岩手競馬の看板を背負ってきた櫻田浩三調教師が21日、永遠の眠りについた。75歳だった。
櫻田浩三調教師は岩手県調騎会会長の重責を長きにわたって務めただけではなく、数々の強豪を育ててきた。タービュレンス、オウシュウクラウン、アプローズフラワー、パラダイスフラワー、アテスト...。
昨年も先輩女子を退け、2歳馬で最優秀牝馬に選ばれたサプライズハッピー(留守杯日高賞に出走)も忘れてはならない。謹んでお悔やみを申し上げます。
24日メインは「第41回留守杯日高賞」(M2 水沢1600m)、『GRANDAME-JAPAN2016』3歳シーズン第6弾。大井・オウカランブが回避し、遠征馬は笠松・ベッロポモドーロ1頭。トライアル・あやめ賞を圧勝したディックカントウが重賞2連勝へ王手をかけた。
昨年、北海道1勝から岩手入り。初戦の寒菊賞でイチダイの2着を確保して上々の滑り出しを切った。2戦目の金杯はハイペースに巻き込まれて6着に沈んだが、その後、宮城の山元トレセンへ移動。坂路で鍛え直した効果は絶大だった。
あやめ賞でプラス21キロと大幅増だったが、太目感はまったくなし。レースでも砂をかぶる厳しい競馬だったが、ひるむところなく直線で一気に加速。2着に4馬身差をつけて圧勝した。
山本政聡騎手「オフシーズンを過ごしていた山本トレセンで一度乗ってみたら一回り大きくなっていた。体重が大きく増えていましたが、動きが軽く成長を感じました。母も奥手だったそうですが、ディックカントウもその血を受け継いだんでしょうね」とあやめ賞優勝コメントで絶賛した。
過去に出世した競走馬たちの共通点は成長確かなこと。典型はメイセイオペラでデビュー時は460キロ前後だった馬体重が500キロまで増加。筋肉も見違えるほど隆々となった。
ディックカントウがどこまで出世するか注目してほしい。
相手筆頭はベッロポモドーロ。北海道4戦0勝2着1回3着1回から笠松へ移籍。2勝マークしたほか、ライデンリーダー記念2着、園田クイーンセレクションでもタイム差なし2着。
遠征競馬でも結果を出し、強豪相手と戦ってきたのが最大の強み。キャリアを生かして初タイトルを手にするか。
サプライズハッピーはあやめ賞2着。4馬身差は決定的だったが、マイナス10キロが大きく影響した。見た目にも細く映り、毛ヅヤもひと息。地力で2着を死守した。まだ仕上がり途上だが、ひと叩きされた変わり身は見込めるはず。全能力を発揮できれば巻き返して不思議はない。
アクエルドはディックカントウの陰に隠れたが、こちらも成長確か。あやめ賞は距離不足に泣いて4着だったが、直線の伸びはなかなか。舞台がマイルなら本領発揮できる。
ニャチャンは名古屋から再転入戦にスプリングカップを選択。牡馬相手に果敢に逃げて3着は評価に値し、牝馬同士ならさらに上を望めるかも。
チャイヨーも軽視できない。太目残りのあやめ賞でも3着。1枠が微妙だが、体が締まって来れば楽しみ。
◎(3)ディックカントウ
〇(6)ベッロポモドーロ
▲(9)サプライズハッピー
△(5)アクエルド
△(7)ニャチャン
△(1)チャイヨー
<お奨めの1頭>
11R ドリームバスケット
転入2戦目の前走を4馬身差で圧勝。中央オープンの底力を見せつけた。相手強化感もさほどなく、2連勝もらった
