
笠松では2006年から2008年までの3年間、7月上旬にオッズパーク・ファンセレクション・イン・笠松という3歳重賞が行われたことがあったが、そこから2カ月繰り上げて3歳重賞が新設された。
クルセイズスピリツは、新緑賞では逃げて6着に敗れたが、終始ユーセイスラッガーにぴたりとマークされて苦しくなり、直線ではすでに脚が残っていなかった。しかしながら3走前には笠松で古馬A3特別を、前走では名古屋で同じく古馬A3特別を快勝しており、この時期の3歳馬としては相当に能力が高いと見る。
その新緑賞を制したのがビップレイジング。3コーナーまで中団でじっくり脚を溜め、先行勢の潰し合いを直線見事に差し切った。中央遠征の2戦は結果を残せなかったが、スピード競馬を経験したことで力をつけた。
ウォーターループの前走東海クイーンカップは、人気薄の逃げ馬を2番手で追いかけて早め先頭、レコパンハロウィーの追い込みを封じるという、展開にも恵まれたが鞍上の好騎乗だった。牡馬との対戦となるこのメンバーに入ってどこまでやれるか。
新緑賞でやや差のある3着だったユーセイスラッガーは、連下争いまで。
兵庫から遠征のフセノランは、前走菊水賞が2着だったが、勝ち馬には6馬身離された上に、今年の兵庫の3歳勢はレベル的に疑問で、同じく連下まで。
◎8クルセイズスピリツ
○5ビップレイジング
▲4ウォーターループ
△7ユーセイスラッガー
△2フセノラン
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南関東から戻って赤松杯を制したベンテンコゾウにとっては、勝負付けが済んだ相手ばかり。大井から遠征の2頭もB級で苦戦という馬たちなら、船橋のA2特別を2連勝してきたこの馬には敵ではない。ここは今後の大舞台へ向けての通過点。
中央オープンから昨秋転入し、絆カップとトウケイニセイ記念を制したタイセイファントムが実力2番手。
白嶺賞でタイセイファントムを負かしているイーグルカザンだが、その後の桐花賞、赤松杯ではともに差のある4着。ここはタイセイファントムと10歳馬同士で2番手を争う。
A級特別では勝ち負けも重賞ではやや壁があるヒドゥンブレイド、プリンスダムらは、上記の馬たちのいずれかが崩れたときに馬券圏内に食い込む余地がありそう。
◎5ベンテンコゾウ
○3タイセイファントム
▲2イーグルカザン
△4ヒドゥンブレイド
△7プリンスダム
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デビュー以来連対を続けてきたヴァリヤンツリは、土佐春花賞で初めて3着に惜敗し、さらに続く仙台屋桜特別でも2戦続けてレマンコに先着を許した。しかし続く前走、古馬C1戦では3馬身差の快勝と能力の高さを見せた。ここは巻き返しのかかる一戦。
デビューから初勝利まで17戦を要したレマンコだが、その中で世代トップと互角の争いをできるだけの力をつけてきた。3歳2戦目にデビュー以来の初勝利を挙げて以降では、8戦5勝といよいよ本格化。2歳時には2強牝馬に遅れをとっていた第3のオトコが一冠目に挑む。
ネオプリンセスは、金の鞍賞制覇から3カ月ぶりの出走となった土佐春花賞では、逃げたものの3コーナーでヴァリヤンツリにとらえられると直線まったく手ごたえをなくして失速。初めての惨敗だった。それが実力でないことは明らかで、立て直して臨んでくるかどうか。打越勇児調教師は、目下のところ雑賀正光調教師を抑えて全国リーディングのトップ。勝率でも31.2%(5月3日現在)という高い数字をマークしている。
土佐春花賞を制したスターアイリスは、中央から転入後の4戦すべてで手綱をとっていた木村直輝騎手が期間限定騎乗を終えて岩手に戻ったため、今回は佐原秀泰騎手で臨む。
中央未勝利からの転入初戦を制したプラズマディライトもあなどれない存在だ。
◎4ヴァリヤンツリ
○11レマンコ
▲6ネオプリンセス
△9スターアイリス
△1プラズマディライト
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昨年のこのレースを制し、年末には中日杯を制したメイジンはオグリキャップ記念へ遠征、圧倒的な強さでA1特別2連勝のナガラオリオンは登録のみで回避となり、チャンピオン級は不在となった。
であれば、これまで2着3着は何度もありながらあと一歩のところで重賞タイトルに手が届かないまま8歳になってしまったマイネルリボーンにいよいよ初タイトルのチャンスが巡ってきたといえそうだ。冬休み明け初戦を快勝して臨む一戦だけに期待したいところ。
トウショウプライドは昨年6月の百万石賞が7歳にしての重賞初勝利。昨年のこのレースと中日杯は、ともに勝ったのはメイジンだが、マイネルリボーンとは2、3着を分け合った。冬休み明け3戦目での上積みがあるかどうか。
大井から再々転入したプラチナバディは、その2戦目となった兼六園観桜特別でトウショウプライドに2馬身差をつけて完勝。前回金沢に在籍していた2015年にはA1特別でたびたび好走がありながら勝利には至らず、重賞挑戦は3歳時のサラブレッド大賞典(4着)以来となる。
冬季の笠松遠征では白銀争覇3着があったディアグリスター、中央2勝から転入して3戦目となるトウショウコマンチらも争覇圏。
◎11マイネルリボーン
○10トウショウプライド
▲2プラチナバディ
△9ディアグリスター
△6トウショウコマンチ
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マイタイザンが人気になりそうだが、中央オープンから転入し、今回が5戦目となるキクノソルに期待する。転入初戦の新春賞ではマイタイザンの3着に敗れたものの、佐賀記念JpnIIIでは前3頭からは離されたものの地方最先着の4着と見せ場をつくった。そして1番人気に支持された六甲盃は向正面で先頭をとらえると3コーナー過ぎで単独先頭。そのまま完勝かに思えたが、ゴール前では脚が上がってしまい、後方からロングスパートのノブタイザンにとらえられてしまった。慣れない長距離戦ということもあっただろうが、先頭に立つのがちょっと早すぎた。続く前走A1特別では抜群の手ごたえのまま3コーナーで前をとらえると、直線では軽く気合をつけられただけで後続を突き離し独走。8歳とはいえ、さすがに中央オープンの実力を見せつけた。
マイタイザンは年明けの新春賞を逃げ切って見せた。続くA1特別では2着のマークスマンに7馬身差をつける圧勝。5歳になっての充実ぶりがうかがえるレースぶりだ。
エイシンニシパは前走佐賀のはがくれ大賞典制覇など、遠征を含めて重賞で常に好走を見せている。マイタイザンとは勝ったり負けたりなだけに、ここでもチャンスは十分。
新春賞のゴール前でマイタイザンにアタマ差まで迫ったのがエイシンホクトセイ。ここまで重賞未勝利も、2着3着は何度かあり、どこかでチャンスは巡ってきそう。
六甲盃では見事なまくりを決めて兵庫ダービー以来の重賞制覇となったノブタイザン、同じく六甲盃でコンマ4秒差の4着と善戦を見せたアサクサセーラらも上位食い込みは可能。
◎6キクノソル
○8マイタイザン
▲7エイシンニシパ
△12エイシンホクトセイ
△5ノブタイザン
△3アサクサセーラ
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