★白嶺賞/ワットロンクンが待望の重賞初制覇
19日・土曜に行われた重賞『白嶺賞』はワットロンクンが人気に応えて優勝しました。
同馬はこれが7度目の重賞挑戦。昨年の桐花賞では3歳馬ながらも3着に食い込むなどこれまでも力があるところを見せていた同馬ですが、前走の栗駒賞2着からきっちり巻き返して勝利。待望の重賞タイトルを手にしました。
このレースは来年1月11日、今季最終日に行われるトウケイニセイ記念のトライアルとなっており、ワットロンクンの他2着エーシンシャラク、3着スフィンクスが出走権を得ています。
★オッズパーク協賛ゴールデンジョッキーズシリーズ第1戦/まずは阿部英俊騎手が先勝
20日の日曜日に行われたオッズパーク協賛『ゴールデンジョッキーズシリーズ第1戦』。出走12頭中11頭までが1秒1のタイム差の中にひしめく大激戦でしたが、そんな戦いを制したのは2番人気のグエンザップでした。
鞍上の阿部英俊騎手はこれで20ポイントを獲得しシリーズをまずはリード。阿部騎手は一昨年の冬に落馬事故にあって1年以上休養し、今年の春に復帰しました。この後のシリーズでも存在感を示し続けてほしいですね。
いよいよ「ゴールデンジョッキーズシリーズ」全3戦がスタートする。岩手競馬のリーディングジョッキー12名によって争われ、総合優勝騎手にボーナス50万円、2位騎手に30万円、3位騎手に20万円がそれぞれ支給される。
現在のシリーズ化されたのは2012年。それ以前は若手ジョッキーによるシルバーステッキ賞、トップジョッキーのゴールデンステッキ賞の騎手競走2レースがあったが、お家事情などにより1本化。そして全3戦によるポイント制を導入したことによって冬の名物シリーズとなった。
単純に50万円の進上金を手に入れるためには1着賞金1000万円レースを勝たなければならない。岩手の場合、グレードレースを除くと最高賞金は復活したダービーグランプリの800万円。騎手の本気度合いはボーナス額からも一目瞭然。各騎手の意地もぶつかり合い、毎年激戦が繰り広げられてきた。
さらにうれしいことにファンも参加できる。総合優勝する騎手1名をメール、岩手競馬各施設に設置してある専用応募用紙に記入。見事的中した方の中から抽選で2名に話題のレイコップがプレゼントされる。
詳しくは岩手競馬公式ホームページ、またはオッズパークのサイトをご覧になってください。募集は12月20日から年明け1月10日まで。是非、ご参加を。
さて本題。「ゴールデンジョッキーズシリーズ第1戦」は20日、C1・水沢1400mを舞台に行われる。
主軸にグエンザップを指名。中央未勝利、笠松1勝、北海道2勝から転入。アッサリ逃げ切り圧勝を決め、2着に7馬身差。C1ではモノが違うことを証明した。
今回はフルゲート12頭。1枠を引き当てたのは包まれる可能性があり若干微妙だが、絶対能力で克服してくれるに違いない。鞍上は今年、長期休養から復帰した阿部英俊騎手。
逆転筆頭はデルマウンライマツ。中央から転入して7勝2着6回3着1回。自在脚質を武器に毎回勝ち負けを演じている。
基本大外は不利だが、今回に限れば内にいる馬たちの動向を見ながらレースを進めるのは強み。鞍上は過去4勝2着3回と連対100%と相性抜群、村上忍騎手が騎乗する。
オーダシティーは再び勢いを取り戻して近3戦2勝2着1回。自慢のマクリが冴え渡っている。タイム比較でも見劣りなく、2頭をまとめて負かすか。鞍上はいぶし銀・関本淳騎手。
アーノルドツヨシは4ヵ月の休養から9月に復帰。ゆるやかに調子を上げて2戦2着から前回快勝。完全復活を遂げた。目下リーディングトップを堅持・山本聡哉騎手マジックがさく裂するか。
アカイスイセイは園田B2から転入。当初は大幅な体重減の影響もあって精彩を欠いていたが、馬体回復とともに反撃。前回1着で弾みついたのは間違いない。リーディング3位・山本兄=政聡騎手で大駆けを狙う。
マイネルスコープは転入後、着外わずか1度のみ。3勝2着5回3着2回と抜群の安定感。多少、詰めの甘さに課題を抱えているが、好メンバーそろった錦秋湖賞でも2着を死守した。スタートセンスに定評がある南郷家全騎手とのコンビで臨む。
◎(1)グエンザップ
〇(11)デルマウンライマツ
▲(2)オーダシティー
△(5)アーノルドツヨシ
△(3)アカイスイセイ
△(6)マイネルスコープ
<お奨めの1頭>
5R スターフィッシュ
