12月30日笠松のライデンリーダー記念を勝って、重賞4勝目を挙げた金沢のエムティアンジェ。生後間もなく鹿に襲われ、命の危険もあったそうですが、今ではバリバリの重賞ウイナーになりました。パートナーを組む栗原大河騎手に、普段の様子や今後の目標を伺いました。
赤見:ライデンリーダー記念、おめでとうございます。今回も強い勝ち方でしたね。
栗原:ありがとうございます。遠征でもまったく動じないですし、本当に強いですよね。いい馬に巡り合うことが出来て、馬にも関係者の方々にも感謝の気持ちでいっぱいです。
赤見:性格はどんな馬ですか?
栗原:調教も乗っているんですけど、普段からすごく乗りやすくて、2歳の女の子なんですけど古馬みたいに落ち着きがありますね。少しの物音とかは気にしないしですし、ダクを踏んでいる時に近くをキャンターで走って行く馬がいても驚かず、堂々としています。北海道から来た当初からそういう感じでした。
赤見:初めて跨った時の印象はいかがでしたか?
栗原:最初からすごい馬だと思いました。平坦な場所で乗っているんですが、坂道を下っているような感覚がして。後ろ脚が発達しているので、1歩1歩の推進力がすごいなと。北海道の最後のレースでは未勝利戦とはいえ1100mでレコード勝ちしているんですよね。なかなか勝てなかったのはやはり生後2日で鹿に襲われて大怪我をしたことが影響していたのではないかと思います。
赤見:相当大きな怪我だったそうですね。
栗原:今も右トモのところが大きく凹んでいます。当時のことは僕も聞いた話ですけど、生きるか死ぬかというくらい、大きな怪我だったみたいです。そこから立ち直って競走馬になるわけですから、この馬の生命力は本当にすごいと思います。
赤見:現状、課題というのはありますか?
栗原:強いて上げるとすれば、右トモの怪我の影響なのか、少しささるところがあります。特に苦しくなるとささるので、そこをカバー出来るようにしていきたいですね。
赤見:距離はいかがでしょうか?
栗原:折り合い面をクリアすれば、馬自身は2000m前後でもまったく問題ないと思います。この馬と一緒に石川ダービーを目指したいです。
赤見:今は休養中ですか?
栗原:そうですね。牧場で休養していると聞いています。ここまで一戦ごとにどんどん成長して強くなってくれたので、ここでひと息入れて、さらにパワーアップしてくれたら嬉しいです。
*10日(月)佐賀 第8R『ゴールドスプリント』 1300m 18:15発走*
第1回ゴールドスプリント。
地元のドラゴンゲートと兵庫の快速娘ステラモナークというスピード馬が2頭いるので、どちらが主導権を取るのか、先行争いはある程度激しくなると見ています。
佐賀は基本的に前有利のコース形態で、特に1300mは逃げ馬有利のコースですが、あまり前がやり合うとキツくなりますから、末脚のしっかりしている馬から行きたいです。
本命にしたのは高知のダノングッド。
名古屋、笠松と遠征で全国交流戦を連勝して来ました。
以前は強烈な末脚が武器の馬でしたが、多田羅騎手とのコンビになって、いつの間にか好スタートから楽に位置が取れる馬に変貌。
前走の笠松グランプリでは、アザワク、コパノフィーリングという全国トップクラスのスピード馬が引っ張る展開で、楽々3番手を追走し、危なげないレース運びで差し切り勝ち。
立ち回りが上手くなった今、初めての佐賀でも不安は感じません。
対抗は地元期待の1頭、ミスカゴシマ。
一時期勝ち切れない時期もありましたが、ここに来て2連勝。
すっかり差す競馬が板につきましたし、使いつつ体も増えてもう一段階パワーアップ。
遠征馬相手にどんなレースを見せてくれるでしょうか。
3番手評価にしたのは高知のダノンジャスティス。
最近は目立たない成績が続いていますが、昨春の頃の走りが戻れば今回のメンバーでも十分好勝負出来る実力の持ち主です。
同厩舎のダノングッドと差がついてしまいましたが、どこかのタイミングで巻き返して来るのではないか、といつも狙いたくなる馬です。
兵庫のステラモナークは先行争いがどこまで激しくなるかがポイント。
自分のリズムで行ければあっさりもありそうです。
地元のドラゴンゲートも先行争いがカギでしょう。
◎2、ダノングッド
〇3、ミスカゴシマ
▲9、ダノンジャスティス
△5、ステラモナーク
△7、ドラゴンゲート
大晦日に笠松競馬場で行われた第50回東海ゴールドカップ。
1番人気に応えてウインハピネスが久しぶりの重賞制覇を果たしました。
笠松・森山英雄厩舎に移籍して3戦目での重賞勝ち。森山調教師に喜びの声を伺いました。
赤見:東海ゴールドカップ制覇、おめでとうございます。
森山:ありがとうございます。実績のある馬を預からせていただきましたので、3戦目で重賞を勝ててホッとしています。ウインハピネスのオーナーの山邉浩さんには高崎時代から長くお世話になっているので、少しでも恩返しが出来て嬉しいです。
赤見:1番人気に支持されていましたし、レース内容も後方からロングスパートで強かったですね。
森山:強かったですね。普段はとても大人しい馬なんですが、直線の競り合いになると勝負根性を発揮してくれるんです。距離の融通も利きますし、本当に頭が下がります。鞍上の大原浩騎手はうちの所属なんですけど、重賞を勝つのが10年ぶりだったので、大原くんで勝てたことも嬉しかったです。
赤見:次走の予定は決まっていますか?
