
金沢の古馬重賞は、通常であれば中日杯で一区切りとなるが、今年は競馬場移転50周年記念ということで重賞がシーズン途中に設定された。
ハクサンアマゾネスは12月3日の中日杯を制して重賞20勝目。国内重賞最多記録となっているカツゲキキトキトに並んだ。ここを勝てば記録更新となる。ただハクサンアマゾネスに地元1500メートルは鬼門のコース。そもそもスタートがよくないのだが、なぜか1500メートルではさらによくないという。それゆえ取りこぼしたのが2021年の徽軫賞だ。昨年11月のお松の方賞でも出遅れて最後方からとなり、勝つには勝ったが、牝馬限定戦で相手関係を考えれば物足りない内容だ。以降、地元の1500メートル戦は使われていない。本来であれば地元の大将格として遠征馬を迎え撃つ立場の読売レディス杯にも出走せず、同時期に行われている兵庫サマークイーン賞に遠征した。しかしながら今回は吉原寛人騎手が復帰しての一戦でもあり、ここは出遅れて最後方からになっても負けられない一戦だ。
相手筆頭は中日杯2着だったテトラルキア。そのときが、早めに抜け出したハクサンアマゾネスを追ったが3馬身差。ハクサンアマゾネスには前述のようなウィークポイントがあり、よほど苦しいレースになれば付け入る隙もありそうだ。
中央オープンから転入したオヌシナニモノは春に5連勝。その勢いを思えば、夏休みを挟んでの秋3戦は案外の成績。しかしながら1500メートルの金沢スプリングカップを制しており、復調すればこの馬にもチャンスは出てくる。
中日杯4着だった3歳牝馬ダイヤモンドライン、中央未勝利から転入してB2まで5連勝中のジェネロジテらは、まだまだ胸を借りる立場だろう。連下まであるかどうか。
◎4ハクサンアマゾネス
◯2テトラルキア
▲6オヌシナニモノ
△5ダイヤモンドライン
△7ジェネロジテ
移転50周年記念金沢ファンセレクトカップの出走表はこちら
なかなか勝ちきれないヒストリーメイカーだが、10月14日の由布岳賞が地元初勝利。とはいえ向正面でレースをやめてしまったはがくれ大賞典以外、佐賀転入後は遠征も含めて3着以内を外していない。勝てずとも連軸としては信頼できる。
7歳ながら安定して力を発揮するようになったのがタガノファジョーロ。今年2月以降、B級から3着以内を外すことなく重賞2勝。佐賀王冠賞では水の浮く馬場を直線大外から豪快に追い込み、九州大賞典では直線ブレイブアモーレとの追い比べを制した。勢いならこの馬が一番かもしれない。
3歳から唯一挑戦はブレイブアモーレ。九州ダービー栄城賞は2着だったが、その後は古馬との対戦も含め、3着以内を外したのは鳥栖大賞だけで、それも地元馬だけなら3番目の入線で、3着ヒストリーメイカーとコンマ3秒差だった。前述のとおり九州大賞典でのタガノファジョーロとの追い比べは見ごたえがあった。
ドゥラリュールは昨年九州チャンピオンシップを制し、今年はミスカゴシマ、ヒストリーメイカーとそれほど差のない3着だった。成績にややムラはあるが、良績は1750/1800メートルに集中している。
前走宝満山特別で4コーナー5番手からまくって差し切ったグローリーも展開が向けば再度の大駆けもありそう。
ロンドンテソーロは短距離のみの実績だが、能力は高い。スローの逃げに持ち込んでの瞬発力勝負なら可能性はありそう。
昨年8番人気ながら3着に入ったミスカゴシマは、最近はズブくなったのか1400メートルより中距離で好走という場面があるので侮れない。
◎9ヒストリーメイカー
◯6タガノファジョーロ
▲11ブレイブアモーレ
△1ドゥラリュール
△10グローリー
△5ロンドンテソーロ
△3ミスカゴシマ
中島記念の出走表はこちら
"スタートが遅い逃げ馬"テリオスベルが出てくるとレースがおもしろくなる。今回はおそらく逃げるであろうミトノオーをどこでとらえて先頭に立つか。メイショウフンジンもスタート次第では先行するかもしれない。そうした展開で前が早めに動けば、後方からロングスパートが持ち味のディクテオンに展開が向きそうだ。前走は直線の短い浦和コースでも、2コーナーを回ったところから動いていって、4コーナーでミトノオーをとらえて突き放した。前の展開が早くなればなるほど、この馬の持ち味が発揮できそうだ。
グランブリッジも中団から直線勝負というタイプだけに、今回のメンバーなら展開が向きそう。ダートグレードでは牡馬と初対戦だが、近年のダート牝馬のレベルからは通用するとみる。
メイショウフンジンは54キロだった白山大賞典JpnIIIではマイペースの逃げに持ち込み、ウィルソンテソーロに半馬身差の2着と食い下がったが、56キロの前走浦和記念JpnIIはディクテオンからかなり離されての5着。今回も同じ56キロでどうか。展開ペース次第で粘り込む可能性はありそう。
