昨日に続き南部杯の話。当日、恒例のテレビ中継が岩手放送(IBC)であったが、ゲストは佐藤哲三元騎手と鈴木淑子さんだった。
哲三さんは前日12日、京都競馬場で引退セレモニーをやったばかり。台風の影響もあり、前日に移動予定だったそうだが、いろいろなことが重なり早朝に移動。盛岡競馬場に到着したのは午後1時過ぎだった。
第7レース確定後にウィナーズサークルで哲三さん、鈴木淑子さん、ふじポンのトークショーが行われ、多くの人が集まった。
また中継ではアトリウム脇に設置されたゲストブースにもファンが押し寄せ、哲三さんが南部杯の思い出を語った後、期せずして拍手が起こった。あとにも先にも拍手されたのは今回が初めて。改めて佐藤哲三元騎手の存在が、いかに大きいかを認識した。
実は中継では流れなかったが、過去の南部杯を振り返るミニ特集があり、エスポワールシチーが3度優勝した映像が放映されたが、実況席のモニターにその映像、もう一つのモニターに哲三さんの顔がずっと映し出されていた。
ほぼ瞬きもせず、ずっと画面に見入っていた哲三さん。その胸に去来するものは何だったのか...。
19日メインはB2級「オクトーバーカップ」(盛岡芝1600m)。SJTから駒を進めた馬が8頭(放馬して競走除外となったホアピリも含む)。激しい豪雨のため芝からダート変更となったが、直結するレースとなった。
主軸はウイングオブハーツ。中京芝2000mの2歳新馬戦でタイム差なし2着。その後、福島芝2000mでも2着を確保して岩手転入。初戦に芝1600m戦を選んだが、よもやのダート変更。未知数のダート戦に一抹の不安があったが、吉原騎手を背に2着確保。今後のことを考えると収穫の大きい一戦だった。
今回は仕切り直しの芝。内が荒れているのが気になるところだが、盛岡芝を知り尽くしている斎藤雄一騎手ならうまくカバーするに違いない。
ゴールデンクロスは有力馬でたた1頭、別路線から駒を進めてきた。こちらは京都芝2400m2着1回から転入。
初戦の盛岡ダート1600m戦を2着にまとめ、前走は芝1700mが舞台。人気はマイネリッカ、エールビスティーに譲り3番人気だったが、好位からアッサリ抜け出して完勝。走破タイム1分46秒4はオープンでも通用する優秀なものだった。
今の馬場傾向はともかく盛岡芝1600mは基本、内枠有利。11番枠は微妙だが、盛岡芝適性を証明済みは心強い。逆転単まで。
マイネリッカは前々走、ゴールデンクロスに完敗だったが、2着を死守。それを含めて盛岡芝8戦5勝2着2回3着1回とすべて馬券対象。ここは新参に意地を見せたいところだろう。
テンプトミーノットは前走、芝からダート変更となって最低13番人気。正直、後方のままに終わると思っていたが、丸野勝虎騎手が思い切った待機策から直線一気を決めて快勝。3連単100万馬券の主役を演じた。盛岡芝は<2.1.1.1>と抜群の安定感。引き続き好気配を保ち、再び波乱を演じるか。
インフラレッドレイはSJTで5着だったが、0秒3差。ハイペースをしのいで健闘した。詰めの甘さがネックだが、芝ダートを問わず堅実さを発揮する。
◎(1)ウイングオブハーツ
○(11)ゴールデンクロス
▲(2)マイネリッカ
△(8)テンプトミーノット
△(6)インフラレッドレイ
<お奨めの1頭>
4R ランドグローリー
デビュー2戦ともハイタイムで圧勝。C2ではモノが違うことを証明した。距離1400m延長もまったく不安はない
13日(月祝)、「第27回マイルチャンピオンシップ南部杯」は圧倒的1番人気に支持されたベストウォーリアが4馬身差で圧勝。待望のG(Jpn)Ⅰを手にした。
今年はGⅠホースの参戦がなく、例年に比べて小粒の印象を拭えなかったが、その中にあってベストウォーリアは今後のGⅠ戦線でも活躍ができる4歳馬。
レースを振り返ってみたい。ポアゾンブラックが楽にハナに立ち、ベストウォーリアが直後外をピッタリ追走。スタートから12秒5-11秒1-11秒7は南部杯では平均的な流れだったが、4ハロン目から12秒2-12秒8へペースダウン。
