片岡賢児が完全Vを決めた!
山陽で行われていた小林啓二杯GII山陽王座防衛戦は、飯塚の片岡賢児が優勝した。それも5日間シリーズで全て1着の完全優勝。優勝戦は山陽7車、外来は片岡だけの完全アウェーの状況で、自分のペースを乱すことなく大仕事をやってのけた。
試走タイムは岩崎亮一がトップの34。次いで浜野淳が35。西村龍太郎と満村陽司が36、高木健太郎と片岡と稲原良太郎が37、畑吉広が40と数字を大きく落とした。
0ハンのスタートは片岡が先行。これに畑が乗って出て稲原、高木と続いて行く。10線の満村は叩かれることなく出て、20線は西村、岩崎、浜野の順。
序盤から片岡が大きなリードを作っていく。3番手発進の稲原が早めに畑を差して2番手を奪取。畑は西村の攻撃を何度か封じるが、結果的には突破されてしまう。稲原は片岡との差を詰めたかったが、周回を重ねても差が詰まることはなかった。やがて西村がやってくると、西村を抑えるので一杯になってしまった。片岡はスタート決めてから1度も先頭を譲ることなくゴール。稲原は西村を抑え切り2着入線。西村が3着で、4番手にまで浮上していた浜野も、そこから着を上げることができず終了。
片岡はこれで4回目の記念レース制覇。最後に取ったのが1997年のGIダイヤモンドレースなので、実に20年振りの美酒。デビュー当初は最優秀新人選手賞や優秀新鋭選手賞などを受賞し、将来を嘱望された逸材だった。しかし、ここ10数年は以前の切れ味ある走りが影を潜めていた。それでも諦めることなくレースと向き合い、整備に力を入れ、復活の機会をうかがっていたように思える。通算18回の優勝はそんな努力のなせる業。これからも変わらぬ姿勢で、若手ばかりが活躍するような状況を打破していってもらいたい。それがオートレース界全体を盛り上げる起爆剤の一つになるハズだから。
稲原良太郎が記念初Vへ突っ走る!
小林啓二杯GII山陽王座防衛戦も優勝戦のメンバーが出揃った。昨年の優勝戦は山陽7車、飯塚1車の顔ぶれだったが、今年も全く同じ山陽7車、飯塚1車となった。山陽王座防衛戦に相応しい優勝戦メンバーと言える。
今節は軽ハン勢の活躍が特に目立ったが、優勝戦も0ハン4車、10線1車、20線3車と、近年の記念の優勝戦では珍しいハンデ構成。優勝戦となると、ハンデが重化するケースも多いが、今回は据え置きとなった。
0ハンの中で最も好成績なのは片岡賢児で4連勝。無傷での優出となった。上がりタイムも日に日に良くなっており、準決では12Rだったとはいえ、3・429の好タイム。次に状態が良いのは稲原良太郎。今節はオール連対で、準決の上がりタイムは3・423。展開が良かったのもあるが、エンジンの仕上がりはかなり良いとみていい。
20線では西村龍太郎が2日目から3連勝を挙げる安定感。準決でも上がり3・426とマズマズの数字をマークしている。しかし、浜野淳の上昇っぷりも素晴らしい。3日目までは凡走に終わっていたが、肝心の準決でしっかりとエンジンを仕上げてきた。優勝戦進出の8人の中で最も良い上がり3・407を叩き出した。ここ一番で勝負強い浜野の真骨頂がうかがえた。
まずはスタート争いの展望から。0ハンは片岡の先行に畑吉広が乗って行きそう。これに稲原と高木健太郎が続くか。10線単騎の満村陽司は、0ハン勢を叩くこともなく、20線勢に叩かれることもなさそう。20線は枠ナリ発進か。西村、浜野、岩崎亮一と3車ともスタート巧者なので、20線の角度があれば内枠から順に出て行きそう。
レース展開は片岡が引っ張るかたちで始まりそう。そのペースだが、今節の動きからいってかなり上がりそう。続いて行く畑では追走一杯か、徐々に引き離されていってしまいそうだ。この片岡を同ハンで追えるのは稲原。高木は一人で走る展開なら持ち味を出せるが、前に人がいるレースでは思うところを走れない関係で、スピードは上がらないとみた。稲原が畑を交わし、先頭を走る片岡を追って行く。その後、記念レースで8周戦になるのを味方にゴールまでには交わしそうだ。そこで当ブログでの本命には稲原を推す。
20線は高位で安定してる西村が、インを突いて前団を攻略して行きそうだが、いかんせん前のペースが速くなりそうなので追い切れるかどうか。むしろ、爆発力では浜野の方が上なので、レース序盤で好位置に付けるようなら上位争いにまで参加してきそうだ。岩崎も状態悪くはないが、今回のハンデ構成ではスタート行けないと厳しくなる。10線の満村も0ハン4車を交わす前に、20線勢の攻めにあいそうで苦しくなる。
◎稲原良太郎
○片岡賢児
△浜野淳
△西村龍太郎
▲畑吉広
小林啓二杯GII山陽王座防衛戦が開幕!