ミトノオーは逃げてもレース序盤からテリオスベルに絡まれるようだと展開的に厳しいとみて△まで。
今年地方重賞3連勝で本領発揮となったセイカメテオポリスはダートグレードでも好走を期待したいところ。
テリオスベルは今年のマーキュリーカップJpnIIIやブリーダーズゴールドカップJpnIIIのように早めに主導権をとれれば自分の展開に持ち込めるが、ミトノオーやメイショウフンジンが先行するであろう今回は、それほど楽なレースにはならないのではないか。
◎12ディクテオン
◯6グランブリッジ
▲11メイショウフンジン
△4ミトノオー
△10セイカメテオポリス
△1テリオスベル
名古屋グランプリの出走表はこちら
セキフウは今夏のエルムステークスGIIIが、2歳時の兵庫ジュニアグランプリJpnII以来1年8カ月ぶりの勝利。日本テレビ盃JpnIIでもウシュバテソーロの4着は好走といえる内容。3歳以降は1600〜1800メートルを中心に使われているが、園田1400メートルは兵庫ジュニアグランプリJpnIIを勝った舞台。ケイアイドリーのトップハンデ59.5キロに対して58キロなら斤量的にもチャンスといえる。先日怪我から復帰し、エルムステークスGIIIの鞍上でもあった武豊騎手にも期待だ。
マルモリスペシャルは前走ギャラクシーステークスで初騎乗となった田口貫太騎手が見事に直線差し切りを決めた。地方コースは条件交流で門別の経験が1度あるだけだが、田口騎手は笠松7勝、園田でも1勝と小回りコースをかなり経験しているだけに、この舞台でも期待できそう。
このレースは過去22回すべてJRA勢が勝っているが、ハンデ戦でもあり、近10年で地方馬は2着・3着各5回と好走は多数。今回地方馬での期待は地元のタイガーインディ。前走が転入4戦目での初勝利だが、園田1400メートル(良)の勝ちタイムが1分28秒1。近年のこのレースの勝ちタイムが1分27秒前後で、今回はその前走より3キロ軽い53キロというハンデなら上位争いの可能性は十分。
55キロでサマーチャンピオンJpnIIIを制したサンライズホークだが、このメンバー相手に今回57キロでどうだろう。
道営スプリントを制したスティールペガサスは、北海道スプリントカップJpnIII・3着、クラスターカップJpnIII・5着というグレード実績があるが、2歳時の兵庫ジュニアグランプリJpnII(4着)以来となる園田1400メートルの舞台でどうだろう。
北海道スプリントカップJpnIIIを制したケイアイドリーだが、その後の東京盃JpnII、JBCスプリントJpnIが一線級相手とはいえ案外な成績。それでトップハンデ59.5キロはいかにも厳しい。連下争いまで。
◎10セキフウ
◯6マルモリスペシャル
▲2タイガーインディ
△9サンライズホーク
△7スティールペガサス
△3ケイアイドリー
兵庫ゴールドトロフィーの出走表はこちら
キモンリッキーは大井C1から転入して9戦6勝。目下3連勝中と好調だ。前走、同条件の水沢1400メートルで1分27秒0も好タイム。内で主張する馬がいなければ逃げ切りもありそう。
相手には前走7馬身差の圧勝で覚醒したかというアマルインジャズ。水沢1600メートルの外枠でもハナを主張すると、後続を寄せ付けず直線独走。2走前の8着は1000メートル戦だけに度外視。9月には水沢1300メートルのオープン・ハヤテ特別で3着好走があるだけに、このクラスなら再度あっさりという場面も。
フェザーノユメは今シーズン、B1級で安定上位。前走は7着だったがA二組特別だけに、このクラスなら度外視としていいだろう。ただ今シーズンは水沢でも盛岡でも1600メートルのみを使われてきて、1年ぶりとなる1400メートルがどうか。
マルケイマーヴェルは、準重賞のフェアリーカップで一昨年、昨年と連覇し、今年は2着だったが、勝ったのがゴールデンヒーラーでは相手が悪かった。水沢1400メートルは4月にスプリント特別での勝利があるだけに、このクラスでは能力上位。
前走同舞台で1分27秒3の好タイムをマークしているグローサーベア、前走A二組で3着好走のマルケイアロー、盛岡好成績だが水沢でどうかというトキノワンカラットまで、それほど能力差のない混戦。
◎7キモンリッキー
◯1アマルインジャズ
▲5フェザーノユメ
△6マルケイマーヴェル
△11グローサーベア
△12マルケイアロー
△2トキノワンカラット
ゴールデンジョッキーズシリーズ第2戦の出走表はこちら