(赤松杯ゴール 写真・佐藤到)
1着 ショーターザトッシ
オウシュウクラウンが逃げ、2番手カネショウエリート、その外にサイレントエクセル。ショーターザトッシは行く気にまかせて6番手を追走し、3コーナー手前から徐々に進出する。その時の反応がすばらしく、馬なりで次々と交わして4角で先頭。一瞬、直線でソラを使うシーンもあったが、小林騎手が気合いをつけるともうひと伸び。転入初戦だったが、2着に1馬身半差をつけ、岩手古馬陣をまとめて一蹴した。
「自分が調教も乗っているが、手応えを感じなかったので前日にもサーッと流した。マイナス7キロの433キロはそれが理由。折り合いもつくし、追い出してからの反応の絶好。直線でとぼけたのは久々に先頭に立った(笑)からかもしれないが、レースにはまったく影響なし。これならば今後も勝ちを計算できる」と小林騎手。
ショーターザトッシは笠松4戦を使ったあと、南関東へ移籍。通算7勝をマークし、07年・重賞サンタアニタトロフィーを優勝。二冠馬シーチャリオットを破る金星をあげたこともある。
その後も重賞戦線の常連に名前を連ねていたが、着止まりに終始。転入直前の金杯が1秒差7着、東京シティ盃1・3秒差に甘んじていたが、今回のレースに見るにつけ、南関東と岩手のレベル差は明白。今後、相当気合いを入れないと厳しくなるのは間違いない。
2着 ソーユアフロスト
前回同様、上々のスタートを切って5番手につける。勝負どころでショーターザトッシが動いて、遅れまいとソーユアフロストもスパートをかけたが、ちょっともたつく。「できれば外に出したかったが、勲さん(アンダーボナンザ)がそのコースに入ったので、思い切ってインを選んだ」(高松騎手)。その決断がズバリ功を奏し、最内を鋭く伸びて2着を確保した。
3月の特別開催で見事1着。ただ、その時は8頭立ての少頭数だったのに加え、超ハイペースになったのも幸い、外から豪快に抜け出した。しかし今回は12頭立てで忙しいマイル戦で馬群をさばくのが最大ネックだったが、高松騎手の好騎乗でカバーした。
3着 アンダーボナンザ
道中はショーターザトッシの後ろを追走。3、4コーナーでは追走するのに手こずったが、直線では大外からグイグイ。結果3着にとどまったが、以降に期待を抱かせた。
今回は3ヶ月ぶりの実戦でプラス7キロ。見た目ではさほど太くは映らなかったが、追い切りで3歳馬相手にも遅れ、仕上がり途上は明らか。次走・シアンモア記念で気配上昇は間違いない。
4着 オウシュウクラウン
内枠に入ったこともあってスンナリ先手を取り、マイペースに持ち込んだが、3コーナーで早くも手が動く。前回はハイペースをしのいで最後まで見せ場を作ったが、今回はアッサリ退いてしまった。「道中で気を抜くところが出てきた」と関本浩司騎手。
6着 サイレントエクセル
3番手外の絶好ポジションをキープしたが3、4コーナーで手応えが怪しくなり、早々と失速。「スタートも悪くなかったし、ペースも遅く追走も楽だったが、直線は全然。変わり身もあって期待していたが、まだ敗因が分からない」と板垣騎手。
桜前線がいよいよ水沢競馬場を通過しそうな今日この頃ですが、今日のお話しは阿部騎手1000勝達成間近、という話題から。
今年でデビュー17年目を迎える阿部英俊騎手が、この日曜日終了時点で地方通算993勝に到達。1000勝の大台まであと「7」に迫りました。順調にいけば今月中、早ければ来週にも記録達成のシーンが見られそうです。
秋田県鹿角市出身、お父さんがホテルの支配人だった関係で藤七温泉(八幡平の頂上付近にある温泉宿)で幼少期を過ごし、騎手にならなければ家業を継いでいただろうな、という阿部騎手。そんな彼も一流ジョッキーの証しである1000勝を達成しようというまでになりました。
果たして来週か、もう少し先か。達成の瞬間が楽しみですね。
という事で今回は阿部騎手関連のなつかし画像をおまけにしてみましょう。
2000年群馬記念、ミヤシロブルボンで出走した時の阿部騎手です。高崎で騎乗したのはこの時だけなのでは?
