盛岡ダート短距離はミスタープロスペクター系と相性抜群。さすがアメリカの主要競馬場を範にした盛岡競馬場=OROパークならではだろう。ミスプロ系の活躍馬が目白押しだ。
8日メイン「第40回早池峰賞」の過去5年をさかのぼっても2009年優勝フリーモア(父フォーティナイナー)、2010年2着トーホウライデン(母父ミスタープロスペクター)。2011年優勝リュウノキングダム(父スキャターザゴールド)、同2着オシャベリコパ(父フォーティナイナー)。2012年優勝ヒカルジョディー(父トワイニング)。2013年2着タケノトレジャー(父トレジャーアイランドの母父ミスタープロスペクター)。
ここまで好走するとミスプロ系をまずチェックしなければならないが、今年の該当馬はコスモフィナンシェ、ランドオウジ、ヒカルジョディー、ウイニングドラゴン、ハートランド、マイネヴァイザー、スズヨシーズン、ジャリーヴと8頭もいたら、絞りづらい。
しかしもう一つ興味深かったのが人気を集めるコスモフィナンシェ、ランドオウジの配合が非常に近いこと。
父は両馬ともゴールドアリュール。そしてコスモフィナンシェの母父がガルチ。ランドオウジの母父がフォーティナイナー。この2頭はミスプロの直仔でほぼ同系の血統配合だった。
奇しくも共通しているのは先行力があってマイル前後で最大能力を発揮すること。今回の1200m戦は決してベストではないが、持ち前のパワーで押し切る可能性大。果たして1、2フィニッシュを決めるか、ひそかに楽しみにしている。
2頭に割って入るスズヨシーズンも母父がアフリートだからミスプロの血が入っている。こちらは典型的な追い込み馬で1200m前後の短距離がベストの条件。今年も速い流れ予想され、大外を一気突き抜けるシーンまで。
チェリービスティーはミスプロの血は入っていないが、父サクラバクシンオー譲りのスピードが武器。中央2勝を芝1200mでマークし、転入初戦の盛岡芝1700m戦で惜しくも2着。負けて強しの一戦だった。ダート適性は未知数だが、距離短縮は少なくても歓迎のはず。
ジャリーヴは父スウェプトオーバーボードで、サイアーラインをさかのぼるとエンドスィープ→フォーティナイナー→ミスプロ。前々走、古馬初挑戦でコスモフィナンシェの0秒3差3着。今回も53キロの軽ハンデを活かして先輩に一泡ふかそうともくろんでいる。
◎(2)コスモフィナンシェ
○(11)ランドオウジ
▲(8)スズヨシーズン
△(7)チェリービスティー
△(3)ジャリーヴ
<お奨めの1頭>
11R イーグルドライヴ
前走はペガサスムーンとの競り合いで2着惜敗したが、1600mが舞台なら逆転十分。首位を奪回する
まずは6月2日、"ダービーウィーク2014"「第34回岩手ダービー ダイヤモンドカップ」のレース報告から。
単勝1・2倍の圧倒的な1番人気に支持されたライズラインが6馬身差で圧勝した。南関東から帰郷後、トライアル・やまびこ賞に続いて重賞2連勝。一冠目を順当に制し、3歳No.1を確定させた。
千葉幸喜調教師「このレースが当面の目標だったので、今後については馬の状態とオーナーと相談の上で決めたい」
勝利騎手コメント
村上忍騎手
「内に行きたい馬がいたので2番手は予定どおり。返し馬で気が入りすぎたので、道中は折り合いに気をつけた。仕掛けがちょっと早いかなとも思ったが、馬がいいリズムで走っていたので大丈夫だろうと。これからもレースを使いながら成長してほしいですね」
2着・シグラップロード
山本聡哉騎手
「盛岡コースを考えるとパーフェクトで頑張ったと思う。勝負どころでバテていなかったので今後につながるレースでした」
3着・ラブバレット
齋藤雄一騎手
「今回は気が入っていた。さすがに2000mは長かったが、短い距離ならば十分メドが立ったと思います」
7日メインは交流重賞・せきれい賞トライアル「第17回かきつばた賞」(盛岡芝2400m)。1、2着馬に優先出走権が与えられる。
芝に自信ありのメンバーがずらり。まさに『いずれがあやめか、かきつばた』状態で有力馬それぞれにチャンスありの一戦となった。
決断はミカエルビスティー。中央芝4勝はいずれも1800m以上。ダート戦も水沢初戦3着でこなせることを証明したが、シアンモア記念7着。ナムラタイタンが強烈過ぎて3秒6差で入線し、陣営はこのかきつばた賞1本に絞って調整を進めてきた。
格、芝2400m適性など他をリードしているが、不安がない訳ではない。1周1400mの盛岡芝にとまどう可能性がある。中央からの転入馬が小回りに手こずるケースが多々。特に跳びの大きいタイプが顕著に現れる。
