浅香潤が約10年振りに記念制覇!
優勝戦はまず10メートルオープンの3枠から飛び出した久門徹を平田雅崇が交わして先頭に立った。しかし、すぐに浅香が差し込み逃げ態勢に入る。そこからは平田が浅香の逃げにピタリマークする展開で、3番手に付けていた高橋貢も仕掛けどころがない状態で周回を重ねていった。先頭の浅香はそのままゴール。動きがあったのは3番手に付けていた高橋が最終周回で平田を交わした事だけ。
浅香にとっては嬉しい記念優勝となった。ここ何年かは記念タイトルから縁がなかったが、元々ポテンシャルは高い選手で、独走に入るとグングンとペースを上げるタイプだった。エンジンの仕上げには徹底的で、整備にはストイックに取り組む。ある程度エンジンが良くなっても、そこで満足することはなく完全に仕上げるまでは整備の手を緩めない。整備の中でも一番手がかかる全バラ(エンジンをパーツごとに1回バラバラにして組み直す事)を労を惜しまず何度でも繰り返せる整備力は全選手の中でも屈指だ。そういった、オートレースに対する姿勢が、今回の記念制覇に繋がったとも言える。これをキッカケにこれからのGⅠやSG戦線でも大いに活躍が期待される。
当ブログの本命、高橋はマズマズのスタートを決め序盤こそ好位置に付けたが、前を走る2車が重なっていたため厳しい展開となった。1車だけなら多少ムリしてでもインに突っ込んで行けるだろうが、2車となると1車抜いてもその前にも1車いるので強引な突っ込みはできなくなる。それでも最終周回に平田を抜いたのは流石と言える。
北渡瀬充、岩沼靖郎はハンデ重化が響いた形でスタートから遅れてしまったが、準決勝で見せた走りはこれからの奮闘を期待させるモノだし、佐藤裕二、若井友和はエンジンの仕上がり不足と序盤の展開作りがうまく行かなかったが、状況がひとつ変わればいくらでも優勝争いに参加できるだろう。また、スランプからは完全に脱出した平田が、これからどういう走りをしていってくれるかが楽しみになったスターライトチャンピオンシップの優勝戦でもあった。
高橋貢が地元の牙城を守る!
4つ行われた準決勝戦で特徴的だったのは、12R以外での勝者は軽ハンの選手、もしくは重ハンでも内枠の選手だった事。2着も5、6枠の選手が占め、追い込み勢はいずれも厳しい戦いが強いられた中で、高橋貢の追い込みは目立つモノがあった。
よって、当ブログでの本命は高橋貢だ。大外からでもスタート決めてしまえばそのまま押し切れるし、仮にスタート行けなくても準決勝の追いアシを見る限り、首位まで浮上できそうだ。優勝戦は準決勝より2周延びて8周戦になる事も高橋貢にとっては好材料だ。
その高橋を負かす可能性あるのは岩沼靖郎。優勝戦ではハンデが引っ張られたとは言え、準決勝で見せた独走は驚異的だった。そのレースで2着だった平田雅崇を寄せ付けないどころか、むしろ引き離してしまい、上がりタイムでも勝っていた。トップスタートを切るようだと絶好の展開になり、外枠勢が競る間に大きなリードを作って逃げ切れる。
同じように北渡瀬充も、10線最内から先行すると面白い存在になりそうだが、準決勝での上がりタイムはもう少し欲しいところだったので、ちょっと評価を下げる。また、岩沼のスタートに乗って出そうな久門徹も見せ場を作れそうだ。本来の実力を考えれば、この位置は魅力的であり、やはりスタート行ってしまうと優勝まで十分現実味を帯びてくる。
他に、激走がありそうなのは平田雅崇。初日、2日目に見せた好ダッシュを再現できれば、優勝戦線に参加できる。
若井友和はこの前伊勢崎に来た時の一般開催で優勝しており、近況は当地との相性が上がっている。同地区の佐藤裕二は試走タイムがイマイチでも、本走ではインを厳しく突いて行くタイプ。また、浅香潤は一発力があるタイプなので注意が必要だ。
◎高橋貢
○岩沼靖郎
△久門徹
△平田雅崇
▲若井友和