
チャイヤプーンは、門別で2勝を挙げ、移籍した盛岡初戦の知床賞こそ3着に敗れたものの、先着されたのは北海道からの遠征馬。その後、正月の金杯を含め冬休みを挟んで水沢で3連勝。つまり岩手所属馬にはまだ先着を許していない。前走ルピナス賞では、ほとんど仕掛けずに3コーナーで前をとらえると、鞍上の村上忍騎手は何度もうしろを振り返り、後続の脚色を確認しながら2着のナナヒカリに8馬身差をつける圧勝。岩手ではまだ底を見せていない。
2歳から3歳のA級を勝った馬が少ないなかで、今年度から準重賞となったスプリングカップを圧勝したのがグランフェルメール。川崎から移籍初戦のルピナス賞ではチャイヤプーンの4着に敗れていたものの、スプリングカップでは、馬場状態が違うとはいえ、そのときの走破タイムから一気に5秒近くも時計を縮めた。逆転まであるかどうか。
ルピナス賞で2着だったのがナナヒカリは、北海道では認定勝ちこそなかったものの、ウィナーズチャレンジで3着があり、北海道2歳優駿JpnIIIに出走(7着)した経験がある。移籍3戦目での上積みがあれば、差を詰める場面はあるかもしれない。
中央未勝利から転入して4戦3勝2着1回のエルノヴィオ、兵庫から転入して前走B1戦を勝ったアップバングらは、初めての一線級との対戦でどこまでやれるか。
◎7チャイヤプーン
○9グランフェルメール
▲3ナナヒカリ
△1エルノヴィオ
△2アップバング
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金沢と笠松で重賞を勝ったノブイチか、目下3連勝中のヤマミダンディーかという争いになりそうだが、ひとつ内枠に入って先手をとれそうなヤマミダンディーに期待する。前走は減量の塚本弘隆騎手が外目の枠からやや強引にハナをとると3コーナーからは徐々に後続との差を広げての楽勝だった。この先どこまで伸びるか楽しみな逸材で、吉原寛人騎手が鞍上ということでも楽しみ。
ノブイチは、名古屋のスプリングカップが5着だったが、さすがに相手がサムライドライブでは仕方ない。それを除けば兼六園ジュニアカップ2着以降は負けなし。今回は11月の金沢ヤングチャンピオン以来の地元重賞で、これまで未対戦の上がり馬もいるだけに、それほど楽なレースにはならないと見る。
12月にデビューしてここに来て2連勝と調子を上げてきたジュウワンローズ、前走ノブイチに1馬身差2着のアルファーティハ、世代上位馬相手に善戦続きのマナレアらが2強の争いに食い込めるかどうか。
◎2ヤマミダンディー
○3ノブイチ
▲8ジュウワンローズ
△5アルファーティハ
△9マナレア
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浦和に再度移籍して3戦、結果が出ていないエンパイアペガサスだが、今年は岩手競馬シーズンが始まっても戻らず浦和にとどまった。とはいえ金盃の4着、準重賞・卯月杯の6着は、上位馬の顔ぶれを見てもレベルの高い争いをしていることは間違いない。ゆったり流れる小回りの長距離戦は、おそらく望むところだ。
中日杯でメイジンの5着に敗れたグルームアイランドだが、スタートからずっと前後左右を囲まれ、まったくレースをさせてもらえなかった。直線を向いて馬群がばらけたところでようやく外に持ち出したものの時すでに遅し。メイジンは後続を突き離していた。その後、報知オールスターカップは8着、大井に移籍しての金盃は11着と、ともに惨敗だったが、続く前走卯月杯ではエンパイアペガサスに先着する3着と好走。復調して望む一戦だけに、2年ぶりのこのレース2勝目の可能性もおおいにありそう。
ベルゼブブは走るときと走らないときの落差が大きく、原因は何なのだろう。とはいえ2100メートルの戸塚記念で強い勝ち方をしているだけに、2500メートルのここで能力を発揮という期待はできる。
ハタノリヴィールは昨秋大井から移籍し、年明けにウインター争覇、マーチカップと重賞を2勝。しかし大井ではB級で勝ちきれずという成績で、上記3頭相手では分が悪い。
