10日(日)メイン9レースはC1級「アテルイ賞」(水沢1600m)、9頭立て。好調馬が勢ぞろいし、しかも有力どころは実力伯仲。今回はハンデだけではなく、枠順も微妙に影響しそうで若干荒れる可能性も秘めている。
主軸にポイントプリムを指名。2度3着に敗れたのはいずれも盛岡戦で水沢コースに替わって反応が一変。目下3連勝をマークし、すべてワンサイド。はまゆり賞ではアテルイ賞でも人気の一角を形成するトーセンスプライト相手に逃げ切って圧勝。まさに昇竜の勢いを感じる。
ただ、不安点は逃げがベストの馬が大外9番枠。2番手も我慢できる馬だが、仮にスタートで脚を使った場合に末が甘くならないかどうか。
もう一つははまゆり賞出走時の馬体重が前走比マイナス7キロの436キロ。岩手転入後、ずっと440キロ台をキープしていただけに、この体重減がちょっと気になる。
それを考慮してかまくら賞をスキップして今回のアテルイ賞に臨んだと思うが、体重がさらに減っていた際には要注意。できれば440キロ台まで回復したいところ。当日の気配をチェックしてほしい。
逆転筆頭はトーセンブライト。はまゆり賞はポイントプリムに完敗を喫したが、続くかまくら賞では2番手から直線鋭く抜け出して圧勝。特別2戦2着のうっ憤を一気に晴らした。
こちらも馬体重が減り続けているが、中央時代は500キロを割っていたこともあり、決して細くは映らない。マイル延長もまったく不安はなく、菅原勲騎手が2連勝をもたらすか。
デルマジュピターも絶好調を誇っている。4番人気に甘んじた前々走・錦秋湖賞ではトーセンスプライトをインでじっくりマークし、外から力強く抜け出して完勝。目下、リーディング首位を走る村上忍騎手の腕が冴え渡った。
決め手はこのメンバーでも一番。ポイントプリム、トーセンスプライト。さらにはドリームプライドがハイペースを形成するようだと自慢の末脚がさく裂するシーンまで。
エイシンウルフオーの前走は見事だった。中団をキープし、満を持して3コーナーからスパート。行き脚がついてからの伸びがすばらしく、2着以下に4馬身差をつけて圧勝した。意外にも前走がシーズン初勝利だったが、これで弾みがついたのは間違いない。
ドリームプラウドは58キロのトップハンデが厳しいと見て評価を下げてしまったが、好調度、能力的にもヒケを取らない。
◎(9)ポイントプリム
○(1)トーセンスプライト
▲(3)デルマジュピター
△(5)エイシンウルフオー
△(6)ドリームプラウド
3連単は9、1、3のボックスが本線。あとは5、6を3着押さえ
馬複は 1-9、3-9、1-3、5-9
<お奨めの1頭>
6レース クォーク
ガサのない牝馬ながら、スピードを前面に転入3連勝をマーク。相手強化されたが、勢い止まらない
9日(土)メイン9レースはA級二組とB1級一組による水沢1600m戦「日本一の安代りんどうの郷レース」、10頭立て。テンショウタイヨウに絶好の勝機を迎えた。
テンショウタイヨウは今シーズン1勝のみながら着外4度で、大敗を喫したのはわずか1回だけ。抜群の堅実さを誇っている。しかも近4走を2着3回3着1回にまとめ、勝利目前のレース続き。
今回は明らかに恵まれたメンバー構成に加え、一連の走破タイムからもキッチリ白星をモノにしたいところだろう。
逆転筆頭はマルブツワイルド。抜群の破壊力を発揮する反面、取りこぼしも多いタイプ。前々走・六華賞が前者で、伸び切れず3着が取りこぼしたケース。調子そのものは決して悪くなく、A級へ昇級2戦目なら持ち味の決め手を発揮する。
センリグランピーは古馬編入後、後方から差を詰めただけに終始していたが、前走は早め4番手を追走し、0・3秒差3着。これでA級でも通用のメドが十分立った。
不気味な存在がサイレントステージ。今回のハンデはA級58キロ、B1級56キロ。しかもサイレントステージは牝馬のアドバンテージがあり、54キロで出走できるのが最大の強み。水沢マイル戦を最も得意とし、一発の可能性を秘めている。
以下、前走は案外の結果ながら格上サクラアリエル、単騎逃げに持ち込めるトウショウグローズが連下押さえ。
◎(2)テンショウタイヨウ
○(4)マルブツワイルド
▲(7)センリグランピー
△(3)サイレントステージ
△(1)サクラアリエル
△(9)トウショウグローズ
3連単は2、4の2頭軸から7、3を厚め。あとは1、9を押さえ少々
馬複は 2-4、2-7、2-3、1-2
<お奨めの1頭>
3レース エルグラン
前走は久々を叩かれて気配一変。自己の能力をキッチリ出した。ここも白星もらった
12月31日 第35回桐花賞(3歳以上オープン・ファン投票 水沢2000m)
1着 ゴールドマイン
