地方馬同士ではほとんど崩れることがないハクサンアマゾネスに逆らう手はなさそう。今シーズン地方馬同士の対戦で負けたのは、初戦となった金沢スプリングカップの2着だけ。それも出遅れて位置を取りに行ったらかかってしまったという、敗因ははっきりしている。このレース3連覇と重賞15勝目を狙う。
その金沢スプリングカップでハクサンアマゾネスに4馬身差をつけて勝ったのがファストフラッシュ。6月の百万石賞はハクサンアマゾネスをみずから負かしに行って直線一杯になったものの、迫るジェネラルエリアを振り切っての2着は評価できる。その後、笠松に遠征して1400メートルのサマーカップを勝ち、3カ月ぶりの実戦となった前走A1一組特別も制した。1900メートルの勝ちタイム2分2秒4(稍重)は重賞でも通用するもの。再度ハクサンアマゾネを負かす可能性も考えたい。
兵庫A級から転入して金沢では5戦4勝、2着1回と底を見せていないのがサンライズハイアー。笠松に遠征したオータムカップこそ4着だったが、そこから中9日で地元に戻ってのA1二組特別では、向正面で早め先頭に立つと、直線では手綱を抑えたままで2着に5馬身差の圧勝。それで良馬場1900メートル2分3秒5という好タイムをマーク、地元同士の重賞なら通用する。
ヴェノムは中央2勝クラスから転入して3戦2勝、2着1回。初対戦となる重賞級のメンバーを相手に上位食い込みがあるかどうか。
サクラルコールは昨年春の転入後、11戦9勝。春の金沢スプリングカップは出走取消となり、あらためて金沢での重賞初挑戦で上位争いにからめるかどうか。
3歳のキープクライミングは秋に古馬との対戦となって地元では3戦3勝と成長がうかがえる。
◎10ハクサンアマゾネス
○12ファストフラッシュ
▲2サンライズハイアー
△3ヴェノム
△7サクラルコール
△5キープクライミング
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昨年までの2500メートルから、競馬場が移転したことで2100メートルに距離短縮となった名古屋グランプリ。小回りの長距離戦ということでは求められる適性は変わらず、そのようなところを狙って使われているのがケイアイパープル。前走浦和記念JpnIIはスタートが決まらず位置取りを悪くしてそのまま見せ場をつくれなかったが、白山大賞典JpnIIIのあと、もともと目標はここ。浦和記念JpnIIから中1週は、それを調教代わりと見ればむしろ調子を上げて臨んでくると見る。
そのケイアイパープルと同じローテーションで臨んでくるのがラーゴム。今回と同じ2100メートルの白山大賞典JpnIIIではケイアイパープルを追いかけて差を詰められずというレースだったが、早めに好位をとれば逆転も十分ありそう。芝のオープン特別まで勝ちながら、ダートに転向して今回が6戦目。まだ4歳なだけにダートでの伸びしろはまだまだありそう。
旧・名古屋競馬場で行われた最後の重賞となった名古屋大賞典JpnIIIで連覇を果たしたのがクリンチャー。芝のGII(京都記念)を勝っている実績で、メンバー中唯一別定1kg増の57kgを背負っての影響はどうだろう。
3歳のペイシャエスは、日本テレビ盃JpnII・4着、JBCクラシックJpnI・3着と好走しているが、日本テレビ盃JpnIIが53kgという軽量で、JBCクラシックJpnIは定量で古馬より2kg減の55kg。今回も55kgだが、クリンチャー以外の古馬は56kgと1kg差しかなく、条件は厳しくなった。
白山大賞典JpnIIIで4着だった大井のセイカメテオポリス、ダート3勝クラスを勝ったまでのヴァンヤールらは連下争いまであるかどうか。
◎1ケイアイパープル
○2ラーゴム
▲12クリンチャー
△9ペイシャエス
△3セイカメテオポリス
△8ヴァンヤール
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3歳時のダイヤモンドカップ以来重賞タイトルがら遠ざかっているグランコージーは、南関東から戻っての初戦シアンモア記念が2着だったが、勝ったヴァケーションに3/4馬差で、1馬身半差3着がゴールデンヒーラーというメンバーなら負けて強しの内容。今回は明らかにメンバーが楽になった。2、3歳時の重賞3勝がいずれもマイル戦で、前走もマイルのA一組特別を勝利。2020年から21年にかけての冬は連日のように雪で開催が取り止めとなり、マイル重賞の白嶺賞、トウケイニセイ記念が実施されたなかったのは、グランコージーにとっては残念だったことだろう。あらためて水沢マイルの好条件で3歳時以来の重賞制覇に期待がかかる。
