★重賞・プリンセスカップはエグジビッツが優勝
11月26日に行われた2歳牝馬の全国交流重賞『プリンセスカップ』は4番人気のエグジビッツ号が優勝しました。
ピーベリーが逃げた二番手を確保しての戦いになったエグジビッツ。自ら先頭に立った後はマサノスマイルの激しい追撃を受けながらも粘り通し、最後は1馬身1/4差引き離してゴール。自身2つめの重賞タイトルを手にしました。これで「GRANDAME-JAPAN2017」2歳シーズンのポイント争いでも単独トップに立ち、暮れの最終戦の結果を待つことになります。
2着は6番人気マサノスマイル、3着は3番人気のパキラパワー。1番人気に推されたサラヒメは6着でした。
なお、このレースをもって今シーズンの他地区との交流重賞は全て終了となりました。
11月27日のメインレースはB1級の1900m戦『ひいらぎ賞』です。今シーズンは古馬A級戦でも使用されるようになった水沢1900mという条件。そのため例年よりは珍しさが薄れていますが、今回の出走全馬がこの距離の経験が無いようにややレアな条件であることには変わりがありません。1800mとは異なる展開にもなりがちな距離への対応が各馬にとっての課題になるでしょう。
本命は(1)サインズストームです。前走は水沢の1800m戦で快勝。スタチューオブリバティの産駒ながら長めの距離に苦手感が無いようですし、なにより水沢との相性も良いですよね。加えて今回のライバルのほとんどは前走で破った相手。1900mはカギになるでしょうが、力関係・コース相性的に前走同様の結果を、と期待したいところ。
相手に挙げるのは(7)ダンストンリアン。前走では◎に敗れましたがこの馬も水沢の方が立ち回りやすいと感じさせる走りでした。距離自体は短い方が良いと思うのですが前走の内容を評価して。
三番手はやや悩みつつ(10)オメガジェルベーラ。とこれも前走の内容から。転入初戦が芝での勝利でしたが前走で分かる通りダート中距離は悪くないはずで、距離が伸びる方に変わるのもプラスになりそう。逆転も十分に有り得ると判断。
以下はまず(6)トーホクコルト。一進一退しながら力を付けてきている点が魅力的。ただ距離は現状ではちょっと長い印象があり、この馬のきょうだいが見せてきた水沢町距離適性が発揮されるかどうかが焦点か。(5)ミュークロールは8月の水沢1800m・ムーンライトカップで好走。JRA時代もマイルよりは1800mの方が良いという戦績です。流れに乗れれば面白い存在になれるのでは。
●10Rの買い目
馬単(1)=(7)、(1)=(10)、(7)=(10)、(1)→(6)、(1)→(5)
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★オッズパークLOTO 5重勝/11月27日(対象7R~11R)
7R/評価A: 2番 評価B: 9番 穴:6番
8R/評価A: 8番、10番 評価B: 2番 穴:1番
9R/評価A: 8番 評価B: 6番 穴:10番、11番
10R/評価A: 1番 評価B: 7番、10番 穴:5番
11R/評価A: 7番、 2番 評価B: 4番 穴:5番
ダービーグランプリの余韻が残っている中、笠松から朗報が届いた。3連覇を狙ってラブバレットが遠征。逃げたトウケイタイガーを徹底マークから競り落とし、3連覇の偉業を達成した。
クラスターカップ(JpnIII)でコースレコードをマークしたが、外ブルドッグボスの強襲に遭って惜しくもクビ差2着。悲願のグレード制覇はならなかった。
その後は北海道へ放牧に出たが、頭部骨折のアクシデントが発生。予定が若干狂い、絆カップで復帰。中央から転入初戦のタイセイファントムに完敗を喫したが、ひと叩きされて気配アップ。馬体重も10キロ絞れて万全の態勢で臨んだ。
これで重かきつばた記念でトウケイタイガーの5着に敗れた雪辱を果たし、重賞11勝目。次走は体調見ながらだが、兵庫ゴールドトロフィーを向かいたいという。昨年4着。中央勢は強力だと思うが、さらに上位を期待したい。
翌日23日にはJpnII・浦和記念が行われ、エンパイアペガサスが挑戦。初グレード挑戦はさすがに厳しく6着だったが、叩かれながら良化のタイプ。次走以降の巻き返しを願っている。
