2ヶ月の冬季休催を終えて春競馬がスタート。今はこの間も騎手や馬が各地で活動していて以前ほどの"冬ごもりからようやく明けました"感はないけれど、やはりコースを走る馬を、ホームの競馬場で見るのはいいものです。
新シーズンの開催日程・重特日程も発表されましたし、5重勝の話題も、岩手だけが乗り遅れていましたけれども、これから盛り上がってくるでしょう。
うん、やっぱり5重勝、楽しみですよね。夢の1億馬券、岩手から出ないかなあ。
そこで本命は(8)シュクジャンヌを採りました。水沢マイルはめっぽう得意。昨年の終盤戦もB1級上位クラスでいいレースを続けていました。今のコース状態からすると枠順がちょっと外目過ぎてマイナスかもしれませんが、他もどちらかと言えば控えめに進むタイプが多いし、スムーズに流れに乗れれば自分の流れに持ち込めるでしょう。
対抗は(9)バクシンタッチ。ちょっと気分屋な所がある馬ですが地力はかなり高いものを持つ馬。高速馬場だと脚が無くなりがちなので、今のやや時計がかかるコース状態は合うでしょう。展開的にも、今回のようなまだ力関係が定まらないような混戦でこそしぶといレースをするタイプ、という印象があります。
安定感上位というなら(10)スウィープザボードでしょう。ここまで実に安定した戦いを展開し、どんな展開でもきっちり上位に食い込んでいます。前走で4着に敗れたのも、59kgを背負ってのもので度外視。春初戦も悪くないタイプだし、あとは展開次第という事に。
終盤戦の勢いを買って、というなら(7)ブライティアメッセですが、マイルよりはもう少し長い距離の方が良さそうな感じがします。もちろん、B1級の特別戦で連続好走している走りは目を惹くだけに要注意。
こちらも昨年終盤に活躍した(4)ドーリーゴンザレスは、距離は特に問わないし混戦模様の展開も手頃。ただ、例年春初戦は走らない傾向で、今回は仕上がり具合と相談という所。
★買い目
馬単 (8)=(9)、(8)=(10)、(9)=(10)、(8)=(7)、(8)=(4)
21日(日)メイン9レース(発走16時5分)は「みちゃおきいちゃおIBC賞」(B1 水沢1800m)。
"みちゃおきいちゃおIBC"とは地元民放局(TBS系)IBC岩手放送のキャッチコピー。創立は1953年。岩手では一番の歴史が古くテレビ、ラジオの両輪で県民、市民に親しまれている。
B1馬が相手ならコアレスレーサーで断然。焦点はどんなレースで勝つのか、その一点に尽きる。
中央1勝500万下から昨年8月に転入だが、2歳時には朝日杯FSにも駒を進め、ブービーながら0・9秒差。その実績はダテではなく、C1スタートから圧勝の連続で6連勝。2着につけた合計タイム差が4・7秒。すべてワンサイドで決め、しかもゴール前は持ったまま。
この内容から大晦日のファン投票・桐花賞でも報道推薦で出走。当時、B2から格下挑戦ながら、スケールの大きさを買われて3番人気に支持された。
しかし、いきなり一線級ではさすがにきつかったようで0・8秒差6着に敗れたが、レース中に落鉄のアクシデントもあり、これは仕方なしの結果だった。
今回は自己の条件に戻って実力の違いは誰の目にも明らか。530キロを超す大型馬でまだ仕上がり途上だが、底力で難なくクリアー。いずれ目標はもっと上。まずは順当に白星を飾って、再度オープン戦線に殴り込みをかけてくれるに違いない。
相手はグラスバラード、テンショウタイヨウの2頭。グラスバラードは中央3戦0勝から一昨年に転入。時に取りこぼしもありながら通算9勝。左回り(盛岡)では気性難を出すため実戦わずか1度のみだが、水沢は<9.2.2.1>と驚異の連対率。しかも目下3連勝中と勢いに乗っているのも心強い。不安は初の1800mだけ。
