すでにご存じの方も多いと思うが、8月10日、イギリス・アスコット競馬場「シャーガーカップ」へ女性騎手選抜チーム代表で出場する藤田菜七子騎手は、レース終了後に盛岡へ移動。
8月12日、『2019ヤングジョッキーズシリーズトライアルラウンド盛岡』へ出場し、さらにクラスターカップ(JpnIII)では1番人気に支持されるであろう、コパノキッキングに騎乗予定。初の重賞制覇なるかで話題を集めている。
また先月のマーキュリーカップをグリムで優勝した武豊騎手も来盛。ほかにヤマニンアンプリメ=岩田康誠騎手、ノボバカラ=松山弘平騎手、アシャカダイキ=三浦皇成騎手と超豪華な顔ぶれ。
他地区地方もブルドッグボス=御神本訓史騎手、ショコラブラン=吉原寛人騎手、メイショウアイアンは岩手の岩本怜騎手と同期・落合玄太騎手と人も馬も役者がズラリ。
迎え撃つ岩手の大将格ラブバレットは5年連続でクラスターカップへ出走。過去2着1回3着3回の成績を残し、悲願のダートグレード制覇の夢もかかっている。
今週の岩手競馬は10日(土)、OROカップ・トライアル「第42回桂樹杯」、11日(日)はジュニアグランプリ・トライアル「第20回若鮎賞」、そして12日と3日連続で好レースが組まれ、興奮の3日間となるのは確実だ。
10日メインは準重賞「第42回桂樹杯」(盛岡芝1600m)。人気はある程度集中すると思うが、一筋縄ではいかない。伏兵も結構そろい、印が足りなくなってしまった。
コスモリョウゲツは一昨年、中央未勝利から転入して5勝後、再び中央入り。3着最高だったが、メンバー最速の上がりを4回マーク。結果はもう一つだったけど、いい脚を使っている印象を持った。
岩手再転入戦に準重賞・かきつばた賞(芝2400m)を選び、5番人気ながら豪快なまくりを決めて快勝。周囲をアッと言わせた。
これで交流・せきれい賞の優先権を獲得したが、陣営はスキップを選択。この2か月間、びっしりと乗り込んで桂樹杯に照準を絞って調整を進めてきた。
かきつばた賞を含めて盛岡芝は5戦5勝とパーフェクト。万全の仕上げで臨み、準重賞2連勝へ王手をかけた。
コスモロングソードは年を重ねるごとに成長を続け、実績の低かったダートでも今季2着2回。オープンでも勝ち負けを演じている。
かきつばた賞は芝2400mでは珍しくハイペースになり、マークきつかったのが致命傷。直線一杯4着に敗れた。
その後は一度放牧に出て帰郷。こちらも桂樹杯制覇に意欲満々で臨む。何といっても今度は6戦5勝の盛岡芝1600m戦。逃げにこだわるタイプではなく、持ち前の先行粘りを存分に発揮する。
ウインルーカスは今シーズン伸び悩み気味だったが、芝に活路を求めたのが正解。前々走快勝、前回2着と芝で盛り返した。前走はスローに落とされたため2着も仕方なし。前々走のタイムがすばらしく、一発あって不思議はない。
マイネルスカイも中央から再転入組だが、かきつばた賞2着など芝ダートを問わず活躍している。
せきれい賞は逃げて標的となったのが仇。自分の競馬に徹すれば反撃に転じる可能性は十分。
ワキノヒビキは盛岡芝は初めてだが、中央芝1400mで3勝マーク。ダートで見せた先行力を武器に、好枠から一気押し切るシーンまで。
サレンティーナは転入初戦のせきれい賞で5着入線。一瞬だが鋭い脚を披露した。中央2勝を芝1600m、芝1200mであげ、距離短縮は望むところ。鞍上に山本聡哉騎手を迎えて臨む。
◎⑩コスモリョウゲツ
〇⑨コスモロングソード
▲⑦ウインルーカス
△③マイネルスカイ
△④ワキノヒビキ
△⑤サレンティーナ
<お奨めの1頭>
7R ヒカリチャン
