4日(日)メインは3歳特別「スプリングカップ」(水沢1600m)。毎年、岩手クラシック戦線はスプリングカップから始動。牡馬戦線は阿久利黒賞(5月2日)→岩手ダービー・ダイヤモンドカップ(5月31日)で春シーズンが終了。
そのダイヤモンドカップの結果次第では、3歳ダートで唯一のJpnⅠ・ジャパンダートダービー(大井)への挑戦するケースもある。
今年は実現する可能性が非常に高い。ロックハンドスター=岩手期待の星がいるからだ。年明けの金杯でモエレデフィニットに2着惜敗し、準三冠に甘んじたが、敗れて強し。二冠目・南部駒賞では水沢1600mで1分39秒8の驚異レースレコードで優勝。
昨年12月、全日本2歳優駿(JpnⅠ)でラブミーチャンが見事な逃げ切りを決めたが、その時の走破タイムが1分40秒0。コース形態、馬場状態など当然違い単純比較はできないが、水沢1600mで行われた南部駒賞の従来レコードは05年、モエレスターダムがマークした1分41秒4。
ロックハンドスターはそれを1秒6も上回り、スケールは推して知るべし。一冬を越してさらにパワーアップしているようなら、ジャパンDD挑戦も決して夢ではない。
今回の焦点はロックハンドスターがどんなレースで勝つのか。それに尽きる。
ただ2番手以下が大きく離された上、各馬が死角を抱えているため混戦ムードが漂う。前走、特別開催で待ちに待った初勝利を飾ったセイントネイティブが一番手としたが、昨年は道中で抜群の手応えを見せながら、詰めの甘さに泣いていたことも事実。ひと皮むけたかどうか。今日のレースが試金石となる。
ベルデンアインも後半伸び悩んでしまった。デビュー3戦目、2歳戦最初のビギナーズカップでインを鋭く突いて優勝。2歳離れした末脚に将来を嘱望されたが、その後は未勝利。明らかに気性難が災いした。
はたして3ヶ月の冬休みで精神面の成長が見られるか。こちらも今後を左右する重要な一戦となった。
トーホクキングは尻上がりに調子を上げ、12戦目にようやく初勝利をマーク。ちょっと時間がかかったのは否定できないが、終盤の充実ぶりが目についた。
前走は後方から追い込んだものの3着だったが、勝ったモエレアローンはこれからの重特路線でも台風の目になるであろう逸材。スローに落とされたのも運がなかっただけに、ここでも2着争いに十分参加できるはずだ。
あとはメンバー大幅強化されたが、ハイレベル北海道から転入し、岩手初戦を快勝モエレフットライトも軽視できない。500キロを超す大型馬でまだまだ伸びシロがあり、じっくり休養させたことも吉と出るかもしれない。
◎(4)ロックハンドスター
○(12)セイントネイティブ
▲(6)ベルデンアイン
△(2)トーホクキング
△(1)モエレライトフット
3連単は4を1着固定に12、6の折り返しが本線。あとは2、1を3着押さえ
馬複は 4-12、4-6、2-4、1-4
<お奨めの1頭>
7レース マイネルアンセム
B1からC2へ一気に降級。前走は久々の1400m戦に戸惑ってモタモタするシーンもあったが、貫禄で1着。もう一丁いける
いよいよ新年度(平成22年度)の岩手競馬がスタート。翌年3月の特別開催を含め、今シーズンも全130日の開催となる。
今年度の注目馬は年度代表馬に輝いたマヨノエンゼル、3歳ではロックハンドスター。それに加え、リーディングジョッキー争いも非常に楽しみだ。
昨年度(09年)のリーディング争いは最後の最後、3月29日までもつれ込み、小林俊彦騎手が怒とうの追い込みで村上忍騎手に肉薄。両者158勝で並んだが、2着の差で村上忍騎手が首位。2年連続でリーディングジョッキーに輝いた。
岩手の看板ジョッキー・菅原勲騎手、小林俊彦騎手の2名を抑えて2年連続首位は非常に価値あること。村上忍騎手は今後の大きな自信となったに違いない。
メイン10レース(発走:16時30分)はB1級・水沢1900m戦「岩手日報杯」。開幕を祝うにふさわしい大器コアレスレーサーが登場。オープンへ殴りこみをかける格好の一戦となった。