3戦連続でC2優秀戦(前走1着~3着)に駒を進めて2、2、4着。特に前走は相手がハイタイムで逃げ切り仕方なしの結果。今回はメンバーが大幅に緩和された
12月13日、第10Rの2歳重賞「第14回寒菊賞」で単勝4番人気に支持されたイチダイが3馬身差で優勝。この勝利で管理する板垣吉則調教師は岩手競馬調教師部門の年間最多勝となる114勝を達成した。
従来の記録は昭和45年(1970年)、故・小西善一郎調教師の113勝。板垣調教師は45年ぶりに岩手競馬記録を更新。しかも今回が板垣調教師のシーズン初重賞制覇。年間記録を初重賞で決めた。
板垣吉則調教師
「最多勝記録達成が今季初重賞なんて、できすぎですね。今日のイチダイは反応も良かったので、もしかしたらと思いました。
ジョッキーを引退して調教師開業6年目を迎えましたが、仕事内容がまったく違いました。ですから今でも反省と勉強の毎日です。
ジョッキー時代から数字をあまり意識しないタイプですが、この記録は素直にうれしい。
信頼して預けてくださるオーナー、そしてきゅう舎スタッフが一生懸命に頑張ってくれた結果だと思っています。
今後は調教師になってからの目標だった全国に通用する馬づくりを目指し、遠征にもどんどんチャレンジしていきたいと思っています。
岩手競馬はまだ1ヵ月ほどシーズンが残っていますが、気を緩めずさらに勝利を重ねていきたいですね」
今シーズンの板垣吉則調教師は出足から快調に飛ばし、8月時点で早くも100勝突破を噂されていた。
現在、岩手競馬の所属調教師は36名。小西善一郎調教師が113勝した昭和45年当時は約20名ぐらいと周辺環境がまったく違う。
それを裏付けるように2位の佐藤雅彦調教師が64勝だから、ほぼダブルスコア。いかに114勝が強烈かが一目瞭然だ。
今週を含め岩手競馬は14日間も開催があり、こうなると自身の記録をどこまで伸ばすかが興味の的。板垣きゅう舎の出走馬をしっかりチェックしてほしい。それが馬券対策にも直結するはずです。
19日メインはシーズンラスト重賞・トウケイニセイ記念(1月11日)トライアル「第25回白嶺賞」(水沢1600m)。
桐花賞へ向かう組とトウケイニセイ記念に向かう組の住み分けがはっきり。マイル適性、短距離タイプがずらり顔をそろえた。
主軸はワットロンクン。今季始動が5月までずれ込んだが、初戦を快勝。続いて伝統のみちのく大賞典へ駒を進めて4着に善戦したが、その後2ヵ月休養。順調さを欠いたが、ここにきてようやく上昇ムード。
南部杯12着からA級戦を快勝し、栗駒賞へ1番人気で臨んだ。レースも逃げたエゴイストの2番手をキープし、直線で先頭。鞍上・村上忍騎手も勝利を確信したに違いないが、大外からスフィンクスが一気に交わして完勝。ワットロンクンは完全に足元をすくわれた。前半、逃げたエゴイストを追いかけ、終いが甘くなったのも敗因だった。
しかし今度の舞台はベストの1600m戦。過去6勝(8戦)と最も得意としているうえ、エゴイストが出走を自重。主導権を握れるのはほぼ間違いない。
逆転筆頭はエーシンシャラク。名古屋から転入後、いきなり2連勝マーク。以降も短距離路線で毎回上位争いを演じている。
その反面、詰めが甘く勝ち切れないでいるが、ズブさが出ている今ならマイルの方が合いそうな印象。何とか突き抜けたいところだろう。
スフィンクスは中央1000万下から転入2戦とも二ケタ着順だったが、栗駒賞で思い切った待機策を取ったのがズバリ。ワットロンクンを並ぶ間もなく交わして0秒4差で完勝した。
ネックは1600m延長だが、坂口騎手「前半で脚を貯めれば距離も持つ」とのこと。栗駒賞の再現まで。
ドリームカトラスは中央5勝、東海6勝から転入。近走は白星から遠ざかっているが、格でアッサリも十分。
シルクアーネストは2500m・北上川大賞典で5着確保。マイル短縮と今の不良馬場を味方に一発を狙う。
マイネルコランダムは転入初戦が初ダートだったが、大外一気を決めて快勝。決め手は軽視できない。
◎(5)ワットロンクン
〇(8)エーシンシャラク
▲(6)スフィンクス
△(1)ドリームカトラス
△(10)シルクアーネスト
△(3)マイネルコランダム
<お奨めの1頭>
9R ケイジースワロー
岩手転入後、6戦5勝と連対パーフェクトを継続中。前走は2着に敗れたうっ憤を晴らし、1秒2差で圧勝した。もう一丁いける
★寒菊賞/転入2戦目 イチダイが優勝!
