
桝崎陽介がクレバーな走りで優勝をゲット!
0ハン単騎の日室はペースを上げることができなかった。10線外枠から先行した中村颯が、早い段階で日室を交わし逃げ態勢に入った。それを追っていくのは30線最内からスタート先行し、10メートル前の井村を叩いた桝崎陽。中村颯を追って一対一の状態の持ち込むと、5周2コーナーでインから交わして先頭を奪取。そのままゴールを迎えた。後ろでは浦田が中村颯を捌いて準優勝。岩見や中村杏は追い足が鈍く、番手を上げることができなかった。
最終レースとはいえ走路温度は48度。追い込み勢にとって厳しい条件になったが、桝崎陽はしっかりと枠ナリにスタートが切れた上に、井村を叩いてまでいけた。外枠の選手にスタートで行かれていたら、そこからの巻き返しは厳しかっただろうし、ハンデが前の井村を叩けたのはこの上ない展開。自ら作り上げた有利な状況をしっかりとモノにできた。桝崎陽は2023年にG2ミッドナイトチャンピオンカップを制して以来、通算13度目の優勝。常に今回のようなスタートが切れれば、優勝回数はもっと増えていくことだろう。
栗原勝測が5戦5勝の完全優勝
3連単のオッズは、1番人気が試走29秒の鈴木圭一郎、2番人気は今シリーズ地元エースの早川清太郎...ではなく今節4日間を無敗で勝ち上がってきた栗原勝測。
決勝戦のレースが発走すると10線2車並びの内枠から高橋絵莉子が大きくスタート先行したが、同じく高いダッシュ力を誇る栗原勝は単独0ハンから逃げ態勢に入ると2周目から後続との車間をみるみる拡げ始める。
エンジン完調の栗原勝を逃がしたらペースが上がることの分かっている早川清太郎は序盤から中団を素早く攻めていくが、2番手まで浮上した残り2周あまりの時点で先頭の栗原勝は20メートルほど前方を軽快に逃げており、無敗の5連勝ゴールへトップで飛び込んだ。今節初日からスーパーハンデで戦ってきた鈴木圭が早川に少し離れてマークする展開で3着。
今シリーズは、オートレース発祥の地である船橋オートレース(2016年3月に閉場)への郷愁を誘う『黒潮杯』(船橋オートレース伝統のG1開催のタイトル)と銘打たれ、もと船橋所属から伊勢崎所属となり今に至る栗原勝が、船橋魂を大いに誇示した。
文/鈴木