28日(日)から年明け1月3日までの約1ヵ月間、戦いの舞台は水沢競馬場へ移る。
開催替わりはあらゆる面で手探り状態。特に今年は5ヵ月ぶりの水沢開催。水沢所属騎手は水沢コースで調教を積んでいるが、実戦とトレーニングはやはり別物。内有利か外有利か。時計がかかるか、それとも速いのか―は実際にレースをやってみないと分からない。
さらに朝晩に氷点下が続くと融雪剤が撒かれるため、粘土質の高い砂に変わる。そうなるとオールウェザーと似たような馬場になり、芝で好走で好走するケースも多々。日々変わる天候、馬場状態には細心の注意を払ってチェックしてほしい。
ひとまずコース替わり初日の特徴はジョッキーも手探り状態のため、ペースが落ち着いて先行有利の傾向が強い。そうなると盛岡坂に苦戦していた馬が残ることが多く、コース実績もチェック項目の一つ。28日、水沢競馬スタートに際し、以上のことを頭の片隅に置いて馬券検討をしてほしい。
28日メインはB1級特別「ひいらぎ賞」(水沢1400m)。重複するが、水沢適性が重要なファクター。加えて1400m適性もカギを握る。
ジェドゥラシャンスは今年に入って本格化。5勝2着3回3着2回。馬券対象から外れたのは半年の休養明け初戦、牝馬重賞・ヴィーナススプリントのみ。ほかはすべて3着以上と抜群の安定感を誇っている。
前走は3着に終わったが、最内1番に入って痛恨の出遅れ。自己ポジションを取るために脚を使い、末の伸びが甘くなった。今回も内枠を引き当てたが、本来の先行力を生かせれば最大の武器。好スタートを決め、首位を奪回する。
ジョリヴィサージュは南関東B3級から里帰り。格付けにも恵まれて2戦目から5勝2着2回と7戦連続で連対を確保した。前走4着で連対がストップしたのが若干気になるが、見た印象からは落ち込みなし。馬群に包まれて自分の競馬ができなかったことに敗因を求めたい。それでもジェドゥラシャンスとは0秒2差。しかも水沢は4戦4勝とパーフェクト成績。流れ次第で主客逆転の可能性は十分にある。
ラブミーリッキーは南関東B2級から転入。2戦連続3着から前走2着と安定度一目。詰めの甘さが課題だが、過去6勝は中央1勝も含めてすべて右回りでマークとコース替わりは歓迎。さらに前走タイムはジェドゥラシャンスと同じ1分13秒1。あっさり首位まで。
ヤマニンティエルナはデビューが3歳12月までずれ込み3戦未勝利に終わったが、今年3月から本領を発揮。5勝2着5回3着3回。馬券対象から外れたのは芝11着、前々走JRA相手の条件交流4着のみ。成長一途をたどっている。前走もタイム差なし2着。コース替わりも問題なく、ここでも上位争い必至。
ブルーノバローズは中央芝1勝から転入。芝ダートでそれぞれ1勝をマークし、A級へ昇格したが、家賃が高く5、7着。この2戦でB1降格は幸運で前走3着に反撃。同クラスでは実績互角。
ミキノイチゴは7月復帰後は4戦連続で着外に沈んだが、コースも合わなかったか。今度は4勝2着3回の水沢が舞台。近走度外視で狙ってみる手もある。
◎②ジェドゥラシャンス
〇⑥ジョリヴィサージュ
▲⑧ラブミーリッキー
△⑤ヤマニンティエルナ
△③ブルーノバローズ
△⑪ミキノイチゴ
<お奨めの1頭>
4R プリンセスラッキー
4月の水沢850m快勝後、戦列離脱が痛かったが、10月に復帰。前走3着で上昇ムードは明らか
11月21日に行われた岩手競馬最長のダート2500mで行われる重賞『北上川大賞典』は2番人気エンパイアペガサスが2着以下に大差を付ける圧勝で制覇。2018年・2020年に続いてこのレース3連覇を達成しました(※2019年はレース実施なし)。
ハナに立ったのは1番人気のマツリダスティール。2番手に付けたのはエンパイアペガサス。スタート直後からレース中盤まではこの人気の2頭が馬体を並べての先行となり、そのまま2頭一騎打ちになるのかと思われました。
しかし2周目の3コーナー、マツリダスティールの手綱の動きが徐々に激しくなる一方でエンパイアペガサスはまだ手綱を持ったまま。ほどなくマツリダスティールが徐々に遅れ始めて、ここで事実上の決着が付きました。
それから先はエンパイアペガサスの一人舞台。後続を引き離していくとゴールでの着差は「大差」。まさに圧勝、圧倒的な強さを見せつけたエンパイアペガサスが、このレース3連覇、また昨年の北上川大賞典から桐花賞、みちのく大賞典、そして北上川大賞典と岩手の伝統の一戦を4連勝という偉業も達成しました。
2着争いはレールガンが先着しジェイケイブラックが3着、以下グランメガスマイル、ヤマショウブラックと続き、マツリダスティールは6着に終わっています。
さて、今年の盛岡開催は今日23日で終了。レギュラーの日程としては初めての初夏から冬にまたがるロングラン開催は5ヶ月間。長かった盛岡競馬もいよいよ終了となります。レース的には左回りから右回りへ。食べ物的には焼き鳥からホルモンへ。ここに来て日増しに寒くなり、天気予報にも雪マークが見えるようになってきました。今年の冬の水沢開催は年明け3日までですので約1ヶ月間ですね。去年のような取り止めの連続は、今年は勘弁してほしいですね・・・。
さて11月23日のメインレースは第12R『2021盛岡ファイナル特別』、A級一組のダートマイル戦です。本命は(6)アーバンキッドとしました。
9月に転入した同馬はその初戦となった岩手県知事杯OROカップで9番人気ながら2着に食い込みました。そして続く芝オープン特別で2着・1着と連続好走して初戦の走りが決してフロックではない事も証明。芝では一線級の力を持つ馬・・・という評価は、この一連の戦いなら確かなものになったと言っていいのではないでしょうか。
問題はダート。JRA時代はG1出走経験もあるアーバンキッドですがダート戦はこれが初めてで、まずはダート対応が課題という事になります。ダートでどうなのか?
