森下淳平調教師
「昨年、OROカップを勝った後、脚元がパンとしなかったので2月のレースを使って社台ファームへ移動。向うで態勢を立て直して、しっかり乗り込んでもらいました。
きゅう舎へ戻ってきたのは8月。芝を意識して調整を進め、まだ完調とは言えませんが、調教検査を使っていい状態で臨めたと思います。
元々、気のいい馬で仕上がりに手間取らないタイプ。プラス体重で臨めたのも好結果につながりましたし、吉原寛人くんがうまく乗ってくれました」
これが先週9月25日、OROカップ2連覇を達成したロゾヴァドリナ=森下淳平調教師のコメント。常識的に7ヵ月ぶりは厳しいと思ったが、見事覆した。体ができていれば久々でも勝てると踏んだ森下調教師の手腕に感服した。
実際、休み明け前2戦に騎乗した吉原寛人騎手も「冬に騎乗したときより数段良かった」と語った。そしてこう付け加えた。「完調で臨んだらどこまで差を広げたか。盛岡芝では地力が一枚上だったということだと思います」
2着はトライアル・桂樹杯を優勝したブレークビーツ。ロゾヴァドリナに半馬身差まで肉薄した。こちらも盛岡芝との相性抜群。
共通して言えるのは鞍上の指示に鋭く反応できること。盛岡芝は実力もさることながら、器用さも要求される。
総合的な芝実績では2頭より上回るダイワマッジョーレ、ブレイズアトレイルらがいた。自分はこの2頭が本線と見たが、6着5着だった。また一つ学習した。
10月1日メインはB2級・芝1600m戦「オクトーバーカップ」。先週のOROカップの反省を基に◎マイネルテンクウ、〇ブライテストムーンが本線に採った。
マイネルテンクウは中央芝2勝、園田、笠松を経て転入。当初はダート戦で凡走を繰り返していたが、芝に替わって動きが一変。一戦目は不利が2度重なって5着に終わったが、2戦目を快勝。続く芝でも2着を確保し、交流重賞・せきれい賞にも挑戦した。
前走はブライテストムーンの強襲に屈したが、クビ差2着。むしろレースを作ったのはマイネルテンクウで負けて強しの一戦だった。首位奪回に燃える。
ブライテストムーンは中山芝1600m・2歳新馬戦2着。その後は精彩を欠いて園田移籍後も着外の連続。岩手へ新天地を求めてきた。
初戦はマイナス13キロの397キロで臨んだが、芝適性を存分に発揮。3コーナーまで最後方にいたが、満を持してスパートをかけると素早く反応。鮮やかな直線一気を決めた。
今度は最低でも中団につけると思うが、その場合に上がり34秒8の脚を再現できるか。そこに不安点があり、逆転筆頭とした。
ラブミーリルは前走こそ札幌芝2000mで10着だったが、それ以前は毎回のように上位争い。盛岡芝と同じ札幌、函館の洋芝で残した実績だから心強い。加えて先行力もあるのが武器だが、盛岡芝は特殊コース。アッサリか、はたまた凡走かの▲評価に落ち着く。
コスモロングソードは盛岡芝未勝利だが、適性は引けを取らない。前走は1枠に入り、一完歩遅らせて外に進路を変更。そのロスがあったため直線伸びながらも0秒1差3着にとどまった。しかし今回は大外を引き当てたのが好材料。道中スムーズに運べれば単まで可能。
エイプリルラヴは盛岡芝1600mの持ちタイム一番。しかも休み明け3戦目と走り頃を迎えたのが不気味。あとはカグニザントの芝適性も軽視できない。
◎⑨マイネルテンクウ
〇⑥ブライテストムーン
▲④ラブミーリル
△⑪コスモロングソード
△⑩エイプリルラヴ
△⑤カグニザント
<お奨めの1頭>
7R ホープトウショウ
中央未勝利から初戦2着だったが、相手が強すぎた。2戦目を順当勝ちし、走破タイムも優秀。弾みつけて連勝態勢
★重賞・岩手県知事杯OROカップ/ロゾヴァドリナが連覇
芝1700m、今季の芝チャンピオンを競う重賞『岩手県知事杯OROカップ』。ここまでの3歳と古馬の芝重賞の勝馬が全て揃うという好メンバーに注目が集まりましたが、勝ったのは昨年のこのレースの覇者・ロゾヴァドリナでした。
2月以来の実戦という事の影響も感じさせない力強い走りを見せたロゾヴァドリナ。これで盛岡の芝では4戦3勝2着1回。ナターレに続いての連覇達成となりました。鞍上の吉原寛人騎手はそのナターレでの2勝に加えてのOROカップ3勝目です。
●11Rの買い目
馬単(7)=(1)、(7)=(6)、(1)=(6)、(7)→(10)、(7)→(4)
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★オッズパークLOTO 5重勝/9月26日(対象8R~12R)
8R/評価A: 7番 評価B: 2番 穴:10番
