18日、大井競馬場で行われたJpnIII「第29回東京スプリント」(1200m)が行われ、ラブバレットの応援に行ってきた。
ラブバレットは今年1月、根岸ステークスへ2年連続で挑戦。前半3ハロン33秒9の超ハイペースの2番手を追走。さすがに直線一杯となって9着に沈んだが、その反動もなく順調そのもの。
初戦に特別開催のスプリント特別(水沢1400m)を選び、馬なりで2着に1秒9差で圧勝。予定どおり東京スプリントへ駒を進めた。
レースはグレイスフルリープが黒船賞と同様、ハナを主張。マイペースの逃げに持ち込んだ。後続も離れず追走し、ラブバレットは16頭立て15番枠に入ったのが仇。スタートから大外を回らなければならなくなった。
しかもその外ニシケンモノノフも前につけようとしてラブバレットは一旦下げて馬群の中に入れた。
逃げるグレイスフルリープは直線に入ってもスピードは衰えず、そのまま押し切って1馬身半差で完勝。2着にキタサンミカヅキ、3着ネロ。
ラブバレットは6着に敗れたが、3着ネロとは0秒1差。外へ進路を取って脚を伸ばし、ほぼ同時にゴールした。
「外枠に入ったのが痛かった。それでも最後はいい脚を使ったので内容は悪くなかった。今後については白紙。状態を見ながら決めたいと思っています」と菅原勲調教師。捲土重来を期す。
21日メインはC1「田沢湖賞」(水沢1600m)。人気はヤコウレッシャ、ワイルドロジャー、アキツシマの3頭だが、今季初対決。序列にも悩んだ。
主軸にヤコウレッシャを指名。北海道2勝→岩手1勝→名古屋1勝→岩手―が過去履歴。ベンテンコゾウと同期でやまびこ賞3着。ほかの3歳重賞でも入着実績がある。
古馬B1編入後も2着1回3着3回と互角の勝負を演じてきたが、名古屋以来、勝ち星なし。最後の詰めに課題を残していた。
しかし今季はB1からC2へ降格。初戦、2戦目と逃げ切り2連勝。特に前走はC1昇級、1600mもアッサリ克服。充実ぶりを裏付けた。
前々走タイムはアキツシマに劣るが、今度も逃げの手を打てるのが強み。鞍上・村上忍騎手に軸を託す。
ワイルドロジャーは格上。A級からB2へ降格して3、2着だったが、前走・エイプリルカップは末脚をさく裂。アルアンダルスは捕え切れなかったが、連対確保。さすが元A級馬と大向こうをうならせた。
メンバー的には流れが落ち着きそうだが、地力でカバー。騎乗2度目の山本政聡騎手がどんな戦法に出るのかも興味深い。
アキツシマもヤコウレッシャと同様、今季2戦2勝。流れに左右されない緩急自在の脚質が冴え渡っている。上記2頭は骨っぽいが、方や逃げ、後者は追い込み馬と展開に不安がある中、レース運びのうまさでリード。あっさり逆転まで。
クレアチェイスは初戦を快勝。2戦目・大屋梅賞は4着だったが、勝ったミスタージャックが強すぎた。2着争いに参加したし、見せ場は十分。3頭がもたつけば連対突入は可能だろう。
ホクレアネイチャーも軽視できない。2戦4、7着に終わったが、調子は決して悪はなくスローに泣いただけ。ペース速くなれば台頭ある。
◎⑤ヤコウレッシャ
〇⑥ワイルドロジャー
▲②アキツシマ
△④クレアチェイス
△③ホクレアネイチャー
<お奨めの1頭>
5R ノンブリールデロア
今季3戦とも2着。勝ち運に恵まれないが、今回はメンバー有利。ここは勝機ガッチリとつかむ
★準重賞スプリングカップ/グランフェルメールが優勝
今年から新設された準重賞というクラス。その最初のレースでもあった3歳のマイル戦『スプリングカップ』は4番人気のグランフェルメールが優勝しました。
大逃げを打ったブレシアイルを巡っての展開になったレース。1番人気ニッポンダエモン、3番人気リュウノムーンらが勝負所から一気に動き、そのまま先頭に躍り出たところではやはりこの2頭の戦いになるかと思われました。
しかし直線の攻防、グランフェルメールの伸びが良くさきに動いた2頭を難無く捉えると、逆にニッポンダエモンが脱落して3番手に後退。グランフェルメールはそのまま突き放して5馬身差の圧勝。そして2番手争いも、遅れて伸びてきたムゲンノカノウセイがリュウノムーンらを捉えて2着に。結果、1着・2着はこれが重賞初挑戦だった2頭での決着となりました。なお1番人気ニッポンダエモンは4着に終わっています。