昨年8月、岩手転入後、圧巻の6連勝をマークし、馬券対象から外れたのはわずか1度のみ。それもB2から強気の挑戦・桐花賞でバリバリの一線級が相手。しかも落鉄のアクシデントもあり、6着も仕方なしの結果だった。
2ヵ月半の冬休み明けの前走はプラス7キロの540キロで出走。見た目にも太め残りだったが、後方待機策から3コーナー手前からスパート。レース間隔が開いた影響だろう、モタモタするシーンもあったが一瞬だけ。
エンジンがかかってからは、いつもどおり豪快に抜け出し直線では余裕タップリ。ゴールではほとんど追ったところなしで圧勝した。
当然、ひと叩きされて気配アップは歴然。1900mの距離も望むところでほぼ死角なし。まずはコアレスレーサーの強さを得とご覧になってほしい。
単不動。しかし2着争いは伯仲しており、有力馬それぞれにチャンスがある。一番手はテンショウタイヨウ。相手なりに駆ける堅実さを身上とし、毎回のように上位入線。今回からB1に下がったこともあって、コアレスレーサーには完敗を喫したが、グラスバラードをゴール寸前で交わし2着を確保した。
ただ、コアレスレーサーにつけられた着差が3馬身。これだけ開けばサクラデイブレイク、トーホウライデンが割り込む可能性は十分。サクラデイブレイクは前走は昇格に加え、最内の1番枠を引き当てどんな競馬をするか興味深かったが、なんと逃げの手。馬群に包まれることだけが心配だったが、坂口騎手が思い切ったプレーを披露した。
さすがに久々の影響がこたえたのか、トーホウライデンの猛追にあったが、何とかしのいで逃げ切り1着。これ以上ないスタートを切った。ここでも好勝負できれば今後の
活躍も約束された。
トーホウライデンは休み明けの春が苦手。毎年凡走を繰り返していたが、B1では底力がモノを言ったのだろう。直線に入るとシャープに伸びてきてクビ差まで接近。敗れてなお強しをアピールした。元々が叩き良化型で上積みを考えればアッサリも十分。
グラスバラードは惜しくも3着。初の1800mもひとまずこなした。しかし、今回はさらに距離が延長されて1900mが舞台。その点に不安が残り、△評価としたが、マイペースに持ち込んだときの渋太さには定評がある。
◎(2)コアレスレーサー
○(1)テンショウタイヨウ
▲(5)サクラデイブレイク
△(4)トーホウライデン
△(3)グラスバラード
3連単は2を1着固定に1、5、4流し。配当を考えるとさらに絞った方がいいかもしれない
馬複は 1-2、2-5、2-4、2-3
<お奨めの1頭>
8レース コスモスパングル
B1でも勝ち負けの実力馬が再転入後、C2へ編入。これだけメンバーに恵まれれば勝って当然のクラ
2009年の岩手競馬はいよいよ29日が最終日。ここにきて騎手リーディング争いが白熱しています。
この春競馬が始まる前の時点では村上忍騎手が150勝、小林俊彦騎手が145勝でした。ところが先週、村上騎手が1勝に留まったのに対し小林騎手は7勝も挙げて一気に逆転。一時は12勝差まで開いていた差をついにひっくり返したのです。
村上騎手も黙ってはいません。27日の土曜日に4勝を挙げて再逆転。28日は小林騎手が2勝、村上騎手が1勝。村上騎手156勝・小林騎手154勝、その差「2」で最終日を迎える事になったのです。
その2人の29日の騎乗は村上騎手が6、小林騎手が5。どちらも本命級の馬がずらっと並んでいます。リーディング争いが最終日までもつれ込む、というのは過去にも何度かありましたが、2勝差で、しかもそれぞれが有力馬を集めて最終決戦に挑む、という事はなかなか無い事。
敢えて行方を考えてみると、まず村上騎手が2R・4Rで勝ち星を増やせるか?が一つのカギ。小林騎手がいないところでせめて1つ、できれば2つ勝って差を4とすれば、小林騎手は残り5クラを全勝しなければならず(2着数は村上騎手が多いため)、大きなプレッシャーをかけられるでしょう。
