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2011年8月18日 アーカイブ

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【集中連載】3連単はこう狙え!(6) 須田鷹雄

2011年8月18日(木)

 ばんえい競馬に3連単が導入されて2週が終了した時点でこの原稿を書いている。

 思ったより難しい、というのが率直な感想だ。おそらくはファンの皆さんもそう感じているのではないだろうか。

 8/6~15の開催6日間は馬単の平均配当が4,821円と1、2着時点でも波乱傾向だったが、これが3連単になると36,505円。難しさを裏付けるような数字だが、一方でこの高配当はやはり魅力でもある。

 12レース中に占める3連単万馬券の本数は、導入初日から順に9本、8本、4本、8本、8本、7本で、計72レース中44レースが3連単万馬券(61.1%)。こうなると、最初から人気サイドは捨ててかかってもいいように思える。逆にそのくらい割り切っていないと、いままでばんえいではまずお目にかかれなかった10万馬券(8/15には40万円台を筆頭に4本!)などには手がとどかない。

 私がおすすめする買い方は、まず馬単ベースで予想を練って、そこから3着候補を付け足すフォーメーション的な発想だ。

 ばんえいファンの中には3連単に不慣れな方もいらっしゃるだろうが、馬単にはある程度慣れているはず。そこでまず、馬単で予想を考える。そこから先は次のようにして買い方を決める。


 (1)馬単の予想が堅い場合


  • 3着には人気薄のみをつける。1、2着にマークして3着に入れない人気馬ができてもよい。ばんえいで人気サイドの馬が3頭揃うというのは難しいもの。そう分かっていても人気馬を切るのは心理的に難しいが、そこを敢えて踏み切る。

 (2)馬単の予想段階で穴予想の場合


  • 人気馬が3着に来てしまうかも......と思う場合は3連単を買わずに馬単のみを買う。人気馬を3着に付けても配当は伸びないし、そもそも人気馬が1、2着に絡んでいない段階で馬単は高配当になっているはずだからだ。

  • 人気馬を不要と割り切れる場合は、ダメモトくらいの勢いで徹底的に穴を狙うべく3着まで人気薄で固める。ただし3着ヌケになった場合のダメージが大きいので、馬単+3連単の併用を検討したい。


 ばんえいは人気馬でも障害で失敗すれば掲示板外の大敗があるし、反対に近走内容の悪い馬がいきなり3着くらいには突っ込んでくることがある。みな頭で分かっていても、いざ馬券を買うときにはきちんと整理できていない、というのが開始3週間での感想だ。

 それを反映しているのが、先述した馬単平均4,821円と3連単平均36,505円のバランス。たまたま大荒れのレースがあったことは確かだが、後者を前者で割った約7.57という数値は、ばんえいの出走頭数を考えるとかなり大きい。この数字がよほど小さくならない限り、「フォーメーションの3着は黙って人気薄」という戦略が有効だと思う。

【集中連載】3連単はこう狙え!(5) 赤見千尋

 8月6日から、いよいよばんえい競馬に「3連単」&「3連複」が登場しました! これまで、人気サイドの決着だとどうしても馬券的妙味が少なかったんですが、「3連単」開始により、楽しみの幅が大きく広がりましたね。

 ここまで6日間計72レースが行われ、3連単の平均配当が36,505円。人気の平均は83.0番人気で、なかなか美味しい馬券になっています。

 その中身を見てみると、1番人気での決着はたったの1度だけ。一桁人気の決着も14回しかなく、多くのレースが万馬券となっています。まだ開始して6日ですから、データ的には少ないですが、その傾向や特徴が現れ始めていますね。

 ~ポイント(1)~「天気の変化」

 6日間の中でダントツに高配当が多かったのが15日。10万円以上の配当が4回も出て、最高配当436,490円という払い戻しが飛び出しています。

 この日の傾向は、馬場水分量が刻々と変化したこと。1レースが3.5%で始まり、一時は2.8%まで乾きました。しかし、その後雨が降り出して最終レースでは5.1%にまで増えています。