対抗は(2)リーガルマインド。金沢A→名古屋Bと進んで距離経験は豊富。転入初戦の前走もそこそこにまとめ、距離2戦目の今回は上昇見込んで当然です。
ただ、一番成績がいいのは1500m、次いで1400m。マイル以上では信頼度が下がるタイプで、その意味では前走の結果も頷けるところ。そういうマイナス点は念頭に置いておくべきでしょう。
3番手、ちょっと悩みましたが(1)ジェイキングでどうでしょう。ここは同型が強力ですが、この好枠からうまく流れを創れれば上位突入可能です。
本来素質上位の(7)パワフルボーイは休み明けという点が不安。冬休み前は走る度に馬体が増えており、最後の490kgというのはいかにも太すぎました。その上休み明けでどうなっているか。
穴で狙ってみるなら(11)マイネピルエットか。土・日と比較的外からの差しが届いていました。軽いコースベストの馬ですが、展開が嵌る可能性に賭ける手ありでしょう。
◆買い目
馬単(9)=(2)、(9)=(1)、(2)=(1)、(9)=(11)、(9)=(7)
◆お奨めこの一頭
6R:ロイバーブリング
前走の内容が上々。相手関係はやや強化されたが、これで止まるとは思えぬ。
12日(日)メイン10レースはシアンモア記念トライアル「赤松杯」(水沢1600m)、12頭立て。
久々に心ときめかせるメンバーが顔をそろえた。うれしいのは最強世代オウシュウクラウン、サイレントエクセルが復活の兆しをうかがわせたこと。
まずは3月29日、A級戦を振り返ってみたい。出走する12頭中5頭が激突し、今回に直結するレースとなった。
サイレントエクセルが手をしごいて先手をアピールしたが、枠差を利してオウシュウクラウンが逃げ、2番手にサイレントエクセル。この2頭が後続を5馬身以上離してハイペースを形成。単独3番手にカネショウエリート、そこからまた馬群が切れて4番手インにソーユアフロストといった隊列でスタンド前を通過。
勝負どころ3コーナーでカネショウエリートが一杯。先行2頭も4コーナーでちょっと苦しくなったところ、外を回ってソーユアフロストが強襲。内でオウシュウクラウンも粘ったが、サイレントエクセル、ソーユアフロストが2頭で交わし、ラスト50mでソーユアフロストがねじ伏せて1着。会心の一番に高松亮騎手はガッツポーズでゴールに入った。
ソーユアフロストは桐花賞で1番人気に支持されたが、大寒波が東北を襲ったため水沢競馬場はコースを閉鎖。その影響をモロに被り、ソーユアフロストは満足のいく調整ができず10着に敗れてしまったが、前回のレースで桐花賞のうっ憤を一気に晴らした。
それでも今回、ソーユアフロストを対抗格としたのは8頭立てから12頭立てへ一気に頭数が増えたこと。また超ハイペースで縦長の展開となり、馬群をさばくのに手こずらなかったのも幸いした。
(サイレントエクセル 写真・佐藤到)
主軸にサイレントエクセルを指名する。昨年は1勝のみに終わり、まったくもって不本意なシーズンだった。それでも北上川大賞典で2着に粘り、ソーユアフロストに先着。改めて底力を見せてくれた。
冬場は遠野馬の里でリフレッシュに専念。坂路で鍛え直したそうだが、その成果は前回にはっきり。結果は2着だったが、ハイペースを形成したのはサイレントエクセル自身。昨年ならば直線で失速する流れだったが、最後まで渋太く喰らいついて復活の手応えを十分に感じさせた。どうやら人気は割れそうだが、ずっと?2の座を堅持してきたサイレントエクセルの実力を素直に評価したい。
オウシュウクラウンも見せ場たっぷりだった。昨年終盤の白嶺賞、トウケイニセイ記念で2着に入り、こちらも復調の兆し。前回もマイペースなら逃げ切りの可能性大だったことを考えれば、ベストのマイルでアッサリまで。
