1月7日(火)で岩手競馬のレギュラーシーズンが終了。3月20日から始まる特別開催まで約2ヵ月半の冬休みに入る。開催取り止めが7日間あったが、支えてくれたファンの皆さんに心から感謝を申し上げたい。
好評を博した「ゴールデンジョッキーズシリーズ」総合優勝は村上忍騎手。全3戦の総合ポイントで争う形となったのは2012年だが、意外にも村上忍騎手の優勝は初めて。今シーズンは5年ぶりのリーディングジョッキーもほぼ確定させ、二重の喜びとなった。
村上忍騎手「第1戦2着、2戦目1着にまとめ、いい感じで最終戦を迎えることができました。特に2戦目の勝利が大きかったと思います。今回、トータルでいい馬に乗せてもらいましたから、シリーズ初優勝ができました。今年の冬は佐賀の交流レース以外は遠征がないですからね。そんなボクに神様が総合優勝をプレゼントしてくれたんだと思います」
今シーズンは開幕から気迫あふれるプレイで山本聡哉騎手と激しい攻防を繰り広げ、途中で合計10日間の騎乗停止がありながら終盤に強烈な追い込みを披露。飽くなきチャレンジャー精神でリーディングジョッキーを奪い返した。
山本聡哉騎手もコンスタントに勝ち星をあげていたが、忍び寄る村上忍騎手の気力に脅威を感じたはず。おそらく騎手生活で初めて味わったに違いない。しかし、この経験が今後に生かされるのは確実。山本聡哉騎手は今冬も南関東で騎乗し、佐々木竹見カップにも出場する。
また山本政聡騎手の活躍も目に付いた。過去最高の勝ち星をマークした。馬も人もライバルがいてこそ成長する。デビュー2年目の岩本怜騎手はヤングジョッキーズシリーズで岩手競馬をアピールしてくれた。
詳細は岩手競馬ホームページをご覧になってほしいが、多くの騎手が他地区へ修行に出、騎乗技術を磨いてくる。3月の特別開催での再会が楽しみだ。それでは3月20日、水沢開催でお会いしましょう。
7日メインはA級「睦月特別」(水沢1800m)。メンバー緩和グランユニヴェールに絶好の勝機を迎えた。
今シーズンは3月開催を快勝して幸先のいいスタート。準重賞・あすなろ賞でも3着に健闘した。8月以降、勝ち切れないレースが続いたのは決め手の差が出た印象。
その現状から1800m延長は好材料。惜敗続きでもバテてはいない。距離を味方に今度こその期待がかかる。
エイシンニトロは南関東B3から転入して1勝2着4回。先行粘りを身上とする。前走は4着に敗れたが、2ヵ月半ぶりの実戦でレース勘が戻らずスタートで出遅れ。それが尾を引いたのが痛かった。ひと叩きされて変わり身は確実。先行有利の馬場も後押しし、逆転首位を狙う。
レイズアスピリットは金沢から再転入戦・一條記念みちのく大賞典で2着に突っ込んで周囲を驚かせた。以降は伸びを欠いて8月から休養。11月に復帰を果たしたが、体を絞るのに一苦労。桐花賞から連闘で臨むが、今なら好材料。体重が490キロを切れば、格でアッサリまで。
ジーパワーは近4走、追走に手こずっているならペース落ち着く1800m歓迎。うまく流れに乗れれば上位確保をできるはず。
ビービーパドルも後方から差を詰めただけに終わっているが、4走前の盛岡戦を快勝。エイシンニトロをアッサリ交わし、一発の可能性。
サンオークランドは3戦着外だが、相手も強かった。中央ダート1800mで2勝をマークした実績が見逃せない。
◎⑤グランユニヴェール
〇⑧エイシンニトロ
▲⑦レイズアスピリット
△⑩ジーパワー
△③ビービーパドル
△②サンオークランド
<お奨めの1頭>
10R ミスティカル
決め手を生かせる1300m~1400mがベストの距離。山本聡哉騎手がレギュラーシーズン・ラストを勝利で締めくくる
★オッズパーク杯ゴールデンジョッキーズシリーズ/村上忍騎手が総合優勝
昨年12月15日の第1戦から3戦にわたって行われてきた岩手競馬の騎手対抗戦『オッズパーク杯ゴールデンジョッキーズシリーズ』。1月5日の第3戦でついに終了し、村上忍騎手が総合優勝しました。