 2番目に平均配当が高いのが6日で、この日も途中から雨が降り、最終レースでは4.0%に。3番目に高いのも、途中から雨が降った14日。1.0%で始まり、最終レースでは3.8%まで増えました。

 馬場水分量が3.5%を越えた辺りからが大穴配当の狙い目で、さらに雨が降るというだけでなく、乾いたり降ったり...と変化することが望ましいですね。

 平地競走でも、雨はレースを大きく左右しますが、ばんえい競馬ではそれ以上の比重でレースに影響してきます。ジョッキーはそれぞれ自分の馬にあったレースを組み立てますが、直前の天気まではどんなに上手いジョッキーであっても決められません。乾いた馬場ならばパワー型の人気馬がレースの中心になるところを、急に雨が降れば軽量のスピード馬が展開を握ることになります。馬券を買うこちらも難しいですが、ジョッキーたちにとっても馬場の急な変化というのは手強いもの。だからこそ、高配当が生まれるんですけどね。

 ~ポイント(2)~「人気馬の取り扱い」

 ここまで行われた72レース中、3着までに入った馬が216頭。その中で、1~3番人気の馬は120頭でした。1番人気に限って言えば47頭で、人気の重要性を示しています。しかも、1~3番人気が揃って沈んだレースは3つだけ。上位人気馬がすべて沈むというのはなかなか考えにくいですね。でも、3着までに入った馬たちの96頭は4番人気以下ですから、いかに人気馬と人気薄馬を組み合わせて買うかがポイントです。

 競馬に絶対はありませんが、人気薄の馬が勝ち切るというのはなかなか難しいのが現実。なので、私の提案は『勝ちそうな馬』と『上位に食い込めそうな馬』をきっちり分けること。

 3連単はボックスだとどうしても点数が多くなって出費もかさみます。そこで、『勝ちそうな馬』を1、2着にして、『上位に来そうな馬』を2、3着にするフォーメーションをよく使っています。

 レースによって、人気馬をざっくり切って小額で勝負する時と、人気馬を信じて点数を減らして勝負する時に分けていますが、私が得意なのは、人気馬1頭を信じて馬券を展開するケース。危ない人気馬がいたり、能力差の激しいメンバー構成もありますから、まずは自分の得意なレースの傾向を見つけてみてはいかがでしょうか。

 ~ポイント(3)~「ジョッキー」

 レース中に何度も馬を止めるばんえい競馬は、平地よりもさらにジョッキーの能力が大きなウエイトを占めています。馬を動かせることや、力を溜めさせることはもちろん、周りの馬たちの動向を見て、駆け引きする能力が必要です。上位のジョッキーが上手いのは当たり前の話ですが、人気馬に乗っているからこそ厳しくマークされたり、冒険的なレースが出来なかったりします。

 逆に、人気薄に騎乗しているジョッキーや、見習減量の若手は、積極的に動いたり、一か八かのレースをすることができます。

 人気馬が揃って同じ脚質の時、そして騎乗しているのが上手いジョッキーであればあるほど、みんなの意識は人気馬に集中します。牽制し合っている間、勝手気ままに動ける人気薄のジョッキーを狙ってみるのもお勧めです。勝ち切れなくても、2着3着に食い込む可能性はありますから。

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 万馬券が多いからといって、毎回手を出すと痛い目に合うのが「3連単」。レースを絞り、買い目を絞り、的中させるのも一苦労。私自身、日々修行中です。でも、今までは手を出しずらかったレースや、狙いずらかった馬やジョッキーにもスポットライトが当たるようになりました。

 これまでばんえい競馬を楽しんできた方も、まだ未経験の方も、「世界にひとつだけのばんえい」の新しい魅力に、ぜひ挑戦してみて下さいね。

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