前年のこの大会は、丹村飛竜が優勝し岡部聡が準優勝で師弟ワンツーでの決着となった。優勝戦メンバーは浦田信輔以外、山陽勢で埋めつくされた。今回も地元山陽勢が気を吐きたい所だが、近況の調子からは外来勢の方に勢いがある。特に伊勢崎、川口から強力車が襲来し、勢力図は西低東高。地元勢はタイトル流出を阻止できるか。
地元S級のランクトップは松尾啓史。先の伊勢崎SGでは存在感を示す事はできなかった。エンジンが仕上がらず、連日苦しいレースを強いられていた。山陽S級は松尾に限らず、全体的に調子が上がっていない。それでも今回は、山陽の重鎮だった小林啓二のタイトルネームが付く記念レース。総力でもって外来勢を迎え撃ちたい。
伊勢崎SGで久々に優勝を果たしたのは高橋貢。重走路での優勝戦ではあったが、しっかりと状況判断をして最高の展開に持ち込んだ。晴れでのレースも動きは良かったので、記念連覇に期待がかかる。その優勝戦に他で乗っていたのは黒岩明。ここ数年でメキメキと力を付け、26期と中堅の域に入りながらも成長を続けている。実績を重ねるごとに本人の自信にも繋がっている。
SGの準決で反則をしてしまったのは青山周平と中村雅人。青山は荒尾聡と競り合う形になり、攻め焦っての反妨。残念な結果になってしまったが、予選3日間までの動きは良かったので、エンジン面は心配ないか。中村は長欠明けのSGで、3日目に中村らしいレースを見せたが、まだ完全に復活している印象ではない。これから徐々に調子を取り戻してくるか。
有力どころでは浜松から木村武之、飯塚から篠原睦が参戦。SGでは優勝戦まで行けなかったが、エンジンはそこまで悪くなく、今回のGIIなら通用しそうな状況。どちらもスタートからの速攻に期待できる。
A級では、前走の飯塚3日間開催で優出したメンバーがちらほら。金山周平、番田隆弘、五所淳、西村龍太郎で、金山は久々に状態が上向いてきた。ハンデ的に最重ハンの10M前なら好走できそう。番田もスランプからは脱出しており、武器のスタートから速攻に持ち込んでくる。五所、西村もスタートが早く、厳しいイン走法で中団を突破してくる。
その前の飯塚4日間でも優出者が数人いる。畑吉広、藤岡一樹、池田康範の3者。畑は優勝戦3着で、シリーズを通して全て車券に絡む活躍を見せた。藤岡もようやく良化の兆しが出てきた。池田はハンデ位置を生かしての奮闘に期待。
他では、スピードある田中賢や、独走の展開になれればペース上がる岡谷美由紀などにも注目したい。
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主な出場予定選手
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松尾 啓史〔山陽 S-12(26期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-19(25期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-2(31期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-3(22期)〕
中村 雅人〔川口 S-4(28期)〕
黒岩 明〔川口 S-22(26期)〕
木村 武之〔浜松 S-6(26期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-13(26期)〕
永井大介VS浦田信輔に割り込む選手は...
