NAR『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』、『競馬総合チャンネル』などで地方競馬を中心に記事を執筆。グリーンチャンネル『アタック!地方競馬』『地方競馬中継』解説。1964年生まれ。
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ユメノホノオはここ1年敵なしの9連勝で高知三冠を制した。前走黒潮菊花賞はゲート内膠着かというほどの出遅れで、それでも3コーナーからデステージョを振り切った。そうした気性面での不安から遠征はせず引き続き地元戦となり、3歳馬同士なら負けられないところ。ただマイルの内枠で包まれたらという不安がないわけでもない。吉原寛人騎手が怪我で療養中のため、今回は佐賀で期間限定騎乗している北海道の石川倭騎手がどんなレースを見せるか。
デステージョは、ユメノホノオがいなければどれほど重賞を勝っていただろう。重賞未勝利が不思議なほどで、名古屋ではセブンカラーズにも重賞制覇を阻まれ、いかにも生まれた年が悪かった。それでも門別デビューから17戦すべて3着以内という安定感はすばらしい。
3番手にはグラティアスグー。C3選抜で好走し、前走C2戦を勝利という実績は、2強を別にすれば、格付け的にも最上位。
サンマルーンは黒潮菊花賞で3着も、2着デステージョから9馬身差。今回はその差をどこまで詰められるか。今年1月デビューで、春に4カ月の休養があったものの、ここまで7戦5勝、2・3着が1回ずつ。成績的にはまだ底を見せていない。
中央未勝利から転入して6戦3勝、3着以内を外したのが1度だけというタイガーミノルも3着争いなら。
◎4ユメノホノオ
◯6デステージョ
▲1グラティアスグー
△9サンマルーン
△5タイガーミノル
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エイシンヌウシペツは昨年から今年にかけての金沢在籍時は重賞出走までいかなかったものの、4月に移籍した笠松ではA級特別で4勝をマーク。笠松所属として出走した金沢スプリントカップは5着だったが、前走東海クラウンで2着好走。勝ち馬から5馬身離されたとはいえ、牝馬同士の今回のメンバーならチャンスといえそう。
実績最上位は、適材適所移籍を繰り返しながら重賞4勝のベニスビーチ。そのうち3つのタイトルが金沢でのもの。2走前から笠松所属となり、新設された牝馬重賞・撫子争覇では惜しくもクビ差2着だったが、3着エイシンヌウシペツに1馬身半差をつけて先着。ただ前走エイシンヌウシペツが2着だった東海クラウンでは見せ場のないまま7着に敗れているのがどうか。金沢1400メートルは2年前の加賀友禅賞を勝った舞台だけに、巻き返しに期待する。
地元期待はキープクライミング。8月の読売レディス杯は10着だったが、遠征馬が掲示板を占めていたようにレベルの高い一戦だった。7月以降、A1特別では3着以内を確保しており、今回のメンバーなら引き続き上位が狙える。ただ重賞の今回は加藤翔馬騎手の減量がなくなるのがどうか。
ティアップブランカは、A1昇級後はやや苦戦していたが、前走で2着キープクライミングに2馬身半差で3着。能力的にそれほど差はなさそう。
笠松のマルヨミニスターは4歳だがまだキャリア10戦。笠松転入後は5戦3勝、すべて3着以内と底を見せていない。ただ今回は相手強化で実力が試される一戦。
地元のミイヒダンサーも着実にクラスを上げ、今回重賞初挑戦でどこまでやれるか。
◎7エイシンヌウシペツ
◯5ベニスビーチ
▲10キープクライミング
△6ティアップブランカ
△12マルヨミニスター
△1ミイヒダンサー
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盛岡開催最終週の重賞は北上川大賞典。昨年から2600メートルに距離延長され、現在の地方競馬では大井・金盃とともに最長距離の重賞。どの馬にも経験の少ない距離だけに混戦となりそう。
ゴールドギアは中央では芝2000メートル以上を中心に使われオープン勝ちの実績。岩手転入後も芝重賞で上位争いの活躍だが、ダートのあすなろ賞でも2着に好走。ダートもこなせるのであれば、距離適性に期待してみたい。
スズカゴウケツは名古屋から再転入した今シーズン、前走でようやく初勝利を挙げたが、シアンモア記念、みちのく大賞典でともに2着の好走があった。2000メートル以上の実績は少ないが、調子を上げて臨むのであれば、再度好走が期待できる。
フレイムウィングスは地方に移籍してからはマイル前後を中心に使われているが、みちのく大賞典3着から臨んだマーキュリーカップJpnIIIでは着順こそ6着でも地方馬最先着。前走条件交流の東京カップけやき賞でも中央勢上位独占かという中で3着に食い込んだ。距離がこなせれば能力は上位といえそう。
このレースでメンバー中唯一、実績があるのがレールガンで、一昨年2着に昨年が3着。今シーズンは春にB1で2勝、前走A三組で勝利を挙げたまでという成績では、格付的には劣勢だが、このレースとの相性に期待する。