13日に行われた2歳重賞『寒菊賞』は4番人気のイチダイが優勝しました。
好位2番手から進んだ同馬は激しい後続争いを尻目に直線先頭、最後まで手応えを保ったまま4馬身差の完勝。北海道から岩手に転入2戦目で重賞制覇となりました。
2着には5番人気ディックカントウが入り、1着馬・2着馬が最近北海道競馬から岩手に転入した馬で占められる結果に。1番人気サプライズハッピーは伸びを欠き4着に終わっています。
また、イチダイ号を管理する板垣吉則調教師はこの勝利が今季114勝目。これが岩手競馬における「調教師のシーズン最多勝記録」更新の勝利ともなりました。
これまでの最多勝記録は1970年に小西善一郎(元)調教師が達成した113勝でした。
先日7日、岩手版グランプリレース「第41回桐花賞」ファン投票の中間発表があった。
1位・ナムラタイタン
2位・コミュニティ
3位・ライズライン
4位・モズ
5位・ラブバレット
6位・ココロノママニ
7位・レジェンドロック
8位・クロワッサン
9位・シャーク
10位・トーホクアロー
5日からファン投票がスタートし、今回の中間発表は3日間の募集結果。予想どおりナムラタイタンが402票、コミュニティが339票。3位のライズラインが147票だからトップ2頭が3位以下を大きく離している。
昨年は単勝1・1倍の圧倒的1番人気に支持されたナムラタイタンだったが、快調に飛ばしたモズを早めに捕えにかかり、直線一杯。替わって4番人気コミュニティが鮮やかなまくりを決めて2馬身半差で完勝。悲願の打倒ナムラタイタンを果たした。
あれから1年が過ぎても2強の基本は変わらないが、北上川大賞典でコミュニティの追撃を封じたライズラインがついに復活。年度代表馬の動向も分からなくなった。
今季5戦4勝のナムラタイタン、唯一の敗戦は南部杯のみ。この数字だけを考えれば2年連続の可能性は一見高いように見える。
しかし岩手根幹レースでの優勝はなく、実績ならシアンモア記念、北上川大賞典を制したライズラインも見劣りはない。
コミュニティも伝統のみちのく大賞典を圧勝し、あすなろ賞も優勝した。
また別路線ではラブバレットが交流重賞で活躍。さきたま杯4着、クラスターカップ3着。そして1000万レース・笠松グランプリを制している。遠征交流で岩手勢が優勝したのは2006年、パラダイスフラワーのエーデルワイス賞(GIII・当時)以来の快挙となった。
そのラブバレットは園田・兵庫ゴールドトロフィーに挑戦予定で、日程的に桐花賞は無理(距離的にも)だが、ナムラタイタン、コミュニティ、ライズラインはほぼ横一線。桐花賞が年度代表馬を左右する重要な一戦となるのは間違いない。
桐花賞の応募締め切りは12月20日。まだ時間があるので、みなさんも投票をお願いします。三陸名産が抽選で当たります。本当においしいですよ。
13日メインは金杯トライアル「第14回寒菊賞」(水沢1600m)。二冠馬メジャーリーガーが不在ならサプライズハッピーで中心は動かない。
デビュー4戦目の水沢1400m重賞・ビギナーズカップを5馬身差で圧勝。前々走・若駒賞はメジャーリーガーの積極策にしてやられたが、直線で肉薄。0秒2差2着まで迫った。
その後は南部駒賞を見送り、プリンセスカップ1本に絞って調整。強豪遠征馬を退けて早め先頭ラプレシオーサをキッチリ捕えた。
今回は牝馬で56キロを背負うが、地元同士ならすでに勝負付けの済んだメンバー構成。主役は譲れない。
ウマノジョーは北海道交流・知床賞で岩手最先着4着。詰めの甘さに課題を抱えているが、前々走で見事な好位抜け出しを決めた。前回も3着ながら0秒1差。ハンデが1キロ軽減され、反撃を狙う。
サンエイホープは前走の強さ一目。3番手キープから早め先頭に立ち、後続の追撃を完封。ダートでも好勝負を証明した。まだ3戦のキャリア。小柄だが、さらに成長する予感十分。
ディックカントウは距離延びて本領を発揮。移籍前の内容がすばらしい。1600mが舞台ならいきなりのシーンまで。
イチダイは北海道1勝から転入初戦、甲府おからの競馬を強いられながら直線台頭。サンエイホープの2着を確保した。コース2度目のアドバンテージを生かす。
ツネオーはムラだが着実に地力アップ。前走、大外一気を決めて周囲をアッと言わせた。流れ速くなれば再現まで。
◎(10)サプライズハッピー
〇(12)ウマノジョー
▲(1)サンエイホープ
△(9)ディックカントウ
△(8)イチダイ
△(5)ツネオー
<お奨めの1頭>
2R エアヴーヴレ
3戦連続2着は巡り合わせが悪かった。今回はメンバーが大幅に緩和され、絶好の勝機を迎えた