テンショウタイヨウは相手なりにかける堅実さを身上。その反面、詰めの甘さに課題を残し、なかなか勝ち切れないのがネックだったが、休み明け前のA・B1戦を勝ってスッキリした。
今回のカギはコアレスレーサーがどこから動くか。グラスバラードを可愛がれば残り目が有力だし、逆に早めにまくればテンショウタイヨウが浮上するが、冬休み明けでもあり、コアレスレーサーが無理をしないと判断。ペース落ち着くと見てグラスバラードを上位に採った。
あとは昨年8勝を荒稼ぎしたモエレアンドロメダ、決め手一目ワラッテオクレヨ、5ヶ月半ぶりでも実力A級ビッグファルコンが押さえ候補。
◎(6)コアレスレーサー
○(3)グラスバラード
▲(2)テンショウタイヨウ
△(8)モエレアンドロメダ
△(7)ワラッテオクレヨ
△(9)ビッグファルコン
3連単は6を1着固定に3、2の折り返し本線。あとは8、7を3着押さえ少々
馬複は 3-6、2-6、6-8、6-7
<お奨めの1頭>
6レース ダイワフォーチュン
岩手在籍時にオープン特別を2勝。11歳馬でもC2では実力が違いすぎる
約2ヵ月半の冬眠から目覚め、岩手競馬が20日から再開する。今週、来週の計6日間は平成21年度の開催。地方競馬の場合、年度替わりは4月1日なのでもろもろの記録は3月一杯まで。岩手では3月29日が21年度の最終開催。週を空けないで4月2日から新年度のスタートとなる。
そこで気になるのがリーディングジョッキー、トレーナー争い。1月11日終了時点でジョッキー部門は村上忍騎手150勝、小林俊彦騎手が145勝。わずか5勝差で首位を競い合っている。
ジョッキーの場合、一日5勝をまとめ勝ちするケースも少なくはなく、3月20日から29日までの6日間で逆転の可能性は十分にある。果たして村上忍騎手が2年連続で首位の座をキープするか。小林騎手が3年ぶりに奪回し、6度目リーディングの座に返り咲くか。最後の最後まで目が離せなくなった。
またリーディングトレーナー部門は佐々木由則調教師が77勝、4勝差(73勝)で小西重征調教師がつけている。調教師の場合、4勝差を逆転するのは正直、厳しいかも知れないが、同じく6日間の開催が残っており、こちらもし烈な争いとなる。
20日(土)は全10レースで実施。第1レースのスタートが11時30分。最終10レースが16時45分。そしてメイン9レース「奥州市職員奥馬の会会長賞」(B1級 水沢1800m)は16時10分ですので、よろしくお願いします。
岩手競馬は今回の特別開催から大幅にクラスが変動。そのため昇級組、降級組が入り混じり実力比較が非常に難しい。しかも全馬が休み明けで2ヶ月から3ヶ月ほどレース間隔が開き、さらに予想を難解にしている。
常識的には元A級馬トーホウライデンから入る線かもしれない。メンバー中、ただ1頭の重賞ウィナーであり、しかも2勝。今回、相手に恵まれたのは誰の目にも明白だ。
だが、大きなネックがある。元々が実戦を使われながら本来の動きを取り戻すタイプで毎年、シーズン入りはまったく精彩なし。春先は様子を見るのが無難。いかに格上馬だとしても。それでも底力に不気味さがたっぷり。ノーマークにはできず、▲以下には落とせない。
主軸にサクラデイブレイクを指名する。中央0勝2着1回3着1回の成績で北海道へ移籍。そこでも白星を飾れなかったが、4戦2着2回の後、昨年12月末に岩手入りした。
初めてパドックでサクラデイブレイクを見た瞬間、震えがきて一目ぼれ。これほどすばらしい馬が何で未勝利なのか信じられなかった。
しかし初戦は2ヵ月半ほどレース間隔が開き、輸送の疲れも残っていたのだろう。中団キープから直線猛追したものの、クビ差2着に惜敗。それでも敗れてなお強し。案の定、2戦目は豪快なマクリを決めて快勝。待望の初勝利を飾って冬休みに突入した。
