
今年の佐賀ヴィーナスカップが重賞初挑戦(4着)だったアンバラージュは、その後全国を転戦することで力をつけてきた。タイトル奪取には至らなかったものの、地方馬同士の重賞では2着、3着と好走を続けた。そして地元に戻っての九州大賞典でも、勝ったグレイトパールには離されたとはいえ2着を確保。その後、今回と同じ1800メートルの準重賞を連勝と、好調持続で臨む一戦。A2格付ゆえに53キロでの出走も有利だ。
九州大賞典ではあらためて力の違いを見せたグレイトパールだったが、前走小岱山賞では見せ場をつくれず、勝ったアンバラージュから差のある5着。内枠で外に持ち出したら終始大外をまわらされてしまうなどロスが多かったうえに、左後脚が落鉄していたとのこと。今回は外目の枠に入り、前走から中1週。九州大賞典を圧勝したときも休養明け初戦から中1週だっただけに、能力を発揮できる条件は揃った。ただ1800メートルでは距離不足という可能性は否定できない。
B級まで順調に勝ち上がったゲットワイルドは、一線級との対戦となっても3、2、2着。その3戦とも、常にひとつ前にはアンバラージュがいた。その着差からも逆転までは難しそうだが、どこまで迫れるか。
復帰2戦目の筑後川特別を勝ったキングプライドだが、例年、秋に復帰してのこの時期はまだ復調途上。本来の能力を発揮するのは年明けと思われる。
◎6アンバラージュ
○10グレイトパール
▲5ゲットワイルド
△7キングプライド
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ここは黒潮ジュニアチャンピオンを制したハルノインパクトに逆らう手はなさそうだ。続く前走でも古馬C3-6組という、今回の出走メンバーでも古馬格付のもっとも高い組番のレースを勝利。直線追い比べとなった2着馬には半馬身差だが、着差以上に余裕のある勝ち方だった。1300メートル戦でコンスタントに1分25秒台をマークしているということでも、今回のメンバーでは能力的に一枚抜けている。
これを負かす可能性はトーセンジェイク。中央未勝利から転入しての初戦は、向正面からほとんど馬なりのままで後続との差を広げ、直線で軽く気合をつけられただけで楽勝。1300メートルの勝ちタイムは1分28秒8と平凡だが、ほとんど追われないままで、しかも高知ではめずらしい良馬場だった。2秒や3秒はタイムを縮められそうで、ハルノインパクトを負かすとすればこの馬かもしれない。
黒潮ジュニアチャンピオンでハルノインパクトに1馬身差まで迫ったのがブラックマンバ。その後古馬相手に善戦しているが、逆転まではどうだろう。
9月10月にブラックマンバを2戦続けて負かしていたスターフェネック、門別1勝から転入して4戦目となった前走古馬C3戦で高知初勝利を挙げたエゾフウジンらも能力的にはそれほど差はなさそう。
◎11ハルノインパクト
○8トーセンジェイク
▲9ブラックマンバ
△2スターフェネック
△4エゾフウジン
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サクセスエナジーは休み明けのオーバルスプリントJpnIIIを快勝し、目標としていたJBCスプリントは痛恨の出遅れだった。3走前のプロキオンステークスGIIIでもスタートで出負けし、芝の部分でダッシュがつかず流れに乗れないままだった。それら敗因がはっきりしているレースを除けば、今年挙げた3勝は58〜59キロを背負ってのもの。地方のコーナーを4つまわる1400メートル戦は得意の舞台で、トップハンデ58.5キロでもチャンスは十分と見る。
逃げ馬が何頭か揃ったなかで、ラプタスは大外枠に入ってしまった。ゴールドクイーンとの先行争いがカギとなりそうだが、地方の1400メートルは2戦とも強い逃げ切りを見せているだけに、すんなりハナでマイペースならあっさり逃げ切りのパターンも。
ベストマッチョは、川崎に移籍して浦和のプラチナカップを勝ち、オーバルスプリントJpIIIでもサクセスエナジーの2着。どちらも森泰斗騎手が2番手で我慢させる競馬をしているだけに、今回前が競り合ってくれれば展開が向く可能性も。
ゴールドクイーンは芝に戻って結果が出ず。今回は4カ月ぶりの実戦で力を発揮できる状態にあるかどうか。