第1戦優勝/菅原辰徳騎手
第2戦優勝/村上忍騎手
第3戦優勝/陶文峰騎手
総合優勝を果たした村上忍騎手は第1戦を10番人気馬で2着。第2戦では2番人気馬をきっちり勝利に導くと第3戦では7番人気馬を4着に送り届けるという安定した成績でリードを守りきり、このシリーズでは初の総合優勝達成。また2位は山本聡哉騎手、3位は接戦となりましたが菅原辰徳騎手が第1戦優勝からの"逃げ込み"を果たしました。
1月6日・月曜日の水沢競馬、メインレースは9レースの『トウケイニセイ記念』。オープン・マイル、レギュラーシーズン最後の重賞です。このレースの本命は(7)パンプキンズとしました。昨年の3歳世代の中では桐花賞を勝ったヤマショウブラックに次ぐ、いや並ぶ実績を残してきたパンプキンズ。白嶺賞は軽い外傷で出走取消となっていてその点は若干計算が狂ったのかもしれませんが、その後はトウケイニセイ記念にむけしっかり立て直してきました。
3歳重賞だけでなく古馬にも果敢に挑んできたのはスピードに磨きをかけるため、そしてそれは得意の水沢・マイルで行われる重賞を狙うためでもありました。ここはそのプロセスの完成を狙う舞台になります。
対抗は(3)センティグレードでいかがでしょうか。古馬重賞ではなかなか勝利に至らないとはいえ上位に食い込んできていたのも確か。ここ2戦を好成績で通過してきているように水沢も得意で、その勢いからも軽視できない存在になったのでは。
(8)ブルージェットが3番手。これが転入初戦ですが南関東A級の実績は軽視できないものがあります。マイルは少し長いのかもしれませんがこなせる距離でしょうし、やはり単穴、惑星馬はこの馬でしょう。
以下、(5)マーブルフラッシュは白嶺賞でも5着に入っているように重賞でも地力でヒケはとっていない存在。ここは同型強力という形になり展開は楽ではないかもですが、持ち味の粘り強さに期待してもいいはず。
(12)マッサンゴールドは2016年の春シーズンに岩手に在籍しており水沢コースも経験済み。南関での格も通用するでしょう。今回は大外枠が不利と見ましたが激戦になれば枠順をカバーしてくるかもしれません。
●9Rの買い目
馬単(7)=(3)、(7)=(8)、(7)=(5)、(7)=(12)
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5日メインはオッズパーク杯「ゴールデンジョッキーズシリーズ第3戦」。舞台はB1・水沢1900m。いよいよシリーズ最終戦を迎えた。
第2戦までの獲得ポイントは、1位・村上忍35ポイント。2位・菅原辰徳26ポイント、3位・山本聡哉25ポイント、4位・鈴木祐22ポイント、高橋悠里15ポイント。
第1戦で10番人気のアモーレジョディーを2着に導いた村上忍騎手は、第2戦で2番人気デザートナイトで1着。2位以下に9ポイント差をつけているが、まだまだ油断はできない。4年前、陶文峰騎手は第2戦目で最下位だったが、第3戦1着で奇跡の逆転優勝を果たしたこともある。
また3位につけている山本聡哉騎手は第1戦5着だったが、第2戦で11番人気フォルシュナイトで2着に突っ込んで周囲を驚かせた。第3戦も激戦必至。みなさんも注目してほしい。
陶文峰=エンドゲームは南関東在籍時に芝交流・せきれい賞へ参戦して0秒9差6着。転入初戦にも芝を選んだが、反応ひと息で9着。
案外の結果に終わったが、2戦目から圧巻の5連勝。ダートに替わって反応が一変した。前走・銀嶺賞も2番手キープから4角先頭。そのまま押し切ってパーフェクト内容で完勝した。
今度は1900mへ延長されたが、3走前、2走前に盛岡、水沢1800mを勝っているなら問題なし。さらには逃げベストの馬が絶好の1番枠。勝つ条件がほぼそろったと見ていい。
