
前哨戦ともいえる若鮎賞は、それまで2戦未勝利で、しかも初芝だったマリーグレイスが逃げ切った。地元勢に抜けた存在がいないというレベルなら、やはり過去の結果からも圧倒的な成績を残している北海道勢優位と見るべきだろう。
中心はリンゾウチャネル。アタックチャレンジを制して2歳オープンでも2着と、ここまで4戦オール連対。出走予定だった先週のウィナーズチャレンジが地震の影響で取止めとなってここにまわってきた(と思われる)。これまで1200メートルしか経験がないが、そもそもウィナーズチャレンジは1600メートル戦に出走予定で、血統的にもむしろ距離延長は歓迎だろう。
相手筆頭は、北海道勢の中で唯一、中央の芝を経験しているライズインザノース。その中央挑戦コスモス賞は差のある8着だったが、デビュー戦以外は1600/1700メートルを使われており、距離経験は豊富。今年も北海道のダントツリーディングで、このレースも過去2回制している田中淳司厩舎ということでも注目だ。
前走3着で調子を上げてきたイコライザーは1700メートル戦での大敗があり距離がどうかだが、血統的には問題ないはず。
田中淳司厩舎のもう1頭、アンビートゥンは門別で世代のトップクラスと戦ってきた。
地元勢では、若鮎賞を制して芝適性を見せたマリーグレイスに、その若鮎賞では前残りの展開で差を詰めきれず3着だったミラクルジャガーの巻き返しに期待。層の厚い北海道勢を相手にどこまでやれるか。
◎6リンゾウチャネル
○9ライズインザノース
▲8イコライザー
△14アンビートゥン
△2マリーグレイス
△4ミラクルジャガー
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3歳秋のチャンピオンシップの一戦として新設された3歳重賞。
今年3月のデビューから負けなし6連勝のエイシンエールに期待する。前走初めての1700メートル戦が、初めての古馬との対戦にもかかわらず、2番手から3コーナー過ぎで先頭に立って後続を振り切るという強い勝ち方。その勝ちタイムは良馬場で1分51秒8。1700メートルの持ちタイムでは、ラピッドハーバー、リベリュール、イナクティーレなどがこれより速いタイムで走っているが、いずれも不良馬場でのもの。エイシンエールは、持ちタイムからしても重賞実績馬をまとめて負かす力はあると見る。鞍上の鴨宮祥行騎手は11日、金沢のイヌワシ賞で重賞初制覇を果たした、その勢いにも期待したいところ。
相手筆頭は兵庫ダービー馬コーナスフロリダ。この世代は春まで中心馬不在の混戦だったが、兵庫ダービーに続いて1キロ余分に背負わされた園田サマーチャレンジでもクリノヒビキを負かしたことで、暫定チャンピオンといえる存在となった。あとは重賞初挑戦の◎エイシンエールが本物かどうか。
オータムヘイローも重賞初挑戦となるが、2走前のB1戦がエイシンエールにコンマ2秒差の3着で、園田サマーチャレンジがコーナスフロリダにやはりコンマ2秒差の3着。能力的に差はない。
押し出される形で△のクリノヒビキだが、兵庫ダービー、園田サマーチャレンジともにコーナスフロリダの2着で、初騎乗となる赤岡修次騎手がどんなレースを見せるか。
のじぎく賞を制したトゥリパは牡馬相手となると持ちタイム的にも勝ち負けまではどうか。
菊水賞を制したアゼツライトは木村健厩舎の初出走となるだけに期待したいところだが、その後のレースぶりはイマイチで、転厩しての心機一転、巻き返しなるかどうか。
◎4エイシンエール
○6コーナスフロリダ
▲2オータムヘイロー
△1クリノヒビキ
△11トゥリパ
△9アゼツライト
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トライアルの2戦は、えびの特別はコウユーヌレエフが勝ってタイムは1分28秒2、大隅特別はウィンヴォルケーノが勝って1分28秒6。後者でタイム差なし(クビ差)2着だったヨウエンは、兵庫のC1とC2を行ったり来たりという実力。であれば、兵庫のA級で勝ち負けという成績のキヨマサの実力が抜けている。一昨年の霧島賞にはJRA所属としてトライアルの大隅特別から連勝。霧島賞にはJRA所属馬は1000万円以下のクラスしか出走できないため、昨年はこのレースの前に兵庫に移籍して連覇となった。一昨年が56キロ、昨年が57キロで、今年は58キロを背負わされる。しかし2キロ増以上に能力差はあると見る。前走の大敗は心房細動とのことで、その影響は心配だが、能力を発揮できる状態なら3連覇は濃厚。
