王者は不在だが充実している地元・伊勢崎勢
今節は地元・伊勢崎勢が参加選手の大半を占めており、外来勢を迎え撃つ態勢は整っている。前走が優勝で終わったのは田村治郎と松本やすし。この2人がシリーズの核になっていくか。
前走の地元開催で優勝した田村治郎は、4日間全て1着の完全Vだった。今回も同じ走路なので、展開は有利に働きそう。波に乗ると手が付けられなくなるタイプなので、初日から連に絡みそうだ。川口の一般開催で優勝してきた松本やすしも流れは良い。優勝戦は必死の追い込みを見せてゴール。32期と若手ながら捌きもだいぶ身に付いてきた。ハンデ戦で追い込むレースになっても好走できそうだ。
今回出場する選手の中で地元ランクトップは早川清太郎。前走は山陽のGIだったが成績はイマイチだった。早川の場合はオープン戦よりハンデ戦で力を出せるタイプなので、今回のような開催のほうが向いている。地元勢を引っ張っていく存在になれるか。A級の中では、吉田恵輔と鈴木清市が、前走の地元開催で優出しており勢いがある。田中哲も前走の川口では良い動きを見せていた。初日に7着で予選モレしたが、その後は1着、2着、3着と全て車券に絡んでいた。その川口では散々だった吉原恭佑は、その前の地元開催で優出している。地元走路なら存在感を示せるか。
外来勢で最も勢いがあるのは山陽の岩崎亮一。前走の地元GIで優出している。25期と中堅の域に入っている選手ながら、ここ1年で更なる成長を見せている。伊勢崎走路との相性も良い。同じく山陽の藤岡一樹は成績がムラ。良い日もあるが悪い日もある。安定して良い動きを出せるようにしたいところだろう。船橋からはS級は3人参戦。ランクトップは新井恵匠。今や30期の中では一番の実力の持ち主と言っても過言ではない。スタート、捌き、雨走路と何でもこなせる選手になってきた。特に、名前負けせず果敢に突っ込んで行く強気な姿勢は好感が持てる。西原智昭と鈴木慶太はやや不調。早めに立て直したいところ。浜松からのS級は伊藤信夫だけ。前走の山陽GIでは準決に乗れなかったが、後半2日間は1着で締めている。
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主な出場予定選手
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早川 清太郎〔伊勢崎 S-15(29期)〕
田村 治郎〔伊勢崎 S-38(30期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-12(25期)〕
藤岡 一樹〔山陽 S-43(29期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-31(24期)〕
新井 恵匠〔船橋 S-30(30期)〕
西原 智昭〔船橋 S-39(28期)〕
鈴木 慶太〔船橋 S-48(20期)〕
充実の地元勢が外来勢を迎撃!
今回は地元のS級が多数参戦し、牙城を守る態勢は整っている。それを切り崩しにかかるのは外来のS級、木村武之、内山高秀、佐々木啓など。更に、A級ではあるが、鈴木圭一郎の急成長っぷりも凄いので注目せざるを得ない。
S級やA級の上位は前走が山陽のプレミアムカップだったので、その時の動きが今回の初日へ向け大いに参考になる。優勝戦まで進んだのが浦田信輔、田中茂、木村武之、鈴木圭一郎の4人。優勝したのは木村。試走タイムはやや物足りなかったが、スタートを決めて押し切った。大舞台での経験がなせる業と言えよう。浦田は木村を追走しての2着。優勝こそ逃したがエンジンは高い状態にある。田中と鈴木はスタート行けず、レースに参加できなかったが、プレミアムカップの優勝戦まで進めたのだから悪くはない。
篠原睦は山陽GIの2日目に落車、3日目に反則と散々だったが、車的には悪くなさそう。いつもの走りが期待できる。荒尾聡は成績がムラで安定感はないが、ここ一番での勝負強さは健在。今回のような一般開催なら十分通用する。久門徹は前走でフライングしてしまったのが気がかりだが、その後のレースでもスタートはマズマズ切れていた。竹谷隆もエンジンは崩れていないので、序盤の展開次第では十分戦える。滝下隼平は試走タイムが出ている。前走のようなオープン戦よりハンデ戦で持ち味を出せるだろう。有吉辰也はまだ本調子ではない。それでも少しずつは感覚を取り戻しているようなので、完全復活するその瞬間を狙い撃ちしたい。
外来では、内山高秀と佐々木啓が有力。内山は絶好調時の動きになっていないが、エンジンは中の上はあるので一般開催なら通用する。佐々木啓もエンジン自体は悪くない。あとは細かいところを飯塚走路に合わせられるかどうかだけ。
今回も32期が数名参戦。鈴木圭以外で期待できるのは佐藤裕児や高宗良次。佐藤は前走の地元開催の準決こそ5着になったが、それ以外は全て1着だった。前評判が高かったわりにはそこまでの活躍を見せていないが、これからまだまだ成長の余地は大有りなので見守っていきたい。高宗は前走の地元開催で3、2、2着。成績が安定しているし、1級車になってから急激な成長を見せている。高木健太郎や町田龍駿にしても今後に期待できる。
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主な出場予定選手
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浦田 信輔〔飯塚 S-5(23期)〕
田中 茂〔飯塚 S-8(26期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-14(26期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-21(27期)〕
木村 武之〔浜松 S-6(26期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-16(23期)〕
内山 高秀〔船橋 S-15(26期)〕
鈴木 圭一郎〔船橋 A-12(32期)〕
若手が大活躍しそうな予感!