小林騎手としては直接対決となる5,6,9Rできっちり勝ちたい所。特に9R、お互い有力馬に乗るここで小林騎手が勝ち、その時点で勝ち星同数という事になっていれば、最終10Rの騎乗が残る分有利になります。
いずれ今年のリーディング争いは史上稀な僅差の決着になりそうです。
さあ、そのリーディング争いのカギともなる9R「楽天競馬賞」。A級一組の1800m戦には9頭が出走します。過半数の5頭が転入馬で力関係の比較に悩みますが、ここは(5)アンダーボナンザを本命とします。
以前は1800mは苦手と思われていた同馬ですが、最近はかなり確実に守備範囲にしています。実力はトップクラスだしシーズン初戦もさほど苦にしないタイプ。枠順もここなら手頃でしょう。先日1000勝を達成した村上実厩舎と1600勝を達成した村上忍騎手。その勢いでここでもう一つ勝っておきたいもの。
対抗は、これは悩みましたが枠順で(2)パワーコレクターを採りました。JRA時代の実績からはスウィープザボード産駒の典型的マイラーに思えますが、地方の少頭数なら先行力を駆使した戦いもできるでしょう。
(7)ソニックルーラーが3番手。JRA時代は芝の長距離が主戦場で、基本的には後方から差を詰めてくるタイプ。1800mはちょっと追走に苦しみそうだな、という印象があります。展開次第の面がどうしても残りそうで、鞍上の腕と意地に期待。
(1)トキワノマツカゼはここ通用の先行力を持っていますし枠順もベスト。徹底先行で活路を開く事は十分に可能です。ただ、今回は他馬の思惑もあり、早めに突かれそうなのが不安点。
(9)ゼットコマンダーの出方が鍵を握るかもしれません。大外枠ですが恐らくここからでも先行策を採りに行くでしょう。もちろんそれで押し切っておかしくない力もありますし、ペースを速めて差し馬に有利な流れを作ってしまうかもしれませんが、ひとまず流れ込み注意で。
★買い目
馬単 (5)=(2)、(5)=(7)、(5)=(1)、(5)=(9)
28日(日)メイン10レースはA級二組・水沢1600m戦「モツ屋権カップ」。主軸にヒカルメイオーを指名する。
昨年は特別開催から3連勝を飾り、ついにオープン入り。特別・あすなろ賞で3着に入り、JpnⅢ・マーキュリーカップにも果敢に挑戦。当然だったが、13頭立てブービーの12番人気に甘んじながら直線で猛追。地方最先着を果たしたクインオブクインにクビ差まで肉薄し。電光掲示板は惜しくも外したが、6着に大健闘した。
ただ、その後は燃え尽きたのか勝てる相手にも取りこぼしが目立ち、着止まりの連続。ようやく吹っ切れたのが11月の声を聞いてからで、待望のA級での初勝利をマーク。続く白嶺賞で2着、ファン投票・桐花賞でも0・3秒差4着に食い込んだ。
今回は1月10日以来の実戦だが、先に記したようにテッポー駆けにも自信があり、しかもA級でも二組なら相手有利は明白。勝ちグセをつけて再び重賞・特別路線での活躍を期待したい。
逆転筆頭はマイスターキング。中央デビューで6戦0勝2着2回3着1回から笠松へ移籍。4戦2勝2着1回の成績を収めて再び中央入り。昨年9月、新潟芝2000m戦で待望の中央初勝利を飾った。
以降は1000万下に昇格し、着外の連続だったが、大敗は喫せず転入直前の東京芝1800m戦でも1・1秒差には食い込んでいた。
現在、7歳。ダート戦は笠松時代までさかのぼり、07年以来と久々だが、2勝マークしたように適性面は心配ないはずだし岩手の場合、ペースがさほど速くはならないだろうから追走も楽。初戦から狙いは十分に立つ。
ソフトパワーは中央3勝1000万下から昨年7月に転入。初戦をアッサリ逃げ切り、2戦目はスタート直後に落馬のアクシデント。しかし立て直しを図って特別・すずらん賞でマヨノエンゼルの3着に食い込み、その後は南部杯に挑戦して9着。おそらく南部杯の反動もあったのだろう、以降3戦は伸びを欠いて3、4、4着にとどまってシーズンを終了した。