トップウイナーは2勝クラスからオープンまで3連勝で本格化を思わせたが、その後の重賞では善戦まで。今回も実績馬相手にハンデ56キロでは連下の食い込みがあるかどうか。
船橋のサロルンは初遠征で重賞初挑戦だった楠賞を制してデビューから7連勝。今回と同じ園田1400メートルで、そのときの勝ちタイムが1分27秒8。ここ3年のこのレースの勝ちタイムが1分26〜28秒台で、しかも楠賞のときより4キロも軽いハンデ52キロなら十分通用しそうだが、地方馬同士のような楽なレースにはならないだろう。
◎3サクセスエナジー
○12ラプタス
▲5ベストマッチョ
△7ゴールドクイーン
△10トップウイナー
△1サロルン
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今シーズン開幕後に船橋から転入したタイセイブラストは、ここまでA一組やオープン特別・重賞で10戦6勝、2着2回。しかもマイル戦に限ると4戦3勝で、3着に負けたすずらん賞は、先着されたのがヒガシウィルウィン、パンプキンズという現役岩手のトップホース。今回はそのレベルの馬が不在となって、重賞初制覇のチャンスといえそう。
対するは3歳のグランコージー。2000メートルの不来方賞やダービーグランプリではみずから厳しいペースの逃げに持ち込んで勝負に挑んだが、強敵相手に粘りきれずの3着。前走イーハトーブマイルも3着だったが、アタマ+1/2馬身とわずかの差。5月のことだが水沢1600メートルのダイヤモンドカップでは、その後の岩手二冠に加えてダービーグランプリも制したフレッチャビアンカに9馬身差をつけて制していた。今回は満を持しての古馬初対戦となるが、2キロ軽い55キロの斤量で相性のいい舞台ならチャンスはありそう。
センティグレードは前走師走特別でタイセイブラストに4馬身差、同じくスカイサーベルはさらに2馬身差で、それぞれ2、3着。決定的な差をつけられていただけに、今回はどこまで迫れるか。
アドマイヤメテオは、昨年の今頃は絆カップ、白嶺賞、そして桐花賞といずれも3着と重賞で善戦しており、2走前のA一組特別で今年3月以来久々の勝利を挙げた。水沢1600メートルは力を発揮できる舞台だ。
◎3タイセイブラスト
○8グランコージー
▲1センティグレード
△10スカイサーベル
△11アドマイヤメテオ
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リュウノシンゲンはここまで7戦5勝。2度負けたのは芝の若鮎賞と、北海道からの遠征馬2頭に先着された南部駒賞だけ。その南部駒賞も接戦の2着争いの3着で、勝ち馬ともコンマ3秒差だから展開次第ではというところがあった。水沢コースは新馬戦以来だが、距離は経験しており地元馬同士なら負けられないところ。
マツリダジョオーはここまで7戦2勝だが、水沢コースに限れば3戦2勝、2着1回。前走、今回と同じ舞台のフューチャーステップでは、2コーナーを最後方で回って向正面からのマクリ。直線ではミズサンフェイムとの追い比べとなったが、これを半馬身差でしりぞけ1番人気こたえた。展開がハマれば一発はある。
グランフォロミーは門別デビューでアタックチャレンジを制し、知床賞5着のあと、今回が移籍初戦。1700メートルのウィナーズチャレンジは差のある7着だったが、勝ったシビックドライヴはその後サンライズカップを制し、5着のギガキングも南部駒賞を制したように、相手が強かった。そうした強敵相手や距離の経験は大きい。
ファイントリックは知床賞ではグランフォロミーに先着する4着で、牝馬同士のプリンセスカップは1、2着の接戦から5馬身離されての3着。ジュニアグランプリで芝1600メートルは経験しているが、今回ダートでは初めての1600メートルがどうか。
シラカミロードは、若駒賞がリュウノシンゲンに4馬身差をつけられての2着で、南部駒賞が大きく離されての9着。成長力という点で気になるが、リュウノシンゲンと4度戦って2着2回という実績は評価したい。
◎8リュウノシンゲン
○7マツリダジョオー
▲6グランフォロミー
△3ファイントリック
△1シラカミロード
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