
佐賀の今開催のS2重賞は、先週末に行われたのが、A1級馬による鏡山賞(2000メートル)と、A2級馬による嘉瀬川賞(同)で、今週末は、7日にB級馬による1800メートルの黒髪山賞、8日に同じくB級馬による1400メートルの春望賞が行われる。
11頭で争われる黒髪山賞は、2月7日の如月賞から6頭が出走。1番人気で3着に敗れたダイワボルドーだが、前半ずっと掛かりまくって鞍上の鮫島克也騎手は抑えるのに必死。向正面でペースが上がってようやく流れに乗れたが、この馬の実力は発揮できなかった。連勝は4で途切れたが、今回は巻き返すと見る。
相手には、その如月賞を制して3連勝としたキョウワカイザー。3番手から直線抜け出しての完勝で、このメンバーではやはり能力上位。
テッドは昨年3歳時、飛燕賞、九州ダービー栄城賞はともに2着で、S2重賞の夏至賞を制したまで。以降は古馬に格付けされて2着を外すことなくじわじわとクラスを上げ、前走がB-2組特別で2着。まだまだ上を目指せそう。
如月賞で2着だったウインベルカントは、移籍2戦目での上昇に期待。エーシンプローストも、兵庫から転入後6戦連続連対とまだ底を見せていない。
◎10ダイワボルドー
◯6キョウワカイザー
▲1テッド
△11ウインベルカント
△4エーシンプロースト
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現在では年に一度だけの舞台となっている園田2400メートル戦。昨年のこのレースで重賞初制覇だったハルイチバンに連覇の期待がかかる。その後の重賞では2着が3回など勝ち切れなかったが、負かされた相手がオオエライジン、タガノジンガロ、トーコーニーケという、ダートグレード実績がある馬ばかり。新春賞は4着だったが、これはスタートで躓いて大きく出遅れてのものだけに参考外。前走兵庫馬事畜産特別を勝ったときもそうだが、最近では控える競馬もできるようになって、レースぶりも安定している。
対するのが、新春賞で重賞初制覇となったエーシンスパイシー。その新春賞では2番手からだったが、大逃げのクリノチョモラーリが最下位に沈んでいることから、実質はこの馬が逃げていたのと同じ。最後は追い込んだニシノイーグルを半馬身しのいでという結果だったが、前述のとおり1番人気のハルイチバンが出遅れていただけに、今回はこのときのような楽な競馬にはならないように思われる。
馬券的におもしろそうなのはニシノイーグル。なぜか新春賞だけは1、1、2着と好走。一昨年は1番人気だったが、昨年も今年も5番人気での激走だった。今年の新春賞での惜しい2着というレースぶりから、杉浦健太騎手が手の内に入れているようで、今回も十分にチャンスはある。
9歳ながら前々走でA1特別を制し、そして今回木村健騎手が手綱をとるマッハタイザン、近6走のA1特別や重賞でいずれも3着以内のアランロド、2走前まで6戦連続連対でクラスを上げてきたイチザゴールドらも上位を狙えそう。
◎8ハルイチバン
◯4エーシンスパイシー
▲9ニシノイーグル
△5マッハタイザン
△7アランロド
△11イチザゴールド
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ばんえい記念に向けて今年こそはのキタノタイショウに期待。前走然別賞は障害で詰まって6着だったが、3走前の睦月特別は障害ひと越5番手から2着、2走前の柏林馬事公苑特別では障害3番手から差し切って勝利と、悪い競馬はしていない。トップハンデではあるものの、4歳のハクタイホウ以外は最大でも20キロ差なら十分にチャンスと見る。
相手筆頭は5歳のコウシュハウンカイ。前走然別賞では、今回とほぼ同じようなメンバーを相手に僅差の2着と好走。初めて負担する800キロは楽ではないが、トップハンデと20キロ差なら互角の勝負も可能ではないか。帯広単独開催になって以降の過去7年で、5歳馬は3着以内に6頭というデータもある。
今シーズンのフジダイビクトリーは旭川記念、ばんえいグランプリと、早い時期に重賞を2勝してしまったため、その後は負担重量を背負わされることになって結果が出ていないが、今回の重量差ならそろそろ出番があってもいいのではないか。
ニュータカラコマも、勝ち切れないまでも近走は好走続き。穴なら、820キロ、9番人気で岩見沢記念を制しているホクショウユウキ。インフィニティーはもう少し重い印をつけようと思ったのだが、軽量4歳馬がいて、さらに当日の雪予報では流れが速くなることが予想され、そうなるとちょっと厳しいかもしれない。
◎5キタノタイショウ
◯6コウシュハウンカイ
▲8フジダイビクトリー
△9ニュータカラコマ
△1ホクショウユウキ
△4インフィニティー
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7頭立ての少頭数ながら、転入後2戦以内という馬が3頭いて、また過去5走の馬柱を見ると1着と2着がひとつずつという、なんとも難解なレース。ならば地元で苦戦続きの馬よりも、転入後の経験が浅い馬たちの変わり身に期待したい。
まずはマイネルガヴロシュ。転入初戦の前走早春賞は、スタートイマイチもハナを取りに行って3頭ほどが競り合い前半が速くなった。まったく息の入らない流れとなり3コーナー過ぎで失速という結果。障害を使われる以前、平地では、芝ではあるものの2000メートルで3勝、1800メートルで1勝という実績。今回2000メートルに距離延長となって力を発揮すると見る。
もう1頭、中央から転入後、出走取り消しがあって、これが2戦目となるのがリッカアリュール。2013年以降の中央では、ほとんど二桁着順ばかりとはいえ、準オープンで勝ち馬から1秒前後の差での入線。とはいえ短距離を中心に使われていただけに、距離をこなせるかどうかが課題。
3走前の九州オールカマーで2着だったセイリオス、前走早春賞では直線伸びて3着だったハカタドンタクらにもチャンスはある。
◎7マイネルガヴロシュ
◯5リッカアリュール
▲4セイリオス
△1ハカタドンタク
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この週末は同じ2000メートルで、日曜日にA1クラスの馬たちによる鏡山賞があり、この嘉瀬川賞はA2クラスの馬たちによるS2重賞。とはいえ実際には、2月14日の唐津湾賞、15日の早春賞の先着馬はこの嘉瀬川賞に出走していて、賞金は安くともレベルの高いレース。
本命は、唐津湾賞で2着だったマイネルパルフェ。唐津湾賞で惜しくもハナ差先着を許したバルーンは、もともとホッカイドウ競馬で重賞勝ちがあり、さらに得意の距離となって力を発揮した。それを考えれば2着はむしろ好走というレース内容。ここ3戦連続連対と好調で、ここでも相手関係的に崩れることはなさそう。
中島記念2着が光るのがコパノエクスプレス。前走佐賀記念JpnIIIも8着とはいえ地元最先着。ときに凡走もあり安定感に欠けるところもあるが、このメンバーに入れば能力上位は間違いない。
マイネルティンランは中央1000万下からの転入2戦目となった前走唐津湾賞で、マイネルパルフェに1馬身差の3着。走り慣れたこの距離で、しかも山口勲騎手への乗替りで上積みも期待でき、ここで一発の期待もできる。人気があまりないようならむしろ狙いはこの馬。
昨年11月の九州大賞典で2着があり、前走早春賞で2着だったシゲルリンゴや、昨年12月の関門海峡特別まで連戦連勝だったコスモウィローらも上位を脅かしそう。
◎3マイネルパルフェ
◯8コパノエクスプレス
▲9マイネルティンラン
△1シゲルリンゴ
△2コスモウィロー
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