先週報告した新人ジョッキー・鈴木祐騎手、木村直輝騎手が16日、そろってデビューしたが、鈴木祐騎手が初騎乗初勝利の快挙をやってくれた。
第1R、ミエノコマンダーに騎乗した鈴木祐騎手は、道中5番手インを追走。後方でじっくり待機し、直線は馬群を割って抜け出して快勝。7番人気の低評価を見事覆した。
鈴木祐騎手「とても緊張しましたが、冷静さを保つように心がけました。先生(工藤雄幸調教師)から道中で我慢すれば終いで脚を使うからと指示をいただき、そのとおり伸びがすばらしかった。
直線は外に出すのは全然考えていなかった。内で前が開くのを待っていました。
初騎乗で勝てるなんて自分でも信じられない。調教師、両親を始め、応援してくださったみなさんに感謝の気持ちで一杯です。
この勝利で慢心しないで謙虚に頑張っていきたいと思います」
初騎乗初勝利は2002年10月、千田和江騎手以来、14年ぶり。また岩手競馬史上4人目の快挙となった。
また第6Rで1番人気クラジェントリラブに騎乗した高橋悠里騎手が余裕の逃げ切りを決めて完勝。韓国から帰国後、初勝利を飾った。
前の週11日、A級一組戦でモズに騎乗。剛腕で2着に残して周囲から賞賛をあびた。モズは昨年6月、みちのく大賞典で2着を確保したが、高橋悠里騎手が渡韓。
以降、モズはずっと精彩を欠いていたが、高橋悠里騎手とのコンビ復活。久々に"らしさ"を見せて復活の兆しを見せてくれた。今年の岩手競馬は競走馬はもちろんのこと、騎手にも注目してほしい。
23日メインはC1・水沢1600m戦「田沢湖賞」、12頭立て。主軸にデルマカマイタチを指名する。
東京ダート2100mで未勝利を脱出。また新潟ダ1800mで2着1回、ほかにダート1400m戦で3着2回、ダ1700mで3着1回。
中央500万下の在籍し、B2へ編入。初戦3着に終わったが、一戦のみでC1へ降格して快勝。3コーナーからロングスパートを決めた。
この内容からC1では地力上位を証明。メンバー的にスローの流れは考えられず、2連勝の可能性十分と見る。
逆転筆頭はマンボプリンス。昨年は1勝のみにとどまったが、3歳重賞・不来方賞3着の実力馬。今季はB1からC1へ降格して連続2着にまとめた。
特に前走は1400m戦。距離不足が不安材料だったが、直線で台頭。2着にまとめ、能力の高さを改めて証明した。マイル延長なら久々の首位まで。
シャイニーパンサーは昇格を問題にせず2戦とも2着確保。自在脚質を武器に好勝負を演じている。4歳の若さを前面に、ここも突破の構え。
イマジンジョンは相手なりに駆ける堅実さがセールスポイント。半面、詰めの甘さがつきまとい今季も連続3着だったが、意欲的に乗り込まれて反撃をもくろむ。
エントラールは昨年中盤から精彩を欠いたが、特別開催を勝ってスランプ脱出した。前走はその反動だったか4着に終わったが、活気を取り戻せば巻き返しに転じれる。
ナムラキャニオンは前回快勝で弾みついたのは確実。水沢4勝の実績は侮れない。
◎(10)デルマカマイタチ
〇(11)マンボプリンス
▲(7)シャイニーパンサー
△(1)イマジンジョン
△(8)エントラール
△(12)ナムラキャニオン
<お奨めの1頭>
2R ナゲットハント
前走2着でようやく軌道に乗った印象。タイム比較でリードは明らかなら、順当に白星を飾るチャンス
★新人・鈴木祐騎手が初騎乗初勝利!