カギは冬休みで心身リフレッシュできたかどうか。能力の高さは岩手初戦で証明済み。体調さえ回復すれば勝ち負けはもちろん、重特でもいい競馬が可能だろう。
シルクライムライトは水沢1600m戦で6勝マーク。自慢のスピードにモノを言わせてB1級を突破した。不安材料は大外8枠に入り、同型アサクサロータスが6枠。スンナリ先手を取れるかどうかだが、逃げた時の渋太さには定評がある。
あとは10歳の高齢馬だが、休み前の一戦で2着に気を吐いて健在ぶりを誇示したヤマニンエグザルトの一発も警戒が必要。
◎(4)ヒカルメイオー
○(2)マイスターキング
▲(7)ソフトパワー
△(8)シルクライムライト
△(1)ヤマニンエグザルト
3連単は4、2の1、2着折り返しから7、8、1へ3着流し
馬複は 2-4、4-7、4-8、1-4
<お奨めの1頭>
6レース ラブエッセンス
名古屋A級の格はダテではなく、岩手初戦を2番手追走から1秒差で圧勝。やはりC2では実力が違った
27日(土)メイン9レース(発走:16時ちょうど)はA級三組「岩手競馬奥州サポートクラブ賞」(水沢1600m)、10頭立て。
実力伯仲に加え、各馬が一長一短のメンバーで難解な一戦となったが、エアムートンを主軸に抜てきする。船橋デビューで2勝後、同所属でJRAへ挑戦。いきなり2連勝を飾り、芝適性の高さをアピールした。
中央移籍後は精彩を欠いて昨年5月、岩手へ新天地を求めてきた。このトレードは正解。相手なりに駆ける堅実さをセールスポイントにほとんど上位入線。芝1000mで行われたオープン特別・きんもくせい賞を快勝。待望の岩手初勝利を飾った。
ダートでも転入初戦(水沢1800m)で2着。また終盤2戦でも連続3着。さすがにトウケイニセイ記念はマヨノエンゼルの0・8秒差6着に敗れたが、4角で一旦2番手に進出。見せ場を十分に作った。
今年は同じA級馬が相手でも三組。昨年は一組で走ったことを考えれば相手有利は明白。詰めの甘さがつきまとっていたが、ここは水沢初勝利の絶好機を迎えた。
逆転筆頭はアルディ。道中、抜群の手ごたえを見せながら、いざ追い出すと反応ひと息。それが災いして昨年は11月まで未勝利が続いたが、いきなり3連勝の固め打ち。まるで別馬のような動きを披露し、トウケイニセイ記念でもエアムートンに先着5着に健闘した。
この好走要因はコンビを組む山本政聡騎手が完全に手の内に入れたから。勝ち味の遅さを完全に解消した。
どちらかと言うとスロースターターの印象が強く、久々がどう影響するかだが、昨年の勢いを信じる手だろう。
同じ意味がマルブツワイルドにも言える。本質的には叩き良化型だが、この馬はまだ底が見えない。相手が強化されても、それなりに結果を出すタイプなので上位扱いが妥当なのだろう。当日の馬体重をチェックしてほしい。理想は500キロ前後だ。
エーシンスローインの評価が低いようだが、どうしてどうして。決して侮れない。終盤2戦は伸びを欠いたが、敗因は距離と解釈。水沢1600mを最も得意とし、これまで<2.4.0.1>と抜群の連対率。追い込み一辺倒の脚質ながら二段ロケット式の決め手が冴え渡るか。
ダンディキングの扱いが難しい。格最上位は明らかなのだが、昨年は順調さを欠いて未勝利に終わってしまった。この冬休みで心身ともにリフレッシュできればアッサリのシーンも十分に考えられる。
◎(5)エアムートン
○(1)アルディ
▲(3)マルブツワイルド
△(8)エーシンスローイン
△(10)ダンディキング
3連単は5、1の折り返しから3を厚めに。あとは8、10を3着押さえ
馬複は 1-5、3-5、5-8、1-3
<お奨めの1頭>
10レース ビュレットライナー
中央1勝、北海道B2から転入し、初戦のB1戦を快勝。それが今年はC1へ降格なら、メンバー有利はどう見ても間違いない