2015年までは1着賞金が200万円だったのが、その後は徐々に上昇して、2020年からは700万円。全国交流で賞金が上がると、当然のように南関東からそれなりのレベルの馬の遠征が増える。ここ2年は吉原寛人騎手で川崎のアイアムレジェンドが連覇し、そして南関東が3着まで独占という結果。今年も南関東勢は大井から3頭が遠征してきた。
しかし、今回は六甲盃でアタマ差の接戦を演じた高知・グリードパルフェと、兵庫・ラッキードリームの勝負となりそう。
その六甲盃は、3コーナーから3着馬を離して一騎打ちとなり、直線で一旦はラッキードリームが出たような場面もあったものの、グリードパルフェが差し返した。2周目のスタンド前で先に動いたグリードパルフェが結果的に内を回ることになり、小回りコースではそのわずかな差が明暗を分けたと思われる。
グリードパルフェは今年4戦いずれも他地区への遠征で3着以内と好走を続けているが、一方のラッキードリームも兵庫移籍後、連対を外したのは中央馬相手の東京大賞典GIと佐賀記念JpnIIIだけ。戦ってきた相手との経験から、あらためてラッキードリームを上にとった。
大井のウラノメトリアは、その六甲盃では◎○の一騎打ちから離れた4着。昨年の北國王冠では2着があったが、南関東の重賞では4着が最高という成績。今回も上記2頭には胸を借りる立場か。
ジャパンダートダービーJpnIを含めダートグレード3勝のダノンファラオは大井に移籍して5戦目。今回、初めて的場文男騎手での遠征となった。7月28日の橘オープン(川崎)では2着ウラノメトリアから差のある6着。順序付けではやはり4番手評価だが、川原正一騎手に最年長重賞勝利記録を更新された的場騎手がなんとかしてくれないだろうか。
地元勢では中央オープンから転入してA1特別2勝のトランスナショナルに食い込む余地があるかどうか。
◎8ラッキードリーム
○1グリードパルフェ
▲4ウラノメトリア
△3ダノンファラオ
△7トランスナショナル
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グランダム・ジャパンの初年度、2010年には地元岩手所属馬が勝ったものの、それ以降は遠征馬の勝利が続いているこのレース。今回も地元馬は1頭のみで7頭立て。南関東から5頭、北海道から1頭が遠征してきた。
大井のノーブルシルエットは中央でオープン昇級後の3戦、いずれも勝ち馬と1秒以内の差という成績で大井に移籍。初戦となったスパーキングレディーカップJpnIIIでは着順こそ5着だが勝ち馬と0秒5差。前走フリオーソレジェンドカップは、スタートで外からカジノフォンテンに被され、その後2番手でうまく外に出したもののキャッスルトップに直後で突かれる厳しい展開。その先行3頭は総崩れという結果だけに度外視としていいだろう。地方の牝馬限定、しかも7頭立てとメンバーはかなり楽になった。
相手筆頭はサルサレイア。2年以上馬券圏内がないが、出走しているのは牝馬同士のダートグレードか南関東の重賞がほとんど。それでも4着5着はたびたびあり、勝ち馬との差も多くが1秒前後。7頭立ての少頭数でもあり、今回のメンバーなら久々の馬券圏内も期待できそう。
北海道から遠征のレスペディーザは、ノースクイーンカップではサルサレイアを4着にしりぞけて勝利。とはいえ戦ってきた相手関係や経験からサルサレイアのほうを上にとった。
ティーズハクアは、昨年2月以降、勝ち星から遠ざかっているとはいえ、2着が7回。その中には、昨年の浦和・桜花賞、ロジータ記念でスピーディキックの2着も。今回は相手がかなり楽になった。
中央3勝クラスから大井に移籍したベルゼールも連下争いなら。
◎6ノーブルシルエット
◯4サルサレイア
▲5レスペディーザ
△1ティーズハクア
△7ベルゼール
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7月31日に行われた920メートルのA1特別・スフェーンオープンの上位馬が中心になりそう。そこで1番人気に支持され2着だったウェーブメジャーだが、好スタートを切ったものの外枠ゆえ、内枠の馬たちにつっぱられて3〜4コーナーで大外を回されるロスは大きかった。今回は1番枠だけに前回のような好スタート切ってすんなりハナなら前回の雪辱が叶いそう。
金沢のスターオブケリーは、ここまで4勝のうち3勝が門別・船橋での1000メートル戦。浦和所属時には盛岡に遠征して1200メートルのハヤテスプリントを逃げ切った。日本海スプリントは4着だったが、スタートで微妙に出負けし、1番枠ゆえ展開的に厳しくなった。名古屋コースは東海クイーンカップで逃げて2着に好走した経験があり、今回は能力を発揮できる舞台だ。