9R/評価A: 7番 評価B: 9番、10番 穴:2番
10R/評価A: 7番 評価B: 6番、9番 穴:10番
11R/評価A: 7番 評価B: 1番、 6番 穴:10番
12R/評価A: 2番 評価B: 1番、 6番 穴:8番
先週18日(日)、高橋悠里騎手(鈴木七郎きゅう舎・水沢)が第2Rでキョウビジンに騎乗。単勝1番人気に応え、余裕の逃げ切りで1着。地方競馬通算500勝を達成した。
高橋悠里騎手は山本聡哉騎手と同期で2005年デビュー。2008年に早々と100勝を突破。同年にマカオで行われた国際見習騎手招待競走へ遠征。トーホウライデンとのコンビで岩鷲賞、青藍賞の重賞2勝をマークした。まさに順風満帆だったが、同じ年に頭部骨折で長期休養を余儀なくされた。
続いて2011年も落馬で肩甲骨骨折と左肩脱臼。また昨年7月から約8ヵ月間にわたって韓国ソウル競馬場で騎乗。399戦26勝の成績を残したが、これは海外騎乗なのでカウント外。500勝達成まで11年かかったのは以上の理由も大きかった。
高橋悠里騎手「落馬ケガで2度の長期休養、韓国遠征などもあって思った以上にかかりました。帰国当初は日本の競馬にとまどったのも大きかったかもしれません。
先週時点であと1勝に迫り、昨日達成できるかなと思っていましたが2着。今日の早いレースで達成できてホッとしました。
デビュー当時を考えると500勝達成は考えられなかったが、同期の(山本)聡哉騎手は倍の1000勝していますからね。
ですが、焦ることなく一戦一戦を大事に乗り、次は1000勝を目指したい。このペースだと10年後ですかね(笑)」
本人は否定するが、周囲の評価は『天然』。ボケをかますケースも多いが、ここ一番での思い切りの良さ、集中力には定評がある。10年後と言わず、5年で達成してほしい。
24日メインはA級二組・B1一組による混合戦「長月特別」(盛岡ダート1600m)。各馬が一長一短なら、安定度でリードするジャーグラットが主軸に落ち着く。
7ヵ月の休養を経て今年4月に復帰。8戦4勝2着2回3着1回と馬券対象から外れたのは一度のみ。前走も先手を取り、余裕の逃げ切りを決めた。時に取りこぼしもあるが、軸の見方では一番。
ニーマルキングは中央芝1勝、盛岡での芝条件交流1勝。転入前の格付けは500万下だったが、1000万下に在籍した。
ダート対応もデビュー戦の東京ダート1600m2着なら、おそらく大丈夫。移籍直前のレースで落馬競走中止のアクシデントがあったが、その影響もないとのこと。アッサリ首位まで十分。
ドリームファイアはここ2戦は大敗だったが、コースに敗因を求めたい。盛岡に替わると反応が一変し、2勝とも強いの一語。しかも1600mがベストの距離。狙い妙味だ。
トーホウパルサーは中央ダート1800m1勝、金沢1戦2着1回から転入。揉まれるとモロさを出すが、スンナリなら渋太さを発揮するタイプ。好枠を引き当てた。
スマートレジェンドは南関東C1から転入。A・B1混合2戦4、3着と堅実なタイプ。軽視できない。クライフォザムーンは前走流れにも恵まれたが、2着確保した。
◎②ジャーグラット
〇⑩ニーマルキング
▲⑤ドリームファイア
△③トーホウパルサー
△⑥スマートレジェンド
△⑫クライフォザムーン
<お奨めの1頭>
8R ハコダテキミコ
転入初戦を好タイムで完勝。メンバー強化感もなく、同じ1200m戦なら連勝ほぼ確実
★重賞・イーハトーブマイル/エンパイアペガサスが快勝
盛岡開催に変わっての最初の重賞として行われた3歳ダートマイル『イーハトーブマイル』は、1番人気に推された春のチャンピオン・エンパイアペガサスが2着メジャーリーガーに7馬身差をつけて圧勝しました。
6月のダイヤモンドカップ以来の出走となったエンパイアペガサスは、58kgの負担重量を課せられたものの単勝1.6倍の断然の支持。レースでも、いったんは並びかけたメジャーリーガーを直線だけで突き放す強さを見せ、この後の大レースに向け順調なスタートを切りました。
★重賞・ジュニアグランプリはダズンフラワーが制して大波乱
2歳の芝マイルを舞台としたる『ジュニアグランプリ』は、6番人気の岩手・ダズンフラワーが優勝。3連単は47万円を超える大波乱の幕切れとなりました。
好スタートから先行争いを演じたダズンフラワーは4角先頭の積極的な立ち回りから最後まで手応えを失うことなく、後続の追撃を振り切って優勝。鞍上の松本剛志騎手は嬉しい初重賞制覇となりました。