4月16日・月曜日のメインレースは11RのB1級戦『震災復興子ども達に夢と笑顔を』です。水沢競馬場の桜並木もそろそろ満開が近づいてきました。ここのところぐずついた天候が多かったですが今日月曜は晴れ間が多いという予報。桜並木をバックにした戦いを楽しめそうです。
さて本命は(7)パラボラを狙います。南関東からの復帰戦で昨季終盤のB2からB1に昇級の形。あまり有利には見えないかもしれませんが、その昨冬終盤の安定した走りはここで力不足とは感じさせないものでした。実際、昨年11月の岩手最終戦で寄せ付けなかったタイセイオーシャンがこの土曜のB1級特別で2着。そこから見ても力量通用。であれば人気の盲点になりがちな今回が狙い目という計算。
対抗は(3)グランドエンジェル。春二戦は僅かに勝ちに届かずの内容でしたがこれは展開のあやと言えるレベルのもの。マイルに意外に苦心している印象もありますが、ここ2戦くらいの内容なら問題なし。
三番手は(1)ピンギットを。この春の苦戦はあくまでもA級に上がっていたから。水沢マイルでのB1級は昨冬に勝っている条件ですから見直し必須。
ヒモは穴目でまず(8)レイクマッケンジー。過去戦績を眺める限り外枠の方が良さそう。前走度外視で変身期待。(5)ベストプレディクトも昨冬の走りを思えばいつ変身してもおかしくないだけにそろそろ注意。
●11Rの買い目
馬単(7)=(3)、(7)=(1)、(3)=(1)、(7)→(8)、(7)→(5)
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★オッズパークLOTO 5重勝/4月16日(対象7R~11R)
7R/評価A: 9番 評価B: 5番、 7番 穴:8番
8R/評価A: 5番 評価B: 1番 穴:2番、8番
9R/評価A: 9番 評価B: 5番、 6番 穴:3番
10R/評価A:10番 評価B: 2番 穴:7番、6番
11R/評価A: 7番 評価B: 3番 穴:1番、8番
15日メインは3歳準重賞「第43回スプリングカップ」(水沢1600m)。
今年、レース体系の見直しが図られた。これまで重賞格付けで行われた46レース(ダートグレード競走を除く)が35レースへ凝縮。計9レースの賞金が増額された。
それに対し、昨年まで重賞だった11レースを準重賞で実施。新たに「奥州スプリント」が準重賞で新設され、計12レースが準重賞となった。
見た目では重賞が減った印象を持ってしまうが、今回の施策は基本歓迎。かつて特別で実施していたレースが重賞になっただけで、よりレースの格が分かりやすくなったと思う。
ただ、正直なところ「スプリングカップ」の準重賞はもったいない感じもしない訳ではない。
岩手3歳クラシックの幕開けは毎年、開幕初日に行われたスプリングカップだったからだが、準重賞・スプリングカップ→重賞・やまびこ賞(4月29日)→岩手クラシック一冠目・岩手ダービーダイヤモンドカップ(6月7日)の流れは悪くない。ステップがより分かりやすくなったと思う。
それに合わせて現トップ2のチャイヤプーンはやまびこ賞へ直行。そしてニッポンダエモンは特別開催を使って今回のスプリングカップへ臨み、圧倒的1番人気に支持されるだろう。
ニッポンダエモンはご存知ベンテンコゾウの弟。前回同様、旅芸人の座長が命名。白波五人男の首領・日本駄右衛門から名を授かった。
この2頭は父がサウスヴィグラス。いわゆる全兄弟だが、体型もタイプも全然違う。ベンテンコゾウは体高があまりないが、筋肉がみっちり詰まった体型。
一方、ニッポンダエモンは体重的にはそれほど差はないが、高身長。まだ2頭が並んでいるのを見たことはないが、違いがはっきり分かる。
気性も違う。ベンテンコゾウは軽快な先行力が武器だが、ゲート難があるため、いつも先入れ。弁天小僧の名前どおり、狭い檻(おり)を嫌う。
