18日(土)メインは今年第二弾の2歳特別「第25回ビギナーズカップ」(水沢1400m)、9頭立て。同条件、水沢1400mを経験した馬はバトルアイ、ビューティドリームのわずか2頭。コース適性、ダートへの対応力も未知数の馬が多く、意外に難しい一戦となった。
(リザルト 写真・佐藤到)
ひとまずリザルトを主軸に推してみたい。ご存知、パラダイスフラワー(父ティンバーカントリー)の半妹で、こちらはマイネルラヴがお父さん。デビュー戦を姉譲りのスピードで逃げ切り、芝1000m59秒1の好タイムで圧勝。当然のように2戦目(盛岡ダート1200m)は圧倒的な1番人気に支持されたが、スタートで大きく出遅れた不利が響いて3着。推定だが5馬身以上も遅れたため、この結果も仕方なしだった。
そして前走・若鮎賞では4番手を追走して4コーナーで早くも2番手に進出。そのまま楽勝パターンかと思ったが、外からジェベルロバーツ、最内からアシュワーが鋭く突っ込んでゴールまでもつれ込んだが、勝負根性を発揮してアタマ、クビ差の接戦を制して2勝目をマークした。
今回は初輸送、初コースのハンデを抱えているが、前回の1着を素直に評価すべきだろう。
ジェベルロバーツはデビュー戦芝1000mでミラクルジョンコの0・1秒差2着、前回・若鮎賞はタイム差なし2着と惜しいところで白星を逃がしているが、レース内容は決して悪くない。しかも今回は地元水沢に戻り、しかも待ちに待ったダート戦。姉ジェベルリーヴァ、ネバーオブライトも活躍の場はダートがメインで、前記リザルトとは逆に条件はベストと見て間違いないだろう。
セイントアスリートはデビュー戦で痛い出遅れを喫しながらもスケール大きく快勝。走破タイムこそ芝1000m1分ジャストは平凡だったが、それ以上にレース内容の良さが際立っていた。マイネルラヴ、母父アジュディケーティングの血統も魅力の一つで、ここもアッサリ勝てば将来のオープン候補の期待が集まる。
完成度で一歩リードしているのがバトルアイ。若鮎賞は逃げて4着に沈んだが、前回、水沢1400mをアッサリ逃げ切って快勝。この経験が大きくモノを言うだろうし、メンバー中一番の3勝マーク。前回の大幅な体重減が気になるところだが、レース運びのうまさで大勢逆転を狙っている。
その他にもデビュー戦を好タイムで快勝テンショウベスト、ダート戦で巻き返し期待ミラクルジョンコも侮れず、どの馬が勝っても不思議なしの一戦となった。
◎ ?リザルト
○ ?ジェベルロバーツ
▲ ?セイントアスリート
△ ?バトルアイ
△ ?テンショウベスト
△ ?ミラクルジョンコ
3連単は9、4、3のボックスが中心。あとは8、6、2を3着押さえ
馬複は4−9、3−9、3−4、8−9、6−9
<お奨めの1頭>
8レース セイントプラウド
前回はハナケンロマンの逃げ切りにしてやられて3着だったが、実力負けとは思えない。ここは巻き返し必至と見るべき
17日(金)は全10レースを実施。第1レースは11時30分、最終10レースは16時50分。そしてメイン9レース「第39回駒形賞」(A2 水沢ダート1400m)は16時15分にスタートする。
カギを握るのは距離1400m。出走馬のほとんどが近走距離1600m、1800m、または芝レースを使われており、1400mは久々。これが影響しない訳がなく、予想を難解にしている。
その中で、ただ1頭ロイヤルアリダーだけが2走前の浦和・三陸特別で1400mを使われてニホンピロゼンの0・3秒差2着。しかもその一戦を含めて1400mは<8.3.2.3>だし、水沢1400mも2戦2勝とパーフェクトの成績。距離適性から最有力視するのが妥当だろう。
ドントコイタカトモは昨年、A1級で走って3勝マーク。終盤に息切れした感じだが、同条件で行われたオープン特別・駒ケ岳賞でヤマニンエグザルトの1・1秒差5着。トキオパーフェクトの持ち時計には劣るが、水沢1400m1分28秒8は、おそらく今回の勝ちタイム以上に匹敵するに違いない。当然、逆転首位も十分だ。
