NAR『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』、『競馬総合チャンネル』などで地方競馬を中心に記事を執筆。グリーンチャンネル『アタック!地方競馬』『地方競馬中継』解説。1964年生まれ。
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芝の走路状態の回復には相当な時間がかかることから、盛岡での今シーズンの残りの芝レースはすべてダート変更で行われることが発表された。今年、盛岡の芝レースは、6月30日から7月21日まで、わずか8レースが行われたのみ。重賞は3歳馬のサファイア賞と、古馬のいしがきマイラーズだけ。例年たくさん行われている芝の2歳戦は、7月14日のファーストステップのみだった。
今回も南関東から芝を求めてエントリーしたと思われる馬が5頭。なかでもこのレース3連覇がかかるアトミックフォースにとって、このダート変更は相当にがっかりだっただろう。ほかにもヴィゴーレは昨年せきれい賞を勝っており、今年せきれい賞連覇が期待されたがダート変更で3着だった。
そして芝を試してみたかったのであろう、マンダリンヒーローは、せきれい賞に続いてハシゴを外された形になった。芝で行われるはずだったせきれい賞でも本命にしたのだが、あらためてマンダリンヒーローに期待する。水の浮くダートで行われたせきれい賞では、残り100メートルで先頭に立ったライアンをとらえきれず3/4馬身差で惜しくも2着。2歳時のハイセイコー記念以来勝ち星がなく、しかしアメリカ遠征も含めて、これで3歳以降重賞で2着が6回(ほか特別戦でも2着1回)。そのうち盛岡ダートも2戦とも2着と適性があることは間違いない。今度こその重賞タイトルを期待だ。
相手筆頭はヴィゴーレ。せきれい賞は3着だったが、2着マンダリンヒーローに3/4馬身差。近走、南関東のA2以下特別で常に勝ち負けという成績なら、ここでは能力上位。
アトミックフォースは、芝ならおそらく1番人気になったのではないか。ダート変更となったせきれい賞は5着だったが、それでも勝ち馬とはコンマ5秒差。ただ今年の南関東のダートでの走りからは、◎◯との比較ではやや分が悪い。
地元馬の登録が、ダート変更が発表される前だったのか後だったのかはわからないが、ダートならグランコージーに期待。赤松杯、シアンモア記念と連勝したマイル戦なら南関東勢とも互角の勝負も可能。
せきれい賞を勝ったライアンは、逆に距離短縮では割引。
ビジンは中央から浦和移籍初戦のA2下特別が馬体増で6着だったが、仕上げてくれば上位争いも。
◎6マンダリンヒーロー
◯12ヴィゴーレ
▲8アトミックフォース
△1グランコージー
△3ライアン
△11ビジン
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エイシンヌウシペツは昨年のこのレースでは古馬重賞初挑戦で7番人気と軽視されたが、勝ったレイジーウォリアーからそれほど差のない3着に好走。その後、年末年始にやや落ち込む時期もあったが、休養明けの今シーズンはここまで3戦オール連対。前走サマーカップは5番人気とやや軽視されながらも、逃げたセイルオンセイラーをぴたりとマークして直線で競り落とした。引き続き笠松1400メートルの舞台なら重賞連勝のチャンスだ。
そしてこのレース連覇を狙うのがレイジーウォリアー。その後、重賞では結果が出ていないが、笠松グランプリ、白銀争覇は遠征勢が強く、お松の方賞は金沢への遠征。東海勢同士なら連覇も狙える。
ナリノクリスティーは昨年のこのレース7着で、そのほかの重賞でもこれまで結果がでていない。とはいえ3月以降、笠松A1〜A2の特別戦を5戦して2勝、2着2回と好調。その勢いならここでも上位も狙えそう。
ネオアマゾネスは金沢時代に牝馬重賞・徽軫賞連覇の実績。昨年6月に移籍した名古屋ではあまり結果は出なかったものの、今年笠松に移籍した2月以降は9戦して3着以内を外したのは重賞の2戦だけ。前走、A2特別でも僅差の2着で、今回は相手強化となるが、東海地区の牝馬同士ならあらためての期待だ。
ペップセは、昨年3歳時にクイーンカップ、岐阜金賞と重賞2勝。古馬重賞初挑戦となった前走名港盃は7着だったが、距離短縮のここで巻き返したいところ。
◎5エイシンヌウシペツ
◯2レイジーウォリアー
▲12ナリノクリスティー
△11ネオアマゾネス
△3ペップセ
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走路状態悪化により芝からダート変更となった2歳馬による若鮎賞。とはいえ芝経験があるのがエイシンダリア1頭だけというメンバーなので、予想はむしろしやすいといえそう。
6月30日の盛岡ダート1400メートル戦の1〜5着馬が揃って出走しての再戦。デビュー戦を大差で圧勝していたポマイカイは、そのレースでは逃げたものの直線でサウザンドマイルに交わされ1馬身差で2着だったが、デビュー戦もそうだったように、スタート後はスピードにまかせて行ききってしまい、直線ではフワフワとしていた。適性は短距離という可能性も捨てきれないが、前半のスピードをうまく抑えて子供っぽさが解消すれば能力的にはこの馬が上位とみる。
サウザンドマイルの初戦は、前半頭を上げてしまってハミがかからず、それでもなんとか2着を確保した。2戦目の前走はまじめに走ってポマイカイを差し切った。こちらは距離伸びて良さそうなタイプだけに、マイル戦は再度この馬に有利という可能性はある。