26日メインは2歳牝馬交流「第34回プリンセスカップ」(水沢1400m)。今シーズンの2歳交流は北海道勢の独壇場。今回も大挙6頭が参戦し、いずれも粒ぞろい。上位を独占する可能性が高い。
一番手にパキラパワーを指名。デビュー2連勝で臨んだエーデルワイス賞で4着。内で揉まれながらも怯まずジワジワと伸びていたのが印象的だった。
前走・ブロッサムカップ7着の評価が微妙だが、門別内回りは特殊コース。初の1600mもこたえたに違いない。小回り1400mで反撃を期待する。
エグジビッツは金沢シンデレラカップを逃げ切り、園田プリンセスカップ、ラブミーチャン記念3着。このメンバーでは群を抜く実績を誇り、グランダム暫定1位。遠征疲れが残っていないかが最大ポイントとなり、当日の気配に注意を払いたい。
マサノスマイルはエーデルワイス賞でスタートダッシュを決めて一旦ハナに立ったが、外から被せられてズルズルと失速。普通ならば大差負けのパターンだが、直線で盛り返して7着。この根性は不気味。
サラヒメは内でもたつくエグジビッツを尻目に園田プリンセスカップを完勝。シンデレラカップの2秒1差3着で評価を下げたが、体調さえ戻れば反撃に転じて不思議はない。
アンフィーサが最大の惑星馬になるかもしれない。勝つか、はたまた大敗か。デビュー戦を勝った後、精彩を欠いたが、目下2連勝。2番枠が不安だが、田中淳司調教師は補欠3番目の時点でも気合いが入っていた。
スターギアは北海道2勝2着3回から転入初戦を圧勝。知床賞の走破タイムには劣ったが、トーヨーリファールのコースレコードに1秒1差。2歳で1分24秒7に驚きを隠せなかった。
◎①パキラパワー
〇⑩エグジビッツ
▲④マサノスマイル
△⑦サラヒメ
△②アンフィーサ
△⑪スターギア
<お奨めの1頭>
4R ウノピアットブリオ
待望の初勝利で弾みついたのは確実。走破タイムもすばらしく2連勝に待ったなし
先週から今週にかけてネタが多いが、やはり19日に行われた「第30回ダービーグランプリ」を取り上げたい。
優勝は北海道スーパーステション。ベンテンコゾウの北海道三冠を阻止した王冠賞から圧巻の5連勝を飾った。
逃げたのはキングジャガー。2番枠に入り、出ムチを入れてハナを主張した。2番手にベンテンコゾウ、その外にスーパーステションがつけた。
流れは速くキングジャガーが3コーナーで一杯。替わってベンテンコゾウが先頭に立ったが、スーパーステションは手応え絶好。4コーナー手前でベンテンコゾウを交わし、外から伸びてきたフリビオンを完封。1991年、第6回リバーストンキング以来の北海道優勝を果たした。
阿部龍騎手「岩手の2頭が行くだろうと思っていたので3番手は想定どおり。馬とけんかしないよう自然の流れにまかせた。初遠征でもありましたから、道中でストレスがないように心がけました。
道中の手応えがすばらしくベンテンコゾウを4コーナー手前で交わしましたが、後ろにいるフリビオンのことを意識して追い出しを我慢しました。
2歳のときから期待の馬が1年たって大きく成長してくれた。普段から調教でも乗っていますが、本当にスケール大きい馬だと思います」
この後は水沢から川崎へ移動。佐々木仁きゅう舎へ移籍して南関東重賞へ駒を進める予定だという。
今年に入ってカネヒキリ産駒がブレイク。ロンドンタウンが佐賀記念、エルムステークス、コリアカップ(韓国)を制し、ミツバがマーキュリーカップ優勝。先日のJBCクラシックでも3着に善戦した。
そういえば昨年のダービーグランプリ馬トロヴァオもカネヒキリ産駒だった。自身も奇跡の復活劇で周囲を驚かせたが、子供たちの多くが晩成型。これが血のなせる業かもしれない。
25日メインは岩手県調騎会騎手部会協賛「震災復興 子ども達に夢と笑顔を」(B1一組 水沢1600m)。
トモジャプリマを主軸に指名する。中央ダートで2着2回3着1回から転入。初戦をアッサリ逃げ切り、待望の初勝利を飾った。
転入時馬体重が445キロ。パワーが要求される水沢の馬場ではもう少し体重が欲しい。輸送があるので大幅増は期待できないが440キロ台はキープしたいところ。これが取捨のカギとなるだろう。
ラッキーパンチも同じく中央ダート2着2回3着1回だが、3走前3着はクビ、ハナ差の僅差負け。船橋・条件交流10着後、2ヵ月半ぶりの実戦が気になるが、追い切りを意欲的にこなして態勢は整ったはず。こちらは480キロ台の牡馬。時計のかかるダートはむしろ合いそうな予感。