今季のメタモルキングは安定度が一際目を引く。シーズン始めから5戦連続で2着にまとめ、6戦目は前記ドントコイタカトモ相手に見事な逃げ切りを決めて快勝。ここ2戦は連続3着とやや足踏み状態だが、前々走・ねむの木賞は現A1級トーホウライデンが相手だし、前回は1800mの距離が長かったため。今回の距離短縮は大歓迎のはずで、ここは同型がいても攻めの一手だろう。
トーホウドンファンは今季、着外は一度もなし。相手なりに堅実に駆けるタイプで前回、2番手から抜け出して1着。待望の両目を開けた。これまでダート1400m戦は3戦とも着外だが、これは中央時の成績。血統的にはむしろこの距離前後が合うはずで好勝負に持ち込める。
ミナミノサニーオーの評価を下げてしまったのは勝負どころの3、4コーナーでもたつく場面があるからだが、近4走の安定度は抜群。しかも前回は上がり38秒0の末脚を駆使して快勝している。もちろん争覇圏内に位置する。
他では前回、久々に2着に粘り、古豪健在をアピールしたトキオパーフェクトもノーマークにはできない。この1400mを最も得意とし、3年前の重賞・早池峰賞を制したこともある。また先にも記したが、水沢1400mの持ちタイム1分26秒3はメンバー中、断然の一番時計である。
◎ ?ロイヤルアリダー
○ ?ドントコイタカトモ
▲ ?メタモルキング
△ ?トーホウドンファン
△ ?ミナミノサニーオー
△ ?トキオパーフェクト
3連単は7、3の1、2着折り返しから5を厚めに。あとは10、4、1も押さえたい
馬複は3−7、5−7、7−10、4−7、1−7
<お奨めの1頭>
10レース シンボリカッシーニ
前々走で4着に敗れたが、実績のない芝が舞台。ダート戦では岩手4戦4勝とパーフェクトの成績を誇っている
ここ数日は天気予報を見るのが楽しいような嫌なような、複雑な気分です。盛岡の最高気温が35度とかなのに、沖縄は那覇の気温が32度くらいなんですよ!那覇よりも暑い盛岡!
でも、何日も続くと慣れました。水沢も、先々週のような湿気がなかった分、気温は高くても楽だったです。人間というのは慣れる生き物だなと感じる次第。ま、慣れというかですね、恥も外聞もなくやった首タオル。これが一番効きました。
変則開催3日目のメインレースはB1級の特別戦・オーガストカップです。メインレースですが9R、そして最終レースとなっていますのでネットで購入の方はご注意ください。
本命は素直にトウショウグローズでいきましょう。前走のはづき賞、1番人気ながら5着に敗れて今シーズン続けていた連続連対記録がストップしてしまいましたが、あの敗戦は先行馬のペースになった中、動くに動けなくなった“展開のあや”と言えるもの。決して力負けではありません。今回はメンバー的にも前走と大差なく、雪辱を狙うにはもってこいのレースになりました。
問題は1900mという距離、シェイビアン産駒にこの距離はあまりイメージがわきませんが、もともと折り合いには苦労しない馬だし戦法も自在。1800mでも好タイムで勝っている実績からすれば、この距離も問題ないと思います。
対抗はウエストサンオペラ。ここ数戦、1600mから3000mまで好走を続けているのが好調さの何よりの証し。実戦でも落ち着いたレース運びをするようになって安定感が増してきました。B2から昇級したばかりですが格下と思わないのが良いでしょう。
そしてもう一頭はモエレタキシード。小回り水沢を苦にしない追い込みが魅力、差し・追い込みも届くようになってきた今のコース状態なら狙わない手はありません。ただ、3歳時のレースを見るに1800mと1900mの、この100mの差が意外に重荷になりそうな感。その分を割り引いて3番手評価です。
以下、ミススズランは牝馬オープン挑戦の前走が力を出し切れずの10着でしたが、自己条件に戻ったうえに掲示板を外した事がない1900mなら狙い直す手。ヤマニンリボールトは1枠に入ったのが吉と出そう。ここから好位で流れに乗って上位突入を狙います。