アンダーボナンザは昨冬、平場、白嶺賞、トウケイニセイ記念と3連勝を飾り、岩手に新風を吹き込んでシーズンを終了。本来なら△は失礼なのだが、実戦を使われた組と初出走のハンデを考慮したもの。仕上がりさえ万全ならまとめての局面まである。
古豪健在ヤマニンエグザルト、G?へ2連続挑戦コンバットキック、最優秀古馬カネショウエリートの反撃あって不思議はなく、春から熱戦が期待できそうだ。
◎ ?サイレントエクセル
○ ?ソーユアフロスト
▲ ?オウシュウクラウン
△ ?アンダーボナンザ
△ ?ヤマニンエグザルト
△ ?カネショウエリート
3連単は12、3、2のボックスが本線だが、11、6も主力十分で正直、絞りづらい
馬複は3−12、2−12、2−3、11−12、6−12
<お奨めの1頭>
7レース ブルーチェイサー
名古屋A級の実力をマザマザに岩手初戦を圧勝。C2では役者が違いすぎる
11日(土)メイン10レースはA級二組「臼木山レース」(水沢1600m)。今開催は12日にオープン特別・赤松杯、13日にA1一組戦が組まれているため、このレースは実質A級三組戦。前開催はA級戦が2レースだったことを考えれば中味はB1一組と見て差し支えない。
主軸はサクラアリエル。相手なりに駆ける堅実さを身上とし、昨年夏に転厩後はビューチフル・ドリーマーカップ2着を含め、すべて入着を果たしてきた。半面、詰めの甘さがつきまとい、前回は丸1年ぶりの白星となった。
そこで履歴を調べてみたところ06年デビュー戦2着、2戦目4着。07年の休み明け3月2着、2戦目4着。そして昨年は休み明け1着、同2着。春にめっぽう強いことが分かった。
しかも水沢1600mはちょうど連対率5割。尻下がりの成績がちょっと気になるが、少なくとも今回は好勝負の条件はほぼそろった印象だ。
逆転筆頭にケイジーウォリアを指名。昨年、中央1勝から転入し最下級C2へ格付け。相手にも恵まれてオープン特別・赤松杯(昨年度は11月に実施)まで17戦12勝2着4回の驚異的な数字を築き上げた。ただ、赤松杯でも4着に善戦したもののレースがきつかったのか、2戦連続で8着。その後は態勢立て直して2、2、3着にまとめて冬休みに入った。
前回は出遅れて最後方からの競馬で4着に終わったが、これはA級戦で戦ったことも大きかった。今度はメンバー有利明白ならアッサリ首位まで可能だろう。
マイネルティーダはケイジーウォリアと同じA級戦で8着。この冬は遠野馬の里で調教を積んで仕上がりは悪くなかったが、流れについていくので精一杯。岩手で2度目の着外に沈んでしまった。
この一戦をどう評価するか正直迷うところ。頭打ちなのか、レース勘を取り戻していなかったのか。主戦の菅原勲騎手とのコンビ復活で巻き返しなるか、今日が真価を問われる。
ハウプトローレは水沢<7.1.4.2>とコース適性一番。B1昇級後はやや頭打ちの感があるが、それでも前回も3着にまとめ巧者ぶりをアピールした。初戦はマイナス11キロと体重を減らしていたが、昨年のB・ドリーマーカップ時も468キロで出走して3着。あまり気にしなくていいのだろう。
キタサンダイオウはA級編入がちょっと微妙だが、中央1勝はダート1700m戦でマーク。このタイプは岩手で化けるケースも多く、軽視はできない。
あとは実戦を使われてきたメンバーに対し、今季初出走はハンデでも休み明けを苦にしないテンショウタイヨウも押さえが必要。
◎ ?サクラアリエル
○ ?ケイジーウォリア
▲ ?マイネルティーダ
△ ?ハウプトローレ
△ ?キタサンダイオウ
△ ?テンショウタイヨウ
3連単は5、4の1、2着折り返しから2、7、9、6へ3着流し
馬複は4−5、2−5、5−7、2−4
<お奨めの1頭>
8レース グラスバラード
前回は2番手追走からアッサリ抜け出し、パーフェクト内容で完勝。タイムもすばらしく2連勝疑わず
4月5日 スプリングカップ(3歳オープン 水沢1600m)