この流れだと加速ついてしまった馬は折り合いを欠くケースが少なくないが、ベストウォーリアは素振りさ見せない。道中ずっと馬なりで行き、ラスト200mで先頭。そこから鞍上・戸崎騎手が気合いをつけると一気に突き放して4馬身差。完勝の内容だった。
途中でペースが緩んだため1分35秒9と時計的には平凡だったが、中身は文句なし。どんな流れにも対応できるのが最大の強み。
ベストウォーリアは敗戦を糧に、どんどん成長し続けている。管理する石坂正調教師は過去にヴァーミリアン、アロンダイド、サカラート、ソリタリーキングなど数々のダート強豪を輩出してきたのも心強い。ついでながらジェンティルドンナも育てた。
石坂正調教師は「マイルから前後1ハロンまでがベスト」と語り、次走予定についてはコメントを控えたが、勝手に推理すると12月の新設・チャンピオンズカップ(中京ダート1800m)へ向かう公算大。一気にダートの頂点を極めるか注目している。
18日メイン10R(発走15時30分)は「JBCイヤー山茶花レース」(B1一組 盛岡ダート1600m)。
有力各馬はどれが勝って不思議なし。主力選びに最後まで迷ったが、◎シャークに決断した。シーズン当初はゆっくり仕上げで入着止まりだったが、実戦を使われながら上昇一途。5月から圧巻の5連勝を飾った。
夏場に体調を崩して一息入れたが、それがズバリ。再び勢いを取り戻して1、2着にまとめた。しかも今回は通算11勝マークの1600mが舞台。盛岡戦に限っても<5.2.1.3>とベストの条件。持ち前のスピードと強じんな粘りを最大限に発揮できる。
オールドバルディーは中央0勝2着2回から転入。初戦に3歳重賞・イーハトーブマイルを選び、豪快なロングスパートで快勝した。走破タイムはそれほどでもないが、初勝利で弾みついたのは間違いない。
イマジンジョンは南関東から再転入後、13戦6勝2着4回3着2回。馬券対象から外れたのはわずか一度のみと抜群の安定感を誇っている。強豪そろった白神賞でも3着を死守。10戦連続で3着以上にまとめた。
ドナアヴィードは余談だが、スペイン語で「強引な女」。中央未勝利ながら2着3回とオールドバルディーより実績は上と見て間違いない。ダート中距離をメインに使われ、地方ダートも合いそうな印象。いきなり勝ち負け十分。
ニホンピロララバイの評価が下がってしまったが、白神賞5着は久々のマイル戦にとまどった印象もあり、これで見限るのは早計。今季10連勝を飾った逸材。気配落ちもなく反撃に転じるか。
あとは距離が微妙だが、中央ダート短距離で上位争いを演じてきたクラウンシンホニーも連下に押さえたい。
◎(7)シャーク
○(6)オールドバルディー
▲(11)イマジンジョン
△(4)ドナアヴィード
△(8)ニホンピロララバイ
△(2)クラウンシンホニー
<お奨めの1頭>
9R ポワドサントゥール
中央から再転入後、いずれもワンサイドで4連勝。一連の走破タイムが抜けている。新参スズカグランデと一点勝負
10月13日の盛岡競馬場では「第27回マイルチャンピオンシップ南部杯」が行われます。JBCを控えた今年は例年ほどの注目が集まっていない感じもありますが、岩手伝統の、そして盛岡最高の格式を誇る戦いなのは変わりありません。心配された台風の影響も今の感じなら影響は限定的なものに留まりそう。出走各馬の実力がきっちり発揮されるレースを期待できそうです。
さて南部杯。本命は(10)ベストウォーリア、彼の素質に期待・・・という所に収まるでしょう。重賞タイトルの数、距離経験・実績、そして東京コースでの戦いぶり。今回のメンバー中No.1と言ってしまって過言ではない存在です。
唯一の不安材料を挙げると前走が1400mという点。過去の南部杯で前走がマイル以下の距離から転戦して勝ったのはゴールドティアラ1頭のみ。過去データ面だけで言えばマイナス材料になります。
ただ、今回は他の馬も同様のローテーションでほとんどのJRA勢が前走短距離。であればその比較の中でやはりベストウォーリアが上位という事になります。
また、先に挙げたゴールドティアラはマイル以上の距離の重賞でも好走していた馬でしたが、ベストウォーリアも同様のキャリアを持っています。
ならば、ここで第二の"ゴールドティアラ"が誕生すると考えるのが自然でしょう。