今週から岩手競馬でも新人騎手の騎乗がスタート。この春デビューするのは木村直輝騎手・鈴木祐騎手の二名ですが、鈴木騎手が見事なレースを見せてくれました。
4月16日の1R、このレースがデビュー戦となった鈴木祐騎手は7番人気のミエノコマンダーに騎乗。中団追走から直線は内を突いて抜け出すと、後続にリードをつけたままゴール。なんと初騎乗で初勝利という快挙を達成しました。
4月18日・月曜日のメインレースはB2級の特別戦『エイプリルカップ』。マイル戦にフルゲートの12頭、それも好調馬揃い。いかにも激戦必至という顔ぶれになりました。
本命は(7)ドナエテルニテを狙ってみます。昨季はマイルでは少し長いかという戦いをしていましたがこの春の二戦は距離も問題なくこなす走りを見せました。速い流れに対応しつつ好位差しの形も板に付いてきています。今ならむしろマイルがベスト、この条件でなら力量も上位。狙ってみる価値は十分にあります。
対抗は(4)キャンディッド。この馬もこの春はとにかく好調。二連勝の内容は確かに僅差ではありますが、今の水沢の馬場で僅差とはいえ後方からの差しを決めるのは簡単な事ではないもの。もちろん、もともとの脚質が後方一手という事でもなく流れ次第で好位からの競馬もできる馬。
三番手は(12)イルポスティーノを。前走はC1級でしたが昨季はB1級上位で普通に勝ち負け。その内容は今回のメンバーの中でも上位のものです。マイル戦の大外枠はさすがに不利という事で▲に留めたものの、上位争いの期待はかけていいはず。
ヒモはまず(11)キトラ。春の二戦は確かに勝ち切れていませんがソツのない走りは軽視できません。(2)サンマルウィークは前走が好内容。更なるコース慣れが見込める3戦目、この馬も軽視禁物でしょう。
●10Rの買い目
馬単(7)=(4)、(7)=(12)、(7)→(11)、(7)→(2)
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先週10日、水沢1600mを舞台に行われた「第41回赤松杯」はナムラタイタンが6馬身差で逃げ切り圧勝。積極的に攻めていったラブバレットをアッサリ突き放した。
今年10歳を迎え、年齢的な衰えがないか不安な面もあったが、帝王には関係なし。むしろ凄みを増した印象さえ与えた。
坂口裕一騎手「休み明けは問題ないタイプなので、いつもどおりスタートだけを気をつけました。
内に入って包まれる可能性がありますから、それならば逃げた方がいいと判断。追い出してからの反応も良く、いい滑り出しを切ることができました。
昨年は赤松杯後、脚部不安のためにリタイアしたが、今年はおととしと同様、無事にシアンモア記念に向かってほしいと思っています」
そう。昨年は赤松杯レース中に脚を痛めてリタイア。復帰に3ヵ月ほどかかってしまったが、今年はシアンモア記念2度目の制覇に視界良好となった。
一方、2着に敗れたラブバレット。相手はナムラタイタンのみ。早々とマッチレースに持ち込んだが、直線で突き放され完敗を喫した。
山本聡哉騎手「高知遠征の疲れも取れていい仕上がりで臨めましたが、距離が長かった。マイルだとどうしても最後が甘くなります。それでも6馬身差ですからね。改めてナムラタイタンの強さを実感しました」
管理する菅原勲調教師も「この着差ですからね。相手が強かったということでしょう。次走は予定どおりかきつばた記念(JpnIII)。ベストの1400mで巻き返しを期待します」
17日メインはB1「駒形賞」。舞台が1800mへ替わり、距離対応が勝敗のカギを握りそう。
主軸はモルフェワイン。今季初戦はA級に格付けされて相手強化。6着に終わったが、一戦のみでB1降級。しかも叩かれた変わり身も素晴らしく2着に0秒9差をつけて圧勝した。
1800m戦も昨年2着でこなせることを証明済み。レース運びのうまさで2連勝をもくろむ。
スパンコールは前回快勝。今季初戦、レディアントデイズにハナ差の悔しい2着のうっ憤を晴らした。馬体回復したのが最大の好走要因。
切れ勝負型で1800m延長は望むところ。あとはスローの流れにならないことを期待するのみ。
