
佐賀のB級重賞だが、年末から年始にかけて格付賞金の変更があったようで、それゆえ2走前、3走前はさまざまなレースに出走していた馬たちが集まった。
エーティーランボーは、12月の休養明け初戦がA1特別で、降級となったB-4組戦を快勝。昨年1月にはA1・A2特別を勝った実力。ほとんどの馬が近走A2やB級で苦戦しているというメンバーなら、やはり中心はこの馬。
近走のA級でメンバー中唯一と言ってもいい好走をしているのがガウチョ。2走前のA2戦では勝ち馬から0秒9差の3着。その勝ち馬ロマンチックは、A2級で常に勝ち負けという実力。さらに前走A1・A2特別では着順こそ6着だがS1重賞でも好走があるマイネルパルフェから0秒6差。エーティーランボーを脅かすのはこの馬。
バカニシナイデヨは、兵庫を経由して昨年末に佐賀に移籍。初戦となったB級重賞・師走賞が3着で、前走A2戦でも0秒9差の5着という成績なら、このメンバーに入れば上位争い。
その他は近走で勝ち馬から1秒以上離されて負けている馬ばかりだが、師走賞でバカニシナイデヨから0秒2差で5着に入っていたデビルマンゼウスも上位に食い込んで来る可能性はある。
◎1エーティーランボー
◯2ガウチョ
▲5バカニシナイデヨ
△9デビルマンゼウス
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ティープリーズは、園田に遠征した園田プリンセスカップでトーコーヴィーナス相手にあわやの2着があり、そして地元では3戦行われる2歳馬の準重賞3戦を完全制覇。いよいよ重賞制覇かと期待されたライデンリーダー記念は、先に抜け出したマルヨバナーヌをとらえきれず2着という結果。今回、重賞初挑戦の好調馬との力関係がどうかだが、実績的にもここは何としても勝っておきたいところ。父アジュディミツオーにとっても産駒の重賞初制覇がかかっている。
ともにまだ底を見せていないという成績のハナノパレードとブラックスキャットが12月19日の若獅子特別で2度目の対戦。前回の対戦ではハナノパレードが勝っていたため1番人気になったが、今度は直線2頭の叩き合いとなってブラックスキャットが半馬身差で先着。とはいえハナノパレードは単騎で逃げたレーヌフェアリーをみずからつかまえに行かねばならず、対するブラックスキャットは、それを目標にという展開的なところもあった。ゆえに今回もハナノパレードを上位にとる。ハナノパレードは、ラブミーチャン記念で2着があったメモリードルマンを2走前に3馬身差をつけて勝っているだけに、重賞を勝てる能力はあると見る。ブラックスキャットも乗替って2連勝の岡部誠騎手が今回も引き続き手綱をとるだけにチャンスは十分。
ラブミーチャン記念でティープリーズ(5着)に先着しての2着だったメモリードルマンは、あらためて実力が問われる一戦。
金沢から遠征のベニバナオンリーは、中央から転入後一方的なレースばかりで3連勝中だが、対戦している相手が上級クラスというわけではないので、重い印まではつけられない。
レモンホープは、北海道では勝利を挙げることはできなかったが、ここにきて2連勝と素質開花という可能性はある。
◎2ティープリーズ
◯5ハナノパレード
▲1ブラックスキャット
△7メモリードルマン
△4ベニバナオンリー
△3レモンホープ
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岩手競馬もいよいよこれがシーズンラストのトウケイニセイ記念。ナムラタイタン、コミュニティというツートップが不在となって、これらに続く存在はどの馬かを見極める一戦。
その期待は、明け4歳のライズライン。今シーズン、岩手二冠を含めて3歳重賞を4勝。ダービーグランプリは6着だったものの、初めての古馬重賞、白嶺賞を逃げ切って快勝。いよいよ来シーズンは古馬戦線へ本格参戦ということでも、ここできっちり結果を出しておきたいところ。
キモンレッドは、南関東移籍後も重賞タイトルに手が届かず、しかし3着4着という好走続き。岩手転入初戦となったA級一組特別を6馬身差で圧勝。しかし1番人気に期待された白嶺賞は離されての3着だった。勝負弱いところはあるが、ここは巻き返しがかかる一戦。
