
無敗2名による頂上決戦
決勝戦の枠番は抽選によって決められて、今節4戦4勝の2名が内枠を占めた。黒川京介がスタート伸び勝って1周回1~2コーナーで先手を取りきれれば、そのまま独走してのVもありうるが、オープン戦1枠からの展開の作り方を熟知している青山周平が、そうはさせじと先回りして、道中も他者の追撃を抑え込みにかかる。
準決勝戦で有吉辰也をあっさり交わした金子大輔、木村武之が滑り始めたとはいえ一発で差した佐藤励のエンジン状態も相当に優秀だ。
松尾啓史も有吉を攻略したが終盤の周回であり、早めの仕掛けは期待しにくい。鈴木圭一郎は準決勝戦のタイムは速かったが、後半は佐藤励に接近されていたし、立ち上がりが外へ張り気味に見えた点も気がかりだ。鈴木宏和は篠原睦が前に詰まったところを捲れたが、3日目のレース後にスタート伸びていないと語ったごとく、絶頂時に比べると出足の切れ味は物足りず、この決勝戦でも首位争いにまで加わることは難しいと判断した。
◎ 1 青山周平
○ 2 黒川京介
△ 3 金子大輔
▲ 4 鈴木圭一郎
× 5 佐藤励
おすすめの買い目
1=2-345
穴なら
5=1-234
文/鈴木
吉林直都が完璧なレース運びで優勝!
山陽ミッドナイトの優勝戦は浜松の36期・吉林直都が優勝した。10線に3車並んだ大外からスタート先行すると、小栗がペースを上げる前に交わしていけた。その後はマイペースの走りで1番にゴール線を駆け抜けた。後ろでは内山雄が小栗に苦しんでいるところを栗原佳が自在に攻めて2番手に立った。小栗はそのまま粘り込み3着入線。長田恭は追い込みが決まらなかった。
吉林は今年3回優出しているが、今回の優勝で今年V2。もう一つの優出は反則妨害に終わったが、レースの流れとしては優勝できる動きがあった。現時点で36期のトップは栗原佳だが、同じ浜松の吉林も着実に成長しており、栗原佳に追い付けるだけの技量が身に付いている。今後も浜松36期両者の動向には大注目だ。
9R...今日も飛び出す黒川京介
初日から連日8枠で好スタートを放ち続けてきた黒川京介が、準決勝戦は枠番抽選によって決まった4枠からダッシュ。荒尾聡は2日目くらいの出足と伸びを得られれば上位争い。佐藤貴也が最内枠から先行して道中も内線から離れずに逃げ込むか。丹村飛竜は初日~2日目の捌きアシが優秀だった。小林瑞季が黒川京介の外から一緒にスタート伸びて行くと一発あり。
◎ 4 黒川京介
○ 2 荒尾聡
△ 1 佐藤貴也
▲ 6 丹村飛竜
穴 5 小林瑞季
おすすめの買い目
4ー2=165
穴なら
5=4-216
10R...内~中枠の29期勢を中~外枠の25期勢が追う
車の仕上がり度で優っている金子大輔が同期2名を退けて先に抜け出しそうだ。西原智昭は初日の動きが2日目から出ていなくて、若井友和が追撃態勢。クラッチ整備でスタート上向いたと3日目のレース後に語った有吉辰也も4日目は3日目と同じ大外8枠から早めに番手を上げられそう。
◎ 4 金子大輔
○ 6 若井友和
△ 8 有吉辰也
▲ 2 岩見貴史
穴 3 平田雅崇
おすすめの買い目
4-6=823
穴なら 混み合う展開になると競り合いに強い平田雅崇の持ち味が生きる
3=4-268
11R...青山周平が1枠から先回りする
青山周平が篠原睦を張ってスタート先行から逃げ込む。もともとコース取りの固さは鉄壁であり、篠原や永井大介に接近されても抜かせない。ゆえに鈴木宏和としては7枠からでもトップスタートを狙いたいところだ。
◎ 1 青山周平
○ 3 篠原睦
△ 4 永井大介
▲ 7 鈴木宏和
穴 8 長田稚也
おすすめの買い目
1-3=478
穴なら 長田稚也は8枠なら気負いすぎることなく1車ずつ捌いての浮上を図れる
1=8-347
12R...鈴木圭一郎が他7車を徐々に引き離す
8枠で戦った3日間から一転して内寄りの枠に入った点で青山周と同様な鈴木圭一郎が、阿部仁志よりはるかに高い先行力でトップ旋回。木村武之の機力が充実しているが、スタートは佐藤摩弥が先に出るかも。佐藤励は持ち味である積極果敢さを発揮したい。
◎ 2 鈴木圭一郎
○ 4 木村武之
△ 5 佐藤摩弥
▲ 7 佐藤励
穴 3 中村杏亮
おすすめの買い目
2-4=573
穴なら 中村杏亮が鈴木圭一郎のスタートに乗って出る可能性もあり、マーク追走して道中で仕掛けを狙う
2=3-457
文/鈴木
栗原佳祐がスピードを見せ付ける!