もう一点は例外なく超スローに落ちること。折り合いが難しい馬は最後の直線を向いて失速することも考えられる。
しかし、以上の点を割り引いてもミカエルビスティー上位は動かないか。
ソールデスタンは中央芝2勝・1000万下から転入。移籍2戦目の芝1700mを豪快なマクリで快勝。ミカエルビスティーが盛岡芝未経験に対し、一度でも使ったのは強みとなる。
ハカタドンタクは一度、中央へ移籍したが岩手デビューの生え抜き。ダートもひとまずこなすが、本質的には芝馬。昨年、3歳交流・オパールカップを6馬身差で圧勝し、古馬交流・OROカップでもナターレの2着を確保した。
芝2400mは生涯初めてだが、いわゆるいい脚を長く使えるタイプ。むしろ望むところだろう。
オールマイウェイはまさに典型的なターフホース。通算6勝すべて盛岡芝で上げる徹底ぶり。前走・JRA条件交流でもレディアントデイズと1、2フィニッシュを決め、上昇ムード。芝2400mも3歳時、サファイア賞優勝したなら大丈夫。タイムは平凡だったが、距離を克服できたのは大きい。ただし雨が降る馬場になると大幅な割引きが必要。
シルクランスロットも中央3勝いずれも芝。前走、待ちに待った芝が舞台だったが、まだ太め残りで伸びを欠いた印象。体が絞れれば上位争いを演じて不思議はない。
もう1頭見限れないのがケニアブラック。まだ岩手で3着最高だが、中央4勝・準オープンまで上った実力馬。2400m戦も合うはず。
◎(4)ミカエルビスティー
○(7)ソールデスタン
▲(8)ハカタドンタク
△(11)オールマイウェイ
△(1)シルクランスロット
△(2)ケニアブラック
<お奨めの1頭>
7R チャンピオンパイロ
中央未勝利から転入初戦、スタートから内ニューエトワールと併せ馬の形でレースを進め、直線アッサリ交わして完勝。この内容ならさらに上を望める
日本ダービーで盛り上がった日曜から1日明け、岩手でも「ダービー」が行われます。3歳ダート2000mの『岩手ダービー・ダイヤモンドカップ』です。
全国の地方競馬を束ねたダービーウィークとして行われるようになって9年目。"岩手でダービーといえば不来方賞かダービーグランプリだよなあ"という微妙にしっくり来ない感じは未だに抜けませんけども、春の大一番としてだいぶ馴染んできたなと思います。今年は12頭のフルゲート。それぞれの戦いぶりに注目しましょう。
とはいえ本命となると、どうもこの馬意外には考えられないよな・・・という存在がいます。(4)ライズラインがその馬です。
昨年、2歳時の活躍ぶりと強さは皆さんご記憶のとおり。南関東移籍は不振のままに終わりましたが、岩手に戻っての前走は力の差を見せつける圧勝。地元に敵なしを改めてアピールして見せました。
前走時は、南関の2戦がいずれもいいところがない走りの二ケタ着順。そこから戻ってきて立て直してきたばかり・・・というところで、正直不安の方が大きいと思われていました。
それが終わってみれば2着馬に7馬身差をつける圧勝。復調途上という段階であの走りを見せつけられると、これはもう他馬の陣営もちょっと白旗ムードに・・・というのも致し方ないのでしょう。
不安はやはり距離でしょうか。1800mの前走の強さを思えば2000mでどうこうという事は無いとは思います。ただ、母系はどちらかと言えば短距離~マイルタイプ。そこが気になる点ではあります。しかしそれを最大限に不安視したとしてもこのメンバー、事実上勝負付けが終わっている相手との戦いでは、この馬の中心は揺るぐ事はないでしょう。
相手は思いきって(12)コウギョウセットを抜擢します。重賞初挑戦、下級クラスから上がってきたばかりの馬ですが、この春の走りの内容はなかなか質が高いもの。加えて血統面からも長めの距離がいかにも合いそう。鞍上が昨年の優勝馬の手綱を取った高松亮騎手というのも"台風の目"を感じさせます。
三番手▲は(6)シグラップロード。前走の着差は決定的ですが、この馬も距離が伸びる点は苦にしないだろう血統です。むしろ戦いやすさが増すかもしれない。その点を大きめに見込んでみたいところ。
(11)ラブバレットもまだ見限るのは早いとは思います。ただ、この春の二戦はどうにもこの馬らしくない。距離が伸びたここで一変は考えづらい。ならば(9)フラッシュモブが面白いかもしれません。二走前はシグラップロードに1馬身差。そこからすれば大きな差があるとは思えませんね。
●10Rの買い目
馬単(4)=(12)、(4)=(6)、(4)→(11)、(4)→(9)、
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