アオイスイセイは、スフェーンオープンでは3〜4コーナーでも主張してハナを取り切り、最後はウェーブメジャーを振り切った。これで名古屋920メートル戦、3月3日のアメジストオープンに続いて2戦2勝。ただその2戦とも女性騎手の2キロ減があってのもの。引き続き宮下瞳騎手だが、今回は重賞ゆえに減量がないのは条件的に厳しいかもしれない。
ウィップラッシュは、日本海スプリントではスターオブケリーに先着する2着で、スフェーンオープンが3着。ここでも上位を狙える。
昨年のこのレースで3着だったヒロシゲウェーブは、今年6月には1400メートルの飛山濃水杯制した。ベストは1400メートルと思われ、あらためて920メートルでどうか。
名古屋920メートル初挑戦となるメテオスウォーム、前走C1特別ではあるが920メートルの勝ちタイムがスフェーンオープンとまったく同じだったシャノンファンキーらも上位争いが期待できそう。
◎1ウェーブメジャー
○7スターオブケリー
▲3アオイスイセイ
△2ウィップラッシュ
△5ヒロシゲウェーブ
△10メテオスウォーム
△9シャノンファンキー
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今年春までは重賞であとひと押しが足りなかったアポロティアモだが、5月から4連勝で福永洋一記念、トレノ賞を勝利。そのなかでモダスオペランディを2度続けて負かしたことでは、ここに来ての充実ぶりを示している。またその連勝では、今回の出走メンバーにはそれなりの差をつけて負かしており、ここも敗けられない一戦。
今年春に1600メートル戦を連勝したガルボマンボだが、1900メートルの二十四万石賞を制したあと、1600メートルの福永洋一記念、カレンブラックヒル賞では、アポロティアモ、モダスオペランディに完敗といえる内容。また1400メートル以下では昨年3歳秋以降、馬券圏内がなく、やはり適距離は中距離以上といえそう。とはいえ今回、アポロティアモ以外、近走重賞ではやや力不足というメンバーだけに、絶対能力の差で見せ場はありそう。
トレノ賞では、勝ったアポロティアモから3馬身ほどの差で3着がグッドヒューマーで、そこから2馬身差4着がサノハニー。1400メートルの御厨人窟賞で2着アポロティアモに半馬身差と迫った経験でサノハニーを上にとったが、能力差はない。
このレース連覇のかかるアメージングランだが、休養明け2戦が差のある結果で、昨年ほどの勢いまではどうか。ただ今年1月には大高坂賞でモダスオペランディの2着、黒潮スプリンターズカップでもイグナイターの2着があり、状態上向きなら上位進出もありそう。
◎4アポロティアモ
○9ガルボマンボ
▲2サノハニー
△1グッドヒューマー
△10アメージングラン
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転入初戦として姫路に遠征した白鷺賞で、ジンギをアタマ差でねじ伏せたヒストリーメイカーだったが、その後は勝ち星に至らず。とはいえ、佐賀スプリングカップはリュウノシンゲンの2着、園田に遠征した六甲盃は3着、そして前走佐賀王冠賞はタガノファジョーロの2着。勝てないながらも見せ場はつくっていて、佐賀スプリングカップ、佐賀王冠賞で先着された2頭が今回不在とあれば、ここは敗けられない一戦だ。
第1回、第2回とこのレース連覇を果たしたあと、いまひとつのレースが続いていたドゥラリュールだが、前走で久々の勝ち星となって復調気配。一昨年の勝ちタイムが不良馬場で1分54秒1、昨年が重馬場で1分54秒7、そして前走が同じ1750メートルの稍重で1分54秒9。その前走の勝ちタイムからも、過去2年と同じようなパフォーマンスが期待できそう。
サトノプライムは船橋から転入初戦だった前走・脊振山特別で2番人気に支持されるも5着だったが、今年前半では南関東の2000メートル級のオープン特別で勝ち馬から1秒以内の差で走っており、その能力ならあらためて期待してみる手はある。
中央オープンから転入したシャンパンクーペは昨年の中島記念で2着好走。前走・佐賀王冠賞は4着だったが、中団から早めに仕掛けて3コーナーあたりでは前をとらえようかという場面があり、ヒストリーメイカーやドゥラリュールに先着されたものそれほど差はなかった。展開ひとつで逆転も期待できそう。
吉野ヶ里記念2着だったエスケイファースト、同3着だったミスカゴシマは、中距離でも実績がないわけではなく、あらためてこの距離でどうか。
◎8ヒストリーメイカー
○5ドゥラリュール
▲10サトノプライム
△7シャンパンクーペ
△1エスケイファースト
△3ミスカゴシマ
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