戦前の予想どおりエイシンイッパツが逃げ、2番手トキワノマツカゼ。3番手インにハルサンヒコ、その外にダンストンリアルがつけ、4頭で先陣を形成。
ゴールドマインは先陣から4、5馬身ほど離れてポツンと1頭で追走。「1枠に入ったが、外に出せ指示でした」と斎藤騎手。願ってもない5番手を追走することができた。
3コーナー手前からゴーサインを出し、斎藤騎手がムチを一発入れるとすばやく反応。4コーナーで逃げたエイシンイッパツに並びかけ、ラスト100mで先頭。この早めに仕掛けたのも功を奏し、大外から伸びてきたマヨノエンゼルを0・2秒差押さえて完勝。待望の重賞タイトルを獲得した。
「決め手があるオープン馬に乗ったことがないので、外を回って大丈夫かなと不安もありましたが、一鞭入れたらすばらしい動きを見せてくれた。勝利を確信したのは直線を向いてから。思わずガッツポーズを出してしまいました。
乗る前は自分でいいのかな―とちょっと緊張しましたが、大役を果たせてホッとしました」
櫻田浩三調教師はこれまでのレースを振り返り、2頭の上がりタイムはほぼ同じ。それならば前で競馬をすれば何とかなると判断。斎藤騎手への指示がずばりだった。
2着 マヨノエンゼル
道中はゴールドマインより3馬身ほど後ろを追走。向正面から早めスパートをかけたが、一瞬モタモタするシーンも。しかし3コーナーを回ってからはいつもどおりの伸びを披露したが、先にも記したとおり道中の位置取りの差が結果2着となった。しかし脚質からこの戦法しかなかった。
3着 ダンストンリアル
終始4番手外につける積極策に出る。ゴールドマインがマクリに遭い、厳しい展開になったが、最内でギリギリ粘って3着を確保。3連複、3連単で高配当を演出した。
4着 ヒカルメイオー
スタート直後はマヨノエンゼルの内にいたが、ペースが落ち着いた1周目スタンド前ではゴールドマインに内から並びかける。
勝負どころでゴールドマイン、マヨノエンゼルのスピードについていけなかったが、直線で盛り返した。
1月2日 第36回金杯(3歳オープン 水沢1600m)
1着 モエレデフィニット
ダークライが逃げ、2番手外にロックハンドスター。モエレデフィニットは3番手インにつけ、ロックハンドスターをマークする形でレースを進める。
「1枠だったので押し出されて逃げになるかと思ったが、ダークライがハナをアピールしたので内でジックリ待機した」(村上忍騎手)
勝負どころの3コーナー手前でロックハンドスターに外から並びかけ、一気にペースアップ。3ハロン標識で2頭が抜け出して早くもマッチレース模様となる。
直線を向いても互いに譲らず、直線半ばでモエレデフィニットが一旦抜け出したが、ロックハンドスターが驚異の根性を見せて再び差し返す。2頭はそのまま譲らずゴールまでもつれ込んだが、わずかハナ差モエレデフィニットが先着。転入2勝目が嬉しい初重賞制覇となった。
「結果的に3番手になったが、(ロックハンドスターの)目標にされる競馬だったらどうだったか。北海道のレースリプレイを見て、1頭だとソラを使いそうだと思った。だから転入戦で逃げの手で確かめてみたら、気を抜くところがあったのでやっぱりなと。2頭の実力は非常に接近していると思うし、もっと体重が増えればさらに強くなりそう。今後も楽しみ」と村上忍騎手。
2着 ロックハンドスター
抜群のスタートを切って2番手外を追走。相手はモエレデフィニット1頭のみと菅原勲騎手も考え、モエレデフィニットが動いたのと同時にスパート。直線は抜きつ抜かれつの攻防となり、わずかハナ差負け。三冠達成ならず、菅原勲騎手の悔しさも半端ではなかった。
今回は競り合いに負けた格好だったが、直線で差し返しす根性を披露。改めて強さを証明した。あえて敗因を探せば前走比プラス8キロの馬体重。あとは前日に砂を大量に補充し、南部駒賞より4秒以上かかる深い馬場が合わなかったかもしれない。
3着 ダークライ
最初から先手を取るつもりだったようで出ムチを入れて逃げる。ペース配分も悪くはなかったが、3コーナーで2頭に交わされる苦しい競馬。それでも7馬身離されたにせよ、3着死守は評価するべき。
4日(月)メイン9レースはB1級馬による水沢2000m戦「初夢賞」、12頭立て。主軸にブライティアメッセを指名する。
ブライティアメッセは中央1勝500万下から今年8月に転入。初戦のA二組・B1一組戦を鮮やかな直線抜け出しを決めて快勝。幸先の良いスタートを切ったが、その後は伸び悩んで4着までに止まっていた。
しかし冬の季節到来と距離延長を味方に、徐々に巻き返しに転じて善戦。7番人気の六華賞を3着にまとめ、前走・銀嶺賞ではアルディの0・1秒差2着。切れる脚が蘇ってきた。
今回の距離2000mはオペラハウス産駒でもあり、望むところ。また前走2着で弾みがついたし、ほとんどが銀嶺賞へ出走した組。近2戦とも負けたアルディ不在ならキッチリ勝ちたいところ。