その他に関して。トーホウハヤテは1600mでも良く追い込んできましたが、さらに距離延長となるのはさすがにマイナス感。プラジュニヤワンは良化待ちか。ヒメツバキは調子自体は悪くないように思え、展開次第では・・・という所はあるか。
買い目は5枠5番トウショウグローズを軸に1、4、7、9へ。本線は5−7を思い切って狙う事にして、3連単なら5番7番を1・2着のBOX、他を3着付けに。
◇お奨めこの一頭
6R・ゴールデンパンジー
前走は強力同型がいて力を出し切れず。ここは相手関係はともかく展開が楽になった。
15日(水)は全11レースで実施。第1レースは14日と同様、11時30分スタートで最終11レースは17時20分。メイン「第12回クラスターカップ」(Jpn?)は第9レースに実施し、発走は16時10分となります。
そのメイン「第12回クラスターカップ」の舞台は水沢1400m。水沢競馬場でダートグレード競走を実施するのは99年、第3回マーキュリーカップ(水沢2000m 1着オースミジェット)以来、実に8年ぶりのこと。
その第3回マーキュリーカップは1着オースミジェット、2着バンチャンプ、3着キョウトシチー、4着マジックゲームが横一線でゴール。特にオースミジェット、バンチャンプの着差はわずか数センチ、同レース史上に残る激戦として語り継がれている。今回のクラスターカップでもそんな激しい攻防を期待したい。
主軸にアグネスジェダイを指名する。昨年、クラスターカップは盛岡ダート1200mで行われ、アグネスジェダイが3番手追走から4コーナー手前で先頭に立ったディバインシルバーをゴール前で交わして快勝。1分9秒8のレコードタイで駆け抜けた。
(昨年のクラスターカップ 優勝・アグネスジェダイ 写真・佐藤到)
昨年同様、北海道スプリントカップを勝ってこのクラスターカップは当初の予定どおり。水沢競馬場はもちろん初めてだが、これまでアグネスジェダイはドバイ遠征を含めて全国の競馬場を15ヵ所も踏破してきたし、管理する森秀行調教師も世界を股にかけて数限りなく遠征経験を積んでおり、その点は手抜かりないはず。58キロのハンデも昨年と同じだし、クラスターカップ2連覇に自信の登場となった。
一方、メイショウバトラーはかきつばた記念(名古屋)、さきたま杯(浦和)、スパーキングレディーカップ(川崎)と目下、Jpn?を3連勝中。昨年もプロキオンステークス(JRA京都)、サマーチャンピオン(佐賀)、シリウスステークス(中京)と夏場に3連勝を飾り、好調時にはまとめてのタイプ。しかもアグネスジェダイが58キロの負担重量に対し、メイショウバトラーは55キロ。この3キロのハンデ差は大きく、当然だが逆転首位まで十分ある。
迎え撃つ岩手期待の星はテンショウボス。昨年まで第三の男に甘んじていたが、今年は大躍進。短距離特別・早池峰賞(盛岡ダート1200m)を破格のタイムで圧勝し、続く岩手伝統のみちのく大賞典(盛岡ダート2000m)を堂々、優勝。そしてJpn?・マーキュリーカップでは地方最先着の4着に健闘した。
テンショウボスは距離の長短を問わないオールラウンドプレイヤーだが、本質的にはマイラー、もしくはスプリンターではないかと思っている。その証明は早池峰賞の圧勝劇が強烈だったからで、その時はテンが非常に速かったにもかかわらず、馬なりで追走して鞍上が追い出しを指示するとすばやく反応した。
ネックは盛岡コースに比べて小回り水沢は反応がひと息。スプリント決戦ゆえ、道中もたつくと全国区が相手だけに苦戦を強いられるかもしれないが、ここは今の充実度に賭けてみる手だ。
ヤマニンエグザルトは前回9着に沈んだが、これは1800mの距離が最大の敗因。前々走の重賞・岩鷲賞ではテンショウボスが不在だったとは言え、貫禄の直線抜け出しを決めた。しかも前記テンショウボスとは逆に水沢戦の反応が抜群で当距離(水沢1400m)3戦3勝のパーフェクト成績も強気にさせる材料となる。