相手は(5)アドマイヤロイヤルで行きましょう。過去2回このレースに参戦して3着と5着。今回はその時ほど強力な相手関係ではなく、過去と同じだけ走れるなら上位が計算できる位置にあるはず。
問題は「同じだけ走れるか」。プロキオンSから南部杯へのローテーションも過去二度と同じなのですが、昨年はプロキオンS1着、一昨年は同2着の成績を残していました。14着に終わっている今年は「?」が確かに残ります。ただ、そこは何度も盛岡コースを経験し相性も悪くないという部分でカバーできるかと判断します。
三番手は(4)キョウエイアシュラ、なんだかんだ言って重賞を勝った勢いは軽視できないしプロキオンSでも10着とはいえベストウォーリアと0.4秒差。前走がフロックと思われて注目度が下がるなら逆に狙い目。
岩手の(14)ナムラタイタンは△筆頭で。レース直前の調整はひとまず順調、出てきたからには力が出せる状態と考えていいと思います。実績面でも最右翼に置いて良い一頭。ただやはり一息入った点は割引で、応援しつつも印はここまで、後は当日の気配を見てから・・・でしょう。もう一頭も岩手(8)コミュニティを。マーキュリーCの頃に比べれば状態面は遙かに良く、今の調子でこのメンバーならあの時以上に食い下がれていいはず。
●10Rの買い目
馬単(10)=(5)、(10)→(4)、(10)→(14)、(10)→(8)
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明日13日の「第27回マイルチャンピオンシップ南部杯」にナムラタイタンが出走する。最終追い切り(11日)の内容次第だったが、地元の期待を担い、ついに登場する。ナムラタイタン=村上昌幸調教師に話を聞いた。
「レース間隔が開きましたが、予定どおりの追い切りをこなせたので出走を決断しました。
みちのく大賞典頃から夏負け気味でしたので休養させました。元々、夏はあまり強いタイプでなさそうでしたしね。
その後、順調さを欠いた時期もあって復帰に少し時間がかかりましたが、ひとまず態勢は整ったと思います。
ただ、今回は中央の現役馬が相手ですからね。管理馬のシルクアーネストがOROカップを勝ってくれましたが、転入初戦。やはり中央でレースを使ってきた組は強い。
ナムラタイタンの実績なら通用するはずですが、厳しい競馬をしていない分がどうでるか。
もちろん出るからには期待を持って臨みたいと思っていますけどね」
これが偽らざるコメントだと思う。あとはナムラタイタンの健闘を祈るのみだ。
12日(日)メインはOROターフスプリント(10月25日)・トライアル「第14回ハーベストカップ」。1着馬から3着馬に優先出走権が与えられる。
舞台は盛岡芝1000m。今年の岩手競馬は芝路線の層が一気に厚くなり、レベルもかなりアップした。
先日のOROカップも地元代表シルクアーネストが快勝。転入初戦でいきなり重賞制覇の快挙を果たした。コスモセンサーも果敢に逃げて4着に粘った。
芝短距離路線も非常に中身が濃い。残念ながらレーリュッケン、エスカーダがリタイアしたが、それでも今回のハーベストカップに好メンバーが勢ぞろいした。
主軸にチェリービスティーを指名。中央2勝、北海道を経て転入して早池峰賞2着、ヴィーナススプリントも惜しくも2着。あとひと押しが足りないが、毎回のように上位争いを演じている。
しかも今回は3走前、エスカーダを競り落とした芝1000mが舞台。走破タイム58秒2もすばらしかった。待望の重賞タイトルに王手をかけた。
ドリームフォワードは中央1000万下から転入初戦、桂樹杯を見事な逃げ切りで圧勝。それがフロックでないことをOROカップ3着で証明した。全国の強豪がそろう中、最内を突いて一旦2番手に進出。見せ場を十二分に作った。
距離も中央3勝を芝1200mでマークなら望むところ。1枠がどう出るかだが、うまくインが開けば重賞2勝目まで。
ライトマッスルの存在も忘れてならない。今季1勝のみと軌道に乗れていないが、昨年、一昨年とOROターフスプリントを優勝。それを含めて盛岡芝1000m5勝と断然の実績。適性を前面にアッサリまで。