中日杯を圧勝したメイジンだが、川崎に遠征した報知オールスターカップ(10着)はともかく、地元のA1戦でも惨敗ではあまり強気になれない。
東海ゴールドカップでハタノリヴィールに先着しての2着があるアサクサポイントまで、△はいずれも連下争いまで。
◎6エンパイアペガサス
○2グルームアイランド
▲7ベルゼブブ
△9ハタノリヴィール
△1メイジン
△4アサクサポイント
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10頭立ての少頭数だが、そのうち8頭が重賞勝ち馬。さらに重賞を勝っていないランウェイワルツ、クラバズーカーにしてもダートグレードで2着もしくは3着があるという実績馬が集まり、付けようと思えば全馬に印が付けられる充実のメンバーが揃った。一方で、スーパーステションが2月20日(大井)、ストーンリバーが1月3日(川崎)に出走している以外の8頭は年明け初戦となるだけに難解な一戦だ。
とはいえオヤコダカには負けられない一戦。外回りコースには不安がないでもないが、休養明け初戦でも実績はあり、昨年も4カ月ぶりの実戦でこのレースを制していた。
ドラゴンエアルは、昨シーズン川崎から戻って以降、地元門別での成績は10月の瑞穂賞制覇を含め4戦オール3着以内。昨シーズンの古馬重賞線戦とほとんど変わらないメンバーだけに、ここでも上位争いは必至。
スーパーステションは昨年3歳時、始動こそ遅れたものの、8戦7勝、2着1回。王冠賞とダービーグランプリを制して本格化をうかがわせた。しかし冬期間、南関東に移籍しての2戦はさっぱり。門別に戻っての巻き返しに期待だ。
昨年の道営記念を制したのはステージインパクト。とはいえその道営記念は、オヤコダカがスタート後の先行争いに巻き込まれたこともあり、中団からレースを進めたステージインパクトはペースが落ち着いたところでじわじわと位置取りを上げていって最後にオヤコダカをとらえたという五十嵐冬樹騎手の好騎乗のうえで展開にも恵まれた。あらためて実力が試される一戦。
昨年、遠征も含めて牝馬同士の重賞3勝のジュエルクイーン、昨年のコスモバルク記念2着だったスティールキングらも上位が期待できそうだが、無印の馬まで馬券圏内があっても驚けない混戦。
◎7オヤコダカ
○4ドラゴンエアル
▲1スーパーステション
△10ステージインパクト
△2ジュエルクイーン
△5スティールキング
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佐賀皐月賞は、昨年までは古馬によるB級のS2重賞として行われていたが、S2重賞廃止によって、レース名からイメージされるとおりの3歳重賞となった。
飛燕賞では3着馬に9馬身差をつけてクビ差で1、2着を争ったベルセルクとリンノゲレイロ。今回のメンバーでもこの2頭が優位と見る。惜しくも2着に敗れたリンノゲレイロだが、向正面で先頭に立つのがやや早すぎたような感じはあった。その後の前走、3歳-1組特別では2着に2秒2の大差をつける圧勝で力の違いを見せつけた。飛燕賞の雪辱を期す一戦。
一方のベルセルクは飛燕賞を勝ったあと、古馬B-4組戦で2着なら評価を落とすものではない。
怖いのがトーセンプルメリア。中央未勝利から転入して3着のあと4連勝中。前走1750メートル戦の勝ちタイム1分58秒4は、上記2頭の持ちタイムとの比較ではやや劣るものの、流れ次第では詰めきれないタイム差ではない。
ル・プランタン賞を制したマイメンだが、その勝ちタイム2分1秒0は、◎○との比較ではやや劣る。逆転までは難しそう。
花吹雪賞を制してル・プランタン賞でマイメンにコンマ2秒差の4着だったローザーブルー、南関東から戻って3戦目のスターオブソレイユらが馬券圏内まであるかどうか。
◎8リンノゲレイロ
○7ベルセルク
▲11トーセンプルメリア
△6マイメン
△10ローザーブルー
△1スターオブソレイユ
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