唯一芝を経験しているエイシンダリアは、そのデビュー戦が1000メートル1分を切る59秒9の好タイム。そのスピードが時計の出やすい盛岡のダートでも生かせればチャンスはある。予定通り芝で行われていればこの馬が人気の中心だったかもしれない。
ステイクラッシーのデビュー戦の勝ちタイム52秒0は、この世代の2歳戦でこれまで水沢850メートル戦が4戦行われた中での最速タイ。同タイムだったのは、サウザンドマイルが2着だったレースを勝ったラポジート。一気の距離延長に対応できれば勝ち負けまでありそう。
フタイテンホイールは、デビュー戦がポマイカイに大差をつけられて2着。しかし前走盛岡1400メートル戦3着の走破タイム、良馬場1分30秒6は、サウザンドマイルの前走の勝ちタイムより0秒6遅いだけ。能力的にはそれほど差はないかもしれない。
マツリダマスラオの前走は、◯◎から離されての3着。その差をどこまで詰められるか。
◎10ポマイカイ
◯2サウザンドマイル
▲8エイシンダリア
△7ステイクラッシー
△5フタイテンホイール
△4マツリダマスラオ
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降り続いた大雨によってこの開催の芝のレースはすべてダートに変更されての実施となった。
門別デビューのマイベネラブルはJBC2歳優駿JpnIII・7着という実績から船橋に移籍。半年のブランクがあったが、5月の船橋初出走から3連勝。2走前の条件戦は好位から直線抜け出して圧勝。前走3歳一組特別はゴール前接戦となったがハナ差で勝利。その2戦とも1500メートルだったことを考えれば、盛岡ダート1600メートルという条件でも能力を発揮しそう。2歳時に盛岡芝のジュニアグランプリに遠征したものの6着。それ以来の盛岡芝挑戦のはずだったが、船橋移籍後の走りを見ると、今回のダート変更はむしろプラスではないだろうか。
コンバットスプーンは冬季の浦和移籍から岩手に戻って今回が初めての芝になるはずが、ダート変更はこの馬にとってもむしろ好転と思える。2歳時はネクストスター盛岡で、差をつけられたとはいえフジユージーンの2着。3歳になってからはフジユージーン不在のイーハトーブマイル、ウイナーカップでともに2着好走。距離適性面でも能力を発揮するのはマイルまで。
盛岡芝のジュニアグランプリで2着があるルーラーオブダートは、今回も芝で走りたかったことだろう。東京ダービーチャレンジは大敗だったが、大井1600メートルで3着、2着と好走している。
中央未勝利から転入したラブショックは、ここまで水沢・盛岡のダートで6戦3勝、2着2回、3着1回。今回は南関東からの遠征馬も含めた相手強化でどこまでやれるか。
ベルベストランナーは中央未勝利からの転入初戦。芝で3着が2回あり、ダート1800メートルでも勝ち馬と0秒2差の3着があった。その成績からはいきなりでも通用しそうだが、近2走の大敗が気になるところ。
岩手生え抜きのティーエスフェアリは、ここまで3勝、2着2回で3歳B1まで好成績。遠征馬は強力だが、今回の岩手同士のメンバーなら通用しそう。
◎8マイベネラブル
○10コンバットスプーン
▲2ルーラーオブダート
△1ラブショック
△4ベルベストランナー
△6ティーエスフェアリ
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テイエムフェローは中央2勝クラスから転入して7戦5勝。佐賀では初めての特別戦だった3走前の六角川特別では3着に敗れたが、1番枠でレース中盤まで内に閉じ込められ、4コーナーで、さあここからというとき、前の馬と接触しそうになって(していたかもしれない)一旦引く場面があった。それでも直線ではしっかり伸びていたので、着順ほどは負けていない。その後、1800メートルの佐賀スプリングカップ、1300メートルの佐賀がばいスプリントと重賞を連勝。その佐賀がばいスプリントは、3コーナーからアビエルトに直後につかれ、3番手以下を離しての一騎打ちとなったが、直線でも並びかけられることなく着差は1馬身1/4。その差はどこまでいっても詰まらないような感じでの完勝だった。重賞3連勝の期待だ。
アビエルトは、その佐賀がばいスプリント2着が中央3勝クラスからの転入初戦。続く前走大分川賞ではすんなりハナをとると、終始手応えは楽なまま。直線では軽くムチを入れただけで2着タケノサイコウに4馬身差をつける楽勝だった。中央時代は芝での実績。佐賀でレースを重ね、馬場への慣れもあれば、テイエムフェローを逆転という可能性もある。
フェブキラナは、佐賀がばいスプリントでは上記2頭に差をつけられての3着。とはいえ近5走で負けたのはそれだけと好調。前走遠賀川賞は不良馬場とはいえ1400メートル、1分27秒6という好タイムで制した。今回はどこまで差を詰められるか。
佐賀がばいスプリント上位組に食い込む可能性は、中央2勝クラスから転入3戦目となるテイエムファルコン。初戦こそ2着に敗れたが、前走ラベンダー特別は3コーナーで先頭に立つと直線後続を突き放して圧勝。B級とはいえ余裕を持った強い勝ち方だった。
テイエムフェローが3着に敗れた六角川特別を制したのがシゲルタイタン。ここ2戦が5着、5着と着順こそいまひとつだが、前走遠賀川特別では、勝ったフェブキラナにコンマ4秒差。それほど差はない。
◎5テイエムフェロー
◯4アビエルト
▲6フェブキラナ
△9テイエムファルコン
△8シゲルタイタン
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