前走タイムがここでは抜けている。先行馬がそろい、展開も味方につけた
★重賞 ひまわり賞(オークス)/エムワンピーコが3歳女王の座に
岩手の3歳牝馬の頂点をかけた戦い『ひまわり賞』は1番人気に推されたエムワンピーコが2着に9馬身差を付ける圧勝。見事今年の3歳女王の座を獲得しました。
道中は4~5番手の外目に付けて進んだエムワンピーコ。スローペースの流れに前半までは付き合ったもののそこからは自分のペースで押し上げて3コーナーでは早くも先頭に躍り出る勢い。そして先頭に立ってからも後続の接近を許さず、直線は差を拡げる一方の圧勝劇となりました。
同馬はあやめ賞に続いて重賞2勝目。牡馬に互して3着を確保した東北優駿を思えば、牝馬同士では力が違ったという結果でした。
8月5日のメインレースは9RのJRA条件交流戦、芝1700mの『フレンドリートロフィーオニキス賞』。10頭立てですがJRA6頭・岩手4頭というJRA勢が数的優位の構成。加えてJRAは3歳未勝利条件ということで、未勝利脱出までのカウントダウンが始まっています。何としても1勝をという力の入り具合にも注意しておく必要がありそうです。
本命は、そんな力が入っているであろうJRAの(8)パロネラとしました。
父はロードカナロア、母はオーストラリアでG1を4勝したモシーン。半姉は昨年のフェアリーSや関屋記念を勝ったプリモシーンという事ですから、まあ絵に描いたような良血馬です。ここまで4戦未勝利ですがいずれも勝馬から1秒以内の僅差、いつでも未勝利を脱出できる走りを見せてきました。タイム的にも優秀と言え、ここは普通に走れば勝てる状況になっているはず。
ひとつ心配があるとすれば、軽い芝が合いそうな走りを見せており盛岡の洋芝が合うかどうか?もうひとつは小回りコースがどうか?という点。しかしそこも、ここのところの盛岡の芝は雨がほとんど降ってないためか高速タイムでの決着が続いていますし、小回りコースも少頭数なら流れに乗るのは難しくなさそうです。この馬にとって良い条件が揃ったという事なら勝機も十分、と見ます。
対抗は岩手の(1)カメチャン。4月にJRA未勝利から移籍してきた馬ですから大きく見て今回のJRA勢と同じような実績の持ち主。芝マイルでの持ち時計にもさほど大きな差は無いですし、であれば盛岡の芝を何度も経験している分のアドバンテージがあるのでは。枠順も悪くないと思います。
三番手は(6)カウムディーを狙ってみましょう。一息入っての初戦という点が懸念材料ですが、使い込まれた割に成績が上がってこない馬に比べればフレッシュな分有利と言えるでしょう。そして何より先行力があるのが魅力。51kgで思い切って逃げれば展開を支配できるかも。
以下は敢えて地元勢から(9)フラワーズアート。5月までJRA未勝利にいた馬ですからこの馬も実績的にはほぼ同様。むしろ持ち時計で優位なものもあります、盛岡の芝が合えば上位争い可能なはず。(2)ラウズアップも昨年の今頃の時期のJRA2歳新馬戦や2歳未勝利戦で勝馬から1秒以内で戦っていたのですからむしろ地力は上かもしれません。盛岡の芝を勝って適性を示している点も魅力で、穴ならこの馬でしょう。
●9Rの買い目
馬単(8)=(1)、(8)=(6)、(1)=(6)、(8)=(9)、(8)=(2)
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ディープインパクトの急逝は全国に衝撃が走った。今年2月、24頭の種付けを行ったが、体調を崩したため取り止め。日本競馬の宝の動向を気にしていたが、まさかこんなに早く亡くなるとは思ってもいなかった。