今回は昇級初戦でメンバー強化されたが、中間の攻め馬でラスト11秒6の好タイムをマークして好調をアピール。仮にここを突破できればオープンまで上り詰めること必至だ。
逆転筆頭はゼットファースト。中央1勝500万下から転入し、B1で3戦2勝。A級入りを果たしたが4、5着止まり。陣営は来期をにらんで12月19日の一戦で早々と休養させた。
今回はB1へ降格なら、ひいらぎ賞快勝したように実力上位は明白だし、マイル適性も高く軸の見方ならこちらの方が上か。
ジーアイジェーンは中央未勝利ながら、B2級で4勝マーク。休み明け前の一戦では2着に0・8秒差をつける圧勝劇を演じた。今年成長が期待される4歳牝馬だ。
あとはマイペースでエアザゲーム、流れ速くなればアニバーサリーも軽視できない。
◎(1)サクラデイブレイク
○(7)ゼットファースト
▲(3)トーホウライデン
△(9)ジーアイジェーン
△(4)エアザゲーム
△(6)アニバーサリー
3連単は1、7の1、2着折り返しから3着3、9が本線。あとは4、6押さえ少々
馬複は 1-7、1-3、3-7、1-9
<お奨めの1頭>
8レース ハルサンヒコ
A級でも勝ち負けの実力馬がB2へ降格。大幅に相手が楽になり、3歳・ダービーグランプリ(地元重賞で実施)以来、3年ぶりの美酒を味わう。
1月11日 第10回トウケイニセイ記念(4歳以上オープン 水沢1600m)
1着 マヨノエンゼル
1枠からロケットスタートを決め、5番手インを追走。レース前から想定したポジションだったようで1周目スタンド前でスローに落とされて掛かる仕草を見せてもジッと我慢する。
追い出しを始めたのは3コーナー手前からだったが、一瞬モタモタするシーンも。その外からスパートをかけたリュウノケンシロウの動きがすばらしくヒヤッとさせたが、3~4コーナー中間からエンジン全開。
その後の反応がすばらしく直線で5頭が馬群を形成したが、間を割ってグイグイ抜け出しラスト50mで先頭。大外を強襲したゴールドマインを0・2秒差封じ、桐花賞2着の雪辱を見事晴らした。
「南部杯のあとは何かイライラしたところがあったが、今回は落ち着いていつもより雰囲気が良かった。思ったよりペースが速くならなかったが、前の馬が4コーナーまで引っ張ってくれるだろうと信じてインで我慢させた。勝因は(ゴールドマインと)3キロのハンデ差もあっただろうが、1年間ずっと崩れなく結果を出してきたことがすごい」と小林騎手。
2着 ゴールドマイン
59キロのトップハンデが影響したのかダッシュがつかず後方2番手からの競馬。前半は無理をせず待機策に徹し、3コーナーから外を回ってスパート。しかし直線入り口でマヨノエンゼルとは5馬身ほどもあり、直線で鋭く伸びてきたが、0・2秒差までにとどまる。
桐花賞は中団5番手をキープし、早めに動いて完勝したが、今度は逆のポジション。直線で見せた末脚はさすがだったが、マヨノエンゼルとの上がりは今回もほぼ同じ。この着順は道中の位置取りの差と言っていいかも。いずれにせよ59キロが最後まで影響した印象だった。
3着 アンダーボナンザ
外からマヨノエンゼルを見る形でレースを進め、早めにスパートをかけたが、上位2頭との脚いろ差は明らか。ひとまず見せ場は作ったが、力差がハッキリ出た。
4着 リュウノケンシロウ
戦前は逃げか先行策に出る予想だったが、スタートで出遅れて後方3番手を余儀なくされる。それでも3コーナーからの反応がすばらしく直線入り口で先陣に並びかけたが、そこで一杯となる。
5着 アルディ
終始3番手インを追走し、勝負どころからペースアップされてもいっしょに進出。3コーナーで一旦先頭。さすがに直線では苦しくなってしまったが、このメンバーで5着確保なら立派。