ミッドナイト優勝戦の時間帯のレースなのでかなりのスピード戦になりそう。今節は初日の一部レースが中止になったため、優出者の中にはここまで2走しかしていない選手と、3走している選手がいる。36期の栗原佳は2走しかしていないが、ここまで負けなし。準決でも好タイムをマークしており、スピードレースにも対応できるだろう。最後方からのレースになりそうだが、車速に乗って先頭に躍り出るとみた。
相手は同期同地区の吉林。こちらも準決では十分な上がりタイムをマークしていた。栗原佳よりもハンデが10メートル軽いので、0ハンの小栗を早めに交わすようだと優勝も考えられる。長田恭は準決で2着だったとはいえ自分の走りはできており、多少でも競り合うような展開になれば36期両者よりも分はいい。この3者が激しく競り合うようだと0ハン単騎の小栗が有利。ハンデ差を保って逃げ切りもあるだろう。10線最内の春本は枠ナリスタートが切れれば、小栗を追って走りやすい状況になる。穴ならここからだ。
◎ 6 栗原佳祐
○ 4 吉林直都
△ 5 長田恭徳
△ 1 小栗勝太
▲ 2 春本綾斗
おすすめの買い目
6=4-125
穴なら春本から
2-1456
2強に他者が付け入る隙はありそう
開催中に桜の便りも聞かれそうな2025年・春の祭典『特別G1共同通信社杯プレミアムカップ』。ただ今シリーズは、いつもの大レースとはムードが少し異なっている印象。
まず地元エースにして全国ランキング今期S1の鈴木圭一郎は、今年5度優出しながらVゼロ。直近に出場した川口デイレースG1『開設記念グランプリ』は初日から4連勝で決勝戦へ進んだが4着。優出30回、優勝14度の昨年が素晴らしかっただけに、今年ここまでの推移とは落差がある。
4月からの次期S1奪還が決まった青山周平も、ごく最近の流れは彼としては稀有なレベルで勢いに欠けている。2節前の山陽デイレースG1『スピード王決定戦』は、昨年8月から出場した開催にすべて優出してきたのが、16節ぶりに連続優出が途切れた、前節の開設記念グランプリも雨の準決勝戦を着外に敗れたのち、最終日は好タイムで勝利したものの2020年11月以来となるフライングを喫してしまい、鈴木圭と同様に絶頂時のイメージに比して歯車がズレている感がなくもない。
むろん、近3度の本大会を交互に優勝している両雄ゆえ、普段のリズムを出せれば優勝候補の筆頭に位置することには変わりない。
ただ、そうした状況で迎えた今大会は、新たな波の到来も期待してみたいところだ。
佐藤励はG1開設記念グランプリの準決勝戦で、驚異の試走タイム3.20秒をマークし、レースでは黒川京介・森且行・荒尾聡・高橋貢のSGレーサーたちを破って勝利。ところが優勝戦は、逃げる高橋義弘を追撃していた黒川の内へ突っ込もうとして接触・落車。黒川にも大きな被害を与えてしまった。
続く今月中旬の川口デイレース一般開催は雨の準決勝戦を3着に敗れて、黒川と優勝戦での再戦はならず。今大会こそ優出して、黒川との対決、そして雪辱を実現させたい。
黒川は前述の通り開設記念グランプリの決勝戦で不利をこうむったが、その後のレース道中は鈴木圭に反撃して抜き去ると、ゴールでは先頭の高橋義弘に肉薄し、負けてなお強しと感じさせる走りが印象的だった。そして今月17日の川口デイレース優勝戦は、青山周に大差を付けて完勝。先月には自身初めての10連勝も達成して、昨年9月からの数節に成績を急上昇させたのち11月にSG日本選手権を制覇した流れと似た雰囲気を醸し出し始めた。