逆転筆頭にクラサッキーを抜擢。ただ1頭だけ別路線を歩み、詰めの甘さに泣いていたが、前回は強いレースで完勝。タイムも上々だったし、勝ち味の遅さを解消できたことが何よりも心強い。明け4歳馬で伸びシロも期待できそう。
リザルトはゴールデンステッキ賞3着、六華賞ではブライティアメッセに先着2着。銀嶺賞は勝負どころで伸び切れず7着に終わったが、これで見限るのは早計。速いタイム決着になれば反撃に転じて不思議はない。
ワラッテオクレヨの評価が迷うところ。Gステッキ賞、六華賞では距離延長が合うだろうと2番人気に支持されながら連続5着。後方から差を詰めただけに終始し、ちょっと物足りない内容となった。それでも不良馬場、2000mは本質的に向くはずで直線一気の爆発が怖い。
ドーリーゴンザレスは59キロの呪縛から解放され、銀嶺賞は56キロで出走。ハンデ軽減で穴人気になったが、4着止まり。これをどう解釈するかだが、好条件がそろって凡走するケースは多々。人気落ちて気楽に乗れる今回の方が不気味かもしれない。
あとは銀嶺賞は末脚不発だったが、それ以前のレースからエーシンスローインも依然、ノーマークにできない。
◎(1)ブライティアメッセ
○(5)クラサッキー
▲(12)リザルト
△(8)ワラッテオクレヨ
△(3)ドーリーゴンザレス
△(10)エーシンスローイン
3連単は1を1着固定で決め打ち。5、12の折り返し本線だが、8、3、10を重視する手も十分
馬複は 1-5、1-12、1-8、1-3
<お奨めの1頭>
10レース ザッツザサイレンス
2戦連続で2着にまとめ、特に前走はタイム差なし。今回は相手が楽になり、勝機ガッチリとつかむ
皆さん、改めて新年明けましておめでとうございます。記事の上ではすでに1月2日号が掲載されていますが、あちらはほとんど12月31日に書いていたもので自分の気分的にはまだ2009年。年を越してから書いている今、改めてごあいさつをしておきたいと思います。今年もよろしくお願いいたします。
さて、新年早々全国的に荒れ荒れの天気となり、岩手県も元旦の夜明け頃から大雪に。今日も2日も午後まで高速道路が不通になるなど各方面に大きな影響が出ました。
そういう私も今日は車移動を諦めて新幹線で水沢へ。つい一昨日は全く雪がなかった水沢競馬場が、今日はまるでスキー場のようになっていてびっくり。そんな中、競馬場まで脚を運んでくださった皆様、お疲れさまでした&ありがとうございました。
実は、今日の金杯を制したモエレディフィニットもそんな雪の影響を受けた一頭でした。
盛岡所属の同馬は水沢まで輸送されてくるのですが、先に書いたように高速道路が不通。通常なら1時間ちょっとで着くものを、今日は一般道を3時間かけて移動してきて、馬運車を降りたらもう装鞍集合時間の直前だったそうです。
「いつもなら馬運車を降りてせめて30分は休ませるんだけど、今日は降りてすぐ準備してレースだろ。心配したよ・・・。いや、勝ってホッとした」と担当の田村厩務員。お疲れさまでした・・・。
本命は57kgのハンデでも(4)モエレアンドロメダを狙います。盛岡2勝に対して水沢6勝のコース巧者。実際、今年は水沢で11戦して掲示板を外したのはわずかに一度だけ。
ハンデ3kgは確かに不安材料ですが、前々走で敗れた時はハンデの重さと言うより出遅れていい位置を取れなかったのが敗因。ハンデの重さはそれほど気にしないでしょう。
そして1800mもここ1ヶ月ほどの間だけで2勝を挙げている得意の距離。コース状態も、時計の速い不良馬場だと辛いですが、今の力のいる状態ならむしろ都合がいいのでは。
(5)チャームドサークルが対抗。こちらは58kgと+2kgのハンデになりました。ここまでのキャリアでは57kgまでの経験しかなく、56kgですら前走で初めて勝ったように斤量には若干の不安あり。ただ、ここはスローペース必至ですしレースの走破タイムもかなり遅くなるでしょう。ゆったりとついて行ければ力は出せると見ます。
単穴3番手は(2)アマデウス。前走は勝った馬が強かったので4着も致し方なし。今回は恐らく2分に近づくか越えるかするスローの決着になるでしょうし、そうなるとこの馬の自在性が武器になるはず。
その他では(6)ネクストスター、(8)ドクトルガーベラが気になりますが、どちらも1600mでも微妙に長いのか?という印象がある馬。特に(6)は58kgを背負って1800m、それも今のコース状態を乗り切れるかどうか少し不安があります。この2頭のどちらかなら(8)の方でしょうか。
★買い目
馬単 (4)=(5)、(4)=(2)、(5)=(2)、(4)=(8)、(4)=(6)