先週3日、盛岡ダート1000mで行われた「第3回早池峰賞」(M2)のナムラバイオレットには驚かされた。
逃げたのはコウセンの出鼻を叩いたフォルスだった。枠差もあり、コウセンは2番手に控えた。3番手インにメイショウオセアン、オースミチャドは5番手を追走。
一方、ナムラバイオレットは最後方からの競馬。決して控えたわけではなく、鞍上・関本淳騎手は手を押して離されないようにしようとしていた。
4コーナーを回ってもナムラバイオレットはほぼ最後方だったが、迷わずインに進路を選んだら一気にごぼう抜き。特にラスト100mは『鬼脚』と称しても足りないほどの末脚で勝利をもぎ取ってしまった。
ナムラバイオレットの上がりが何と34秒9!2着メイショウオセアンは36秒2で、ナムラバイオレットに次ぐ上がりはオースミチャドの35秒8。いかにナムラバイオレットがすごいかが数字でも一目瞭然だった。
これまで盛岡ダート1000m戦は先行有利。ハイペースで飛ばしても後ろが届かないのが常識だったし、差しでも5番手以内につけないと厳しかった。それをナムラバイオレットはすべて覆した。まさに脱帽するのみだった。
よく逃げ馬は一瞬のスピードがあるので、追い込みでも一瞬の脚を使うと言われるが、今回の一戦はその典型。ナムラバイオレット&関本淳騎手に拍手を送りたい。
今週9日から水沢競馬場へコース替わり。前開催までのデータは一度クリアーして馬券検討、購入していただきたいと思います。
メインはB1・水沢1600m特別「ねむの木賞」。4歳馬2騎アルアンダルス、ユイノムテキの本線は動かないだろう。
アルアンダルスは昨年、中央未勝利から転入。C2スタートにも恵まれて5戦4勝3着1回。今季はB2へ2階級特進したが、問題にせず特別開催から2連勝。あっさりB2を卒業した。
ただ、続く一戦に落とし穴が待っていた。昨年、盛岡2勝していたが、出遅れただけではなく、直線で外へもたれて7着失速。まさかの敗戦を喫した。
そんな不安を抱えたため次走は安全運転に徹した。鞍上・山本聡哉騎手はもたれないようにレースを進め、0秒2差2着。これでメドが立ったのだろう、前回快勝でひとまず課題を克服した。
対して水沢は安心のコース。過去、1600mは2戦2勝とベスト条件とも言え、2連勝濃厚。オープン入りも目前に迫った。
ユイノムテキは中央未勝利→岩手2戦2勝→南関東3戦0勝から再転入。初戦で重賞・イーハトーブマイル2着後、不来方賞は2000mが長く9着に沈んだが、以降は持ち前の堅実さを発揮。8戦連続で馬券対象、すべて3着以上にまとめている。
一方で勝ち切れないレースが続いたが、前回快勝で4勝目マーク。これで弾みついたのは間違いない。
シャークは例年どおり叩かれながら身上の粘りを取り戻し、ここ2戦3着。0秒1差、0秒2差と僅差にまとめた。今回は少頭数6頭立ても味方。人気2頭がけん制し合えば漁夫の利を得る可能性も十分。
デザートナイトは今季も5戦2勝2着2回。騎手戦では結果を出せないが、ほぼ上位争いを演じている。前走アルアンダルスの0秒3差をつけられたが、引き続きマークが必要。
サチノリーダースの岩手勝ち星は芝1000m、水沢1400m。マイルでは3着もなく、スンナリが好走条件。
◎⑥アルアンダルス
〇③ユイノムテキ
▲④シャーク
△①デザートナイト
△②サチノリーダース
<お奨めの1頭>
5R クラプトン
6ヵ月ぶりの実戦を問題にせず快勝。叩かれてさらに信頼度を増す
★準重賞かきつばた賞/サンエイゴールドが雪辱果たす
6月2日の土曜日に行われた芝2400mの準重賞『かきつばた賞』。12頭立ての戦いは2番人気サンエイゴールドが2着に5馬身差を付ける圧勝を果たしました。
1番人気のエイシンエルヴィンが逃げたものの後続も早めにマークしに行って展開は序盤から速い流れに。サンエイゴールドは4、5番手の好位から進みつつ勝負所でエイシンエルヴィンに並びかけます。
前走の再現かと思われたのはしかしここまで。そこからさらに脚を伸ばすサンエイゴールドに対しエイシンエルヴィンは失速気味となり、その時点で勝敗は決しました。
最後はサンエイゴールドが余力十分に抜け出してゴール。昨年に続きこのレース連覇、そして自身の盛岡芝2400mでの勝利数を4としました。
2着には9番人気リュイールスター、3着は3番人気アズナヴァルが入って3連単は波乱の幕切れ。1番人気エイシンエルヴィンは7着に終わりました。
★重賞早池峰スーパースプリント/ナムラバイオレットが直線一気
6月3日に行われたダート1000mのスプリント重賞『早池峰スーパースプリント』はナムラバイオレットが優勝しました。
1番人気のコウセンと6番人気フォルスが並んで先行争いをしていた序盤、しかしコウセンよりもフォルスの方が手応えに余裕を感じさせ、早くも波乱の予感が漂います。