(スプリングカップ ゴール 1着・マヨノエンゼル 写真・佐藤到)
1着 マヨノエンゼル
トキワノマツカゼが先手を取り、直後にマドルスルー、3番手外にダンストンジール。マヨノエンゼルはスタートで後手を踏んで7番手からの競馬で「一瞬、やばいかなと思った」(山本政騎手)そうだが、あわてず後方でジックリ待機。
2コーナー、外でセンリグランピーが動き、包まれないように徐々に先陣に接近。3コーナーで3番手まで進出し、トキワノマツカゼ、ダンストンジールを射程圏に入れ、直線では外に持ち出してラスト50mで先頭。ピリッとした脚ではなかったが、終い勝負では2頭との差が明らか。3連勝で待望の特別タイトルを手に入れた。
「1番人気のプレッシャーがあったが、この馬が一番強いと信じて乗った。2コーナーでスパートをかけたのはセンリグランピーの動きが気になったから。追えば追うほど伸びるタイプ、2頭を射程圏に入れた直線入り口で勝利を確信した。
昔、あやめ賞で自分がピスカリアンジュという馬に騎乗。初の3歳タイトルを獲れるチャンスがあったが、エムケイミラクルに敗れて以降は乗り替わりとなった。そのエムケイミラクルの子供で初の3歳特別を制するなんて不思議な縁ですね」と山本政聡騎手。
次走はもちろん阿久利黒賞。地元同士はすでに勝負付けが済んでおり、遠征馬次第だが、重賞タイトルを制する可能性は非常に高い。
2着 トキワノマツカゼ
北海道2歳優駿以来、5ヶ月ぶりの実戦でプラス28キロ。しかし能力検査時にはプラス40キロだったことを考えればかなり絞れてきたのだろう。元々、脚長のタイプだけにまったく太くは映らなかった。パドックで程よい気合いを出し、弾むような動きも文句なしだった。
1枠に入り、包まれるのが不安材料。しかし無理に行ったわけでもなく、馬なりで先手を取りマイペースの逃げに持ち込む。そのまま4コーナーまで主導権を握ったが、追ってからの反応がもう一つ。ひとまずダンストンジールに交わされながら再び盛り返したが、マヨノエンゼルとの脚色の違いは明白だった。
ハイレベル北海道で2勝マーク。3歳戦線で台風の目になるか注目を集めたが、2馬身差2着。これは完敗としか言いようがないが、久々の実戦でレース勘を取り戻していなかったのも事実。ひと叩きされた次走が真価を問われる。
3着 ダンストンジール
体は若干余裕あったが、それでも臨戦態勢は整っていた。ただ装鞍所で相変わらず激しい気性を表に出し、やんちゃな面はまだ残っている模様。
レースでは3番手外の絶好ポジションをキープし、ペースが上がった3コーナーでも遅れずに追走。トキワノマツカゼとの競り合いでクビ差先着されたのは物足りなかったが、一貫してレースに集中。それ相応の収穫はあった。
4月6日 あやめ賞(3歳牝馬 水沢1600m)
1着 シルバーカテリーナ
アンダージョイナーが逃げ、2番手にリリーミッション。3番手外にシルバーカテリーナ。坦々とした流れでレースは進み、4コーナー手前でリリーミッション、シルバーカテリーナの2頭が抜け出し、ラスト100mで内粘るリリーミッションを交わす。
ゴール前は持ったままで余裕たっぷりで岩手初戦を快勝した。トキワノマツカゼと同じく北海道デビュー。1勝マークして南関東へ移籍し、3戦2着1回。この実績があれば今の岩手3歳牝馬なら実力上位は明らかだった。
「落ち着きがあって素直。折り合いもついて非常に乗りやすかった。ただ前日のスプリングカップのタイムに比べ2秒遅く、流れが違ったにせよ牡馬相手だとどうか、な」と菅原勲騎手。
2着 リリーミッション
休み明けの前走はプラス21キロ。これはどう見ても体が太かったが、今回はマイナス11キロで出走し、太め感は脱出。しかし冬毛が全身を覆っており、まだまだ仕上がり途上。今回は力負けだったが、レースキャリアも少なく今後まだ成長の余地があるはず。