マイネルアンファンは大井から転入した今シーズン、岩手で10戦して3着以内を外したのは2回だけ。4年も前ではあるが、中央では東京ダート2100メートルを勝った経験があり、この距離であっと言わせる場面はあるかもしれない。
ノーブルサターンは、昨年末に大井から転入してトウケイニセイ記念、桐花賞と連勝し、今シーズンもシアンモア記念を勝った。ただその後の成績からはあまり強くは推せない。巻き返しがあるかどうか。
◎7ゴールドギア
◯10スズカゴウケツ
▲4フレイムウィングス
△5レールガン
△11マイネルアンファン
△1ノーブルサターン
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アラジンバローズは中央オープンから兵庫へ移籍し、その初戦として佐賀の鳥栖大賞に遠征。3コーナー過ぎから大井のデュープロセスとの一騎打ちを制した。中央ではあと一歩のところでオープン勝ちには至らなかったが、それでも常に勝ち馬とコンマ数秒という差で好走していた。その鳥栖大賞は佐賀への輸送があって馬体重プラス10キロ。今回はさらに仕上げてくる可能性も期待できる。
このレース連覇を狙うのが大井のコバルトウィング。条件クラスから連戦連勝だった昨年ほど順調に使われているわけではないが、それでも8月の東京記念トライアルでは、長距離得意のマンガンに半馬身差で2着は評価できる。前走東京記念で見せ場なく最下位に沈んだのが気になるところだが、東京記念トライアルで見せた能力発揮なら勝ち負けまである。前年の鞍上だった吉原寛人騎手が療養中のためか、シルクレーシング&藤田輝信厩舎で佐賀から山口勲騎手という組み合わせはめずらしい。
デュープロセスは鳥栖大賞でアラジンバローズと一騎打ちとなり、最後は力尽きて1馬身差をつけられたが、3着馬には大差をつけた。中央ではマイル以下を中心に使われていたが、2000メートルにも対応できたことでは新たな可能性を示した。今回さらに100m延長の2100mでどうか。
佐賀のヒストリーメイカーが中央からの移籍初戦で白鷺賞を制したのは今年2月のこと。地元での活躍もおおいに期待されたものの2着3着で勝ちきれないレースが続き、前走由布岳賞でようやく地元初勝利。むしろ遠征で力を発揮する場面に期待したい。
北國王冠を逃げ切って連覇したアンタンスルフレ、今年だけで重賞3勝のブリーザフレスカら地元勢が、強力遠征勢を相手にどんな競馬を見せるか。
◎12アラジンバローズ
◯2コバルトウィング
▲10デュープロセス
△5ヒストリーメイカー
△9アンタンスルフレ
△7ブリーザフレスカ
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10月14日の由布岳賞でようやく佐賀初勝利を挙げたヒストリーメイカーは、東海菊花賞(11月16日)遠征のため不在となっての地元馬同士の一戦。
サトノプライムは、南関東では2600メートルの金盃で3着があるなど、2000メートルを超える距離を中心に使われていた。そして転入3戦目で距離延長となった前走2000メートルの国見岳特別で移籍後の初勝利。今回、佐賀では年に一度の最長距離となる2500メートルなら前走以上のパフォーマンスが期待できそう。これまでも佐賀の期間限定騎乗で大活躍の石川倭騎手にも期待だ。
3歳のブレイブアモーレは、古馬重賞初挑戦となった鳥栖大賞は5着だったが、1、2着の遠征勢が圧倒的に強く、地元最先着の3着だったヒストリーメイカーにはコンマ3秒差。古馬格付となっての前走、1860メートルのB級特別では、同じ3歳のミヤノウッドリーに3馬身半差をつける快勝。2000メートルのロータスクラウン賞も勝っており、距離延長はむしろ歓迎だろう。
昨年のこのレースでグレイトパールの2着だったのがタガノファジョーロ。今年2月以降、1400メートルから2000メートルまで8戦連続で3着以内という成績で、佐賀スプリングカップは3着だったが、7月の佐賀王冠賞ではヒストリーメイカーを1馬身半差でしりぞけて重賞初勝利。前走国見岳特別では直線半ばで一旦は先頭に立ったものの、大外一気に伸びたサトノプライムに差し切られたが、今回はそのリベンジなるかどうか。
しばらく低迷が続いたウノピアットブリオだが、前走国見岳特別で、勝ったサトノプライムからコンマ5秒差の4着なら復調気配。
昨年、転入2戦目で中島記念2着と好走したシャンパンクーペだが、今年ここまで重賞では佐賀王冠賞での4着が最高という成績。前走国見岳特別でも8着に敗れており、巻き返しがあるかどうか。
ビートザウイングスは中央から転入して3戦目となった国見岳特別が5着。1戦ずつ勝ち馬との差を縮めているだけに、さらなる上昇を期待したいところ。
◎4サトノプライム
○5ブレイブアモーレ
▲1タガノファジョーロ
△9ウノピアットブリオ
△8シャンパンクーペ
△3ビートザウイングス
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