森山:馬の様子を見てオーナーと相談しますが、ちょっと疲れが残りやすいところがある馬なので、少し間隔を開けて疲れをしっかり取りながら使いたいと思っています。馬の状態が良ければ2月10日のウインター争覇を目指す予定です。
赤見:森山厩舎にとっても久しぶりの重賞制覇となりました。どんなお気持ちですか?
森山:一番は競馬をさせてもらっていることに感謝しています。僕は高崎が廃止になって笠松に移籍して来たという経緯がありますし、笠松はしばらく開催中止になって、いろいろな想いがありました。改めて競馬が開催出来ることに感謝の気持ちでいっぱいです。
*4日(火)名古屋 第10R『名古屋記念』 1400m 15:50発走*
ここはナムラマホーホVSメイソンジュニアの戦いだと思いますが、今の充実ぶりを考えるとナムラマホーホでしょう。
JRA未勝利から愛知に移籍すると、破竹の勢いで勝ち進んで来ました。
3歳時はまだ重賞では今一歩の印象でしたが、昨年さらに成長して、名港盃、ベイスプリント、東海菊花賞と、距離の違う重賞で3勝を挙げる活躍ぶり。
先行タイプではないものの、この馬のロングスパートは本当に強烈で、展開関係なく自分で上がって行ける脚は素晴らしい武器です。
今回は先行したい馬が複数いる上にスピード馬エイシンエンジョイがいますから、スローにはならないと思います。
そうなれば、よりこの馬に向く展開になるのではないでしょうか。
対抗はメイソンジュニア。
この馬も末脚、決め手が武器。
なにげに重賞勝ちはないのですが、名古屋1400mは合っている舞台。
メンバー的にも上位争いでしょう。
3番手評価は兵庫からの移籍初戦となるエイシンエンジョイ。
昨年こそ重賞勝ちがないものの、その前は1400mでスピードを活かして重賞を勝ちまくっていた馬です。
今回のメンバーであれば、この馬の持ち味を活かせると思います。
JRAからの移籍初戦となるクイックファイアは初の1400mのペースに対応出来るかがカギ。
明け10歳でも底力のあるサンデンバロンまで。
◎1、ナムラマホーホ
〇3、メイソンジュニア
▲2、エイシンエンジョイ
△4、クイックファイア
△7、サンデンバロン
*3日(月)園田 第11R『新春賞』 1870m 16:10発走*
揺るぎない中心はエイシンニシパでしょう。
2017年に初制覇して、2018年こそ5着だったものの、2019年からは3連覇中。
新春賞の絶対王者ですね。
前走の園田金盃は唯一ジンギに食い下がっての2着。他の馬たちが勝負所から置いていかれる中で、しっかりついて行って最後までしぶとく伸びましたから、改めてこの馬の力を見せつけられる内容でした。
このレースぶりを見た橋本忠明調教師は、「まだ一年やれると確信しました」と仰っていました。今年は明けて9歳になりますが、衰えは感じません。
今回のメンバー、近走の成績を見ると強敵と言える馬も見当たりませんので、ここは4連覇、新春賞5勝目という偉業達成に期待しています。
コスモバレットは3走前の逃げ切り勝ちがびっくりするくらい強かったです。
先行争いを制してハナに立つと、気持ち良くグイグイ逃げて後続を大差離しての圧勝劇。
もともと力のある馬でしたが、こういうレースが出来るとは...。また新たな一面を見せていただきました。
続くスポニチなにわ賞も同じようなレースぶりで圧勝。こういうレースをしたら本当に強いですね!
ただ自分の形に持ち込めないと前走の東海菊花賞のような感じになってしまうので、スムーズに行けるかがカギでしょう。
スタートから前半どんな流れを作るのか注目しています。
3番手評価はエイシンデジタルにしました。
昨年の摂津盃で初重賞制覇。
不良馬場で速い流れになったとはいえ、短い直線で「もう届かないか...」と思ったところから差し切ったのはさすがです。
そこから結果は出ていませんが、コスモバレットが速い流れを作るようならばこの馬の末脚が活きるのではないでしょうか。
同じく差し脚に見どころのあるアワジノサクラ、休み明けでもエイシンガネーシャまで。
◎1、エイシンニシパ
〇9、コスモバレット
▲7、エイシンデジタル
△8、アワジノサクラ
△6、エイシンガネーシャ