鈴木圭一郎が記念初Vへ向け大逃走!
準決のハイレベルな戦いを勝ち抜け、優勝戦のメンバーが出揃った。大きな目玉は準決で上がり3・365のタイムを叩き出した32期の鈴木圭一郎がどのような走りを見せるのか。内枠にスタート巧者が揃い、外枠には捌き確かな選手が控えている。
準決の9Rで輝きを取り戻したのは池田政和。序盤戦を制すると早々独走態勢に入った。上がりタイム3・367の脅威的な数字を出した。今節の池田はエンジンが仕上っており、序盤の位置取り次第では優勝争いに参加できる動き。2着だった久門徹は、準決こそ何とかこなしたがエンジンの仕上がり的には不足な状態。
10Rでは鈴木圭一郎がそのセンスの高さを見せた。0ハン単騎の位置からスタートをシッカリ残し、後続を引き離す一方だった。2着の篠原睦はいつものスタートが決まらなかったが、若井友和を冷静に捌いて優出を確保。エンジン的にも悪い状態ではなさそう。
11Rは岩見貴史が浦田信輔に一矢を報いた。トップスタートから桜木公和を交わすと、浦田の追いを何とか振り切った。上がりも3・389とマズマズのタイム。短ハンデ戦での強さを見せ付けた。浦田はレース後半はタイヤが滑っていたので、タイヤの対策次第では優勝戦で上積みあるか。
12Rがまず3枠の桝崎陽介がフライング。2回目のスタートは平田雅崇が飛び出し井村淳一を交わす。桝崎もピタリマークし、3番手に付けていた中村雅人に付け入る隙を与えなかった。中村は前が2車重なっていたとは言え、仕上がりにやや不安を残す内容だった。
優勝戦は、まずスタート争いがカギになる。単純なスタート力では岩見や篠原が上位と見ている。しかし、10Mオープンの角度差があるなら鈴木が先行しそう。鈴木は1級車に乗り替わってからもスタートは安定して切れている。外枠勢を張って出そうだ。
そこで当ブログでの本命には鈴木を推す。スタートを決める鈴木が早々と逃げ態勢に持ち込み、準決同様ブッチ切るとみた。大舞台での経験はそれほど多くないが、デビュー前からの評判通りの成長を見せている。展開的に揉まれるとまだ脆さはあるが、一人で走る展開になればスピード的には負けてない。1級車に乗り替わって2節目にして記念Vが見えてきた。
その鈴木を追うのが岩見や篠原。ただし、鈴木と同等のスピードが出るかは疑問で、後ろから中村や浦田がやってきそう。8周戦が味方になるのは中村や浦田などの追い込み型の選手達。強烈な追い上げを見せてくれそう。他で怖いのは平田。今節はスタートが切れているし、エンジンの仕上がりも悪くない。序盤で鈴木を交わすようなら優勝まで射程範囲に入ってくる。
◎鈴木圭一郎
○中村雅人
△浦田信輔
△平田雅崇
▲池田政和
飯塚伝統の一戦・GⅠ開設記念開幕!
毎年、冬場に行なわれる飯塚のGⅠ開設記念。今年は1月28日~2月1日までの開催。各地区から強力なメンバーを迎え入れ、熱い戦いが展開される。S級選手を中心に近況を追う。
地元の総大将・浦田信輔の前走は船橋のGⅡ。ここでは企画に参加し2級車での競争だった。初日こそ良くなかったが、そこからは立て直し優勝戦まで駒を進めた。優勝戦では雨が降ってしまい力を出し切れなかったが、2級車に乗っても流石のハンドル捌きを見せた。もちろん1級車に乗り戻ればいつもの走りを見せてくれるだろう。同じく前走が船橋のGⅡで、2級車で走っていたのが阿部仁志。この時はいつもより大きなコース取りをしていた。1級車に乗り戻ってもスピード乗った走りができるかも。
他にも地元S級は好調車が多い。荒尾聡は地元のお正月開催で優勝すると、その後の山陽遠征でも優勝と勢いに乗っている。その山陽では田中茂も優勝戦まで進んだ。4日間開催でオール3連対する安定感を示した。同期の篠原睦は前々走の伊勢崎GⅠで準優勝。更に前走の浜松開催でも優勝戦まで進み8着。連続優出中だ。同じ浜松開催で、準決に乗れなかった滝下隼平は4日間開催でオール3連対。元来、成績にムラある選手だったが、ここにきて安定してきた。
外来勢では、まず中村雅人。前走は地元のGⅡで準優勝。優勝戦は雨走路でもよくこなしていたし、良走路での動きも良かった。今回も強烈な追い込みを見せてくれそう。内山高秀も前走は地元のGⅡ。エンジンは悪くはないが、もうひとつ仕上がっていない印象。飯塚での上積みに期待した。同じ開催で走っていた岩科鮮太や池田政和、前田淳もエンジンの状態的にはイマイチで整備が必要。
高橋貢の前走は浜松一般開催。予選道中を無難にこなし優勝戦まで進んだ。優勝戦では5着になったが、これは前を走る2級車2人がハイペースだったため。決してエンジンは悪くない。同じ優勝戦に乗っていたのが伊藤信夫と青島正樹、岩崎亮一。伊藤は前走でエンジン乗り替わった。初節で優勝戦まで進めたのは好材料。これから上積みの幅も十分ある。岩崎は前々走の地元開催でも優出していた。ここでは準優勝の好成績を修めた。この優勝戦に乗っていたのが岡部聡。岡部はここ何節もエンジン安定している。