ヒデノホープは中央から再転入後、未勝利だが2着2回3着3回。前走もロングスパートをかけて2着を確保した。先に行きたい馬がそろってハイペース必至。展開有利は明らか。
ミトノレオは本質的には差し馬だが、先行有利の馬場を考えて積極的なレースで上位入着。ただ最後が甘くなるのは前半で脚を使うから。今回は大外12番枠を引き当て、内の動向を見ながら競馬ができるのが強み。脚を貯めて直線勝負に賭ける。
ロケットボールは秋嶺賞3着だったが、水をたっぷり含んだ芝に泣いた印象。ダートは若干割り引きが必要だが、こなせることはこなせる。連下マーク欠かせない。
ヤマニンボアソルチは目下2連勝。自分の型に持ち込めないと凡走するが、スンナリなら3連勝まで。
◎③トモジャプリマ
〇⑨ラッキーパンチ
▲⑥ヒデノホープ
△⑫ミトノレオ
△④ロケットボール
△⑦ヤマニンボアソルチ
<お奨めの1頭>
4R タイセイラブリー
2戦2着は相手が強すぎた。今回はメンバーが大幅に緩和され、絶好の勝機を迎えた
★重賞・ダービーグランプリはスーパーステションが優勝
11月19日に行われた3歳馬の重賞『ダービーグランプリ』は1番人気の北海道スーパーステションが2着フリビオンに1馬身差を付けて優勝しました。
冬の寒さになった水沢競馬場。強く降り始めた雪はメインレースの頃には積もるほどになりましたが、そんな中で行われたレースはスーパーステションがベンテンコゾウを一騎討ちで倒す強い競馬を見せました。これで7月の王冠賞から5連勝。このあとは川崎競馬に移籍して南関東で戦います。
2着フリビオンは中団から捲ってスーパーステションを追いつめるあわやの戦い。3着はこれも北海道のストーンリバー、4着は岩手のウニオミュスティカ。ベンテンコゾウは5着に終わっています。
11月20日のメインレースは古馬A級の1900m戦『初冬特別』。この週末は岩手も寒さが厳しく、各地で雪が降るシーンも見られました。初冬と言うよりは冬本番の寒さでしたね。岩手競馬のシーズンもあと1ヶ月半ほど。寒さが増すにつれシーズンクライマックスへ向けての盛り上がりも増していくはずです。
さてこのレースの本命は(4)アントニオピサとしました。昨年の今頃の同馬は北上川大賞典2着、桐花賞2着など重賞でも常に上位を確保し、いつタイトルを手に入れるかだけが焦点・・・という存在でした。今季序盤もその勢いが続いていたのですが、夏にさしかかった頃から急速に勢いが下降線をたどり、直近は掲示板も確保できないという結果。
とはいえ改めて振り返ってみれば、JRA時代から真夏は走らない、むしろ寒い時期こそ走るようなタイプだったと思える戦績です。であれば夏以降の不振はある意味仕方が無い結果であり、寒くなった今になって上向き始めたのもまた当然という事なのでしょう。
正直な所をいえばもう一戦、一回使ったあとのこの次のレースがより上昇してくるだろうと思っていたのですが、今回くらいのメンバーになればそうも言っていられません。ここで復活ののろしが上がる事を期待してみましょう。
対抗は(2)ハイパーチャージ。これまでの走りで分かる通りに外枠の方が絶対に良いというタイプ。2枠は確かに微妙です。しかし7頭立ての1900m戦なら内から外に出して仕切り直すのも極端なロスにはならないでしょうし、であれば地力を発揮してくると考えます。
三番手はやや悩みつつ(6)マルタカシクレノン。前走はあくまでも長期休養明け。そして自身初めてになるダートの短距離でしたから6着でも上々というところでは。1900mもまた経験が少ない距離ではありますが、芝の中距離に苦手感はなさそうな戦績ですから、叩かれた上積みの方を大きく採ってみるのがベターでしょう。
(7)ロジメジャーは近走の着順の数字から受ける印象よりは調子が良いように感じます。前走くらい動ければこのメンバーなら・・・ですが、距離はちょっと長いのかも。(3)アドマイヤイバマは水沢戦の方が積極的に動けるような印象。この馬にも距離はちょっと長いように感じますが、このメンバーなら流れひとつでは。
●10Rの買い目
馬単(4)=(2)、(4)=(6)、(4)→(7)、(4)→(3)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