コウセンが後退した後かわって先頭に立ったフォルス、そしてその後ろから先頭に出ようとするメイショウオセアン。この二頭の戦いかと思われた瞬間、ゴール寸前で内から飛び出してきたのがナムラバイオレット。道中最後方、直線に向いても最後方の位置から内ラチ沿いを追い上げての鮮やかな、そして驚きの勝利でした。
6月4日は初夏の盛岡開催の最終日になります。今週末からは2開催4週間の水沢開催へと移ります。その本日のメインレースは12R『初夏特別』。盛岡開催の締めくくりとなるA級1800m戦です。なお、8枠9番のポイントプラスが競走除外(前日発売開始後の出走取消)で9頭立てになっていますのでご注意ください。
本命は(4)エンパイアペガサスで断然でしょう。昨年のみちのく大賞典・桐花賞の岩手の二つのグランプリを制した実力馬。冬の間は南関東に移籍し、4月の笠松・オグリキャップ記念を制してさらに勲章を増やしての帰還となりました。実績断然、当然能力も断然。みちのく大賞典参戦から逆算してのここからの始動も予定通り。ここは黙って相手探しという他はないでしょう。
ではその相手は?当初はポイントプラスだったのですが出走取消になったので、では(10)シンゲツではどうでしょうか。転入後は掲示板圏内に食い込んでくるまでの戦績ですが戦っている相手を思えば内容は決して悪くないでしょう。敵はむしろ先行有利が続く今週の馬場傾向か。ですが、◎が速い流れを作ってくれればそれもカバーできるのでは。
続いて(6)ヒドゥンブレイド。どちらかといえば水沢の方がしぶといタイプだと思うのですが、前走は盛岡でも好位から粘って見せました。三走前のように前に行くパターンができればそのまま流れ込む事も可能。
以下は先行タイプの(5)プリンスダム。一線級との重賞では馬券圏内を争う位置になってしまいますが、このメンバーなら三走前の再現も。(2)ダンストンレガーメは追い込みタイプだけに今週は不利ですが、末脚が活きる展開にさえなれば距離は問わないタイプだけにそこに穴的期待を賭けてみていいでしょう。
●12Rの買い目
馬単(4)→(10)、(4)→(6)、(4)→(5)、(4)→(2)
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★オッズパークLOTO 5重勝/6月4日(対象8R~12R)
8R/評価A: 3番 評価B: 6番 穴:4番、7番
9R/評価A: 2番 評価B: 4番 穴:9番
10R/評価A: 6番 評価B: 2番、 1番 穴:5番
11R/評価A:11番 評価B:12番、 1番 穴:4番
12R/評価A: 4番
3日メインは「第3回早池峰スーパースプリント」(盛岡ダート1000m)。前身は旧盛岡競馬場時代からの名物レースだった早池峰賞。第1回は昭和50年(1975年)までさかのぼる。
当時は中央、地方を問わず長距離偏重が強く、短距離戦は下級条件で実施されていた。距離体系が確立されたのは、それほど昔ではなかった。
その中にあって早池峰賞は年に1回、夏に行われていた。もう一つはアラブスプリントだが、オープン馬によるスピード決着は迫力満点。個人的にも大好きなレースだった。
個性派も次々と誕生した。ダンカンロード、アカネプリンス、タツミマーチ、マルゼンスター、ホワイトシロー、インターシオカゼ等々。盛岡1100mを舞台に普段の重賞とは違うスピード馬が歴代覇者に名前を連ねた。
その発展形態がJpnIII・クラスターカップ。早池峰賞がなかったら、同レースは実現できなかった。
その早池峰賞は何度か距離、コースが変わり、3年前に早池峰スーパースプリントへ衣替え。条件もダート1000mとなって現在に至っている。
1着馬は習志野きらっとスプリントの優先出走権を獲得できるのも大きい。今年こそ早池峰SS優勝から全国に殴り込みをかけてほしい。
主軸に6ヵ月ぶりでもコウセンを指名する。中央で長期休養が何度かあり、1000万下から転入。初戦の桂樹杯を逃げ切り、OROカップ3着から芝1000m・ハーベストカップに参戦。
重馬場だったにもかかわらず57秒7のレコードで圧勝。続くOROターフスプリントではサクラゴスペルの追撃をあっさり振り切って芝1000m重賞2連勝。
今度は水沢850mへ向かって5馬身差で圧勝し、ダートでも天性のスピードが冴え渡った。
今回は12月、白嶺賞5着以来の実戦。常識的には一度叩かれてから―の見方が妥当だろうが、1000m戦は状態よりも適性がモノを言う一戦。芝1000mをレコード勝ちした実績を重視した。
オースミチャドは水沢850mからダート1000m戦を快勝。中央芝3勝馬でダートが不安だったが、レコードに0秒1まで迫る好タイムを叩き出した。