トライアルでレースぶりが目立っていたのは、えびの特別で4馬身差圧勝のコウユーヌレエフ。昨年は未勝利のまま出走したえびの特別を制し、それ以来の勝利がえびの特別連覇。中央の500万下では苦戦だが、南関東の条件交流でようやく上位入着ということでは、昨年よりは力をつけている。昨年の霧島賞で、勝ったキヨマサと1秒7あった差を、斤量差も含めてどこまで詰められるか。
カシノランペイジの勝ち星も、佐賀のミヤマキリシマ特別とたんぽぽ賞の2勝。その賞金で1000万条件に格付けされているが、さすがに勝ち負けには厳しい状況。ただ今回、中央馬が500万クラス以下というこのメンバーなら上位争いは可能。
カシノエイシは、JRA所属として出走した過去2年の霧島勝が5着、9着。今年佐賀転入後、B級特別を勝って、A級でも上位争いなら、移籍後は確実に力をつけている。
◎1キヨマサ
○8コウユーヌレエフ
▲5カシノランペイジ
△7カシノエイシ
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高知のミッキーヘネシーは、久々の地元戦だった4月の二十四万石賞では1番人気に支持されたものの5着。早仕掛けもあったが、よほど地元高知には適性がないようだ。その後の着外続きはダートグレードか南関東の重賞で仕方なし。となれば、まともにレースができたのは3月の柏の葉オープン(船橋)での2着まで遡る。遠征続きなのは心配だが、それが実力なら、ここでも十分チャンスはある。
地元の大将格はナガラオリオン。日本海スプリントはスタートのタイミングが合わないなど、まったく流れに乗れなかった。2000メートルは初めてだが、金沢1700メートルのA1特別で大差圧勝があり、息の入る流れなら距離延長も問題ない。
モズオトコマエは、門別・星雲賞2着という実力で、その後もまだ底を見せていない。
そのほか地元勢では、6月の百万石賞を制したマイネルリボーン、そのマイネルリボーンを前走で負かしたドリームズライン、重賞ではあと一息のノースウッドらが上位争いに食い込めるかどうか。
◎8ミッキーヘネシー
○11ナガラオリオン
▲5モズオトコマエ
△10マイネルリボーン
△4ドリームズライン
△1ノースウッド
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3歳アンジュキッスの54キロが魅力的。浦和・桜花賞は直線を向いたあたりでは完全に逃げ切ったかというところ、プロミストリープの強襲に遭って2着。その後は放牧に出て音沙汰がなかったが、復帰戦が遠征で古馬との初対戦。距離適性を考慮しての遠征だろうか。先行タイプが多いメンバーにあって大外枠は楽ではないが、54キロならハナを主張して逃げ切りを期待したい。
ディアマルコの前走読売レディス杯は、スタートでダッシュがつかず、流れに乗れないまま4着だった。とはいえそれが実力でないことは確かで、ここで巻き返してくると見る。ただこのレース、一昨年が4着、昨年が2着、そして名古屋ではそれらを含め4戦して2着3回、4着1回と相性がいいとはいえないのが気になるところ。
重賞初挑戦だった読売レディス杯を制したのが大井のエースウィズ。ハイペースで逃げたスターレーンの脚がゴール前で上がったところを中団から見事に差し切った。今回も先行争いが激しくなれば再現はありそう。
ポルタディソーニは昨年3歳時のこのレースが重賞初挑戦で7着。その後に重賞2勝を挙げるなど確実に力をつけている。ただ今回は強力な遠征勢が少なくなく、上位争いに食い込めるかどうか。
あと一歩のところで勝ちきれないスターレーン、兵庫サマークイーン賞は5着も距離短縮はよさそうなラミアカーサらも上位を狙えそう。
◎12アンジュキッス
○2ディアマルコ
▲4エースウィズ
△1ポルタディソーニ
△11スターレーン
△3ラミアカーサ
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