山本政聡=ヴェリイブライトは今季11戦2勝2着5回。馬券対象から外れた4度のうち2度はA級戦。B1級では抜群の安定感を誇っている。
2着が多いのはいわゆるジリ脚タイプだから。その意味で距離が長ければ長い方が歓迎。前回快勝で弾みもついて逆転2連勝まで十分。
山本聡哉=ゴッドミラクルは盛岡戦3着最高。A級馬が相手もあったが、それに対して水沢は5戦1勝2着2回。コース適性が結果に出たと受け止めていい。前走・銀嶺賞でもエンドゲームの2着を確保した。
注目は中央時代、3歳新馬、2戦目と京都ダート1800mを使って3、4着。いい脚を長く使えるのが持ち味。山本聡哉が距離を味方に、一気突き抜けるか。
阿部英俊=マイネルバローネは前々走の水沢1800m戦で6着に敗れたが、レース間隔が開いたのに加えて輸送のない地元競馬でプラス9キロ。重目がこたえた印象。
前走はキッチリ絞って2着に反撃。軌道修正に成功した。こちらも1900mは歓迎のクチ。レースが流れるようなら直線台頭。
村上忍=スクリーバは中央芝1800mを2度使って9、15着。地方転籍後は最長1600mまでと距離が微妙だが、水沢に替わって3、1着。調子を上げてきたことも心強い。
前半で脚を貯めれれば必ずひと脚を使うのがセールスポイント。目下、ゴールデンジョッキーズシリーズ、リーディングジョッキー首位を独走する村上忍がどんな競馬を披露するか、楽しみ一杯。
鈴木祐=サンエイフラワーは芝が活躍の舞台だったが、3走前のB1・盛岡ダート1800mで覚醒。続く水沢1800mでも2着を確保した。前走は中団のままに終わったが、思い切った待機策に出れば弾ける可能性も十分。
◎①エンドゲーム
〇⑪ヴェリイブライト
▲⑨ゴッドミラクル
△⑧マイネルバローネ
△⑩スクリーバ
△⑦サンエイフラワー
<お奨めの1頭>
1R ラテール
中央から転入初戦は未経験のスーパースプリント850m戦だったが、能力の高さで1着。1400m延長は望むところ
年明け1月2日、明け3歳馬による重賞「第45回金杯」はシンボが1番人気に応えて優勝した。
1枠に入ったフェイドハードが逃げ、シンボは2番手を追走。その外に2番人気ナーリーがつけ、2頭がけん制し合う展開となった。
レースが動いたのは向こう正面。ナーリー=佐藤友則騎手が早くもシンボを交わしにかかり、そうはさせじとシンボもスパート。フェイドハードはたまらず失速し、3コーナーからマッチレース。
4コーナーを回っても2頭が互いに譲らず、ナーリーが一瞬抜けたところ、シンボが根性を発揮。そのままゴールまでもつれ込んだが、クビ差でシンボが差し返し、重賞挑戦5度目で悲願のタイトルを手にした。
高松亮騎手「返し馬の動きが前走(寒菊賞)より上がっていたし、馬場状態も考えて強気な競馬をしようと思っていた。ナーリーが早く動いてプレッシャーをかけられましたからね。展開的にはきつかったけど、馬が頑張ってくれました。周囲に年末年始の桐花賞、金杯の重賞二つを獲ると宣言していましたから、実現できてとてもうれしいです」
高松亮騎手はわずか3日間で大みそかの桐花賞=ヤマショウブラック、金杯=シンボで重賞2連勝と大活躍。桐花賞ではエンパイアペガサスをキッチリ交わし、金杯ではナーリーの追撃を封じ、本人も大満足。来期につながる内容だった。
3日メインはB2級馬による「初夢賞」(水沢1400m)。注目馬が目白押しで非常に楽しみな一戦となった。
ラブミーボーイはダート短距離で一時代を築いたラブミーチャンの初仔。北海道から転入初戦2着に敗れたが、1000m以下のスペシャリストサーストンヒーローが相手では仕方なし。
続く1400m戦では好ダッシュを決め、母譲りのスピード全開。後続に影も踏ませず1秒6の大差で逃げ切った。当日は不良馬場だったが、それにしても1400m1分29秒7は圧巻。
翌日、同じB2・1400mでタイトルリーフが勝ったタイムが1分31秒4。馬場差があるにせよ、ラブミーボーイが如何に破格だったかが一目瞭然だった。