川口勢では若井友和が前走の地元開催で優出。優勝戦は1級車初乗りの益春菜の優勝で終わったが、若井のエンジンも悪くなさそうだった。佐藤裕二の前走は昨年末の地元SSフェスタ。レース間隔が空いてしまったが、その時はそこまで悪くなかったのでそれほど心配ないか。平田雅崇は前走が伊勢崎GⅠで、成績はイマイチだったが、ここ飯塚は元々所属していたレース場。整備的にもやりやすいだろうから上昇の可能性はある。
S級以外では復活の兆しが出てきた東小野正道と桜木公和。地元の開催で優出してきた牛沢和彦と小林啓二のベテラン勢。更に、1級初乗りの地元GⅡで存在感を示した鈴木圭一郎に注目したい。
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主な出場予定選手
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浦田 信輔〔飯塚 S-5(23期)〕
田中 茂〔飯塚 S-8(26期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-14(26期)〕
中村 雅人〔船橋 S-2(28期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-4(22期)〕
前田 淳〔山陽 S-11(27期)〕
若井 友和〔川口 S-18(25期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-27(24期)〕
S級陣に絶好調車が不在で優勝争いは混沌!
今回参戦予定のS級選手は全部で7人。山田達也、大木光などマズマズ状態の良い選手はいるが、超抜に仕上っている選手はいない。A級やB級の中からでも十分優勝争いに参加できる開催だ。
地元ランク最上位は中野憲人。前走は船橋のGII。初日、2日目はマズマズだったが、そこからはエンジンが変調し準決でも良い走りができなかった。それでも大崩れしているわけではなく、調整次第では立て直せる状態。大木光と山田達也の28期両者は、エンジンがソコソコ良い。共に、前走は地元の一般開催で、山田が準優勝、大木が優勝戦3着。予選道中も安定した成績を残していた。優勝戦では2人が激しく競り合い、益春菜の優勝をお膳立てする結果になった。この2人が実質的に地元勢を引っ張っていく存在になる。高橋義弘はこのところパッとしない。走路にタイヤが食いつく冬場の走路は得意なハズだが成績に繋がっていない。それでもちょっとしたキッカケで良くなる可能性はある。田辺誠も高橋と同じような状態だが、今後の良化に期待したい。
外来勢のS級は2人だけの予定。片平巧と佐々木啓で、共に前走は船橋のGII。片平の方は初日に反則をしてしまい早々と勝ち上がり権利を失ってしまった。その後の4日間で1着が2回あったが、エンジンの安定度で言ったら不安残り。川口走路との相性の良さだけが唯一の救い。佐々木も予選中にエンジン上昇せず、準決にも乗れない状態だった。4日目に意地で1着を取ったが良化してるとは言いがたい出来。整備で立て直していきたい。
S級以外の外来では、岩沼靖郎と西村義正に注目。岩沼は前走が地元のGIで優出。予選、準決の4日間もオール連対の好内容。スピードに磨きがかかっている。西村の方も地元の一般開催で優出している。こちらはスピードレースよりも混戦で持ち味を出せるタイプだ。
S級以外の地元勢では益春菜に注目。先述のとおり前走では優勝。1級車に乗り替わっていきなりの優勝だった。今回はその時よりハンデが重くなると思われるが、もっと1級車に慣れてくれば簡単に克服できるだろう。同期の小林瑞季も前走は地元開催で優出。優勝戦ではペースが上がらなかったが、これからの成長は楽しみ。押田幸夫にしてもレースを重ねるごとに乗り手が良くなってくるだろうから気にしたい存在。
他に注目は、スタート力を武器に安定した成績を残している佐藤摩弥。スタートはやや不安あるが大きなコース取りでスピードに乗れている秋田貴弘、深谷輝。前走が船橋のGIIで2級車に乗っていた鈴木清は、グリップの開けっぷりが良くなっているかもしれない。
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主な出場予定選手
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中野 憲人〔川口 S-28(24期)〕
大木 光〔川口 S-29(28期)〕
高橋 義弘〔川口 S-33(29期)〕
田辺 誠〔川口 S-39(27期)〕
山田 達也〔川口 S-47(28期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-16(23期)〕
片平 巧〔船橋 S-17(19期)〕
斎藤 撤二〔川口 A-5(25期)〕
今年初めての浜松開催!