ニッポンダエモンは普段はあまり走る気を見せず、レースでもズブい面がある。前走も久々だったとはいえ、鞍上・齋藤雄一騎手は3コーナーから追いどおし。それでも後ろからリュウノムーンが接近するともうひと伸び。そこで闘志を出した。
共通するのは能力の高さ。完成途上も含めて伸びしろ十分。まだ奥がありそうな雰囲気を醸し出している。
今回、ひと叩きされてニッポンダエモンがどんなレースをするか。非常に興味深い。
相手はリュウノムーン。前走で決着がついた印象だが、それでもイン追走から一度は交わしそうな勢いがあった。こちらも叩かれた変わり身を見込めるはず。
ムゲンノカノウセイはデビューからすべて3着以上。当初は勝ち切れないレースが続いたが、使われてよくなっていくタイプなのだろう。一戦ごとに成長をとげて6戦目に初勝利を飾り、冬休み明け初戦も完勝。いい形でスタートを切った。
いきなり一線級相手にとまどうかもしれないが、名前どおり無限の可能性を秘めている。今後につながる内容を期待したい。
グランフェルメールは川崎1400mの2歳新馬戦を快勝。4戦1勝から転入し初戦4着だったが、これが初の右回り。水沢2戦目でどこまで変わってくるか注目。
カッチャオは笠松から再転入戦で逃げて2着。成績が示すように水沢が主戦場。スンナリなら残り目一考。
◎②ニッポンダエモン
〇⑤リュウノムーン
▲⑦ムゲンノカノウセイ
△①グランフェルメール
△③カッチャオ
<お奨めの1頭>
6R クラカルメン
南関東B1から岩手C2へ編入。当然のように初戦を圧勝した。ここも追いかける手
14日(土)、いよいよ新人・岩本怜騎手がデビューする。それに先立ち、8日に紹介セレモニーが行われた。
「一鞍でも多く乗り、一つでも上の着順を目指して頑張って乗ります。目標は新人賞をとることです」
さっそく第1Rから好きな馬に挙げたサイレンススズカの勝負服と同じ岩本怜騎手の騎乗ぶりを観ることができる。
第1R・⑨レーヌドコロール
第2R・⑨イケハートジョイ
第3R・③デルマノウヒメ
第5R・⑧スターフィッシュ
第6R・①ダンストゥナイト
第1Rから第3Rまで連続で騎乗し、1R置いて第5、6Rの計5レース。新人デビューでいきなり5鞍も騎乗するケースはあまりない。
昨年、スポーツ大賞・新人賞を受賞した鈴木祐騎手は2016年4月16日、デビュー戦勝利の快挙をやってのけたが、当日の騎乗は2鞍だった。
三野宮通きゅう舎(水沢)所属の岩本怜騎手に注目してほしい。
14日メインはB1「駒形賞」(水沢1800m)、10頭立て。主軸にウインシンフォニアを指名する。父がキングカメハメハ、母父エーピーインディ。北海道セレクションセールで1944万円で落札された。
デビュー戦3着から2戦目の東京芝2000m・2歳未勝利を勝ち上がったが、その後は500万下を脱出できず、障害2戦を経て4歳7月に南関東へ移籍。4戦目の船橋1600m・C1で白星を飾った。
以降、頭打ちのレースを繰り返し、今年4月に岩手へ新天地を求めてきた。南関東B3→岩手B1通用は過去の例でも証明済み。
さらに自信を深めたのはパドックだった。キンカメ産駒らしく雄大な馬格でバランスもすばらしい。
あとは小回りをどうこなすかがカギだったが、前半はもたつきながらも3コーナーからスーッと先陣へ接近。直線アッサリ抜け出して2着に0秒5差。これ以上のない好発進となった。
脚質的に1600mより1800m向き。水沢1800mは基本外枠不利で9番枠は微妙だが、この馬に関しては好材料。もう一丁いける。
グエンザップから入る手も十分。3歳12月に転入して4勝。その後、北海道へ移籍し昨年10月、再度岩手へ。凡走したのは出遅れた一度のみでほかはオール連対。
今季初戦もインで脚を貯めて直線抜け出して完勝。健在を誇示した。同じ水沢1800mが舞台に加え、またもや内枠(2番枠)を引き当てたのは強運。逆転2連勝まで。
ユイノムテキは岩手で着外は3歳重賞・不来方賞9着だけ。特に水沢は<2.3.1.0>とすべて馬券対象を果たしている。