今回の川口開催は7月のGIキューポラ杯以来の「ナイターレース」。直前の伊勢崎ナイターSGで走っていた選手が多く参戦し、その時の動きが大いに参考になる。シリーズの核は永井大介と浦田信輔だが、他にも伏兵的選手を挙げていきたい。
永井と浦田は前走の伊勢崎SGで優出。優勝戦は雨走路で、浦田は苦戦し、永井もスタート後に好位を奪えず苦しいレースとなってしまった。しかし、永井は予選道中ではパワー溢れる走りを見せていたので、良走路なら問題はない。浦田はシリーズを通して白星がなかったが、力強い走りは健在。やや不足気味のエンジンでも、今回の一般開催なら問題ない動き。これぞオートレース、という走りを見せてくれよう。
地元S級で状態が良さそうなのは中野憲人と加賀谷建明。中野はSGでも鋭い追い込みが決まっていたし、課題とされているスタートもある程度の良化が見られた。加賀谷は前走のSGで2勝を挙げる活躍。スピード面は問題なく、この時期でもナイターのレースなら存在感を示せるハズ。
山田達也、大木光はSGでは物足りない内容だったが、地元の一般開催なら猛烈な追い込みが決まりそう。若井友和は前走のSG3日目に落車しており、不安の残る近況。
外来S級で浦田以外は、それほど状態の良い選手はいない。内山高秀が前走の地元SGで2勝は挙げており、ソコソコの状態ではあるが、西原智昭や滝下隼平などは明らかにエンジン不足。岩田行雄は、大崩れはしてないがもうチョイ欲しい現状。
A級では斎藤撤二が絶好調。前々走の飯塚ミッドナイトで優勝戦3着の後は、前走の飯塚で優勝。それも4日間シリーズで3勝、2着1回のオール連対。近年の充実っぷりが伝わってくる。伊勢崎勢では栗原勝測が前走の地元で準優勝。3日間シリーズで全て2着だった。その優勝戦には荒川哲也も乗っていた。
B級では牛沢和彦が順調な回復を見せている。釜本憲司も前走の地元4日間は、2勝を挙げるオール連対と気を吐いている。新人33期は泉田修佑が1勝、黒川京介が2勝と健闘している。稲川聖也も初勝利を目指して奮起したい。
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主な出場予定選手
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永井 大介〔川口 S-5(25期)〕
若井 友和〔川口 S-18(25期)〕
山田 達也〔川口 S-23(28期)〕
大木 光〔川口 S-24(28期)〕
加賀谷 建明〔川口 S-43(27期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-8(23期)〕
西原 智昭〔伊勢崎 S-17(28期)〕
内山 高秀〔伊勢崎 S-27(26期)〕
鈴木圭一郎が優勝候補の筆頭!
前回は岡谷美由紀の優勝で幕を閉じた浜松オート。今回、その岡谷は不在だが、伊勢崎のSGで好調だった選手が多数参戦。シリーズの中心は鈴木圭一郎になりそうだが、他にも優勝を狙える選手がおり、気になる選手を挙げていく。
優勝に最も近いのは鈴木圭だ。伊勢崎のSGでも準優勝の結果を残している。SG5連覇の夢は散ってしまったが、エンジンも気力も高い位置にある。よほどの事がない限り、優勝戦までは進出してくるだろう。
金子大輔はSGで優勝戦まで進めなかったが、レース内容はそれほど悪くなかった。準決は3着となったが、5日間のシリーズで全て車券に絡んでいた。特長である安定感の高さを示す形に...。今節も初日から強烈な追い込みを見せてくれそうだ。金子と同期の佐藤貴也もエンジンは悪くない。SGでは準決4着だったが、他の日に2勝を挙げる活躍。今回こそは優勝戦まで進みたい。攻めの果敢さは変わらずで、強気な仕掛けを披露する。笠木美孝と青島正樹はエンジンもうチョイか。それでも一般開催なら通用する状態にはある。
外来のS級は5人参戦予定。ランク筆頭は新井恵匠。前走は地元のSGで気合の入る所だったが、結果的には不本意な成績になってしまった。近況はエンジンが仕上がり切らず、苦しいレースを強いられているが、整備に向き合う姿勢は真摯そのもの。努力が結果に結びつく日も近いハズ。
伊勢崎からは他に田村治郎、吉原恭佑、鈴木将光が参戦。田村はエンジン状態がイマイチだが、吉原に関しては上々の動き。SG5日間を全て3着以内でまとめており、2勝も挙げている。天候に関係なく車券で狙えるのも大きな強み。鈴木将は徐々に調子を上げてきている。
飯塚から参戦は田中茂。前走のSGでは3日目に反則をしてしまい、4日目は罰休。しかし、最終日は1着を取ってシリーズを締めくくっていた。反則の影響で攻めは慎重になるが、それでもA級以下を相手のレースなら捌きを発揮して上位に進出してくるか。
A級では三浦康平が好調。前走の地元SGで優出し3着に食い込んだ。持ち味のスピードを生かしたレース運びが特徴。走路温度が下がった方が結果が出やすいタイプだ。他では須賀学が状態上向き。前々走の地元で優出し3着入線すると、前走の飯塚では準優勝。それも4日間シリーズでオール連対の安定感だった。また、落合淳と鈴木幸治が前走の地元開催で優出。佐藤裕児も前走の地元開催で優出していた。
33期新人は苦戦が続いているが、落合巧が前走の3、4日目で1着を取り、連勝中だ。
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主な出場予定選手
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鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
金子 大輔〔浜松 S-7(29期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-15(29期)〕
笠木 美孝〔浜松 S-32(22期)〕
新井 恵匠〔伊勢崎 S-10(30期)〕
田村 治郎〔伊勢崎 S-20(30期)〕
吉原 恭佑〔伊勢崎 S-29(32期)〕
田中 茂〔飯塚 S-21(26期)〕