現役時代、14戦12勝。450キロにも満たない小柄な体だったが、『空を飛ぶような走法』で他を圧倒。サンデーサイレンス産駒の最高傑作と言われ、種牡馬入り後もGIホースを多数輩出。種付け料も4000万円まではね上がっていった。
日本ダービー馬を5頭も出し、さらにスタディオブマンがフランスダービーを優勝。サクソンウォリアーはイギリス2000ギニーを制し、世界にもディープインパクトの名は広く知れ渡っていた。
かつてタイキブリザード、タイキシャトルなどの装蹄を担当した志賀装蹄師がこう語ったことを思い出す。「我々の価値観ではシンボリルドルフのような体の作りが理想だと思っていましたが、ディープインパクトの出現によって競馬が変わったと思いますよ」
もっと先のことなのだろうが、サンデーサイレンス―ディープインパクト系サイアーラインが日本競馬に確立すると確信している。
4日メインは岩手版オークス「第33回ひまわり賞」(盛岡ダート2000m)。実績断然エムワンピーコで中心不動。
通算成績9戦7勝2着1回3着1回。敗戦を喫したのはデビュー戦2着、あとは前々走・東北優駿3着のみ。他はすべて1着という驚異的な数字を残してきた。
ただ決して順風満帆ではない。今年4月、冬休み明け・3歳牝馬重賞あやめ賞の馬体重を見てほしい。昨年12月を勝った時に比べてマイナス10キロ。
飼い葉食いが細いため、担当者は苦労の連続。何とか馬体を維持しようと望んでの結果だった。それでも勝ってしまうのが地力の証。改めてエムワンピーコの地力を垣間見せた一戦だった。
続いて牝馬交流・留守杯日高賞へ挑戦する予定だったが、久々を使った反動が大きく無念のスキップ。陣営は立て直しに専念して1ヵ月半後に復帰。0秒8差で圧勝し、東北優駿に臨んだ。
これが初の牡馬一線級相手だったが、ファンも(自分もだが)2番人気に支持。1番人気グレートアラカーをマークする形でレースを進め、3コーナーで捕えにかかったが、逆に突き放されて3着。
ただ、陣営は今回のひまわり賞を使うに際し、2000mを一度経験させたかった意向もあったので東北優駿の敗戦にはそれほどショックはなかった。
その後、1か月ほどレース間隔を開けて前回5馬身差で圧勝。予定どおり前開催をスキップし、ひまわり賞へ臨む。
同世代牝馬同士に加え、全馬が同じ54キロと定量戦。よほど体重が減っていた場合、若干不安はあるが、ほぼ死角なしと見ていいだろう。
相手筆頭は迷った結果、エバーフレイムとした。下級条件だったとはいえ、転入2戦とも圧勝。2000mも芝だったが、デビュー戦で経験済み。相手は大幅強化だが、勢いに賭ける。
ボーンインメイは中央時に盛岡ダート1600m条件交流で3着。転入初戦は7着だったが、芝が舞台で度外視。距離延長も苦にしないと判断した。
ラフレシアオジョーはメンバー関係なしに入着を果たす反面、パンチ力不足のため今季4着最高。しかし東北優駿でエムワンピーコに次ぐ4着確保。これが今回に生きるはず。
ダイセンホマレは実戦を使われながら成長一途。前走もマイルを克服して連対を果たした。レース運びのうまさで距離をこなせるか。
トーセントルマリンは芝に好成績を残しているが、ダートも問題ない。バテないタイプで2000mはむしろ歓迎。
◎③エムワンピーコ
〇⑧エバーフレイム
▲⑥ボーンインメイ
△⑪ラフレシアオジョー
△⑫ダイセンホマレ
△②トーセントルマリン
<お奨めの1頭>
10R ポイントプラス
左回り=盛岡1本に絞ってローテーションを組んで目下5連勝中。B1昇級戦だが、元A級には関係なし
先週7月28日、芝2400m交流「第41回せきれい賞」(M2)は、ただただ反省するばかりだった。