9月19日のメインレースは第10R、B1級の芝1000m戦『FM岩手杯』。このレースはB1級の特別戦ですが、1・2着馬には重賞ハーベストカップへの優先出走権が与えられる重要な一戦でもあります。
本命は(9)タイセイマジックを狙います。二走前の芝1000m、B1級の今回と同条件のレースで快勝しておりコース適性・力量は十分。距離短縮で一変したあたりもこれが本来の能力発揮だろうと魅力を感じる部分です。
対抗は(10)ウインミラージュです。こちらはB2級ですが芝1000mを連勝。走破タイムもここで互角以上なだけに期待をかけていい一頭。相手関係が全体に強化されている点をうまく乗り越えられたなら。
三番手は(8)ケイアイアストンを採ります。直近のダートでの戦績が微妙で、あまり強気に押しづらい面はあるのですが、やはりこの距離がこの馬にとって最も得意な条件。変わり身があっておかしくないはずです。
ヒモは敢えて穴っぽく(4)トキノスターライト、(6)エリモサプライズ。前者はJRA時代に芝短距離の実績あり、後者は短距離の差し馬でイメージ的にはここに合致。初芝ですが今のやや重い芝ならむしろ合うかも。
●10Rの買い目
馬単(9)=(10)、(9)=(8)、(9)→(4)、(9)→(6)、
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
★オッズパークLOTO 5重勝/9月19日(対象7R~11R)
7R/評価A: 7番 評価B: 9番、5番 穴:8番
8R/評価A: 6番 評価B:10番、7番 穴:1番
9R/評価A: 2番 評価B: 7番 穴:4番、8番
10R/評価A: 9番 評価B:10番 穴:4番、8番
11R/評価A: 1番 評価B: 5番、穴:3番、6番
※土日の結果・馬場傾向などを考慮し若干修正している部分があります
18日メインは2歳・地方競馬全国交流「第18回ジュニアグランプリ」。地元期待のメドゥシアナは出走取り消ししました。盛岡芝1600mを舞台に過去、ネイティヴハート、ボスアミーゴ、そして近年ではプレイアンドリアルと中央芝でも活躍した強豪を輩出してきた。
昨年は1戦1勝で臨んだソロフライトが優勝。11頭中10番人気の低評価を覆し、鮮やかなイン強襲を決めて快勝。4年ぶりに岩手勢に優勝をもたらした。
東北交流から全国交流に昇格したのは2003年。岩手6勝、北海道6勝、船橋1勝と岩手と北海道は五分の結果だが、10年に限ると北海道勢が6勝、岩手4勝。層の厚さと地区レベル差で北海道が優位に立っている。
もう一つ岩手勢にはうれしくないデータがある。トライアル・若鮎賞からジュニアグランプリを制したのは過去10年でワタリドラゴン1頭のみ。それを含めて1勝2着1回3着4回、着外3回(一度は不出走)と苦戦を強いられている。
上位評価はやはり北海道。主軸はエイシンクローバーに落ち着く。デビュー戦を快勝し、3戦目にJRA札幌・コスモス賞へ挑戦。サトノアリシア、マイネルザウバアが抜け出し、1秒離されたが、エイシンクローバーが3着に善戦した。
道中はインで我慢させ、4コーナーで外に持ち出してからも伸びマズマズ。陣営の読みどおり芝が合っていることを裏付けた。小回り盛岡芝がどうかが不安だが、地力上位と見るのが妥当。
ミルグラシアスはデビュー戦1着から2連続2着後、ブリーダーズゴールドジュニアカップへ挑戦。後方待機策から3角からスパート。内回りコースながら鋭く伸びて0秒2差3着に詰め寄った。
初芝が最大ネックだが、父クロフネ、母ハッピープレゼントは中央芝2勝。母父アグネスタキオンならこなせる素地は十分。スケールに賭けてみたい。
タイセイプロスパーは4月20日、北海道競馬開幕のスーパーフレッシュチャレンジでデビュー。2着に敗れたが、1着は後に栄冠賞、イノセントカップと重賞2勝バンドオンザランなら仕方なし。
2戦目を順当に勝ち、前走は札幌芝1500m・クローバー賞へ挑戦。出遅れながらも好位から4着に粘った。自在脚質で逆転単まで。
ダズンフラワーは今季2歳新馬戦の勝ち馬第一号。若鮎賞で3着確保に芝が合うことを改めて証明。スンナリなら軽視できない。
ジョワラルムはただ1頭、船橋から参戦。デビュー戦の芝1000mを逃げ切り、2戦目の大井1200mでも逃げ粘って3着。ここも持ち前のスピードを生かす。
◎⑤エイシンクローバー
〇②ミルグラシアス
▲③タイセイプロスパー
△⑥ダズンフラワー
△⑧ジョワラルム
<お奨めの1頭>
9R スターフィッシュ
1200m適性は3走前の盛岡戦で実証済み。1分13秒1の好タイムで完勝した。ここも危なげなく勝利を飾る