今回、11頭立て10番枠と外枠に入ったが、前回も10頭立て9番枠。相手が大幅に強化されたが、再現の可能性が非常に高い。
ジェイケイブラックは前走・銀嶺賞まで6戦5勝。一度3着は3歳重賞・イーハトーブマイルで、1着ヤマショウブラックは桐花賞を優勝。2着パンプキンズは1月6日、トウケイニセイ記念で人気を集めるA級馬。3着も仕方なしだった。
それゆえB2からB1挑戦・銀嶺賞でも1番人気に支持されたが、反応ひと息で7着。案外の結果に終わった。
敗因は前々走で水沢をこなしたが、跳びの大きいタイプで小回りに手こずった印象。水沢が合わないのか、それとも克服できるのか。ジェイケイブラックは正念場を迎えた。
タイトルリーフは前々走でジェイケイブラックに完敗5着だったが、前回快勝で軌道修正。大井B3の格を前面に、岩手4戦2勝2着1回とした。いい脚を長く使えるのが武器。ジェイケイブラックがもたついたら先着の可能性も十分。
ヒロノカチドキは相手なりに駆ける堅実さがセールスポイント。前走も逃げてタイトルリーフの2着に粘った。ただ、走破タイムが1分31秒6。うまく流れに乗った際の連下級と見るべきだろう。
ワイルドオーキッドは大敗を喫したのは前々走の11着のみ。前走ラブミーボーイの2着を確保し、彼女を除くと次位グループとほぼ同タイム。マーク欠かせない。
リュウノアイドルは小柄な牝馬だが、瞬発力はなかなか。有力馬がハイペースに巻き込まれた際に浮上。
◎⑩ラブミーボーイ
〇⑥ジェイケイブラック
▲④タイトルリーフ
△⑤ヒロノカチドキ
△②ワイルドオーキッド
△③リュウノアイドル
<お奨めの1頭>
7R ワンダフルキングス
笠松B級から転入後、5勝2着2回と連対パーフェクト。水沢巧者デザートナイトと一騎打ち
12月31日に行われた重賞『桐花賞』は3歳ヤマショウブラックがエンパイアペガサスを破って優勝しました。
レース序盤、先行3番手につけたエンパイアペガサスに対しヤマショウブラックは内の5番手あたりにつけつつもちょっと折り合いを欠くような仕草を見せつつ一周目のスタンド前を通過。しかし向こう正面に入って外から一気に押し上げたヤマショウブラック、先頭に立とうとするエンパイアペガサスの外に馬体を合わせ一騎打ちを挑みます。
直線は完全に2頭の攻防。最後まで続いた叩き合いはヤマショウブラックに軍配が上がり、同馬は3歳馬にして今年のグランプリのタイトルを手にしました。
新年最初の水沢競馬となる1月2日、メインレースは9レース・明け3歳の重賞『金杯』です。本命は(5)シンボです。門別所属時代から何度も岩手に遠征に来ている同馬は芝重賞を含めここまで岩手の2歳重賞で2着3回。その地力の高さは証明済みと言っていいでしょう。7着に終わった南部駒賞は最内枠がやや不利な傾向だった日の1枠1番で流れに乗れなかったもの。前走も前残りの流れで末脚及ばず。今回も前残り傾向が強い馬場状態での戦いになりそうですが、前走の勝ち馬がいないここなら今度こそ。
対抗は(10)ナーリー。この馬も10着だった南部駒賞を別とすれば若駒賞4着・寒菊賞3着で◎に次ぐ成績です。この馬にとっても流れひとつでは。
3番手は(2)チャルメーラを。現状ではマイルに課題が残るかもしれませんが地力ではヒケを取らないはずの一連の成績。距離を克服できれば。
以下は前走が力を出しきれなかった印象の(9)バイクミレーと、血統印象以上に先行スピードに魅力がある(7)アルマドール。まだまだ力関係が定まっていないこの世代、優勝圏内は別としても3着圏に入りそうな馬を決めつけすぎるのは怖いように感じます。
●9Rの買い目
馬単(5)=(10)、(5)=(2)、(5)→(9)、(5)→(7)
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