クロワッサンは、条件特別を順調に勝ち上がってきて、重賞初挑戦となった白嶺賞でライズラインに1馬身半差の2着。近走は1600メートル戦のみを使われ、ここで一気に台頭という可能性も十分に考えられる。
カミノマーチは、勝ち切れないレースが目立つとはいえ、今シーズンの重賞で掲示板内がじつに6回。抜けたメンバーがいないここなら引続き上位を狙える。
ランドオウジは、白嶺賞はまさかの大敗だったが、今シーズンは1600メートルのすずらん賞を含め重賞3勝。その実力は侮れない。
◎10ライズライン
◯5キモンレッド
▲4クロワッサン
△9カミノマーチ
△11ランドオウジ
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中島記念から中1週ということもあり、その中島記念からは3頭のみの出走。最先着4着のジェットヴォイスでも、勝ったサウスパシフィックからは2秒1も離されたという結果だけに、オープンとはいえかなり格落ちのメンバー。ならば転入初戦の久々でも、北海道の古馬重賞で常に勝ち負けをしていたバルーンで勝負になるのではないか。5カ月ぶりの実戦でどこまで仕上がっているか。
スイングエンジンは中央1000万下から転入し、吉野ヶ里記念勝ちを含め7戦して6回が4着以内、掲示板を外したのはサマーチャンピオンJpnIIIのみと安定して結果を残している。1750メートルの開聞岳賞で4着とはいえ勝ち馬から2秒4の差をつけられていただけに、距離に壁があるかにも思われた。しかしこのときは相手が強かったこともあり、続く1800メートルの雲仙岳賞ではアドマイヤツバサに3/4馬身差2着と、距離をこなせることも示した。今回はさらなる距離延長だが、メンバー的に期待のかかる一戦。
リッカアリュールは中央から転入初戦となるはずだった新燃岳特別が出走取消。今回は仕切り直しの初戦。中央では準オープンで頭打ちという成績だったが、山口勲騎手を配してきたところが期待の現れか。
アドマイヤツバサは、中島記念は9着だったものの、九州大賞典ではそれほど差のない3着という好走歴。ここは巻き返しのかかる一戦。
中島記念で10番人気ながら4着だったジェットヴォイス、中央から転入2戦目での変わり身があればアルフェロアらもこのメンバーなら上位に食い込む余地はある。
◎9バルーン
◯8スイングエンジン
▲6リッカアリュール
△7アドマイヤツバサ
△5ジェットヴォイス
△10アルフェロア
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東海菊花賞で連勝が途切れたノゾミダイヤだが、東海ゴールドカップで勝利。2番手に控えて3~4コーナーで先頭に立って押し切るという強い勝ち方だった。直後でマークしていたタッチデュールが2馬身差で2着。ただそのときは同じ55キロだったのが、今回は別定とはいえ牡馬57キロ、牝馬55キロで2キロ差がついて、タッチデュールが逆転すると見る。ダートグレードでは苦戦だが、地方重賞では常に上位争い。昨年はくろゆり賞を5番人気で制した。2走前のクイーン賞JpnIIIでは地方最先着の4着。しかも3着のブルーチッパーには半馬身差で、あわや3着という惜しい競馬だった。昨年1年間で26戦。これが引退レースとなるトウホクビジンを継ぐのはこの馬かもしれない。
というわけでこれが通算163戦目で引退となるトウホクビジン。昨年秋ごろ、この春での繁殖入りが決まったという噂は聞いていて、どのレースが引退レースになるのかと思っていたが、地元笠松での重賞となった。通算100戦目となった姫路チャレンジカップでの重賞勝ちや、2013年高知・黒船賞で現存する地方競馬全場出走達成となったのが印象に残る。クイーン賞JpnIIIでは4着のタッチデュールに迫っての5着とまだまだ元気。このメンバーなら馬券圏内も可能性はおおいにある。
東海ゴールドカップ4着のドリームカトラス、重賞初挑戦だが園田のA1特別で常に上位争いのエリモミヤビらも上位争いに食い込んできそう。
◎3タッチデュール
○1ノゾミダイヤ
▲4トウホクビジン
△10ドリームカトラス
△9エリモミヤビ
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