コスモワッショイは転入初戦の芝1000m・FM岩手杯をタイム差なし2着にまとめ、上々の滑り出し。今回はオープン馬が相手だが、さらに気配アップした。
ダイワスペシャルは栗駒賞4着だったが、中央芝短距離をメインに使って3勝2着2回。芝1000mも新潟2着の実績が心強い。
あとは初芝のFM岩手杯を快勝コスモアックスも軽視できないか。
◎(12)チェリービスティー
○(1)ドリームフォワード
▲(6)ライトマッスル
△(10)コスモワッショイ
△(11)ダイワスペシャル
△(5)コスモアックス
<お奨めの1頭>
8R オーバートゥループ
ここ2戦3、2着止まりだが、今回は大幅に相手弱化。タイム比較からも当然の主役となる
10月13日(月祝)、岩手の看板レース「第27回マイルチャンピオンシップ南部杯」(JpnI 盛岡ダート1600m)の枠順が確定した。
(1)ランドオウジ 57 村上 忍
(2)マイネルバルビゾン 57 齋藤雄一
(3)タッチデュール 55 佐藤友則
(4)キョウエイアシュラ 57 吉田隼人
(5)アドマイヤロイヤル 57 四位洋文
(6)トウホクビジン 55 筒井勇介
(7)ナガラオリオン 57 國分優作
(8)コミュニティ 57 山本政聡
(9)ポアゾンブラック 57 太宰啓介
(10)ベストウォーリア 57 戸崎圭太
(11)エイシンナナツボシ 57 尾島 徹
(12)バーチャルトラック 57 山本聡哉
(13)グレートチャールズ 57 松田大作
(14)ナムラタイタン 57 坂口裕一
(15)クイックリープ 57 南郷家全
今年はGIホースの参戦がなく趣きが若干変わったが、それだけに各馬にチャンスありの一戦。最有力候補はベストウォーリアで異論はないところ。南部杯を制して秋のダートGI戦線へ殴り込みをかけてほしい。
迎え撃つ岩手勢の大将格はナムラタイタン。最後まで出否が微妙だったが、ついにグレードレースに名乗りを上げた。2011年の武蔵野ステークス(GIII)を制し、ほかのビッグレースでも上位争いを演じ、格負けはまったくなし。
仮にナムラタイタンが優勝すると2002年、トーホウエンペラー以来の地元制覇。まだ万全ではなさそうだが、地の利を活かして中央馬を一蹴するか。激戦必至の南部杯スタートは16時40分。熱い戦いに注目してほしい。
11日(土)メイン11レースはA級二組による盛岡ダート1600m戦「寒露特別」、11頭立て。主軸にダノンボルケーノを指名する。
今季初戦、特別開催のA級戦を2着にまとめ、B1へ降格。メンバーにも恵まれて3連勝をマーク。重賞・あすなろ賞でもコウギョウデジタルの2着に善戦した。
その後も1勝を上乗せし、マーキュリーカップ11着後、ご褒美をかねて夏に2ヶ月休養。前走で復帰を果たし、0秒6差4着。揉まれながらもなかなか好レースを披露した。
久々を叩かれて上昇必至。盛岡1600mも2勝マークとし、条件ベスト。今後に弾みをつけたいところだ。
逆転筆頭はザドライブ。今季未勝利ながら着外が一度もなし。抜群の安定感を誇っている。前走は重賞・絆カップでコミュニティの2着確保と地力を誇示。詰めの甘さがつきまとうが、軸の見方ならこちらが上か。
ドラゴンロックスは中央0勝から南関東2勝・B3から転入。近走は振るわないが、クラス的には間に合う勘定。
コスモグランツも近走頭打ちの印象が強いが、盛岡1600m3勝2着2回の好成績。最近の中ではメンバーが楽になった点は見逃せない。
大井遠征帰りのフラッシュモブは疲れが心配だが、イーハトーブマイルでも直線で伸びて3着。どんな条件、相手でも必ずひと脚を使う。
リュウノファイトは前走大敗を喫したが、5ヵ月半ぶりの実戦では仕方なし。スプリングカップ2着の成績、叩かれた変わり身を見込めば侮れない。
◎(10)ダノンボルケーノ
○(3)ザドライブ
▲(9)ドラゴンロックス
△(4)コスモグランツ
△(2)フラッシュモブ
△(5)リュウノファイト
<お奨めの1頭>
2R レジェンドロック
デビュー戦2着だったが、手応えの良さが目についた。その後も意欲的な乗り込みを消化し、今度こそ首位を奪取する