前走は久々の実戦に加え、時折見せる出遅れを喫したのが3着だった理由。さらに先行2頭の行った切りで決着。3着確保はむしろ健闘と言っていいだろう。
本質的にはマイラーだが、1900m2着の実績があり、1800mもひとまず守備範囲。叩かれた変わり身を見込めば2頭に割って入るシーンまで。
イチフジキングは前走マイナス21キロ。年齢的なものもあったが、張りひと息がこたえた。A級からB1降格は見逃せず、体重戻れば反撃当然。
ヤマニンボアソルチは道中のペースがすべて。スンナリの流れで渋太さを発揮し、前走9着で見限るのは早計。
ニーマルキングは初戦は大外、前走は内に包まれて自分の競馬ができなかったが、それでも3、5着に善戦した。好枠を生かせれば軽視できない。
◎⑨ウインシンフォニア
〇②グエンザップ
▲⑤ユイノムテキ
△⑧イチフジキング
△④ヤマニンボアソルチ
△③ニーマルキング
<お奨めの1頭>
7R レーヴドプランス
南関東C2の地力を見せつけて転入初戦を完勝。メンバーは前走よりはるかに楽になっており、連勝もらった
8日メインは古馬第一弾の重賞「第43回赤松杯」(水沢1600m)。毎年、シーズンを占う重要な一戦で昨年はイーグルカザンが優勝。
4連覇を目指したナムラタイタンは3着に敗れ、直後に引退を表明。結果的にイーグルカザンが印籠を渡す役割となった。それがフロックではなかったことは重賞3勝で証明。すずらん賞、白嶺賞も制した。
あれから1年が過ぎ、赤松杯へ連続出走を果たすのはイーグルカザン1頭のみ。岩手オープンの勢力図がガラリ一変した。
今年の主役は4歳馬ベンテンコゾウ。昨年は奥州弥生賞を圧勝後、北海道3冠を目指して遠征。北斗盃、北海優駿とも完勝し、史上5頭目の3冠達成の期待がかかったが、王冠賞3着で夢実現はならなかった。
もちろんスーパーステションが強かったが、前後して体調を崩したのも敗因。当初、不来方賞から復帰する予定だったが、間に合わず11月のA級戦までずれ込んだ。
それでも当初の最終目標だったダービーグランプリに駒を進めたが、再びスーパーステションに完敗5着。続く桐花賞もエンパイアペガサスの2着に敗れた。
そこで心機一転、南関東へ一旦移籍。A2で連勝を飾り、好ムードで帰郷した。春のターゲットはシアンモア記念、みちのく大賞典。世代交代をテーマに赤松杯に臨んできた。
タイセイファントムは昨年11月に転入。中央時代にクラスターカップへ参戦して6着だったが、移籍初戦の絆カップで目の覚めるような末脚で完勝。ラブバレットを並ぶ間もなく交わした。
白嶺賞はイーグルカザンの3着だったが、クビ、アタマ差の僅差。そのうっ憤を晴らすかのようにトウケイニセイ記念を優勝。重賞2勝目を手にし、古豪健在をアピールした。
佐藤雅彦調教師「年齢も年齢(今年10歳)ですから、緩めると立て直すのに時間がかかる。ですから冬場はBTCでずっと乗り込んできました」
自慢のマクリ脚でベンテンコゾウの挑戦を退けるか。
ロジストームは福島芝2000m・2歳新馬戦1着。その後、3戦0勝から6ヵ月の休養を経て南関東へトレード。当初2戦は伸びを欠いたが、3戦目から4連勝。秘めた素質が開花した。
ここ2戦は3、2着止まりだが、岩手通用は誰の目にも明らか。550キロの大型馬がパワーにモノを言わせ、主役に躍り出るか。
イーグルカザンは昨年4月、岩手へ転入。冒頭に記したように赤松杯を快勝。「詰めが甘いタイプなので時計かかる岩手の馬場が合ったんでしょうね」。その後も重賞路線を走り、年間を通して活躍した。こちらもタイセイファントムと同様、BTCで乗り込まれて好状態。連覇を狙う。
チェリーピッカーは中央未勝利から転入。圧巻の12連勝を飾り、ついにオープン入り。夏負けした時期もあったが、立て直しに成功。重賞・青藍賞を制した。冬場はテンコートレセンで鍛え直して勢いを取り戻すか。
◎④ベンテンコゾウ
〇⑥タイセイファントム
▲③ロジストーム
△①イーグルカザン
△②チェリーピッカー