「第37回マイルチャンピオンシップ南部杯」のミックファイアについて補足報告をしてみたい。レモンポップ、ペプチドナイルの稀にみるマッチレースに沸いたが、ミックファイアも積極的に攻め続けた。3番手にサヨノネイチヤがつけたが、その内を追走。終始、追い詰めだったが、前2頭に接近を図った。
レース前、吉原寛人騎手が「負かしに行く競馬をしていいですか」と聞いたところ、渡邉和雄調教師は「もちろん。勝つために来たんだから」と答えたそうだ。結果4着だったが、着狙いではなく負かしに行った結果。「5ヵ月ぶりの実戦だったが、体が立派になって逞しくなった。しっかり競馬をしての4着だったので納得」のコメントは以上のことから。
ペプチドナイル、藤岡佑介騎手のコメントではないが、ミックファイアは真っ向勝負に出た。この日、渡邉和雄調教師の父・和泰さんも盛岡競馬場にやってきた。渡邉和泰元調教師は第1回南部杯を優勝グレートサーペンを管理した調教師だった。
ミックファイアは最後のダービーグランプリを制して以降、白星から遠ざかっている。古馬の壁に突き当たっているが、東京大賞典8着、フェブラリーステークス7着、かしわ記念5着、そして今回、南部杯で4着。着実に着順がアップしている。また「プラス15キロは成長分」と吉原寛人騎手も語っていた。無敗で南関東三冠馬になったように、再び大仕事をやってくれると信じている。
21日メインはB2級「オクトーバーカップ」(盛岡ダート1600m)。前開催から3歳馬が古馬編入したが、各レースで3歳馬の活躍が目につく。この特別も3歳馬を重視した。
ジェイエルジェティは中央ダートで8戦2着2回3着1回。1番人気2回、2番人気3回と期待の大きさがうかがい知れる。転入戦でいきなり3歳牝馬重賞・オータムティアラに名乗りをあげて6着に終わったが、自己条件のB2級を0秒8差で完勝。待望の初勝利を飾った。レース内容も2番手キープから4角先頭と文句なし。B2クラスは単なる通過点。2連勝を飾り、B1編入へ弾みをつける。
カウネウスは中央芝で2着1回3着1回から転入。初戦の3歳C1戦を快勝し、オータムティアラに駒を進めて5着。ジェイエルジェティに先着を果たした。前走はアッサリ逃げ切りを決め、こちらもB2卒業は時間の問題。逃げにこだわるタイプではなく、逆転2連勝を狙う。
キタノコンドルは今年5月、中央未勝利から岩手入りして3勝2着2回3着4回。着外は3走前の3歳A級6着一度のみ。他はすべて入着を果たし、前走もカウネウスの0秒1差2着。相手なりに駆ける堅実さを身上とする。勝つまではどうかだが、流れ次第で2頭に割って入るシーンも十分考えられる。
シゲルヒカルダイヤは中央ダート2勝、園田1勝・B2から転入。C2スタートにも恵まれてあっさり2連勝を飾った。3戦目は後方のまま7着に終わったが、B2昇級の前回快勝で軌道修正。ここでも上位争いの一角を形成する。
エイシンガネーシャは中央ダート1勝、園田5勝、南関東0勝、笠松1勝と転籍して転入。A級で3着4回の成績を収め、3走前からB2へ降格。夏負けの影響もあって2戦着外だったが、前走3着で復調ムード。マークが欠かせない。
ベアビリーブは水沢0勝だが、盛岡は2勝2着3回。典型的なサウスポーで前走も2着を確保した。有力馬がもたつけば軽視できない。
◎⑨ジェイエルジェティ
〇④カウネウス
▲①キタノコンドル
△⑧シゲルヒカルダイヤ
△⑤エイシンガネーシャ
△②ベアビリーブ
<お奨めの1頭>
6R ヴェロクオーレ
圧巻の手応えで転入初戦を圧勝。走破タイムも破格だった。同じ1200m戦なら追いかける一手