中央3勝クラスから転入したヴォウジラールは、3戦目の晩秋特別では、逃げ切ったグランコージーにゴール前1馬身差まで迫った。初めての小回り水沢コースがこなせれば逆転まである。
大井からの転入初戦として臨むノーブルサターンは、1年半ほど掲示板から遠ざかり、特に近走は後方ままというレースが続いているが、それでも南関東の重賞やオープン特別で勝ち馬から1秒程度の差はたびたび。ここならいきなりでも通用しそう。
セイヴァリアントも大井から転入して水沢コースは今回が初めて。盛岡ではマイル戦を中心に7戦して6連対。青藍賞では1番人気の評価を受けており(4着)、ここでも能力的に差はない。
8歳のリリーモントルーはここ1年ほとんど連対を外すことなく、2走前の金華特別で4着があっただけ。マイルの距離も実績十分。
短距離を中心に使われてきたカミノコだが、今年7月の大井から転入初戦となった盛岡マイル戦ではリリーモントルーに1馬身半差の2着。3着馬には8馬身差をつけた。この馬も水沢コースは初めてとなるが、スピードが生かせる馬場になればチャンスはありそう。
◎5グランコージー
○3ヴォウジラール
▲8ノーブルサターン
△4セイヴァリアント
△6リリーモントルー
△10カミノコ
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10月9日の有明海特別、10月30日の佐賀オータムスプリントで勝ち星を分け合ったスパーダ、タガノキトピロに、大井から再転入初戦の筑後川特別を楽勝したダイリンウルフと、3頭甲乙つけがたい争いとなりそう。
タガノキトピロは2020年秋に中央1勝クラスから転入し、佐賀では18戦14勝。3着以内を外したのは昨年の吉野ヶ里記念(7着)だけ。ここ2走、向正面で位置取りを上げていくときの手応えが抜群で、特に有明海特別では馬が行きたがるのを田中純騎手がなんとか抑えてというレースぶり。安定して能力を発揮し崩れることがないが、スタートに不安があり、前走2着はスタートで後方に置かれてしまったぶんもあった。普通に走れば能力最上位。
スパーダは中央オープンから大井を経由して転入し、5戦3勝、2・3着各1回。前走佐賀オータムスプリントは直線タガノキトピロとの一騎打ちで競り落とした。◎との勝ち負けは展開ひとつ。
ダイリンウルフは大井から再転入初戦だった前走が、抜群の手応えのまま3〜4コーナーを大事に外を回して直線後続を振り切った。大井ではB2クラスまでだったが、確実に力をつけて戻ってきた。
ミスカゴシマは、一昨年、昨年と吉野ヶ里記念連覇があるように、古馬になってからは1400メートルの舞台で高い能力を発揮してきた。ただここ3戦が案外の結果だけに、調子を戻しているかどうか。
サンドスピーダーは、前走筑後川特別ではゲート内膠着したかというほど出遅れたが、4コーナーからはダイリンウルフを追うように伸びて2着を確保。連下争いなら。
キタカラキタムスメはムラのある成績だが、今年の吉野ヶ里記念で2着があったように、得意のこの距離なら穴として狙うのもおもしろそう。
◎3タガノキトピロ
○2スパーダ
▲1ダイリンウルフ
△10ミスカゴシマ
△5サンドスピーダー
△8キタカラキタムスメ
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定量戦ゆえ格付け上位馬が当然有力となり、過去5年の成績を見ると、1〜3番人気馬のうち2頭が馬券にからんだのが4回と、まずは上位人気馬が中心。ただ毎年1頭は5番人気の以下も馬券にからんでおり、ヒモ荒れも考えておきたい。
今回のメンバーで格付け最上位はピュアリーナナセ。B2特別を勝って、メンバー中唯一B1格付けでの出走。黒ユリ賞を制し、ばんえい大賞典でも3着と、重賞実績でも最上位。ただ能力的に抜けているというほどでもなく、10コースということもあり、あくまでも連軸。
相手筆頭はサツキヤッテマレ。黒ユリ賞3着に、イレネー記念では牝馬最先着の5着という重賞実績。夏以降、着実に入着を重ねてB4からB3へとクラスを上げてきた。
ピュアリーナナセが勝ったB2特別のサロマ湖特別は3歳牝馬が3着まで独占し、2着シンエイアロイ、3着ニシキマリンは、ここでも上位争いが期待できる。
ホクセイサクランボは、B3クラス3連勝でB2昇級戦となった前述サロマ湖特別は8着だったが、障害次第の面があり、すんなり越えられれば上位を狙える。
ダイヤカツヒメはB3昇級初戦の前走が5着だったが、黒ユリ賞で2着の実績があり、人気がなければ穴としての魅力あり。
◎10ピュアリーナナセ
○3サツキヤッテマレ
▲5シンエイアロイ
△7ニシキマリン
△4ホクセイサクランボ
△2ダイヤカツヒメ
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