グエンザップは休み明け2戦目を完勝。B1も突破した。馬体のすばらしさはここでも群を抜く存在。体型的にマイラーの印象もあるが、成長力で克服できる。
トーホクアローは初戦5着。追い込み一辺倒のため成績安定しないのは仕方なしだろう。桐花賞で毎年、電光掲示板を確保しているように距離は長ければ長いほどいいタイプ。一気突き抜けるシーンまで。
ノーティカルスターも同じく追い込み馬。展開に注文がつくため全幅の信頼を置けないが、流れ速くなれば台頭十分。
エイトプリンスは初戦を3着にまとめ、元A級の地力を発揮したが、前走は中団のまま6着。11キロの体重減が影響したか。当日の馬体重に注意を払いたい。
◎(7)モルフェワイン
〇(9)スパンコール
▲(2)グエンザップ
△(5)トーホクアロー
△(6)ノーティカルスター
△(1)エイトプリンス
<お奨めの1頭>
11R モズフウジン
昨年、中央未勝利から圧倒的な強さで6連勝。オープン入り間違いなしともっぱらの噂。今季初戦、マイル延長など課題は多いが、スケールが違う
いよいよ16日(土)、新人ジョッキー2名がデビューする。鈴木祐騎手(櫻田康二きゅう舎・盛岡)、木村直輝騎手(関本浩司きゅう舎・水沢)。
鈴木祐騎手は第1R・ミエノコマンダー、第8R・ピンクサンダーの2頭。木村直輝騎手は第6R・コスモマスタング、メイン10R・エイプリルラヴの2頭。
詳しくはテシオ特集でご覧になってほしいが、それぞれ目標を聞いてみたところ鈴木祐騎手は「50勝」、木村直輝騎手は「30勝」だという。
昨年デビューした小林凌騎手は1年目で32勝をマークし、岩手競馬アワード新人賞を受賞した。おそらく両騎手ともそれを意識したと思うが、夢はでっかい方がいい。
過去のジョッキーが一番緊張したのがデビュー戦、頭が真っ白になったと異口同音に語る。果たして鈴木祐騎手、木村直輝騎手はどんなデビュー戦となるか。注目してほしい。
16日メインは「奥州水沢 日高火防祭賞」(B1 水沢1400m)。距離に自信ありのメンバーがずらり。8頭立てながら伯仲戦が期待できそうだ。
アフリカンハンターは昨年、中央1600万下から転入。慢性的な裂蹄を抱えているため春当時は体を絞るのに苦労したが、叩かれながら気配アップ。早池峰賞(盛岡ダ1200m)、岩鷲賞(水沢1400m)、すずらん賞(盛岡ダ1600m)と重賞で3戦連続3着を確保した。
今季初戦を2着にまとめ、上々の滑り出し。前走はマイルに延長された上、スローに落とされたのが致命傷。折り合いを欠いて9着に沈んだが、タイム差は0秒7。
今度は距離が1400mへ短縮されたし、メンバー的に流れが速くなること必至。自慢のマクリ脚を披露できる可能性が高くなった。
ただ、重賞で健闘しながら岩手未勝利と勝ち切れないのも事実。ほかもつけ入る余地は十分ある。
逆転筆頭はテイケイフロックス。今季2戦とも7着と自慢の豪脚が不発に終わっているが、今回はベストの1400m戦。過去、水沢7戦2勝2着3回3着1回。最も得意とする条件といっても過言ではない。
ムラな面があり全幅の信頼を置けないが、休み明け3戦目。目の覚めるような末脚を披露する。
ナリタメロディはアッサリ逃げ切りまで十分。中央芝1200m1勝から転入後、盛岡ダート1600m、ダート1200m、水沢1400mで早々と3勝。スピードが冴え渡った。
今回は芝1000m・ハーベストカップ以来、6ヵ月ぶりの実戦だが、タイプ的に久々を苦にしない印象。能力検査を叩かれたのも強調材料となる。
モリノワカバは前走でマイペースの逃げに持ち込んでモルフェワインの2着。持ち前の粘りを発揮した。1400mも浦和で3勝なら、むしろ望むところ。
ワールドブルーは中央2勝、地方18勝から転入。ジリ脚のため3着1回止まりだが、1400mはこれまで3勝2着2回。この成績は見逃せない。
◎(3)アフリカンハンター
〇(2)テイケイフロックス
▲(5)ナリタメロディ
△(7)モリノワカバ
△(8)ワールドブルー
<お奨めの1頭>
7R ゼロワンシンジロー
中央ダート2勝の地力を見せつけて初戦を1秒差で圧勝。C2ではモノが違うことを証明した。迷わず主軸視