直前にプレミアムカップが開催されている関係でS級選手は不在。A級とB級による戦いとなる。各地区で成長した姿を見せている32期勢が今回も大暴れしそうだが、ベテラン勢もそう簡単には許してくれなそう。さて、どのようなシリーズになるのか。各地区ごとに注目選手を挙げ、最後に32期の特集を組む。
開催地区となる川口では小原望が好調。前走の地元GI では、あわや優勝か、という走りを見せた。課題のスタートも良くなっており、エンジン自体もかなりの状態にある。前走から間隔も空いてないので、今回も勢いそのままに参戦できる。他では、伊勢崎に行っていた高橋祐一が上向き。4日間開催で全て3着以内にまとめた。武器のスタートも切れているので速攻に期待。
船橋地区は小林悠樹と平川博康の28期コンビが好調。前走の地元開催では共に優出。特に、小林はエンジンが良い状態で安定しており、スタートの切れも抜群だ。どちらも初日から飛ばして行きそう。また、清水雄平もエンジン自体はずっと安定している。持ち味を出せそうな展開になれば狙ってみたい。
伊勢崎地区は近藤裕保と中野光公が良い。中野は前走の地元開催の初日に反則してしまったが、その後の3日間は良い走りを見せていた。近藤は成績にムラあるタイプだが、地元走路と川口走路は特に相性が良く、好成績を残すことが多い。
浜松地区は、ランク筆頭の渡辺篤に期待。まだまだ捌きには不安を残しているが、それを補って余りあるスピードは魅力。車群を外から捲って行ける。また、鈴木章夫も元気一杯。前走の地元5日間開催の2日目に落車しているが、その後の3日間は全て2着。鉄人っぷりを見せ付けている。
山陽地区は松本康晃が、前走の飯塚開催で優出している。ハンデ的には前から走ることが多い。試走タイムが出なくても目一杯の粘りがあるので注意したい。
そして、32期勢。最も勢いがあるのは地元の益春菜。前走の船橋4日間開催で完全優勝を決めた。浦田信輔を振り切っての優勝は価値がある。今回はハンデが重くなることが想定される。恐らく、最重ハンの20M前からのレースになるが、早い段階で独走に持ち込めれば全く問題ない。
浜松からは32期4人が全員参加。中村友和は前走の地元開催で準優勝。同期・鈴木圭一郎の追い込みに屈したが、最重ハンの20M前からのレースでも通用することを証明した。鈴木宏和は前走の伊勢崎4日間開催では、準決だけ7着になってしまったが、それ以外は全て1着。同じ開催に出ていた岡谷美由紀や岸萌水も、ちょくちょく連対できるようになっている。
川口の押田幸夫は、ゆっくりとだが成長をしているし、伊勢崎の藤本梨恵も確実に成長している。長田恭徳も優勝戦まで進める力を持っている。松本やすしは32期の中では捌きがある方。
直前の伊勢崎開催で優出したのは、小林瑞季、中山光、吉原恭佑。吉原は優勝戦でフライングを2回切ってしまい、出走停止になってしまった。完全優勝がかかった小林は、よく逃げていたが田村治郎に捕まってしまい準優勝。中山はスタートで遅れてしまい良いところがなかった。
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主な出場予定選手
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掛川 和人〔川口 A-65(22期)〕
中山 透〔川口 A-81(31期)〕
渡辺 篤〔浜松 A-53(31期)〕
平塚 雅樹〔船橋 A-62(31期)〕
伊藤 正司〔伊勢崎 A-67(20期)〕
矢野 正剛〔山陽 A-139(31期)〕
益 春菜〔川口 B-17(32期)〕
小林 瑞季〔川口 B-40(32期)〕
木村武之がプレミアムカップ初制覇!