コウセンが適性上位とは言え、如何せん久々の実戦。ダート1000m戦を勝っているのは明らかに強み。逆転首位まで十分。
評価に迷うのがタイセイファントム。過去実績は言うまでもなく断然。岩手入り後も絆カップ、トウケイニセイ記念と重賞2勝。今季は赤松杯3着、シアンモア記念2着とベンテンコゾウに完敗を喫したが、盛岡1200mに替わった前走を圧勝。貫禄の違いを見せつけた。
ただ、1200m戦と1000mは別物。1200mならペース次第で差し追い込みも届くが、1000mでは届かないケースも多々。ある程度、前で競馬ができないと苦しい。早めに動けるかどうかが最大の焦点となる。
キングジャガーは2000mで行われた岩手ダービー・ダイヤモンドカップ、不来方賞の2冠を獲得。ダービーGP後、佐賀へ移籍して4戦0勝から再転入。2戦目に1000m戦に矛先を変え、前半は追走に手こずったが、直線で馬群を割って伸びてきた。
考えれば父キングヘイロー、母父ファスリエフは短距離適性が高い種牡馬。3着も納得がいく。ダート1000m2戦目でペースにも慣れ、一発をもくろむ。
フォルスは惚れ惚れする馬体の持ち主だった。初戦は5ヵ月半ぶりの実戦で5着止まりだが、ひと叩きされて反撃必至。
ナムラバイオレットはあすなろ賞6着に終わったが、1000m資質がありそうなムード。押さえは必要か。
◎⑫コウセン
〇①オースミチャド
▲⑨タイセイファントム
△⑦キングジャガー
△⑧フォルス
△④ナムラバイオレット
<お奨めの1頭>
8R シャイニーキャット
前走ハイタイムで逃げ切り完勝。1400mへ延長されたが、絶対能力で克服する
6月7日、門別1200mで行われる「第22回北海道スプリントカップ」(JpnIII)へ岩手からラブバレットが挑戦する。
菅原勲調教師「東京スプリントは揉まれない外枠の方がいいかなと考えていましたが、思った以上に大外がこたえましたね。雨が降ってパンパンの馬場で内が有利でしたからなおさらでした。それでも上がり的には上位馬とそん色なかったので悪い内容ではなかった。
レースを使った後も順調そのもの。前回が初ナイターでしたが、いつもどおり集中していたので門別も不安はない。今度こその期待を持って臨みたい」とコメント。
ラブバレットの門別入厩は前日6日、昼頃。JRAの壁、北海道サトノプリンシパルなども強力だが、1200mがベストの条件。ナイターも前回で経験済みも心強い。健闘を祈りたい。
2日メインはせきれい賞トライアル「第21回かきつばた賞」(盛岡芝2400m)。当初、かきつばた賞は盛岡芝1600mで行われていたが、2003年から芝2400mへ延長。昨年はサンエイゴールドが制し、本番・せきれい賞も優勝した。
本命にエイシンエルヴィンを推す。シャマーダル(シャマルダル)産駒でアイルランド生まれ。デビュー3戦目に初勝利をあげ、きさらぎ賞3着、弥生賞8着、青葉賞7着。その後、2勝をマークし、5歳時にエイシンヒカリとともに欧州遠征。リステッドレースだったが、モントルトゥー賞で1着。
帰国後は1600万下で頭打ちとなり、南関東へ移籍したが、ダートが合わず4着最高。盛岡芝は洋芝で時計のかかる馬場が合うと踏んで転入。初戦を4馬身差で圧勝。1番人気サンエイゴールドを一蹴した。
今回は2400mが舞台。盛岡芝を1周半する長丁場だが、折り合い面は問題ないので距離も大丈夫のはず。
サンエイゴールドは逆転首位まで十分。盛岡芝を待って前開催まで待機。1番人気に支持されたが、エイシンエルヴィンに完敗2着。
陣営も動揺したに違いないが、5ヵ月半ぶりを叩かれて変わり身必至。しかも芝2400mは4戦3勝と最も得意とする距離。2連覇に王手をかけた。
メナスコは上記2頭に次ぐ3着。初の盛岡芝を考えればマズマズのスタートだった。中央500万下・新潟芝2200mを勝ち、距離延長は基本歓迎。上記2頭がやり合うようだと割って入るシーンまで。
ブラックロードは南関東2戦から再転入。岩手2勝は3歳・サファイア賞(芝2400m)、オパールカップ(芝1700m)。芝で最大能力を発揮すると見ていい。
昨年、3歳から交流・せきれい賞へ挑戦。逃げてサンエイゴールドの5着だったが、0秒6差。その後、キャリアを積んでどこまで差を詰めるか楽しみ。
エルズミーアは中央ダート3勝だが、函館芝2600m2着1回。また東京カップけやき賞(盛岡ダート1800m)1着からも距離が合うはず。
ロキはメナスコとはタイム差なし4着。盛岡芝2度目、距離延長とプラス材料が多い。
◎④エイシンエルヴィン
〇③サンエイゴールド
▲⑫メナスコ
△⑧ブラックロード
△①エルズミーア
△⑩ロキ
<お奨めの1頭>
4R テツワンイナキチ
盛岡に替わって2着2回。コース替わる前にキッチリ白星を飾りたいところ