★オッズパークLOTO 5重勝/11月20日(対象7R~11R)
7R/評価A: 7番 評価B: 6番、 1番 穴:11番
8R/評価A: 4番、11番 評価B: 2番 穴:9番
9R/評価A: 3番 評価B: 5番 穴:8番、7番
10R/評価A: 4番 評価B: 2番、 6番 穴:7番
11R/評価A:11番 評価B: 4番 穴:2番
かつてGI格付けだったダービーグランプリ。創設当時、3歳ダートNo.1決定戦だった時代、馬インフルエンザのまん延により地元重賞で行われた2007年。前後して存廃問題にも揺れた。
そして2008年から空白の2年間を経て2010年に復活。常識的には一度休したレースが復活するなんてあまり例がないが、ダービーグランプリの創設原点に立ち返って地方交流で実施。
翌年は悪夢の東日本大震災により、水沢競馬場は壊滅的被害。盛岡1場での開催を余儀なくされ、ダービーグランプリも舞台は水沢ではなく盛岡だった。
そんな時代を経て今年30周年を迎える。嬉しい半面、気恥ずかしいが、第1回から一度も見逃すことなくダービーグランプリをすべて観てきた。
1回1回を振り返ると膨大な文字量になってしまうので割愛するが、無事に第30回を迎えることができて心から喜んでいる。あとは人馬が熱い戦いを繰り広げてくれることを期待するのみ。
記念すべき30回の主役はベンテンコゾウ。昨シーズン、寒菊賞を優勝後、来年は北海道三冠を目指すと思う―と菅原勲調教師が語って一瞬、エッと思ったが、陣営は本気だった。
冬場にテンコートレセンで鍛え直し、奥州弥生賞から始動。坂路でさらにパワーアップしたベンテンコゾウは5馬身差で圧勝後、予定どおり北海道へ遠征。北斗盃、北海優駿の二冠を制した。
最大難関は北海優駿だった。当時、サウスヴィグラス産駒はナムラタイタンのほかはマイルまでがベスト。果たして2000mへ対応できるか半信半疑だった。
それをクリアーして三冠達成も現実味を帯びてきたが、よもやの夏負け。王冠賞で3着に敗れてしまった。
その後は北海道へ居残って回復に専念。不来方賞で復帰予定だったが、態勢が整わず2週間後の古馬A級戦に何とか間にあった。
どこまで回復したか、周囲の心配をよそにベンテンコゾウは4馬身差で圧勝。逃げたダイワエクシードをあっと言う間に交わし、上がり36秒8。やはりベンテンコゾウはベンテンコゾウだった。
北海道三冠の次はダービーグランプリが当初の目標どおり。今度こそ夢を実現させてほしい。
逆転筆頭はスーパーステション。昨年は1勝だった馬が今季7戦6勝2着1回。カネヒキリ産駒は総じて奥手だが、その典型と見ていいだろう。圧巻はベンテンコゾウの三冠を阻止した王冠賞。道中でもたつくベンテンコゾウを尻目に2着ストーンリバーに7馬身差で圧勝。
この勝利をきっかけに現在4連勝中。条件クラスとは言え、まさに破竹の進撃。初の遠征が不安材料だが、クリアーできれば単までの資格。
クラキングスは前走、心房細動が発症して競走中止。その後遺症が心配だったが、無事出走。あまり表面に出ないが、思った以上に心房細動を起こすケースは多い。そしてケロッとしているのも特徴。
羽田盃5着、黒潮盃4着の実績が光り、前々走では古馬B1相手に完勝。4年連続で南関東勢が優勝を果たしているように地区レベルでアッサリまで十分。
ストーンリバーはスーパーステションとは真逆に今季未勝利。エンジンのかかりが遅いのが勝利を妨げている。しかし北斗盃、王冠賞で2着確保。それならば上位争いは確実だろう。
フリビオンの評価に正直迷う。西日本ダービーはモタモタして一瞬ヒヤッとさせたが、直線で一気に突き抜けて完勝。レースぶりは強いの一語。あとは長距離輸送と相手強化がネックだが、切れは通用と見ていいだろう。
キングジャガーは岩手ダービー・ダイヤモンドカップ、不来方賞と岩手二冠を達成。控える競馬も考えていたそうだが、2番枠なら先手必至。あとはきついマークをどうしのぐかに尽きる。
◎⑤ベンテンコゾウ
〇⑪スーパーステション
▲⑥クラキングス
△④ストーンリバー
△①フリビオン
△②キングジャガー
<お奨めの1頭>
10R メイショウオセアン
重賞で勝利を飾れなかったが、今回はメンバーが大幅に弱化。距離もベストの1400m戦なら首位を譲れない