ダートでもやれるだろう、という根拠のひとつは、きょうだいはダートで勝ち星を挙げている馬が多い点。むしろダートの方に良績が多いきょうだいの方が多く、本馬のように芝専門の馬の方が少数派です。
そして自身も軽い切れ味タイプと言うよりはパワータイプの走りに思え、ダートでも、特に最近の軽くなったダートなら力を出せるのではないでしょうか。過信は禁物でしょうが狙って見る価値は十分にあると考えます。
(3)リリーモントルーが対抗。前走やや伸びを欠いて3着に終わったのは少し間隔が開いた分の影響もあったでしょう。シーズン前半戦で見せた切れ味を発揮できればここでも十分勝ち負け可能。
三番手は(2)パンプキンズを。前走の結果を見てもやはり逃げてこそという事なのでしょう。強力同型がいないここで改めて。
(4)マルケイマーヴェルもここ通用の力を持つだろう馬。前走の1800mは少し長かったですし1200mもやや忙しい。マイルの方が力を出せる条件のはず。そしてもう一頭は(8)アドマイヤコメットでどうでしょうか。この馬も徹底先行タイプ。(2)とは同型ですが馬場状態によっては粘り込みも。
●12Rの買い目
馬単(6)=(3)、(6)=(2)、(3)=(2)、(6)→(4)、(6)→(8)
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6月27日(日)から始まった今シーズンの盛岡競馬も明日11月23日(火)で全日程を終了。22週にわたったロングラン興行がフィナーレを迎え、最終日23日を飾るのが「レディスジョッキーズシリーズ盛岡」(2戦)。
残念ながら木之前葵騎手は負傷のために出場はならないようだが、同じ名古屋競馬所属の宮下瞳騎手が先日18日、第2Rで女性騎手では日本で初となる通算1000勝を達成した。
宮下瞳騎手は1995年デビュー。2005年に日本女性騎手の最多勝を更新。2009年には韓国釜山慶南競馬場で騎乗し、翌年、2010年に同競馬場で40勝をマーク。リーディング5位となった。2011年に一度、騎手免許を返上したが、2016年に復帰。昨年は女性騎手では初めて年間100勝を達成し、今度は前人未到の1000勝を果たした。
今回、「レディスジョッキーズシリーズ」は10年ぶりに復活。出場ジョッキーには宮下瞳騎手の偉業は大きな励みになるに違いない。シリーズは全3戦。第2戦は11月27日、高知競馬場。第3戦は2月18日、名古屋競馬場。
ご存知の方も多いかもしれないが、高知競馬所属の別府真衣騎手が調教師試験に合格。11月30日付で騎手免許を返上するため、同騎手を盛岡競馬場で観ることができるのは最後。いろいろと話題の多い今回のレディスジョッキーズシリーズ。23日の盛岡2戦を楽しみにしてほしい。
22日メインは「スプリント特別」(盛岡ダート1000m)。当初、コンサートドーレ、ツーエムマイスター、ケイアイテディ、絆カップ2着ゲンキチハヤブサ、新参カレンエクスカリバなどの登録もあったが、相次いで自重した。
本命にスティンライクビーを推す。今年春、南関東から再転入。歴戦の疲れもなくあっさり2連勝を飾り、JpnIII・クラスターカップでは地方最先着6着に健闘した。
続く準重賞・すずらん賞は逃げて6着に沈んだが、盛岡1000m戦に替わって反応が一変。好位抜け出しを決め、健在を誇示した。前々走3着、絆カップは6着に終わったが、相手も強く仕方なし。強豪が続々と出走を見送ったため、相手が大幅に緩和。勝機をガッチリとつかみたい。
ツルオカボルトは水沢競馬の短距離で大活躍。2勝2着2回の好成績を収め、盛岡の短距離重賞・栗駒賞でも3着に気を吐いた。しかし岩鷲賞9着、クラスターカップ11着に終わり、夏場を休養。10月末に復帰し、初戦は7着だったが、絆カップでスティンライクビーに先着5着。今回は走り頃の休み明け3戦目を迎えた。
ズアーは中央芝1400m1勝、芝1200m1勝。2勝クラスから転入。移籍2戦目の盛岡ダート1000mで3着を確保した。目標だった芝1000m戦、ハーベストカップ4着、交流・OROターフスプリント6着に終わったが、ダートで気分一新。ここなら首位を狙える位置にいる。
ステーロはB1短距離で3勝をあげ、A級へ昇格。3着2回が最高だが、ここ2戦は入着を確保。タイム的にも遜色なく、軽視はできない。
サマニーは近走精彩を欠いているが、盛岡1000m1勝。クラスターカップでスティンライクビーとは0秒2差なら争覇圏と見るのが妥当。
シャドウパーティーは時に大駆けを披露するタイプだが、年齢的な衰えが隠せず5着が精いっぱい。現状は前崩れが好走条件だろう。
◎⑥スティンライクビー
〇①ツルオカボルト
▲⑦ズアー
△⑨ステーロ
△②サマニー
△⑤シャドウパーティー
<お奨めの1頭>
1R フレンドゾーン
転入初戦を1秒差で圧勝。南関東C2の底力を見せつけ、走破タイムも優秀。同じ1000mが舞台なら追いかける一手