前回に自分が書いたこのブログで「あけましておめでとうございます」と書いたのですが、早くも今回「それではごきげんよう」という事に。
というのも、岩手競馬の2009年シーズンもひとまずこの11日で終了、3月20日(土)までしばらくの冬休みに入るからです。
振り返ってみればあっという間の今シーズンでした。いろいろなレースがありましたが、印象深かったのは他地区馬の大活躍でしょうか。全国交流で行われた重賞をここまで他地区勢に持っていかれたのは史上初といっていいレベル。ここ1、2年「古馬の柱的存在がいない」と言われてきましたが、それが一気に形になって現れた感がありました。
そんな中での岩手生え抜きマヨノエンゼルやロックハンドスターの活躍は胸のすく話題、ではあったものの、もう少し周りも含めて全体で踏ん張ってほしかったなと思うものがあります。
そろそろ年度代表馬を決める時期ですが、そんなわけで依然として漂う混戦ムード。2歳部門はロックハンドスターで、3歳部門はマヨノエンゼルでだいたい決まりでしょう。牝馬も実績的に言ってクインオブクインかな。古馬はゴールドマインだろうとは思います。
しかし肝心要の年度代表馬はまだ微妙。ゴールドマインとマヨノエンゼルで争うならトウケイニセイ記念で勝った方でしょうか。勝った方が今季の古馬重賞勝ち星を「2」にしますし、マヨノエンゼルには「3歳二冠」「青藍賞では他地区馬を破って優勝」「南部杯では3歳にして地方馬最先着」という実績がありますからね。
ただ、もしトウケイニセイ記念でこの2頭以外の馬が勝ってしまうと混沌としますよね。最終的には先の2頭に帰着するだろうとはいえ、そこに至るまでは議論百出間違いなしって感じです。
騎手の皆さんが良く言うのは「58kgはまだ我慢できる。だが59kgになるとてきめんに応えてくる」。かつてメイセイオペラが59kgでシアンモア記念を勝った時も「スタートして馬ががくんと沈み込む感じ。馬も最後まで戸惑っていた」と菅原勲騎手が話していました。それくらいの酷量な訳です。
ゴールドマインにとっても59kgは足かせになるでしょうし、一方のマヨノエンゼルにとっては桐花賞から据え置きの56kgは、桐花賞での2頭の差が1馬身1/4。1kg=1馬身とすれば逆転してなおおつりが来る計算。
また展開的にも、恐らく1番人気になるだろうゴールドマインが、59kgを背負って有利になるような状況は、有り体にいって「無い」と言ってしまっていいと思います。
もちろん(7)ゴールドマインも、斤量で結果が決まるのならここに出てくる事自体無いでしょう。現岩手最強馬の意地で59kgも克服してくれると期待するのみ。これで勝てば文句なし、ライバルたちとは完璧に勝負付けが済む事になります。
この2頭のここまでの対戦成績は3戦してゴールドマインが2勝と優勢ですが、どちらかが勝って決まったのは桐花賞のみでまだ勝負付けが終わったとは言えません。今季の締めくくりのみならず、来季の覇権がどちらにあるのかをはっきりさせておくためにも、ここはどちらも引けない戦い。
ここに割って入る可能性があるとすれば(10)アンダーボナンザか。昨年のこのレースの覇者は寒い時期を迎えて勢いは増しつつあり、ここ2戦も苦手な1800mという事を考慮すれば十分以上の内容です。対ゴールドマインでは2走前に子供扱いされましたが、その時の距離や今回の斤量差を考慮すればその時以上に詰め寄っていいはず。
後はもう穴狙いといって良いレベル。という事なら思い切って(3)アルディを押さえてみましょう。格下ではありますがここ数戦の内容・タイムはA級でも遜色ないものです。
★買い目
馬単 (1)=(7)、(1)=(10)、(7)=(10)、(1)=(3)