以下、ピークは過ぎた感じだが、歴戦の古豪ノボトゥルー、中央時代の6勝がダート1400mでマークしたニューベリーも押さえは必要だろう。
◎ ?アグネスジェダイ
○ ?メイショウバトラー
▲ ?テンショウボス
△ ?ヤマニンエグザルト
△ ?ノボトゥルー
△ ?ニューベリー
3連単は11、10、7のボックス。あとは6を絡めて12、2は押さえ少々
馬複は10−11、7−11、7−10、6−11
<お奨めの1頭>
10レース マイネルヘルシャー
前回4着で連勝は6でストップしたが、ひと息入れて態勢上々。ここは仕切り直しと行こう
今週からお盆に合わせて14日(火)〜19日(日)までの6日間連続で岩手競馬が楽しめる。また開催日ごとにレース数、発走時間が変更となるのでお間違いのないようにお願いします。
その初日14日メインは第8レース・エクセレント競走(A1級 水沢1800m)、発走は15時50分(第1レースは11時30分スタート)。ここはローランボスコに勝機到来の一戦となった。岩手転入初戦の05年5月、盛岡ダート1600m戦を快勝したが、以降は盛岡コースで勝ち星がなし。対して水沢コースでは特別・すずらん賞、あすなろ賞を含めて通算5勝2着6回と鬼的存在。今季も開幕シリーズで4着に敗れた以外は水沢1勝2着3回。盛岡戦は前々走、芝1700m・あじさい賞を使ってみたが、9着に大敗したため佐藤雅彦調教師は早々と切り上げ、水沢戦に戻るまでジックリ待機の方針を選択した。
そして迎えた前走・水沢1800m戦は満を持しての出走だったが、コスモスパーブに完敗を喫して2着。陣営にしてみれば想定外だっただろうが、これは相手が強すぎただけ。むしろ連対を確保した点を評価するべきで水沢巧者健在なりを証明した。
今回、水沢1800mの外枠9番枠が若干気になるが、明らかに恵まれたメンバー構成。ここはキッチリ勝って今後に弾みをつけたい。
ダイワフォーチュンは中央時代、短距離芝を中心に使われて5勝マーク。オープン特別(福島・バーデンバーデンカップ)でも0・1秒差3着に入ったこともある。一方、ダート戦はわずか3戦のみで3、7、10着。このデータだけでは判断はつきかねるが、その一度3着は準オープン・クリスマスカップ(中山ダート1200m)であげたもので適性がない訳ではないだろう。底力でアッサリのシーンまで十分ある。
ガッサンカーネギーは中央3勝馬。内訳は芝2000mで1勝、芝2600mで2勝と芝の長距離戦で良績を残してきた。今回、5ヵ月半の休養明けでの転入だったため能力検査を課せられたが、盛岡ダート1400mで1分32秒0。いかに単走だったにせよ、平凡すぎるタイムでダートは合わないかの印象を与えた。それでも実戦になると動きが一変するタイプも多いし、これまで1000万下の転入馬はこのクラスなら通用するのが過去のデータだ。
ベルモントシーザーの前回3着には周囲もビックリした。昨シーズンの充実度とは打って変わって今季は超スランプ。特に盛岡戦の不振ぶりは顕著で大敗の連続だったが、前回は内田利雄騎手が絶妙のプレーを披露。道中は掛かり気味になりながらインでじっと我慢させ、直線も最内コースを通って強襲。8番人気の低評価を跳ね返して3着に入り、3連単34040円の好配当を演出した。ここでも再現を期待したい。
マンジュデンツルギは昨年5月に中央から転入し、いきなり初戦7馬身差で圧勝。以降の活躍も期待されたが、泣かず飛ばずが続いてずっと白星から遠ざかっている。今季はさらに精彩を欠いて5着入着が最高だが、前回はコスモスパーブの1秒差にまとめ、ここならば連対突入の可能性もある。
◎ ?ローランボスコ
○ ?ダイワフォーチュン
▲ ?ガッサンカーネギー
△ ?ベルモントシーザー
△ ?マンジュデンツルギ
3連単は9を1着固定に3、4の2、3着折り返し。あとは6、5を押さえ
馬複は3−9、4−9、6−9、5−9
<お奨めの1頭>
7レース ウエスタンフォルス
前走・はづき賞は好メンバーがそろったが、見事な逃げ切りを決めて快勝。今回、昇級戦でも通用十分