山陽で行なわれていたプレミアムカップの優勝戦は、浜松の木村武之が見事に逃げ切り優勝。自身にとっても初めてのプレミアムカップ制覇になった。
試走タイムは金子大輔が一番の29。次いで、鈴木圭一郎が31。木村は岩崎亮一と同じで32と、やや劣勢だった。33が中村雅人、田中茂、青山周平で、浦田信輔は35だった。
スタートは最内の木村が先行。それに浦田が乗って行く形。結果として、この2人がそのままゴールした。試走一番時計の金子はスタートで遅れを取り苦しい展開になった。前を走る岩崎と中村がピタリと重なっていたので、3番手に上がるチャンスは少なかった。しかし、最終周でまさかの2車狩り。なんとか3着で入線し、掲示板には載ることができた。田中、青山、鈴木は終始後方のままで、上位争いに参加できる状態ではなかった。
試走タイムが良くなかった木村だが、流石の走りで栄冠を手にした。枠は最内だし、試走も良くないのでスタート先行は絶対条件だった。なんとスタートタイミング01と、フライングぎりぎりの切れだった。勝負に賭ける意気込みが感じられる。大舞台での豊富な経験が、落ち着いてスタート切れた要因の一つと言えよう。その後は、コースを外さず逃げ切った。中盤までは浦田にもチャンスがありそうだったが、完璧な走りでゴールまで押し切れた。
木村武之がスタート決めて一気!
特別GIプレミアムカップも優勝戦を迎えた。準決で永井大介が敗れるなど多少の波乱はあったが、最も若い32期から鈴木圭一郎が進出し、優勝戦は豪華な顔ぶれだ。優勝戦3着までは、年末のスーパースター出場へのポイントが得られる為、激しいバトルになりそうだ。
準決で動きが良かったのは、9Rで1着だった木村武之と10Rで1着だった金子大輔。11Rは好枠の浦田信輔と中村雅人が順当に進出。12Rで1着だった鈴木圭一郎も、序盤で冷静な対処をして独走態勢に入った。ただ、レース後半で田中茂に詰められたのは、やや不安材料。
8人の、単純なスタート力は木村が最上位。次いで、鈴木か青山周平。金子、岩崎亮一、浦田、中村、田中はほぼ互角か。0メートルオープンではスタートがカギ。好枠に入った木村がトップスタートを決めそう。木村はエンジンも良いので、そのまま逃げ切るとみた。それを追って行く一番手は鈴木。更に、浦田や金子が続く。
鈴木は後続が来る前に木村を交わせれば、記念初優勝の大金星も十分ある。しかし、木村もそう簡単には抜かせないだろう。そうこうしている間に浦田がやってくる。浦田は鈴木の後ろにピタリとマークできれば必ず突っ込んでくる。鈴木にとっては序盤が大きなポイントになりそう。また、道中のアシでは金子もかなり良い。スタートで4番手までに出られれば、優勝争いにまで参加できる。当日の試走タイムが参考になるとは言え、この4人が上位争いをしそうだ。
展開的には少し厳しくなる中村は、8周戦が好材料になるが、今シリーズのアシを見ていると仕上がっているとは言えない。いつもの強烈な追い込みは期待できないか。田中も外枠からではスタート行けず、後方のまま動けない可能性もある。岩崎はスタート切れる時があるので、まだ望みはある。青山はこの位置からでは序盤に好位置を取ることは難しく、レースでも苦しくなりそう。
◎木村武之
○鈴木圭一郎
△浦田信輔
△金子大輔
▲中村雅人