本命レッドソロモンは吉原寛人騎手「出遅れたことも大きかったが、ずっと荒れた芝にのめりっ放し。力を出し切れずに終わりました」とのこと。盛岡芝に完全に戸惑ったようだ。
一方、優勝したのがダイワリベラル。菅原俊吏騎手「返し馬の動きが素晴らしくて芝が合う。勝ち負けできると思った」という。
ダイワリベラルの全履歴もしっかりチェックしたつもりだった。芝2000m3勝で1000万下(2勝クラス)を卒業したが、重賞挑戦は福島記念(芝2000m)以外はすべて芝1400m~1600m。
実績は認めても1周1400mの小回り芝を1周半する芝2400mをこなせるか、疑問だった。ダイワメジャー産駒の大型馬は強気タイプが多く、折り合いつけるのが難しいと思った。
しかし、そんな判断をダイワリベラルは一蹴した。逃げたマイネルスカイの2番手をぴったり追走し、3~4コーナー中間で馬なり先頭。一見すると早仕掛けとも思えるが、これが芝2400mの攻略法。最後一杯となっても勝負どころのセーフティリード分、持ちこたえるケースが多い。
菅原俊吏騎手もお見事だった。振り返れば彼のデビューはオーストラリア。向こうでのレース騎乗はすべて芝。24勝をマークして日本へ帰国したジョッキーだった。
次走予定は桂樹杯(盛岡芝1600m)をスキップして「OROカップ」へ向かう予定だという。芝で動きが一変したダイワリベラルから目が離せなくなった。
3日メインはB2・芝1000m「姫神賞」。ダイワリベラルと同じく、芝で動きが一変したダズンフラワーが主役を演じる。
シーズン当初は苦手のダート戦が続くこともあって仕上がり途上だったが、叩かれながら徐々に良化。4走前の水沢850mで2着に健闘し、ダートで初連対を果たした。
そして前走は最も得意とする芝1000m戦。これまでのうっ憤を一気に晴らし、2着に4馬身差をつけて圧勝した。
走破タイム58秒7もコースレコードに1秒の好時計。斤量も同じ54キロなら連勝に待ったなしだろう。
フリームーヴメントは新潟芝1200m1勝。昨年11月、岩手入りしてC2編入。現在まで水沢3勝2着4回、盛岡芝1勝2着2回の好成績を収めている。
ダートもこなせるが本質的には芝向き。初芝となった1000m戦を4馬身差で圧勝し、B1へ格下から挑戦でも2、4着にまとめた。
今回は自己条件に戻ってB2級条件。芝1000mでも勝ち、相手有利ならアッサリまで十分。
ピーベリーは昨年7月、JRA福島挑戦後、取消もはさんで10か月休養。5月に戦列復帰を果たし、一戦ごとに立ち直り気配。前哨戦・姫神賞ターフチャレンジは4着だったが、大外が痛かった。今度は逃げたい馬が絶好の1番枠を引き当て、反撃に転じて当然。
エイシンセレニティは園田C2から転入。未勝利ながら2着3回3着3回とマズマズの結果。前走は生涯初めての芝だったが、秘めた適性を披露して2着。コース2度目でダズンフラワーとの差は確実に詰めるはず。
フォルシュナイトは中央未勝利、笠松を経て転入。中央芝で3着3回の実績があり、このトレードは芝をにらんでと見て差し支えない。小倉芝1200m1分8秒8(3着)の持ちタイムも不気味さを漂わせている。
ダンストンラソは短距離ダートが活躍の場だが、芝1000mにもチャレンジ。父がロードアルティマ、母父マンハッタンカフェならこなせる素地は十分。あとは小回り対応が課題となる。
◎③ダズンフラワー
〇④フリームーヴメント
▲①ピーベリー
△⑥エイシンセレニティ
△⑩フォルシュナイト
△⑤ダンストンラソ
<お奨めの1頭>
6R ショウセイ
前走2着は勝った相手を誉めるべき。連対継続を4に伸ばし、今度は負けられない一戦