意外にも浜松でのレースは今年初。S級陣はやや手薄だが、今年初めてのレースとなる選手も多く気合の入ったレースが見られそうだ。主力選手を中心に近況を追う。
地元ランク最上位は佐藤貴也。前走は伊勢崎のGⅠでシッカリと優出を決めた。肝心の優勝戦では6着だったが、試走で29のタイムが出ておりエンジン自体はかなり良い状態にある。昨年は地元でよく活躍していたので今回も期待できる。同期の金子大輔は前走が昨年末の川口スーパースターとなる。トライアル戦で確実にポイントを稼ぎ、大晦日の王座決定戦まで駒を進めた。結果は4着止まりだったが、そうそうたるメンバーでこの内容なら決して悪くはない。久々のレースでも、前検日の練習で感覚を取り戻してくるだろうし、エンジン面も心配はなさそう。佐藤と共に、地元勢を盛り上げていく存在になりそう。伊藤信夫は山陽一般開催以来。天候が不順だったのもあり好成績は残せなかったが、エンジンの方もそれほど良い状態とは言えない。地元での立て直しに期待したい。地元最後のS級は青島正樹。昨年末の川口以来のレースだが、その時はあまり良くなかった。ただし、地元は勝って知ったる走路。巻き返しは必至だろう。
外来勢で注目の存在は篠原睦。前走は伊勢崎のGⅠだったが、安定した成績を重ね優出すると準優勝の結果だった。その優勝戦では最後の最後で木村武之に捲られたが、優勝も十分ありそうな動きだった。スタートの切れは良いし、得意の速攻も決まっている。デビューしてからずっと活躍しているが、その長い年月のなかでも少しずつではあるが着実に成長している貴重な選手。今回も優勝戦まで駒を進めてくる可能性は高い。高橋貢の前走は、篠原と同じく伊勢崎のGⅠ。2日目に珍しく反則をしてしまい、勝ち上がり権利を失ってしまった。その後のレースでは不安のない走りを見せていたので、エンジンの方は問題ないか。岩崎亮一の前走は地元の一般開催。ここでは準優勝だった。岩崎は昨年、大躍進を見せた。今まで無冠だったが、グレードレースを3つも制した。その勢いは続いているし、これから更なる成長も見られそう。外来勢で最後のS級は滝下隼平。前走は伊勢崎GⅠだったが、エンジンが合わず散々な結果に終わった。滝下の特徴として、エンジン状態が試走タイムにしっかりと表れるタイプだ。この時期なら32前後のタイムは欲しい。
S級以外で注目なのは、笠木美孝と緒方浩一。笠木は前走の伊勢崎GⅠで優出する活躍。軽いスランプに入っていた時期もあったが、これで完全に脱出してきたか。緒方の前走は地元の一般開催。ここでは優勝戦まで進み5着。その前の川口では見事優勝を決めており、その時のいい流れを保てている。
フレッシュな32期生は岸萌水を除き、今回から1級車に乗り替わり。どのような走りをするのか楽しみだ。
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主な出場予定選手
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佐藤 貴也〔浜松 S-7(29期)〕
金子 大輔〔浜松 S-9(29期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-27(24期)〕
青島 正樹〔浜松 S-35(22期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-4(22期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-14(26期)〕
滝下 隼平〔飯塚 S-40(28期)〕
岩崎 亮一〔飯塚 S-24(25期)〕
強烈な追い込みで永井大介が栄冠を掴む!
GⅡさざんかカップの優勝戦の日は8レースの試走後から雨が降り、優勝戦は重走路での戦いになった。2級3車の試走は新井恵匠が一番の65。青山周平と浦田信輔は68とやや劣勢だった。1級車は森且行が一番時計の57。中村雅人が58、浜野淳が59、鈴木圭一郎が60、永井大介が61とやや数字を落としていた。
0ハンのスタートは青山が出掛かったかに見えたが、新井が最内からなんとか突っ張った。そこからは新井の逃走劇。後ろでは鈴木の攻めが遅く、30線勢が早めにやってきていた。中団抜け出した中村が新井を追う形になったが、イン狙ったところでひと滑り。失速してしまった。その中村に代わり新井を追う展開になったのは永井。そして、最終回でしっかりと新井を差し切った。中村も外から新井を交わして2着。
人気の一角になった鈴木は、序盤で浦田のインに入れなかったのが響き、最後方まで下がってしまう。今回は優勝に縁がなかったが、最後方から巻き返し4着まで追い上げたのには大器の片鱗を感じさせてくれた。今後、1級車に乗り慣れることによって更なる進化を見せてくれるだろう。
優勝した永井は流石の一言。試走タイムこそ劣勢だったが、レースでは無駄のない走りに徹し、冷静に8周回を使って追い切った。レース運びの上手さが際立っていた。エンジン完調の時は圧勝劇を見せてくれ、エンジン不足の時は腕と経験でレースを作っていく。ナンバー1勝負服は当分、永井が着ることになりそうだ。