鈴木宏和は先月の山陽スピード王決定戦と今月の浜松2節いずれも準決勝戦を雨に見舞われて大きくは活躍できていないが、2月は浜松デイレースSG『全日本選抜』に準優勝。青山周と10周回の長丁場を互角に渡り合ったすえゴール時も着差は1車身。そのわずかな差は夢のSG制覇へ1歩ずつ近づけていることの証しだ。
いま篠原睦が波に乗っている。全日本選抜は準決勝戦どまりだったが、続く山陽スピード王決定戦は優出して4着。そして2月末からの山陽ナイター一般開催で今年2度目の優勝を決めると、返す刀で浜松デイレース一般開催もV。この2節9戦8勝・2着1回。目下6連勝と非常に良い流れで浜松へ乗り込める。
今年の浜松で開催された2つのグレードレース、その両方に優出したただ1人の遠征車が佐藤摩弥。昨年の1月と6月にも浜松のG1・G2に優出しているし、今年は正月明けの伊勢崎G1と前述した浜松2開催の3節に連続して決勝戦を争っている。
SG初制覇へのステップアップを図る意味でも、2年ぶり2度目のG1制覇を狙っていきたいところ。プレミアムカップに優勝すれば年末SSトライアル出場権の獲得も見えてくる。
昨年8月の伊勢崎SG『オートレースグランプリ』の4日目に、2020年の『日本選手権』優勝時ぶりとなるSG開催での1着を飾った森且行はその後、昨年の日本選手権や今年の全日本選抜でも1着を獲ってきた。2度目のSGタイトル制覇へ向けて流れをますます高めていきたいところであるとともに、SSトライアルを勝ち抜いて大みそか川口第12レース『スーパースター王座決定戦』を走る姿を熱望しているファンはきっと多いはず。今年4月に川口で開催される『SGオールスター』出場選手を決めるファン投票において、森は堂々の1位に輝いた。SS王座決定戦への初出走を実現するため、まずはSSトライアルへの出場権を今大会で得ておければ、地元開催オールスターへ臨む上でのムードも高まる。
先月の全日本選抜の準決勝戦では、0mオープン戦の内枠からスタート後手を踏んだが、若井友和や佐藤貴也を捌きながら追い上げて、2番手の有吉辰也へ1車身差まで迫っての3着。エンジンをSGレベルまで仕上げる感覚と、強豪同士がっぷり四つに戦える感覚、その双方が完全復活へと着実に近づいている。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
金子 大輔〔浜松 S-3(29期)〕
鈴木 宏和〔浜松 S-15(32期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-2(31期)〕
黒川 京介〔川口 S-10(33期)〕
佐藤 摩弥〔川口 S-11(31期)〕
佐藤 励〔川口 S-12(35期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-16(26期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-17(29期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-30(29期)〕
長田 稚也〔飯塚 S-32(34期)〕
森 且行〔川口 S-35(25期)〕
文/鈴木